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参宮線

さんぐうせん

三重県を走るJR東海の鉄道路線、かつては幹線扱いであったが現在は赤字ローカル線である。
目次 [非表示]

路線データ

路線延長29.1km
軌間1067mm
駅数11駅
複線区間なし(全線単線)
電化区間なし(全線非電化)
閉塞方式自動閉塞式(特殊)
保安装置ATS-PT
運転指令所東海総合指令所

概要

この路線は三重県多気郡多気町多気駅から鳥羽市鳥羽駅までを結ぶJR東海が所有運営する非電化の鉄道路線である。


参宮線という名称から分かるように、もともとは伊勢神宮への参拝客を輸送する目的で作られ、戦前は伊勢神宮が国家神道の聖地ということもあり重要路線とされたものの、現在は国鉄が戦前に行っていた投資を控えたことや、都市部を走っている区間を含む亀山から多気までを紀勢本線として支線化したこと、競合路線である近畿日本鉄道近鉄山田線近鉄鳥羽線志摩線との競合に敗れたことにより、国鉄時代ならば廃止されかねないほどの赤字ローカル線となっている。


ただし、廃線の例外規定(→特定地方交通線)に当てはまる程度の客数は確保している。また、JR東海ここよりもひどい路線を所有しており、そちらも代替道路未整備という理由でリストから外れることに成功させた。


運行形態

線内を各駅に停車する普通列車と名古屋から伊勢鉄道を経由する快速みえが運行され、特急などの定期運行はない。


普通列車は始発駅である多気止まりは少なく、ほとんどが紀勢本線の上り方面へ直通(これはこの鉄道のできた経緯も関係する)し、最遠で亀山まで乗り入れる。また一部の列車は名松線との直通もある。他方、紀勢本線から見ると、亀山・津からは新宮方面への列車よりも、参宮線直通の方が本数が多い。

また、ワンマン運行が多い。


過去には関西方面からの修学旅行などの団体臨時列車も存在したが、使用されていたキハ181系などが廃車されたことにより、現在はこの方面からの乗り入れは途絶えている。


この路線の経緯等

もともとは民間鉄道会社であった参宮鉄道が、伊勢神宮への参拝客輸送を目的として明治26年(1893年)から30年にかけて敷設したから山田までの鉄道を建設したものを、鉄道国有法により明治40年内閣鉄道院(のちの鉄道省)が買収し、同時に買収した参宮鉄道の親会社的存在であった関西鉄道が明治24年に亀山-津まで敷設した路線を合わせた路線であり、買収後の明治44年参宮鉄道が免許申請をしていた鳥羽まで延伸したものである。なお亀山は買収後は関西本線に連絡する形となった。


この路線は戦前までは複数区間が複線化されており、国家神道の影響から、伊勢神宮の参拝者輸送のため重要と考えられていた路線であった。しかし以下の理由によりこの路線は現在では完全にローカル線に転落した。

  • 不要不急路線。これは昭和16年に金属資源の不足を補うことを目的に公布された特に生産や物資運搬に必要ない路線を休止、あるいは単線化することにより金属を回収する試み。結果、多数の特に中小私鉄および路線が廃線に追い込まれ、本線も単線化された。
  • 本来この路線に属していた北部の亀山-多気間が昭和34年、全線開通した紀勢本線に統合され、比較的乗客の少ない多気-鳥羽間となった。
  • 他の路線の整備が優先されたこと。昭和40年代まで国鉄はこの路線を復旧する気力はあったものの、この路線やほかの路線の赤字により後回しになり、複線化や電化などの積極的な投資や、快速や直通の急行特急寝台列車などの設定など有効な運用がなされなくなった。
  • 競合路線である近鉄の事情。近鉄は、もともと路線を異なる鉄道会社が建設していたため、名古屋線が狭軌・大阪線山田線が標準軌であり、これを理由に名古屋からの直通はできなかった。したがって、伊勢中川駅大和八木駅での乗り換えが当初は必須であったものの、昭和34年9月26日に上陸した伊勢湾台風の被災を機に、名古屋線を標準軌に改めたことで、名古屋までの直通が可能となった。また、昭和45年に近鉄が山田線志摩線を連絡する形で鳥羽線を開通させている。

そのため、昭和43年にローカル線の廃止などを推進させた「赤字83線」に該当する結果となり、鳥羽-伊勢市間が廃止対象とされ、特定地方交通線では全線廃線など、廃線の話が浮上したものの、そのたびに回避してきている。また、議論中に首相となった田中角栄による「交通網を発展させて地方も発展させる必要がある」という内容の所謂「日本列島改造論」を主張し、鉄道廃止の流れは停止された。


民営化後はJR東海が積極路線に出ており、たとえば快速みえの延長運転や臨時列車等の設定などを行なっており、なんとか廃線を避けようとしている。これは廃止を言い出すと三重県伊勢鉄道が興味を示すかもしれないが、それは避けたいためかもしれない。


平成19年、沿線においては伊勢神宮における20年に一度の式年遷宮が迫っていたが、当時の有力者である内宮銘菓の会長により、周辺地域への自動車での観光客誘致にこの路線が邪魔であるという理由から「(鉄道は近鉄もあることだし)参宮線は廃線にして跡地を駐車場にしたらどうか」と提案されたものの、これに対してJR東海は身勝手な発言として釘を刺し、平成25年の式年遷宮においては快速の増便・増結や臨時急行の設定を行った。遷宮による乗降客の増加を、どれだけつなぎ止められるかが今後の課題である。

ちなみに、その発言者は当該企業による不祥事により失脚している。


駅一覧

●は停車、▲は一部停車、レは通過。



関連項目

参宮鉄道 JR東海 ローカル線 紀勢本線

キハ11 キハ75 キハ40系

池の浦シーサイド駅:松下-鳥羽間にあった臨時駅。廃駅。

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