概要
恐竜類(Dinosauria)は、主竜類に属する爬虫類の一群。中生代の三畳紀に誕生し、鳥類が現生している。最も大きな特徴は「脚が胴体の真下に伸びていること」である。今生きている他の爬虫類は、腕立て伏せをするときの肩のように、脚が体の横に張り出している。
学術研究の速度がとても速く、復元図や分類から標準学名までがころころ変わるので、
描くときには最新の学説を確認するのが吉。
定義
分岐分類学上の定義は「鳥類(竜盤類)とトリケラトプス(鳥盤類)の最も新しい共通祖先Xと、そこから派生する全ての子孫」である。
上の定義に当てはまらない魚竜類、首長竜類、翼竜類、モササウルス類、単弓類、現生爬虫類(ワニやトカゲなど)は含まない。
便宜上、人間の都合で恐竜は爬虫類、又は鳥類は爬虫類とは呼ばない風潮になってしまっているが、実は鳥類が恐竜の生き残りであることは骨格の酷似、気嚢システム、羽毛の発見などの証拠により、最近では常識になりつつある。
絶滅
白亜紀末の大量絶滅により滅びたが、種の多様性自体はその遥か以前から減少傾向にあったとする見解もある。アラモサウルス(史上最大級の恐竜であった可能性がある)やヒプセロサウルス等のようにK-Pg境界 境界(大量絶滅)を生き延びた可能性のある種類も発見されてきている(ただし、6500万年前の化石の年代測定において50~70万年程度は誤差なので、これらの恐竜が本当に新生代まで生き延びたか疑問もある)。
鳥との関係
鳥類(鳥)は、現在では恐竜に含まれることが確実視されている。
普通、鳥を恐竜とは呼ばないが、1996年以降、鳥のような羽毛をもった羽毛恐竜の化石が数多く発見され、鳥と恐竜とは密接な関係にあることが示唆された。中には、ミクロラプトルのように翼をもち、空を飛んだと推測される種の発見もあり、「恐竜から鳥が進化した」とする考えが古生物学者の定説になっていった。
また、鳥が恐竜から進化したという説が有力視されたことから、鳥類と同じ構造の呼吸器(気嚢)を、恐竜が持っていたという仮説があった。そして2005年に、少なくとも鳥に近い鳥に近い獣脚類は気嚢を持っていたことが化石から確認された。これにより鳥と恐竜の関連が一層強化された。現在では気嚢は獣脚類を含む竜盤類全体が持っており、中生代の低酸素環境下、大柄な身体で活発に動くのに役立ったと考えられている(鳥盤類に気嚢があったかどうかは明らかでない)。
鳥類の肺は哺乳類のように伸縮することがなく、全身に8つある気嚢がふいごのように動いて空気を送り込む役割を果たす。この鳥類の呼吸システムは呼気と吸気が混合しないのでガス交換の効率が極めて高い。恐竜の気嚢も同様のしくみであったと考えられる。
最初の鳥は、恐竜というグループの中に現れた。恐竜から鳥が生れたのなら、鳥も恐竜と呼ぶのが道理である。鳥と恐竜とは対立するグループではなく、恐竜の中に角竜や、剣竜や、ティラノサウルスの仲間や鳥がいるのである。分岐分類学というこの考えに従えば、「鳥は恐竜の中の1グループである」「恐竜は絶滅などしていない」といえ、現在では「鳥を除いて絶滅」といった表記が用いられることが増えている。このため、単に「絶滅した恐竜」という言い方だけではリョコウバトやオオウミガラスなども含まれるといっていい。
哺乳類との関係
三畳紀に哺乳類の先祖である単弓類(哺乳類型爬虫類)が衰退し、恐竜が台頭。白亜紀末の恐竜の絶滅により、陸上では哺乳類が繁栄を遂げた...というように、哺乳類(単弓類)と恐竜は因果な縁に見えるが、これは偶然ではなく、両者の呼吸能力の差が関係している。
三畳紀~ジュラ紀は空気中の酸素濃度が低く、現在の半分程度しかなかった。恐竜のうち少なくとも竜盤類(竜脚類、鳥類を含む獣脚類の系統)は気嚢を獲得していたことから、中生代の低酸素環境でも活発に動くことができ、身体の巨大化にも有利であったとみられる。これに対し哺乳類は横隔膜を進化させて対抗したが、呼吸効率においては気嚢に劣るものであった。
哺乳類が恐竜との競合を避け、活路を見出したのが夜である。今日、サル類を除く多くの哺乳類は二色色覚(赤と緑の区別がつかない)であるが、それはこの時期に夜間の活動に適応したためである(サル類は後から独自に三色色覚を進化させた)。
