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ザクⅡ

ざくつー

ザクⅡとは、アニメ『機動戦士ガンダム』に登場するモビルスーツ。『宇宙世紀』を舞台としたガンダムシリーズにおいて、もっとも有名な量産型モビルスーツ。
目次 [非表示]

機体データ(MS-06F)

型式番号MS-06F
所属ジオン公国軍ネオ・ジオン軍など
開発ジオニック
生産形態量産機
頭頂高17.5m
本体重量56.2t
全備重量67.1t
ジェネレーター出力976kW
スラスター総推力43,300kg
センサー有効半径3,200m
装甲材質超硬スチール合金
携行武装ザク・マシンガン、ザク・バズーカ、ヒート・ホーク、マゼラ・トップ砲、シュツルムファウストなど

機体説明

型式番号MS-06ジオン公国軍が誇る汎用主力量産型モビルスーツ(MS)。

ザクⅠの問題点を解決した性能向上機であり、生産数の多さなどから主にザクと呼ばれる機体はこちらを指す場合が多い。

主にジェネレーターの改良による出力向上及び稼働時間の延長、動力伝達系統の改良等の再設計が行われている。


ザクⅠ同様、フレームはモノコック構造(フレームではなく装甲で機体を支える構造)を採用しているが、ザクⅠで流体パルス駆動系のエネルギー伝達経路を内装化した結果、内装容積を圧迫し運動性が落ちた失敗を踏まえ、動力パイプの一部が機体外部に露出している(この問題はMS開発黎明期における技術力の不足が原因であり、後発の新型機では再び内装化されている)。

左肩には格闘戦を想定したスパイクアーマーが装備され、右肩にシールドが固定装備されている。

シールドは防御用というよりは流れ弾対策の意味合いが強く、平坦な表面装甲を活用したウエポンラックとして用いられる局面も見られた他、加工して装甲に用いられたりザクⅠなどの手持ちシールドとして用いられた事例もある。

本機の特徴は高い量産性や整備性、新兵からベテランまでに愛用される程の高い操縦性もさる事ながらほぼ無改造で宇宙、重力下、短時間なら水中戦にも対応できる破格の汎用性でありこの性能が一年戦争初期の公国軍の快進撃を支えたと言える。

初期にしてジオン系量産MSの雛形を形作ったとも言える傑作機であり、後のジオン軍残党組織やジオン系組織ではザク系統の機体が多数開発、運用されている。

後述のザクⅡから派生した機種の項目を見れば一目瞭然だが、ザクⅡを基礎に開発された機体は非常に多くそれこそザクⅡと無関係なジオン系モビルスーツは存在しないと言えるほどである。


活躍

一年戦争の序盤から連邦軍に対し軍事的物量、国力で大きく劣るジオン軍の切り札として密かに研究開発が進められ、初の実戦運用となったルウム戦役での艦隊戦では大艦巨砲主義を引きずる地球連邦軍艦隊にMS特有の三次元的機動戦で壊滅的な打撃を与え、連邦軍の大艦隊を撃退(それ以前にも1週間戦争でも活躍している)。圧倒的な数的不利を覆してジオン軍快進撃の立役者となった。本機の活躍は、宇宙世紀の戦争におけるMSの優位性を決定づけ、連邦軍は帰還したレビル将軍を中心として『V作戦』を発動することになった。


ルウムでの大勝利の後、公国軍の3度に渡る地球降下作戦にて多数のザクⅡが地球へ降り立ち、連邦軍の有する航空戦力、機甲部隊を次々に撃破し開戦からたった半年で地球全土の半分をジオン勢力圏に置いた。


もっとも戦争序盤から中盤においてその存在は連邦軍にとって脅威とされてきたが、連邦軍がガンダムジムの開発に成功すると、ジェネレーターの問題で機動力やビーム兵器の運用が実質不可能な本機は急速にその優位性を失っていく。

しかし、ザクⅡの上位機種となるドムゲルググの生産数が(ザクⅡと比較して)少なかったため、ジオンが劣勢に立たされた戦争末期まで第一線で運用された。


一年戦争中にザクIを含めて約8,000機も量産されたため、時期や用途によって膨大なバリエーションが存在し、戦争終結後もジオン軍残党や民間で運用され続けた。戦時中・戦後に連邦軍に鹵獲・接収された機体も多く、一年戦争後は訓練機として運用された他、機体の信頼性の高さからザクベースのハイザックが開発されている。


