狂い火
そもそも狂い火とは、狭間の地に蔓延する重い病の一つであり、シャブリリという男がその最初の罹患者であるとされる。
一度その病に罹ると、その者の目に黄色い炎が宿り、両目を溶かし尽くす。凄まじい激痛であるとされ、罹患した者の多くは両手で眼窩を押さえつけている者も多い。
その起源は地下深くにて絶望の祈りと共に呼び出されたある神性に由来するという。
忌み捨ての地下
王都の地下深くにひっそりと築かれた忌み嫌われた者たちの棄所。
その最深部にて、ある手順を踏むことで、焼け爛れた巨大な岩戸の向こうに封じられている「三本指」という謎めいた存在と見えることが出来る。
かの指に全身を焼かれることによって、「狂い火」を受領することが出来る。
この状態になると主人公の目は黄色く不気味に焼け爛れることになる。
こうしてエルデの王でもなく、まして伴侶と共に冷たい夜空に旅立つのでもない、全く異なる三つ目の選択肢、狂い火の王になる道が開かれる。
巨人の火の釜
物語の後半にて訪れる巨人たちの山嶺。
その最奥にある、最後の火の巨人が守る大きな炉には、黄金樹すら焼く「滅びの火」が消えることなく燻っている。
種火の少女を火に焚べることで、炎は黄金樹を焼くほどに燃え盛るのだが、狂い火を受領した状態だと代わりに自らを種火として焚べることになる。
炎に触れ、燃え上がる体。褪せ人は天に吠える。
異形の叫びは辺りに響き渡り、これより訪れる破滅を予感させた。
狂い火の王
黄金樹を燃やした後の進み方は変わらない。
しかし、神の獣を倒した後に主人公は、突如として自らのうちで蠢く狂い火を抑えることが出来ず、その場に倒れてしまう。
それから暫くして、ひび割れたマリカは完全に崩れ去り、灰と化した後。
徐に立ち上がった主人公の頭部は、黄色く燃え盛る病の炎に取って変わられていた。
しかし何処か解放されたかのように、軽快に歩き出し、目覚めと共に燃え盛り始めた黄色い滅びの炎はその歓喜と共に全てを焼き尽くしてゆく。
黄色の炎は世界は広がり、全てを隔てる境は焼け溶け、そして混じり合いひとつになって行く。
嗚呼、素晴らしきかな狂い火よ。嗚呼!世に混沌があらんことを!
狂い火の王よ…必ず、辿り着いてみせる
そしていつか、あなたに運命の死を
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メリナ...かの王を激しく敵視する
狂い火を受領してなお
その王にならぬを望むなら
ミケラの針を求めよ