「動くな~っ!」
「俺がずぅ〜と止まってる間に、動く機械が増えてやがる…。 動くものは、敵だぁっ!」
「トケイ流、10時10分斬りぃっ!」
登場話数:バクアゲ3「運転屋が止まらない」
データ
全高/187cm(ギャーソリン大暴走体/44.3m)
重量/249kg(ギャーソリン大暴走体/590.6t)
エンジン/今はもう動かない古時計
スピード/時刻周回遅れ
カスタム/長針セイバー、短針ブレード
ナンバー/1010
ファーストラウンド(コース/田舎の山)
セカンドラウンド(コース/ハイウェイ空間)
ファイナルラウンド(コース/ビル街)
概要
ハシリヤンが、今はもう動かない古時計に込められた燃えるレトロ魂をイグニッションし、地球に納車された苦魔獣。
長年放置された柱時計の外枠が弾け、内部機構が鎧として再構成されたみたいな外見が特徴。
歯車の噛み合った歯が見える大口の目立つ頭部は額に「10時10分」で止まった文字盤が付き、錆び付いた歯車とそれを収める枠等から成る胸当てと肩鎧を装着。その下に振り子の先端を模した丸パーツが目立つ胴鎧も着込む。
そして右手に時計の長針を模した『長針セイバー』、左手に時計の短針を模した『短針ブレード』を携えており、後述の思考や行動もあって過去より復讐の為に甦った辻斬りの甲冑騎士にも見える剣呑な第一印象も有する。
腰ベルトのバックルに付いているナンバープレートのナンバーは「1010」。
元となった古時計の、長い事機能停止状態で放置されていた怒りの思念の影響で、自分以外の動く存在を人・物問わず毛嫌いしており、それが視界に入ると「動くなー!」「動くんじゃねぇ!」と喚きながら走って追いかけ、両手の剣による二刀流で斬り裂き、遠方の対象には斬撃を浴びせ破壊しようとする。
これによる破壊活動の混乱でギャーソリンを発生・収集すると同時に、その通り魔的思考と高い攻撃力がそのままハシリヤンの地球侵略作戦の主戦力として機能する副次効果も生じさせている。
戦闘時は恨みの籠った二刀流と斬撃で畳み掛ける近接戦が主だが、ハシリヤンのマーク付きの文字盤と共に交差斬撃を放つ『10時10分斬り』なる必殺技も持つ。二刀流から繰り出される剣戟や斬撃は、車等鋼鉄製の物体を容易く切断する破壊力があり、制服警官の装備程度ではまるで歯が立たない凶悪な存在であるのは間違いない。
また体表面が古くサビている故に苦魔獣共通の特徴のネジも、錆び付きネジ穴が潰れた状態にあり、ネジ外しによる外装の解体を無効化している。
戦闘能力の反面、自分の恨みの感情に忠実な嫉妬深い性格で、一応の生み主であるサンシーターの3人が加勢しようとしても圧を掛けて静止させた程。この為味方との連携が出来ず、終始単独行動しか取れずに終わってもいた。
加えて動くものへの恨みに忠実過ぎる性質から、動くものへの逆恨みに塗れた長台詞をしばし呟く一方、動かないものへは一転して興味を失う極端さも持つ。他にも視線に動くものが入るとそちらに興味が移ってしまう等、全体的に偏執的かつ注意散漫気味な気質が見受けられる。
また、以前の苦魔獣がモチーフに沿った能力を振るい戦っていたが、壊れて動かない物を素体にした影響か、時計モチーフの怪人にしては珍しく、時間を止めたり戻す等の能力を持っておらず、戦法自体は力任せで暴れるだけの実態を考慮すると、総合的な戦闘能力は低い部類かと思われる。
本編での動向
前回でギャーソリンを収集失敗したサンシーターは、案の定その報告を受けたマッドレックスに咎められ恫喝紛いの叱責と催促を掛けられる。
これに慌ててイターシャが手近な壁にあった柱時計にハシリヤンイグニッションキーを装填、「大きなのっぽの、古時計……!」と呟きながら誕生した。