先述の活躍ぶりもあって本機の存在そのものがジオン公国軍の象徴として印象付けられており、一年戦争後はティターンズがジオン軍残党への心理的効果を期待してハイザックを運用した他、第一次ネオ・ジオン紛争ではアクシズがコクピットをリニアシートに換装した本機をパトロール任務などに使用し、新生ネオ・ジオン軍やその残党である袖付きも本機をモチーフとしたギラ・ドーガギラ・ズールを運用している。


漫画『機動戦士クロスボーン・ガンダム ゴースト』では博物館(旧公王庁)に動態展示されていたものをフォント・ボーサイド3の脱出のために使用。実戦投入されてから70年以上たった古い機体だが戦場に出てくる事などありえない古い機体ゆえに最新機である敵MSのOSにデータが無い為に主流となった小型機と誤認されて攻撃をよけたり、敵艦からデータを盗んだりと序盤の主役機として活躍することになる。


武装

あらゆる戦況を考慮してオプション兵装は膨大に開発されており、装備次第で前衛・後衛問わず戦闘に参加できる。これこそが本機最大の強みであり、以下に記載するのはその代表的なものにすぎない。この武装の豊富さが、本機の汎用性をより際立たせる理由となっている。


Sマイン

胸部など機体各所のマルチランチャーに内蔵されている対人兵器。

機体から発射された小型弾頭が炸裂し、弾子を高速で撒き散らす事により周囲の歩兵や小型兵器を殺傷・破壊する。

OVA『機動戦士ガンダム 第08MS小隊』においてザクⅠトップ機が暴徒化した現地ゲリラに対し自己防衛のために、『機動戦士ガンダム MSイグルー2 重力戦線』においてJ型が装甲車ラコタに乗った連邦兵に対し使用した例が確認されている。


ザク・マシンガン

口径120mm、ドラムマガジン採用の実体弾型マシンガン。セミオートとフルオートの撃ち分けが可能なため、機構はマシンガンよりアサルトライフルに近い(劇中でも「ライフル」と呼称されている)。

拡張性も高く、生産時期によって初期型・中期型・後期型など細かく分類分けが行われている。

初代ガンダム劇中に登場するものは主にM-120A1型とされ、一年戦争中もっと多く普及したタイプとされる。その名から専用兵器だと思われがちだが、本機以外のジオン軍量産機も数多く使用している。

戦争初期では専ら対艦戦や戦車、航空機などに対して運用されたが、連邦軍がジムなどのMSを運用するようになっても対MS戦に使用されている。

OVA「重力戦線」では一撃で61式戦車を撃破するシーンも散見されており、高い戦果を挙げた。


ザク・バズーカ

口径280mmの対艦用無反動砲。単発式のものと5発のバナナ型弾倉を装備したものがある。また、ザク・バズーカ2門を並列に結合させた「連結バズーカ」や「2連バズーカ」といった派生モデルも存在する。

元々は核弾頭を運用できるように設計されたが、南極条約の締結によって通常弾頭での運用が原則となった。

物語序盤において唯一、ガンダムの装甲に有効だった射撃武器でもある。

漫画『機動戦士ガンダム THE ORIGIN』ではジャイアント・バズ並みに巨大化しており、6つのサブタイプが設定された。OVA版では後込め単発式のA-1型とシールドに懸架可能な3発入りのマガジンを持つA-2型が登場。

なお、ドム向けのジャイアント・バズといったザク・バズーカ以外のMS用バズーカが、ザクⅡによって運用されるケースもあった。


ヒート・ホーク

ビームサーベルと並ぶ程有名なザク用の格闘兵器。

元は宇宙空間におけるコロニー建設作業用の工具が発展して完成した物。グフヅダなど、他機種での運用も可能。

セラミック系高分子化合物で構成されたブレード部分を加熱してプラズマ化させることで敵MSの装甲を溶断することが可能だが、使用限界は4~5回程度の使い捨て武装である。


クラッカー

MS用の手榴弾。直撃以外ではモビルスーツに対する致命傷を与える事は難しいが、牽制やトラップとして有用性を示している。

兵士が使用するようなグレネードとは違い、弾頭が複数個存在しその弾頭がバラバラに飛散して爆発する事で面制圧に長けた武器として使用されている。


シュツルムファウスト

パンツァーファウストをそのまま大型化したロケットランチャー

一撃でマゼラン級戦艦を撃沈する程の威力を持つが無誘導弾であるため、モビルスーツや戦闘機のような高機動体に命中させる事は難しい。

ザク・マシンガン、ヒート・ホークと同様にマニピュレーターさえあれば扱えるため容易に他の機体への転用が可能。


シールド

右肩部のシールドに取手を付け携行武装として転用した廃品再利用とも言える装備。

物によってはシールド先端部に3本のスパイクが付いており、これが所謂スパイクシールドと呼ばれ、格闘戦において質量を生かした打突兵器としても扱える。

また、シールド裏はシュツルムファウストなどの武装を携行するウェポンラックとしても利用できる。

本機の他にザクⅠゲルググMによる装備が確認されている他、シュツルム・ガルスが本装備の打突部をベースにギラ・ドーガのシールドを組み合わせたカスタム品2枚を唯一の格闘兵装としている。