白亜紀には酸素濃度が上昇し、酸素不足で行動がのろまだった哺乳類の動きが徐々に活発になっていったと考えられる。一部の哺乳類は昼への進出、肉食化、大型化(といっても体長1メートル程度)を果たしたが、当時は多くの生態的地位が恐竜に占められており、さらなる多様化・大型化は非鳥類型恐竜の絶滅を待たなければならなかった。
イラストの題材としての恐竜
ここでは実在した恐竜の絵に関してのみ記述する。
Pixiv上のイラストに付くタグとしては絶滅した大型爬虫類全般、またはそれに似たクリーチャーのイラストに付くことが多い。
どの古生物にも言えることだが、実物がいない上、創作物と違って「公式イラスト」もないので、自由な反面、正解といえるものがなくあやふやになりがちである。なるべく化石や復元骨格の資料をよく観察して、その形状や構造を把握し、現生の動物に関する解剖学や恐竜の生態に関する信頼の置ける学説に基づいて生前の姿を推定することが大切になる。
色については多くの場合ほぼ不明なので、想像で塗るしかない。デフォルメしてキャラクター調にするときは便利な点ではある。復元図は現生の近縁な生物である鳥類やワニなどから類推されている。
また、近年になってある羽毛恐竜の尾から、色素を含む細胞内小器官が発見され、体色や模様パターンが科学的に再現可能となった。これにより数種の恐竜が本来の色合いで描けるようになり、図鑑などでは色が統一された。
分類
恐竜自体は、爬虫類のなかでも双弓類の主竜類に分類される。今生きている主竜類には他に鰐類がいるので、トカゲよりはワニに近い。同時代の翼竜とは兄弟にあたる。
爬虫類 Reptilia
■双弓類 Diapsida
●主竜類 Archosauria
○鰐類 Crocodilia
○恐竜類 Dinosauria
一口に恐竜と言っても様々なグループからなる。竜盤類と鳥盤類に大別され、さらに以下のように細かく分けられる。ここに示したのは主なもので、載せていない小さなグループも多い。
剣竜と鎧竜は装盾類として、角竜と堅頭竜類は周飾頭類として括られる。
ただし、最近の研究では、ヘレラサウルス科を除く獣脚類が鳥盤類に近縁という説が提唱されている。
なお、羽毛の存在する(ことが確認された)恐竜を、特に羽毛恐竜として区別する場合がある。
主な恐竜
三畳紀
ジュラ紀
獣脚類 |
---|
大型 |
アロサウルス ヤンチュアノサウルス シンラプトル メトリアカントサウルス メガロサウルス アフロヴェナトル トルヴォサウルス |
中型 |
ケラトサウルス ディロフォサウルス クリオロフォサウルス シノサウルス エウストレプトスポンディルス |
小型 |
オルニトレステス コンプソグナトゥス スキウルミムス グアンロン チレサウルス リムサウルス エピデクシプテリクス イー アンキオルニス 始祖鳥 |
竜脚類 |
---|
ディプロドクス(セイスモサウルス) アパトサウルス スーパーサウルス カマラサウルス ブラキオサウルス エウロパサウルス チュアンジェサウルス マメンチサウルス ジョバリア トゥリアサウルス ケティオサウルス |
白亜紀
竜脚類 |
---|
アマルガサウルス ニジェールサウルス アグスティニア オピストコエリカウディア ティタノサウルス サルタサウルス アンペロサウルス アラモサウルス アルゼンチノサウルス ルヤンゴサウルス パタゴティタン パラリティタン ダシアティタン フクイティタン サウロポセイドン エウヘロプス タンバティタニス(丹波竜) |
鳥脚類 |
---|
イグアノドン フクイサウルス テノントサウルス オウラノサウルス ムッタブラサウルス ヒプシロフォドン レエリナサウラ テスケロサウルス ハドロサウルス マイアサウラ エドモントサウルス サウロロフス パラサウロロフス ランベオサウルス チンタオサウルス コリトサウルス ヒパクロサウルス ニッポノサウルス オロロティタン |
新生代
獣脚類
鳥類を参照。
その他
英語ではdinosaurと書き、“恐竜のように”一昔前は流行っていたが今や時代遅れなものという意味で使われることがある。
例文:
One day,Hestia ribbon is going dinosaur.
