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SOULCATCHER(S)』の主人公。

鳴苑高校吹奏楽部の指揮者になるべく努力をしている。


プロフィール

誕生日10月16日
身長刻阪と同じ
メイン楽器指揮棒
好きな食べ物甘いもの
好きな音楽JPOP(バンドサウンド)
備考左右の髪質が違うのでセットが上手くいかない。中学卒業と同時に諦めた。
CV鈴木達央(VOMIC版)

※VOMICでの発音は「かみね↑」。


概要

SOULCATCHER(S)』の主人公。本人から見て左側の髪が跳ねている、左右非対称の髪型が特徴。髪の色味も左右で僅かに違い、左側が赤茶系・右側が黄茶系。

部活中のジャージ姿は、前を開けて袖を捲った、活動的なスタイル。

縁日の出店系では、射的が抜群に得意。


人物

一人称は「オレ」。男子生徒らしい口調で喋り、先輩に対しては「~ス」などの砕けた敬語を用いる。

心が「見」えるからといって人を騙そうとするようなことはせず、また、尊敬する相手に対しては率直に尊敬を示し、悩みを抱える人を放っておくことには罪悪感を抱く、素直で真面目な性格。

登場時は無気力な印象が強かったが、刻阪と出会って吹奏楽を志すようになってからは、自ら進んで解決するために行動を起こすようになった。それまでの反動か、自分の能力で人の役に立ちたいという思いが強く、そのための努力を惜しまず、自己犠牲すら厭わない節がある。

指揮者を志すようになった今でも、初対面の人と接する時は身構えたり、新入生勧誘活動時にはさながらバイブレーダーのように震えてしまったりしている。共感する力が非常に強いと言え、あまりにも酷い心の状態を見た時には自らも冷や汗を流したり呼吸が乱れたりするほど。

ちなみに、恋愛感情に関しては、「超」がつくほど鈍感。後述する過去や本編の活躍を見るに、「人の心がつながる瞬間」を見る機会に恵まれなかったことが大きいと考えられる。


能力

他人の心が具体的なアイコンのように「見」えてしまう能力を持つ。

基本的には具体的なハート型に見えるが、状態によっては激しい音声を伴ったり、辺り一面の風景に見える場合もある。

音楽については最終巻の言葉を借りれば「人の心の集まり」である事から、「一個の生き物」「巨大な乗り物」のように見える。

周囲からは根本的に能力は理解されておらず、一部の人間からは共感覚(シスタナジア)の一種と捉えられている。


問題

彼の抱えている問題は「自身の能力が全く生かせない事」

幼少期から能力によって心が「見」えており、その能力ゆえに他人のことをより深く理解できるはずが、助言などのサポートが上手くいかず、むしろ人から遠ざけられ続けてきた。

更に、神峰の目に「見」えている光景が具体的過ぎるため、心の状態を指摘したことで怒りをぶつけられるなど、人の心が見えるはずも無い他者との間に理解の差が生じてしまうこともあり、初登場時には人と関わることを躊躇するまでの、人間不信に近い状態に陥っていた。


活躍

神峰の吹奏楽部入部まで

学園祭の中で傷ついていく人の心を「見」ることに耐えられず、人がいない屋上に足を運んだところ、コンサートまでの気晴らしに屋上でサックスを吹いていた刻阪と出会い、何気なしに吹奏楽部のコンサートに誘われる。

半信半疑でコンサートに訪れたが、そこで吹奏楽の何より自分がこれまで変える事が出来なかった心を震わせ、癒す「音楽の力」を目の当たりにする。

文化祭の演奏後に女子のファンに囲まれる中、突如神峰に腕を掴まれて驚くも、誰にも言ってなかった悩みの核心を突く発言を受けると、意を決して悩みを打ち明ける。

音楽を辞めようとしていたことを神峰に伝えたところ、神峰から「彼女はお前の助けを求めている」と反論。わけのわからないことを言い出す神峰に響は怒りを見せるが、神峰も負けじと言い返し、自分と一緒にもう一度だけ演奏してほしいと頼み込む。

そして翌日、刻阪の演奏が屋上で聞いた時のように「まっすぐでない」事に気付き、「何か違いがあるのか」と尋ねる。わけのわからない刻阪は内心反発するも、かつてモコとのやりとりから、かえって普段通り演奏できていなかった事に気づかされる。肩の力を抜いて演奏をしてみたところ、今まで反応のなかったモコの心に変化が現れる。その後も音楽知識ゼロである中、神峰だけが「見」える心の姿を必死に伝え続け、その中で刻阪が本来の音を取り戻したことで、遂にモコは今まで出せなかった声を取り戻した。


