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概要

漫画の神様手塚治虫が「週刊少年チャンピオン」に連載した作品。テレビアニメでのタイトルは「手塚治虫のドン・ドラキュラ」。


漫画

1979年5月から12月まで連載された。現代社会に生きるドラキュラ伯爵の姿をコミカルに描いており、手塚本人も楽しく描いていたと語っている。

なお、本作はブラック・ジャックの後に連載されており、手塚も意識してブラック・ジャックと対照的な主人公にしたと言う。基本はスラップスティック・コメディだが、時事ネタを織り込んでいたり、怪奇事件に巻き込まれたりと、様々な切り口で魅せる作品である。


アニメ

1982年4月にテレビ東京系で放映された。

しかし、広告代理店の倒産により手塚治虫原作にもかかわらず僅か4話で打ち切りという憂き目に遭ってしまった(制作自体は放送1年前から開始され、脚本も21話分完成していた)。ただし、地方によっては6話、一部地域や海外輸出では製作完成分の8話まで放送された。


打ち切り理由は不人気によるものではなく、資金繰りの悪化によるものなのでビデオ化・DVD化・インターネット配信などは行われている。


主人公ドン・ドラキュラを演じていたのは内海賢二氏で、OP曲「パラダイス・ドラキュラ」も歌っていた。



余談

単行本では手塚がいつかは明かすはずだった「ドラキュラ伯爵が日本にやってきたいきさつ」も描く機会が失われたと描いているため、打ち切りと思われがちだが、手塚自身がプライム・ローズを描きたくなったため、チャンピオンの連載がドン・ドラキュラからプライム・ローズへと変わったため(?)。

そのため連載時の最終回(伯爵がチョコラの学園祭に潜り込むエピソード)も唐突で、「いつもの調子」のドタバタ劇で終了したが、単行本収録時には「伯爵が歯医者に一目惚れする話」がラストエピソードに据えられている。



評価

リアルタイムで見ていた側からすれば「これダッシュ勝平(アニメ)じゃん!」という作風になってしまっている。作画のクオリティは手塚作品とは思えない。

だが、全然別物になった面白さはある。



登場人物

 主人公(笑)。貴族的で気取った態度が多いが、少々空回り気味な上に鈍くさい。しかし家族(娘)思いの一面もあり、良くも悪くも一般的な「ドラキュラ」像からはかけ離れている。吸血鬼のお約束として日光に弱く、浴びると灰になってしまうが、再生は可能。しかし再生させる際にゴミや別の灰が混じったってしまうと、変形した姿で蘇ってしまう。


伯爵の一人娘。だが、父親より余程しっかりしている(笑)。吸血鬼ゆえに普段は夜間学校の生徒として暮らす。積極的な性格でもあり、後述のボーイフレンドが昼の学校に転校した際は、日光を克服しようと無茶を繰り返した。


執事。せむし男を思わせるスタイル。容姿は不気味だが、気立ての良い人物。

余談だが、「イゴール」は本来はドラキュラではなくフランケンシュタイン』の、しかも映画版の登場人物である


チョコラのボーイフレンド。SF研究会のメンバー。

名前の由来は映画監督の大林宣彦


伯爵を追いかけてきた吸血鬼ハンター。こともあろうかチョコラの担任。オリジナルの『吸血鬼ドラキュラ』以来の宿命のライバルだが、本作ではイボ痔に悩まされており、こちらも完全にキャラ崩壊している。


伯爵に付きまとうオバサン。意外に活躍する準レギュラー。


ドラキュラ伯爵とは因縁のある吸血鬼の女性。その正体は…。


ドラキュラやイゴール、ヘルシングらのことを怪しむ警察官。乱射癖がある。


アニメオリジナルキャラクターで、場面転換の際に登場する狂言回し



スターシステムにて

ブラック・ジャックにて吸血医師黒松と、その患者の孫として娘ともども出演している。

ブラックジャックが俺の影法師と吐き捨てるほどがめつさ・強欲さではブラックジャック同様だが、最終的にはやり込められ、借りを返すために患者の面倒を見る。

イゴールの容姿は手塚のSF漫画『ロスト・ワールド』に登場するグラターン。



関連動画



関連タグ

手塚治虫 ギャグ漫画 吸血鬼 ドラキュラ


他作品

吸血鬼すぐ死ぬ:後年の少年チャンピオンによるドラキュラ・ギャグ漫画

きょうふのキョーちゃんありすインサイバーランド :本作同様「短期間で打ち切られた」作品。正確な話数としてはこちらの方が短い。

異種族レビュアーズ:(一部地域において)本作同様「短期間で打ち切られた」作品。ただし、完走した局も存在するため、引き合いにされる際は「参考程度」にされる事が多い。

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