「さあ、次に動いて斬られる奴はどいつだ~っ!?」
そして街中に現れるや、すれ違った車を横一閃に斬って捨てる等の無差別破壊を展開、人々の悲鳴を煽りギャーソリンを発生させていく。
対して迎撃に現れたブンレッド・ブンブルーは、早々に動かないものへ無関心な習性に気付きだるまさんが転んだ戦法で動きを一旦止め隙を見せたら反撃するやり方で様子を窺っていたが、たまたま通りすがった警察官が自分の自転車を斬撃で真っ二つにされたので、トケイグルマーを静止させようと割り込んで来た為に奇妙な三つ巴の戦闘に発展。
その上で届け屋の仕事中の未来が玄蕃から提供されたママチャリに乗って周りをうろついたので、その内に未来へ興味が移り斬撃で周りを蹴散らしつつその場から離脱する。
「動くんじゃねぇっ! 当たれぇぇッ!!」
未来「当たるかぁぁっ!! ぎゃあっ、うお~っ!?」
「当たった~ッ!」
ママチャリで田舎の山道を登る未来の後を走って追い掛けた末、斬撃を連続で浴びせての爆風で転ばせて足止め。散々追い掛け回した苛立ちか、倒れて動けないにも拘らず斬り付けてトドメを刺そうとしたが、大也と射士郎を乗せたブンブンスーパーカーが割り込み、不意打ちのブースター噴射で盛大に吹っ飛ばされてしまう。
そこから立ち直るまでにブンブンジャー3人も集合。名乗りに対し「名乗るな~!」と怒りつつ交戦に入るも、猛攻を掻い潜りながらの多方向よりの反撃に押され、その末でバクアゲハンドリングドライブ(ロッドVer.)が炸裂、「ボーン・ボーン・ボーン……」と呟きつつ敗北。
その後、ヤルカーを介してギャーソリン大暴走体になり「時計〜!」と呟きつつ巨大化し復活。繰り出されたブンブンジャーロボとビル街で剣戟を打ち合う。
ウエディングドレスグルマー戦時と同様に、外装をブンブンオフロードのドライバーで外装を外されそうになるも、ネジが古くて錆びついていた故に失敗。そこから二刀流による攻撃力の差で圧倒、10時10分斬りも浴びせて勝ち誇る。
レッド「古いな」
レッド&ブンブン『9時、15分斬りっ!!』
だが「ならば」とばかりにブンブンジャーは、ちょうど最終チューンアップが終わっていたブンブンクラシックを召喚、それを左腕に装備し同じく二刀流に。こうして攻撃力の差を埋められた上での剣戟で追い詰められた挙句、起死回生の10時10分斬りも対抗して繰り出された『9時15分斬り』に押し負かされて機能停止レベルの致命傷を喰らい、「今はもう動かない……そのと〜け〜いィィ!!」と無念と哀愁漂う辞世の句を残し爆散した。
余談
- プレートのナンバーはそのまま「“10”時“10”分」から取られている。なお10時10分というのは、多くの腕時計メーカーがアナログ腕時計をショーウィンドウに展示する際、「時・分・秒の針が重ならない」「美しく、引き締まって見える」「ブランドロゴが隠れない」という理由で設定している時刻である。
- 必殺技である10時10分斬りの元ネタは昔の運転免許講習におけるハンドルの持ち方を表した物と東映公式で記載されており、先述の10時10分からの連想込みで考えられたものと思われる。対してこの技を打ち破った9時15分斬りは、現在の持ち方を暗示している。
- ちなみに『未来戦隊タイムレンジャー』のベクターエンドを思い出した視聴者も多いが、実は今回繰り出されたパターンのビート(斬撃)は無かったりする。
関連タグ
時計仮面、タイムラー、タイムモンガー、タイムヅノー、ジクウマンモス、時計オルグ、ギガノイド第3番「時計」、タイマーのバクトフージER、クロックシャドー、妖怪ネコマタ、妖怪マタネコ、ヒドケイワルド、未来鬼:時計モチーフの戦隊怪人の先輩達(特にクロックシャドーは性格は真逆だが二刀流の使い手)。