(いつか、例の紐は時代遅れになるだろう。)
関連イラスト
オリジナル
版権
関連動画
- 【恐竜を題材とした子供向けCGアニメ『Super Dinosaur』】(英連邦加盟国カナダの子供向けTVチャンネル『Teletoon』にて放送中)
恐竜を題材とした作品
アニメ・漫画
- のび太の恐竜
- のび太と竜の騎士
- のび太の新恐竜
- 熱血最強ゴウザウラー
- おまえうまそうだな
- 恐竜惑星
- 白亜紀恐竜奇譚竜の国のユタ
- ゲッターロボ
- ジャバウォッキー
- 大空魔竜ガイキング、ガイキングLEGENDOFDAIKU-MARYU
- ムカムカパラダイス
- 恐竜冒険記ジュラトリッパー
- 現存!古代生物史パッキー
- ザ・グッドダイナソー(邦題:アーロと少年)
- リトルフット
- 恐竜世紀ダイナクロア
- 恐竜ノッシーの大冒険
- 赤ちゃん恐竜ドゥーリー
- ダイノゾーン
- ギャルと恐竜
ゲーム
特撮
映画
- ジュラシック・パーク
- ウォーキングwithダイナソー
- ロストワールド
- REX恐竜物語
- 原子怪獣現わる
- ダイナソー
- 恐竜・怪鳥の伝説※生物学的にはどちらも恐竜ではない
ドラマ
マスコット
小説
- 恐竜クライシス
- 竜の眠る浜辺
関連キャラ
アニメ・漫画
- メカザウルス(ゲッターロボ)
- ダイノボット(トランスフォーマー)
- 恐竜戦隊(トランスフォーマーV)
- ビーストメガトロン(ビーストウォーズ)
- 破壊大帝マグマトロン一派(ビーストウォーズネオ)
- ZOIDS(ゾイド)
- 恐竜族(遊戯王OCG)
- ティラノ剣山(遊戯王GX)
- ディエゴ・ブランドー(ジョジョの奇妙な冒険)
- X・ドレーク、ページワン、クイーン、うるティ、ササキ←リュウリュウの実古代種の能力者(ONEPIECE)
- サイボーグ恐竜タンギラー(一峰大二版ウルトラマン)
- 恐竜人※(居村眞二版ウルトラマン80)
※知的生命だが、恐竜人間の説が発表される前の作品に出たのでイメージの恐竜の姿をしている。
ゲーム
- 化石ポケモン(ポケットモンスター)
- アグモンなどの恐竜型デジモン(デジタルモンスター)
- ヨッシー(マリオシリーズ)
- 軍艦サウルス(メタルマックスシリーズ)
- ティガレックス(モンスターハンターシリーズ)
- バーン・ディノレックス(ロックマンX5)
- ディノ(モンスターファーム)
- キンダック・エビチリ・バンバンジー・アンニン(コロッケ!Great時空の冒険者)
特撮
- 守護獣・獣騎神(恐竜戦隊ジュウレンジャー)
- 爆竜・武鋼竜・復活(爆竜戦隊アバレンジャー)
- 獣電竜(獣電戦隊キョウリュウジャー)
- 騎士竜(騎士竜戦隊リュウソウジャー)
- 鋼鉄剣竜(秘密戦隊ゴレンジャー)
- 恐竜怪人(バトルフィーバーJ)
- キョウリュウシンカ(科学戦隊ダイナマン)
- Vレックス(未来戦隊タイムレンジャー)
- ジャリュウ一族(轟轟戦隊ボウケンジャー)
- 恐竜折神(侍戦隊シンケンジャー)
- 豪獣神(海賊戦隊ゴーカイジャー)
- ダイノマル(手裏剣戦隊ニンニンジャー)
- アキャンバー(宇宙戦隊キュウレンジャー)
- ドグラニオ・ヤーブン・デストラ・マッジョ・ゴーシュ・ル・メドゥ(快盗戦隊ルパンレンジャーVS警察戦隊パトレンジャー)
- スモッグジョーキー(魔進戦隊キラメイジャー)
- グランザイラス(仮面ライダーBLACKRX)
- ファングメモリ・ティーレックス・ドーパント・トライセラトップス・ドーパント・ブラキオサウルス・ドーパント(仮面ライダーW)
- プトティラコンボ・恐竜グリード・アンキロサウルスヤミー(仮面ライダーオーズ)
- 仮面ライダーザイア(仮面ライダーゼロワン)
- えり巻恐竜ジラース・古代怪獣ゴモラ・宇宙恐竜ゼットン(ウルトラマン)
- 戦車怪獣恐竜戦車・恐竜(ウルトラセブン)
- 化石怪獣ステゴン(帰ってきたウルトラマン)
- 古代怪獣ギガザウルス(ウルトラマンG)
- 恐竜兵器ウェポナイザー(ウルトラマンティガ)
- 合体恐竜キングダイナス(ウルトラマンネオス)
- 骨格恐竜ムードン(ウルトラマンコスモス)
- ファイヤーマン怪獣(ファイヤーマン)
- 暴君竜・キラー一角獣(東映版スパイダーマン)
- 恐竜軍団(電人ザボーガー)
- メルザード一族(ビーファイターカブト)
他ジャンル
他にもありましたら追加して下さい