演奏後の帰り道、刻阪から自身の「目」があらゆる人の心に音楽を届けるため、音楽をやるためにあると伝え、吹奏楽を勧められる。「自分は心を伝えただけだから必要ない」と告げると、鳴苑高校の吹奏楽部全体が大きな壁に阻まれていることを刻阪から教えられ、神峰に吹奏楽部の指揮者になってほしいと言われる。刻阪からは「他人の心を「見」て苦しんできたお前にこそ相応しい…!!」と強く勧められるが、神峰は「オレを…買い被るな」と拒絶。だが、学園祭最終日のイベントで行われた「未成年の主張」に刻阪が参加、そこで姿を見せない神峰を部活に誘う。突然の発言に聞いていた観客は刻阪を嘲笑し、嘲笑する声に神峰は苦しむが、刻阪は「友達を部活に誘って何が悪い!!!」と周囲を一喝。そしてモコのために演奏していた中、使命感よりも気付けば演奏を楽しんでいたことを告げ、最後にカーペンターズの「青春の輝き」をソロで演奏、バカにしていた観客の心を掴む演奏により、喝采を受けて舞台上を後にした。

神峰を迷いなく「友達」だと言い切った刻阪のまっすぐな気持ちは疑心暗鬼に陥っていた神峰の心を動かす。そして、


「正直、もう心なんか見たくねェ…関わりたくねェ」

「…けど、あの子に起きたことがただの奇跡じゃなくて」

「お前の音を導くことで…また見られんなら…!」


「お前と演る音楽なら、悪くねェ…!!!」


文化祭終了後、刻阪と出会った神峰は吹奏楽部に入ることを了承、神峰の物語が本格的に幕を開けたのであった。


入部~天籟ウィンドフェスまで

入部のために吹奏楽部へ足を運ぶのだが、中途半端な時期の入部、さらに指揮者になりたいという要望に対し、顧問である谺夕子からは反発されるも、居合わせた部長である奏馬俊平のフォローもあって入部は認められた。ただし、指揮者となる条件として「パートリーダー全員から認められること」と条件を出された。


最初に選んだパーカッションパートでは、慣れない楽器の扱いからパートリーダーである打樋透に怒鳴りつけられ、意見を言った際には一度拒絶される。練習後、パーカッションパートの配置が問題点と気付くが、メンバーからの打樋の信頼を読み違えて迂闊な発言をしてしまい、問題の二人から怒りをぶつけられてしまう事もあった。だが、翌日は恐れながらも勇気を出して「細けェ事考えんの、苦手だろ」と自身の意見を言い切り、結果として問題が解決したことで打樋から認められた。


奏馬に頼まれて次に向かったトランペットパートでは、当初はパートリーダーである音羽悟偉に如何に認められるかで挑むが、音羽だけでなく、問題点が他のパートメンバー、特に部長の奏馬にもある事に気付き、刻阪に「音羽、奏馬、刻阪が三人並んで活躍する曲」をオーダー。演奏本番では奏馬に「心まで二番手になるな!!」声をかけて自信を取り戻させ、音羽に起きたトラブルをアイコンタクトからの即興指示で乗り越えて演奏を成功させ、問題解決に導いた。


刻阪と音羽、そしてサックスのパートリーダーである歌林優菜と共に出向いた天籟高校の偵察にて、自身と同世代でありながら天才的な指揮を行う伊調鋭一と邂逅。天籟高校の演奏を指揮させてもらった時は、圧倒的な天籟のレベルに飲み込まれながら、それでも自分の指揮をしようと「虹を出してくれ!!」と指示を出すが、曲が途中で止まって失敗。だが、演奏中における曲のイメージの明確さは伊調を驚かせ、伊調から「絶対に負けたくない!!!」と言わしめた。


吹奏楽の基礎が足りない問題が本格的に露呈した中、音羽からバスクラリネットのパートリーダーである御器谷忍を紹介される。彼から「吹奏楽の100曲のコンデンス・スコアを1週間で写譜する」という無理難題を出されるが、パート譜・フルスコアも含めて全て写譜して提出して見せた。その熱意を見た御器谷は基礎を教えるようになるが、直後に「努力」を否定するクラリネットのパートリーダーである邑楽恵と対立。御器谷に絡む理由に「努力が嫌なのか」と呟いた神峰に対し、御器谷は自身と邑楽の過去を伝え、邑楽の問題解決を神峰に託す。


