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解説

 リメイクシリーズ第1作『宇宙戦艦ヤマト2199』より登場した装備。旧作でのヤマト不死身っぷりに対する理屈付けとして生み出された設定。

 波動エンジンと同じ次元波動理論を応用した防御システム。いわゆるバリアである。


 基本的には不可視だが、被弾時や出力増強時には水色の幕が目視できる。形状は時と場合により、艦体の表面に沿って纏うことが多いが、楕円球状に如何にもバリアといった感じで展開されることもある。展開範囲は任意で変化させられるようで、特定方向に集中展開して防御力を上げることや、こちらの攻撃時に射線上だけ防壁に穴を空けるという芸当も可能。


 その防御性能は折り紙付きで、十数発の陽電子ビームを難なく防ぎ、一都市を丸ごと吹き飛ばすほどの威力を持つ惑星間弾道弾の爆発に巻き込まれても無傷であった。

 もちろん弱点もあり、まず20分しか連続展開できないという時間制限がある。さらに耐圧限界点も存在し、これを超えると防壁は貫通されてしまう。たとえ貫通されない威力の攻撃でも連続で受け続けると避弾経始圧が次第に低下し、やがて限界点を超えてしまう。


 制御コンバーターはかつてのヤマトで最も危険な場所とされた第三艦橋に置かれている。なぜそこに置いたし。

 防壁発振システムは煙突部に存在し、防壁の電磁波的なものが煙突と第三艦橋のあいだで磁力線のように結ばれているのではないかとデザイン担当の玉盛順一朗が解釈を述べている。この解釈から第三艦橋と煙突それぞれの近くは特に防御力が高く、アンテナマストなどの脆そうな装備が集中的に配置されていることの理由付けとしている。これによりかつては一番危険、悲惨な場所の代名詞として半ばお約束と化していた第三艦橋は、幾度も強力な攻撃を受けながら、2199劇中では何と一度も致命的な損害を被らないという偉業を成し遂げた。そして一見危険に思える艦長室も意外と守られているとのこと。また、煙突部以外にも防壁展開用の「波動コイル」というものが艦体の各所に設置されている。

 ちなみに喫水線より上側は甲型、下側が乙型と種類が違うらしい。どう違うのかは不明だが。


 原理については「次元波動理論を応用した」以外の説明が一切ないため、かなり謎が多いのだが、『2199』の科学考証担当の半田利弘は量子力学を応用しているのではないかと考察している。ヤマト周囲の量子力学的な性質を変化させて、敵の攻撃の威力を確率的に回避しているとのこと(あくまでも考察であってアニメ公式で語られたわけではないが、小説版『2202』ではこの解説が使われている)。


搭載例

 代表例としては宇宙戦艦ヤマトが装備しているものが挙げられる。

 単艦のヤマトがガミラスの大艦隊の猛攻を潜り抜け16万8千光年の大航海を成し遂げるために重要な役目を担っている。もし波動防壁が無かったら、惑星間弾道弾・反射衛星砲ドメルの自爆と最低でも3回は確実に沈む機会があった(それ以外にもカレル163でのドメルとの初戦や、ガトランティス火焔直撃砲でも沈んでいた可能性が高い。なお意外だがサレザー星系でデスラー砲が掠った時は防壁を使っていない)。


 『宇宙戦艦ヤマト2202』では地球艦の標準装備になっており、アンドロメダのものはヤマトよりも避弾経始率も展開時間も向上している。

 本作でも地味ながら地球艦隊の戦闘を支えており、特に第17話のエンケラドゥス守備隊の戦いでは多大な貢献をしている(数倍の数の敵艦から十字砲火を浴びており、普通なら瞬殺されてもおかしくないところをしばらく持ちこたえた)。

 また、波動実験艦銀河が搭載しているコスモリバースシステムを応用による波動コアの共鳴現象で周囲のドレッドノート級の防壁をさらに強化する場面もある。

 ちなみに新型艦はもれなく装備しているが、旧型改装艦については諸説あり、当初は村雨改型の解説に装備しているという一文があったが、金剛改型は改Ⅱでのエンジン出力向上によりようやく装備できたとされている(ヤマト2202新聞3より)。別艦級なので一応矛盾にはならないが、村雨改型だけ装備しているというのも違和感のある話なので、途中で設定が変更された可能性はある。


 『宇宙戦艦ヤマト2205』では補給母艦アスカの搭載する波動防壁弾によって遠隔展開を実現し、自艦のみならず他艦を守ることも可能となった。ただし、展開には波動共鳴導波装置が必要なため、使用できる艦は限定される。


 ガミラスでは「ゲシュ=タムフィールド」と呼称されており、存在自体はしているようだが、『2199』では戦闘艦への防御兵装として搭載例は見られない(代わりに後述の「ミゴヴェザー・コーティング」という対ビーム用コーティングを施しているが、防御力はそこまで向上しない)。

