概要

養子とは、養子縁組によって子となった者の呼称である。

養子には届出によって成立する普通養子、審判によって成立する特別養子がある。

（特別養子については養子縁組を参照）

養子をとる理由としては、再婚時に配偶者の連れ子を養育するためであったり、子供ができない夫婦が乳児院や親族などから子供を引き取るというケースが最も一般的。

成人を養子にすることもできるため、家を継がせるために養子縁組を行ったり、娘の夫を養子にして家を継がせる場合（いわゆる婿養子）もある。

特に自営業や政治家、名家や歌舞伎役者の場合、現在でも家や名跡を継ぐための養子縁組が行われることがあり、特殊なケースとして、同性結婚の代替策として用いる場合や、相続税の負担を軽くするために孫を養子にする節税養子がある。

海外では同性結婚をしている者が養子をとることを認めている国もある（イギリスの歌手・エルトン・ジョンと同性パートナ-が養子をとっている例がもっとも有名である）。

1日でも遅く生まれた相手であれば、養子にすることが可能で親のいない子を救済する手段として行われることが海外では多く、有名俳優が多数の養子を持つことも珍しくなく(日本人では俳優・杉良太郎がベトナム人約90人を養子としている)、日本では年間の人工妊娠中絶件数が17万件（平成27年、ソース）にもかかわらず養子制度が十分活用されているとは言えない。

海外では先述の事情により、多くの多種多様なルーツを持つ養子を持っている有名人も少なくない。

養子の種類

• 普通養子

養子が実親との親子関係を存続したまま、養親との親子関係をつくるという二重の親子関係となる縁組（普通養子縁組）をした養子の事。

• 特別養子

養子が戸籍上も実親との親子関係を断ち切り、養親が養子を実子と同じ扱いにする縁組（特別養子縁組）をした養子の事。歴史上においては権力者が血縁にあるものや有力な部下の娘を養女にして、別の権力者もしくは他の有力な部下に娶わせることもこれにあたる（例：築山殿、篤姫など）。

• 婿養子

妻の親と養子縁組をしている男性の事。

• 養嗣子（ようしし）

家督相続人となる養子。後継者がおらず、家督を継ぐものが不在の場合、跡を継ぐもの、すなわち「嗣子」として迎えた養子のこと。民法旧規定において定義されていた。

歴史上においては当主の血縁関係にあるもの（兄弟姉妹の子や、場合によっては兄弟や遠縁にあるものが養嗣子になることもあった）や、上記の婿養子を養嗣子とするケースが珍しくなかった。

• ※末期養子（まつごようし）

江戸時代、大名家を対象として行われた家督相続。当然、現行民法にこの規定はない。

養親が病床にあるうえ、後継者となる息子がいない場合、養親者の死の間際に血縁にあたるものを後継者に指名、江戸幕府に届け出て家督相続を認めてもらうこと。

建前上は養親が生きている内に後継者を指名することになっているのだが、間に合わない場合、養親が生きていることにして後継者を指名後に死去したと幕府に届け出ることも暗黙の了解として認められていた。

なお養子縁組をしていて､養親が死亡した場合。養子が離縁しようとするときは､家庭裁判所の許可を得なければならない(民法811条6項)。これは生存当事者の恣意的な離縁を防止するため。

アニメや漫画などにおいて

アニメや漫画においても養子関係を扱うものはそれなりに存在し、時としてはそれがストーリーの大きなポイントとなることも少なくない。

エロゲやギャルゲーにおける「血の繋がらない姉妹」の類は、親の再婚相手の連れ子というパターンを含めてほとんどが養子縁組している（ちなみに現在の法制度では、親が再婚しても親の再婚相手と自動的に親子関係が成立するわけではない）。

関連タグ

家族　親子　継母　継父　養女　孤児　里子

養子縁組　婿養子　ステップファミリー　こうのとりのゆりかご

養子・養女関係

創作作品

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