努力を否定する邑楽に対してはとっかかりが見つからなかったが、「天籟ウィンドフェス」というイベントに当たって、一曲だけ神峰にやらせるべきかの審査が行われる。パートリーダーと部長を合わせて半数以上の賛成を必要とする中で、御器谷と邑楽の因縁となった曲を選択。二人から反対されるが、指揮者の意見が優先されるとして神峰の意見が通り、意見が通るか「試し」で一曲演奏することに。「吹奏楽の写譜」で曲を理解したことで、これまでのように「声かけ」ではなく、「指揮棒を通して多くの指示を行う」成長を見せた。そしてこの演奏を通して御器谷と邑楽、そして歌林に認められ、過半数の支持を取り付けて一曲だけの演奏を行うこととなった。


ウィンドフェス前にフルートのパートリーダーである吹越花澄の買い物に付き合った際に、ソニトゥス学園のフルート遣いで花澄の妹である吹越聖月、そして同じ学園に通う曲山・クリストファー・晴海と出会う。そこで花澄と聖月の過去を聞き、音楽を楽しむスタンスで何が正しいのか思い悩むも、立ち寄ったコンサート会場で伊調と、彼の祖父で世界的指揮者の伊調剛健と出会う。演奏会と剛健からの問いかけで答えを得た神峰は、花澄と共にソニトゥス学園に出向き、聖月に対して宣戦布告。その後は刻阪とのセッションを通じて「楽しさを保ち続けるために戦う必要がある」と花澄に伝えたことで、ウィンドフェス本番では花澄は全力を出し切り、観客ありの指揮をデビュー戦ながら大成功に収めた。

だが、演奏終了直後に風邪を隠していた花澄が倒れ、谺が病院の搬送に随行しなければならなくなり、次の曲…『エル・クンバンチェロ』を神峰が指揮することになる。奇しくも伊調率いる竹風高校も同曲を演奏することとなっており、伊調鋭一と初の対決となった。金管楽器のパートリーダー達からは反発を受け、コントラバスのパートリーダーである弦野政彦は谺がいなくなった途端にエレキギターを持ち出すなど、異例尽くしの中で指揮をすることになるが、先の伊調の指揮に引っ張られて次第に自分の指揮を見失い、一度は観客の心が完全に離れてしまった。だが、そこから「自分に出来ることは何か」と考えた結果、観客に音楽を聴いてほしいという思いから、「演奏者側ではなく観客側へ向く」という勝負に打って出る。破天荒な指揮に観客も興味を取り戻した中、竹風高校と比較されながらも音楽を観客に届けるため、壇上で飛び跳ねながら指揮を続け、ラストで壇上から落下してしまうも、無事に演奏を終えた。演奏後の投票による結果は「最優秀曲」として竹風高校と同数の票を集める。そして最後に登場した剛健から神峰だけに次々とダメ出しが入るが、剛健は最後に「最高だった(ファンタスティック)!」と締めくくった。

ウィンドフェス後の打ち上げでは「とんでもない学生指揮者がいる」として注目を浴びる中、剛健からは「鋭一の前に立ちはだかってほしい」と頼まれるのだった。


合宿~1年次終了まで

ウィンドフェス直後の合宿では谺から指揮の基礎となる「テンポを保つ力」が足りないことを指摘され、腕がミイラ化するほど徹底的にしごかれた。

合宿を経て全国へ向けて気持ちを新たにした直後、合宿直後にオーボエのパートリーダーである木戸雅の退部騒動が起きる。邑楽が詰め寄ると撤回したが、騒動を起こした直後にも拘らず、神峰以外の部員はその後の演奏等に問題を感じていなかった。問題がない事が問題だと刻阪とのやり取りで気付いた神峰は一つの賭けに出る。アンサンブルコンテストに向けて練習しているパートリーダー達の前で「木戸先輩は吹奏楽部に必要ない」と発言。これまで味方にしてきた仲間達から次々に罵倒され、掴まれ、平手打ちを喰らってでも言い続け、自分よりも苦楽を共にしてきた仲間達の心から出た「木戸は吹奏楽部に絶対に必要だ!!」という、木戸が内心で必要としていた言葉を引き出した。直後に神峰の真意を悟った面々からは、自分の身を危険にさらしてまで、どこまでも演奏者の心に寄り添う指揮者の素質に驚きを隠せなかった。その後のアンサンブルコンテストで金管は上の大会に駒を進めるも、木管は金賞を取りながら上の大会には進めなかった。苦い結果となってしまったが、木戸を味方に引き入れる事が出来た一方で、トロンボーンのパートリーダーである金井淵涼からは「お前の指揮なぞ必要ない」と言わんばかりの目つきで指を突き付けられた。