 ただ、『2202』に登場する装甲突入型ゼルグート級が装備する「ガミラス臣民の壁」には、小林誠曰く波動防壁が採用されているらしい(公式設定かは曖昧だが)。

 そして『2205』において、ついにデウスーラⅢ世に「ゲシュ=タム・ウォール」という名称で正式装備されることになった。この装備は地球からの技術供与で開発されたとのこと。地球の防壁が青い光なのに対し、こちらは赤い光を放つ。


対抗手段

 上記の通り耐圧限界があるので、多数の艦で滅多打ちにしてやればそのうち破れる。強力な攻撃なら一撃で突破することもでき、実際冥王星ガミラス反射衛星砲を受けた際は貫通され、ガトランティス火焔直撃砲を受けた際は直撃でないにもかかわらず防壁を少し貫通して軽微ながら損傷した。


 また、時間制限の都合から常時展開しておくことができないので、七色星団海戦では物質転送機による航空奇襲攻撃により防壁展開前に被弾してしまい、さらに制御コンバーターが損傷して防壁自体が展開できなくされたこともある。


 ガトランティスの自滅型攻撃艦イーターⅠは波動防壁中和システムを有し、防壁をたやすく貫通することができる。これにより大艦隊の猛攻をなんとか耐えていたエンケラドゥス守備隊は瞬く間に壊滅の憂き目にあっている。


他の防御装備

リメイク版では他にも防御装備が登場する。


対ビーム用増加装甲

 2190年代後半に金剛型宇宙戦艦に追加装備された装甲。有体に言えば装甲を追加で重ねただけだが、それなりの効果はあったようで、メ号作戦でのキリシマは(主人公補正もあったとはいえ)ガミラス巡洋艦ですら一撃で沈むガミラスの陽電子ビームを数発耐えてみせていた。

 装甲自体の種別は公式では明言されていない。


ミゴヴェザー・コーティング

 ガミラス艦の装甲に施されている対ビーム用コーティング。日本語では「帯磁特殊加工」という。ちなみに「ミゴヴェザー」はガミラス語で「ビーム反射」を意味する。

 原理は不明だが、日本語名から推測するに磁気を使った何かと思われる。

 ガミラス艦の標準装備であるが、防ぎきれるのは旧式地球艦の光線砲程度で、ショックカノンはおろか友軍の陽電子ビームでもあっさり貫通される。


偏向フィールド

 ガトランティス都市帝国の防御システムとして設定されていたもの。

 都市帝国の上下に光輪でできた亜空間ゲートが発生し、都市帝国を狙ったあらゆる攻撃は超重力によってそこへ引きずり込まれてしまう。絵面的には『劇場版 蒼き鋼のアルペジオ -アルス・ノヴァ- DC』に登場したミラーリングシステムに似ている。

 絶対的な防御を誇る一方で、この超重力は都市帝国自体に向けることも可能なため、万が一制御を奪われると守るべき都市帝国を逆に引き裂いてしまうという弱点を持つ。

 これらの描写は実際の本編では省略され、単純なシールドのような描かれ方になっていた(弱点はともかく防御の描写の方は絵コンテ時点までは残っていたのだが…)。


位相変換装甲

 デザリアムの兵器全般に搭載されている防御兵装。

 バリアを張るのではなく、装甲そのものの位相を変換し、攻撃を逆相波によって相殺するというもの。

 具体的には、まず着弾した際に攻撃の波長に合わせて装甲表面が波打ち、その威力を受け流す。そして発生した波は着弾点から波紋のように広がっていくが、周囲から逆相波を送り込みぶつけることでその波を打ち消す、とのこと。本編映像で見ると、自動惑星ゴルバデスラー砲が着弾した際、着弾点を中心とするオレンジの波紋は外側へ進んでいるが、周囲の白い波紋は逆に着弾点へ向かって進んでいる。おそらくだがオレンジの方が被弾で発生した波、白い方がそれを打ち消す逆相波で、この2つの境界線で相殺が行われているのだろう。打ち消された衝突エネルギーは量子的ゆらぎとして放出される。

 防御性能は装備している兵器の機関出力に依存するとされ、ガミラス星に打ち込まれたデザリアム・ハンマーはガミラス艦の陽電子ビームを尽く無効化していたが、戦闘機のカタピラスは普通に機銃で墜ちており全く意味を成していない。

 また、位相変換装甲は可視光線を含む電磁波も相殺可能で、防御のみならずステルスにも使用可能。

 なお、SF設定の小倉氏の初期案では、「位相変調装甲」という低スペック版も存在しており、ゴルバ以外が装備しているのはこの装甲ということになっていた。違いは相殺動作を行うのが全体か部分的かということ(ゴルバは実際の映像でもそうなっている通りその巨体の全表面で相殺を行うが、他の兵器は着弾点付近でしか行わない)。後に発売した全記録集によると、最終的に種別は位相変換装甲に統一され、単に出力に差があるだけという設定になったとのこと。


関連タグ

空間磁力メッキ - リメイク前に存在した防御システム。あらゆるビームを反射するというチート装備である。

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