たまたまの遭遇がきっかけで出向いたライブイベントでメインのバンドを「叩き斬る」弦野のパフォーマンスに圧倒され、その後の部活で、初めて弦野がいる中で指揮を行うが、弦野の演奏に引っ張られ、指揮を持っていかれてしまう。弦野の「指揮者は本当に必要か?」という問いに悩む中、刻阪にヴァイオリニストの姉がいることを知る。弦野の問いに対するヒントを貰えるかもしれないと、姉の刻阪楓を紹介してもらうが、そこで楓から「響の音すらねじ伏せる自身と強引さを持ちなさい!!」とダメ出しされる。その後は刻阪のレッスンに神峰も加えてもらい、意見をぶつけ合う「喧嘩」を刻阪と繰り返しながら実力をつけた。

大きなロックフェスが開かれることを弦野から知ると、刻阪と共にバンドを組んで参加しないかと提案。さらに演奏する曲とメンバーを自分が選ぶと告げ、弦野も自分をねじ伏せようとする真意を理解した上で、その挑戦を受けて立つ。そしてその後はメンバー集めに奔走し、刻阪、打樋、音羽、邑楽、晴海、花澄、ボーカルにモコを加えた神峰主導の即興バンド『リンギン・ガーデン』を結成。ライブイベント本番では、自身の音楽を主張し続ける弦野に対し、「喧嘩」の中で重なった神峰と刻阪の音楽で対抗。そして「ロックのライブイベント」の最終曲で、神峰はあえて「クラシック吹奏楽の課題曲」を選択。有り得ない選択をした神峰を「一つの音楽ジャンル」として認めた弦野は、あまりに前例のない事態に「向上心と先入観の葛藤」が生じる中でも、それを乗り越えんと意気込んで演奏。「自分」すら向上心の糧とする弦野に感動した神峰は、疲労困憊となるまでぶつかり合う。多くの観客の心に『リンギン・ガーデン』の印象を残した中、二人の決着はつかなかったが、神峰を「演奏者の価値観さえ破壊するパワー」のある指揮者と認めた弦野は神峰をいつか「斬る」ことを宣告し、対して神峰も高い志を弦野に見せた。


一方、アンサンブルコンテストに出場していた金管六重奏は県大会のみならず、西関東大会も突破して全国出場を果たす。金管のパートリーダーを味方にできないまま時間が過ぎていくことに焦りを見せる中、音羽が提案した全国のアンサンブルコンテスト見学に(解説役として御器谷も巻き込まれて)付き合わされる。近畿大会の視察で、後の強敵となる室節広大や、そして室節を全国大会に導いた伊調と再会。自分と同じことをやってのけた伊調に戦慄する中、伊調の心が読めなくなっていることを訝しむ。


アンサンブルコンテスト全国大会が近くなった3月、春のセンバツに出場する野球部応援のための演奏を依頼される。だが、アンサンブルコンテストが同日にあるために金管のパートリーダー達は参加できず、(木管楽器は外で演奏できないため)これまで味方にしてきたメンバーがほとんど参加できないという逆境となっていた。だが、そこでも神峰はめげずに金管のパートリーダー達に頭を下げ、金管のパートメンバーを借りたいと頼み込む。意外にも意見はあっさり通り、さらに金管のパートメンバーは神峰に悪印象を持っていない事を知る。試合当日、パートリーダーが抜けたことによる金管のパワー不足を、「野球部メンバーの好きな曲を演奏する」作戦で補う。最終盤で音楽の力が足りなくなったが、野球部応援にも参加したくて駆け付けた音羽によって助けられた。その後はヘリコプターで連れられてアンサンブルコンテスト全国大会を視察する。これまで以上の演奏を見せた鳴苑高校は銀賞に終わる中、金井淵の音に「何かが混ざっている」事に気付く。また、この大会で神峰と同じ学年の強豪たちと顔を合わせ、コンクールで競い合うことを誓った。


新学期前最後のミーティング、奏馬主催の花見とイベントが続く中、突如卒業したばかりのOB達が登場。今の部員を良い方向に変えていった神峰を見るために訪れ、OB(神峰指揮)と現部員(木戸がコンマス)で勝負となり、OB達が勝利。勝負後の感想戦では、「これからの鳴苑がどうあるべきか」のヒントを与えられた。


「舞う桜編」

新年度になって有望なコントラバス奏者である演藤さやかをはじめとした新入生が入部するが、その中で自身と同じ「目」を持ちながら、人の「心」を黒く染め上げて壊すことを悦びとする黒条善人と邂逅。人の心を壊そうとする黒条の対応に苦心する中、谺から剛健主催の『スプリングコンサート』が開かれること、そしてそのコンサートが、神峰がコンクールで指揮を行うための試験のタイムリミットであることを伝えられる。

金管のパートリーダーから思わせぶりな言葉だけが与えられる中、それまで様々な人から与えられていた断片的な情報から、金管のパートリーダー4人の繋がりに「もう1人」いることに辿り着く。そして管崎咲良について少しだけ教えてもらうが、金井淵から最後には拒絶の言葉を与えられた。

そんな中、ホルンのパートリーダーである管崎舞が、黒条のささやきで心のバランスを崩して倒れてしまう。刻阪とユーフォニウムパートリーダーである星合美子の尽力で最悪の事態は避けられたものの、一時的に舞は星合を拒絶してしまった。かつての友人たちがバラバラになってしまった状況に心を痛めていた星合は、遂に神峰に助けを求める。そしてその願いに神峰も「最初から演奏者(アナタ)を助けるのは!!! 指揮者(オレ)の役目だ!!!」と力強く快諾した。


そして、近所の幼稚園で演奏会を行うにあたって、舞にも参加を依頼。演奏中に舞が自身の持つ共感覚への不安から音が乱れ、星合も彼女を心配するあまりに音が離れ、曲が成立しなくなったことで一度は園児達が演奏に興味を失ってしまう。そこからが本番だと指揮をする中、神峰は星合と舞に「勇気を出して」と指示。その指示からかつての咲良とのやり取りを思い出した二人は互いの「心」に寄り添い、大成功となった演奏の中で「心が通じ合った」ことで互いに涙を流す。星合と舞から一定の信頼は得たが、完全に認められるには金管のパートリーダー4人の問題を一度に解決しないといけないことを知った。

幼稚園の演奏後、神峰に見出した「希望」を切り倒そうと、チューバのパートリーダーである川和壬獅郎は「咲良の現状」という現実を以って希望を斬り倒そうとするが、神峰は三人に割って入る事で阻止。その後「桜の音に挑戦させてほしい」「咲良さんに会ってみたい」と頼むも、全身をバラバラにしかねないほどの「怒り」「敵意」「嫌悪」を「見」せて一度は無言で去っていった。だが、少しして「全てが無意味だったと気付くはずだ」と言いつつ、入院中の咲良を紹介される。両腕が動かないことで咲良が「演奏者としての気概」も失いつつあることに気付いた神峰は、病院内でミニコンサートを開くことを提案。一度は咲良に拒絶されるも、「座っているだけでいい」と要求を通した。演奏中、両腕の動かない咲良が「歌」で演奏に参加。

神峰を認めた咲良から金井淵達5人に起こった壮絶な過去を教えられ、川和からは攻撃的な敵意を向けたまま、これ以上本当に関わるのかと警告されたが、神峰は覚悟を決めて踏み込むことを決意。「オレの邪魔をするな」と告げる金井淵に対し、「悪ぃけどあんたにはやらせられねェ」を言葉を返した。


スプリングコンサート前の練習中、弦野のコントラバスを川和がチューバでねじ伏せたことをきっかけに、神峰が演奏の中で弦野と御器谷の力を借りて川和に挑みかかる。チューバの低音における圧倒的優位性を持って何度もねじ伏せるも、その度に神峰は立ち上がる。その中で、「変化を恐れる」川和の本心を見抜いた神峰は「失敗を恐れるな」と指示。そしてリスクのある策を取り続けた川和の心中の問いに対し、


「死んでも欲しいものがあるからだァ!!! オレが生まれてきた意味だ!! この「目」があっても生きててよかったと思える確信だ!! 今それをやってんだろうがァ!!!」


川和に向けて声を張り上げる。そして神峰は言葉を続けていき、


神峰「全員で行くんだよ!! 桜の香りのする場所へ!!! 虹のかかる場所へ!!」「オレが つれていく!!!」


神峰の心からの叫びに呼応するように川和も心の底で望んでいた「自身の希望」を描きだす。それによって鳴苑全体の音がまた一段引き上がったことを実感した部員たちが騒めく中、汗だくになった神峰の「目」はまっすぐ金井淵を見据えていた。


そして迎えたスプリングコンサートの本番直前、神峰はコンサートでやる二曲のうち一曲を課題曲から変更し、混声六重奏による別の曲とすること、それに金井淵が参加してほしい旨を伝える。周囲が騒めく中で当然金井淵は断り、神峰と川和の手引きで舞台袖に現れた咲良の説得にも応じようとしなかった。時間が迫る中、神峰は「一曲目が終わった段階で演奏する気になったら壇上に残ってほしい」と条件を持ちかける。

そして始まったコンサートの一曲目で、「桜の音 あんたにはやらせねェ!!!」と啖呵を切り、金井淵と遂に激突。神峰自身「正気なんて保てねぇ」と感じるほどの、才能や負の心から生まれた脅威が次々と神峰に襲い掛かるも、神峰に味方する者達の助力で突破。そして「桜の音」に辿り着いた後で金井淵が幼馴染達の前から去る事を看破する中で、神峰は金井淵より一段上の「正解の音」となる指揮を取り出す。自分の音感を神峰の指揮が超えることを認められない金井淵は指揮に逆らい続けるが、演奏者として嘘はつけなかったのか、最後の和音で遂に神峰の指揮に従う。それと同時に、神峰の「心」は金井淵の「心」のそこにある「本心を隠したカプセル」に届いた。

二曲目で壇上に残るか否かは金井淵次第だったが…金井淵は残った。壇上に残ったのはピアノを弾く神峰、ボーカルを務める咲良、伴奏で星合、舞、川和、そして金井淵。演奏するのはかつて桜の音に辿り着いた時の曲…松任谷由実の「春よ、来い」。

一次的に悲しみから解き放たれ、桜の音を純粋に目指していた頃の、咲良曰く「本物の金井淵涼」となった金井淵を咲良が歌で抑える中、カプセルの中にある金井淵の本心を探ろうとする。そんな中、2番になってから観客も歌い始め、やがてそれはコンサート会場全体の合唱へと変わる。離れ難かった辛い別れからの再会を望む2番の歌詞に自身を重ねたことで金井淵の心が揺らぎ、遂に神峰は金井淵の本心……「咲良がいてくれたら」という想いを見つける。

その心に触れた神峰は「咲良さんは咲良さん以外に務まらない」と金井淵に、そして金管パートのメンバーに語りかけ、「誰一人欠けても駄目だと、何年でも何十年でも信じて待ってると言えばいい」と伝えながら演奏を続ける。

そして演奏終盤、突如咲良が席を離れてピアノの前に立つと、3年以上全く動かなかった腕を動かしてピアノの鍵盤を叩いた。そしてその瞬間、楽器の音だけでなく、会場内の反響や残響、演奏者全員の心、聴き入ろうとする観客の心、それらが一つにつまった「空間」………「桜の音」に辿り着いた。

コンサートをやり遂げて感激に包まれる中、神峰は「虹の音」に向けて決意を新たにする。一方、金井淵と管崎咲良にこれまでのネタ晴らしとばかりに悪辣なやり口を語った時には怒りを見せるが、去っていった黒条は実は鳴苑高校に入学していなかったというとんでもない事実が発覚する。



吹奏楽コンクール編

県大会では天籟高校、竹風高校、ソニトゥス学園が強敵として立ちはだかる。個人技においては鳴苑のパートリーダーを上回るソニトゥス学園と競り合いになるも、最後は全体の音を仕上げてきた鳴苑高校に軍配が上がり、西関東大会進出となった。天籟高校、竹風高校も西関東大会進出を果たし、特に竹風高校の演奏には神峰も力が及ばなかった描写がなされている。


西関東大会直前、黒条から病床に倒れた剛健を心配する心を付け込まれて伊調が「心」を壊した事、黒条が代理で竹風高校の指揮を取ろうとしている事を知らされる。神峰は黒条と付け込まれた伊調に対して激昂、「伊調がいないなら実力は発揮できないのでは」という意見も、本気の竹風に伊調がいないと意味はないとして、刻阪と共に伊調の元へ向かう。虚ろな表情で意識を失う剛健に寄り添い塞ぎこむ伊調に対し、必死に呼びかけを行うも一切反応が無かったが、帰り際に神峰自身が剛健から教えらえた事を伝え、その上で伊調は何を教えられたか問いかけた。

西関東大会では、天籟高校、竹風高校、埼玉誉高校が強敵として立ちはだかる。天籟高校の「核」である弾徹也に刻阪が、埼玉誉高校の「核」である叉山兄弟に打樋が対峙する中、伊調の「心」を取り戻すことに挑む。黒条の「心」に潜む怪物に苦しめられ、刻一刻と音楽の興味が薄れる伊調の「心」の現状に焦りを見せるが、黒条の怪物から逃げて「心」を見つけるという行為そのものが黒条のルールであることに気付き、「自身の音楽を貫く」ために弦野、川和の力を借りて戦い抜き、最終的に黒条の「心」を殴りつけた。そんな神峰の音楽は確かに伊調に届き、「音楽をする理由」を取り戻した伊調は復活、竹風高校の演奏直前に間に合った。

演奏終了後、神峰・伊調・黒条が対峙するが、神峰は現状黒条の心はどうしようもないと言いながらも、「今はな いずれな」と発言。この発言で神峰の意志の強さを知った黒条は「いずれ自分が変えられてしまうのでは」と動揺、伊調の指摘でその感情が「恐怖」である事を自覚した途端、自身の「恐怖」「諦め」に呑まれてパニック状態に陥り、二人から逃げるように姿を消した。黒条が去るのを見届けた後は結果発表となり、全国大会常連の天籟高校、埼玉誉高校を抑え、竹風高校と共に全国大会進出を果たした。


全国大会では竹風高校をはじめとして、各地方の代表たちと競い合うことになる。

全国大会という大舞台、そこで先んじて「七色の虹の音」を見せる竹風高校、そして揺さぶりをかけてくる各地方のダークホースの影響で、徐々に鳴苑全体に動揺が広がる中、歌林のひと吹きで「神峰のために」という目的を思い出した鳴苑のメンバーはまとまりを見せ始め、ダークホースを引き離しながら一つとなった瞬間、「虹の音」に辿り着く。竹風高校と競い合う中、室節率いる下無高校が二校に喰らいつき、鳴苑が「虹の音」を出せなくなる中でも竹風高校は「虹の音」を出し続け、神峰だけが「見」える激しい光景の連続で、演奏中に一度目を手で塞いでしまう。

目を塞ぐ中、神峰は吹奏楽に関わり続けた1年の内に起こった数々の出来事を思い返す。そして苦難の道を歩んだ自分の選択で「やり直したい事」が一つもないことで何かを掴んだと確信したことで、神峰は全国大会という最もプレッシャーがかかる場面で目を開けると、笑顔を浮かべながら指揮を続ける。そしてその笑顔の指揮の中で、遂に神峰は「神峰だけの虹の音」に辿り着く。演奏の魅力が観客の聴力を越えて音以外のものを感じ取らせ、伊調すら大いに感銘を受けた「虹の音」を以って、鳴苑高校は竹風、下無らと共に最優秀賞の金賞を獲得。

(ただ、室節は「演奏会で客が覚えていったのは『鳴苑高校』と『神峰翔太』だけ」とぼやいており、伊調もかつての剛健と同じく指揮について「最高だった(ファンタスティック)!」と伝えるなど、その場にいたすべての人が「鳴苑高校が一番だった」と誰もが認めていた。)


全国大会終了後、迎えに来た刻阪と共に鳴苑のメンバーの元へ戻る所で物語は幕を閉じる。その際、「神峰の「目」の事は皆に話さないのか」と刻阪に問いかけられるが、全国大会前に「自分が「見」たものは誰とも共有できないけど、同じ目標を追いかけることが出来る。自分は孤独でなくてもいい」と確信していた神峰は「言う必要ある?」と、刻阪に返すのであった。


余談

  • 家庭環境について

本編には一度も出なかったが、神峰の家庭環境については特に貧乏でもなく、家庭環境が悪いわけでもない、とのこと。


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SOULCATCHER(S) 神海英雄

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