先に言った通り、ザクⅡの固定装備の再利用品というのが通説だが、MGの旧ザクの取扱説明書ではまずザクⅠ用の携行武装としてスパイクシールドが開発され、ザクⅡ設計時にスパイクとシールドで機能が分割されて固定装備とされたという新説が唱えられている。

なお、外伝ゲームでこそポピュラーなものの、実はザクのシールドでありながら映像作品でザクが携行していたことはザクⅠ・ザクⅡ共に一度も無い


脚部3連装ミサイル・ポッド

主にJ型が使用したミサイル・ポッド。

脚部に外装する形で装備される為、マニピュレーターに武器を装備したままでも使用可能。

外装型ミサイル・ポッドは容易な火力強化が可能であったため、連邦・ジオン残党組織問わず後年開発されたMSにも同様の装備が施された機体も存在する。


マゼラ・トップ砲

マゼラ・アタックの砲身「マゼラ・トップ」を手持ち火器として改造した現地改修兵器。口径175mm。対艦ライフルのように遠距離からの支援用として多くの地上部隊が運用した。

初代ガンダムの放送時に準拠したデザインでは外付けのマガジンを搭載していないが、「第08MS小隊」版ではマガジンが機関部に装着されている。



MS用対艦ライフルASR-78

『THE ORIGIN』で新たに設定された対艦ライフル。ヅダの135mm対艦ライフルとは別物。

敵艦の装甲を貫いてから内部で弾子を撒き散らすという徹甲榴弾に榴散弾の特性を持たせたような実弾を発射する。

パラレルワールドの武器ではあるが後に正史にも逆輸入され、アニメ『機動戦士ガンダム0083 STARDUST MEMORY』のBD-BOXに収録されたピクチャードラマ『宇宙の蜉蝣2』でガンダム試作2号機が運用している。

また、映画『機動戦士ガンダム ククルス・ドアンの島』では本装備を短銃身化して携行性を高めた対艦ライフル・ショーティーが登場している。


スキウレ

模型企画『MS-X』で設定された浮遊砲座。ザクⅡをはじめとするMSによって操作されるサブフライトシステムの先駆的な兵器で、ビグロ用のメガ粒子砲を装備している。


ビーム・バズーカ

元はリック・ドム用に開発された大出力の携行式ビーム兵器。ジェネレーター内蔵式のためかザクⅡも使用することが可能で、短編アニメ『GUNDAM EVOLVE../10 MSZ-010 ΖΖ-GUNDAM』にて、ネオ・ジオンが運用するザクⅡが携行している。

なお、ザクⅡ向けに開発された他のビーム兵器としては、漫画『機動戦士ガンダムMSV戦記 ジョニー・ライデン』に登場するゲルググ用ビーム・ライフルを元にしたバックウェポンシステムや、カードゲーム『ガンダムコンバット』に登場するパワージェネレーター直結式のビームライフルなどがある。


ピストル型パワーツール

作業用装備で、宇宙飛行士が船外作業に用いる同種の電動工具をMSサイズにまで拡大したものと思われる。初出となったムック『ガンダムセンチュリー』では、ブリティッシュ作戦時の核パルス推進システムの設置作業に使用されたとされる。


関連動画


バリエーション

記事が存在しているものは下記リンク先参照。

MS-06A 先行量産型ザクⅡ

MSV』で文字設定のみ書かれ、『MSV-R』にて画稿が描き起こされた、ザクⅠの問題点を解決し再設計された最初のザクⅡ。当初はMS-05Cの型式番号で開発が進められていたが、設計を刷新するにあたって新たにMS-06の型式番号が設けられた。

外見上の特徴は左右の肩がザクⅠと同様のスパイクの無いショルダーアーマーとなっている程度。武装もザクⅠと同じ105㎜マシンガンと先込め式バズーカだけでまだこの時点では近接戦用武器であるヒートホークは完成していなかった。

最初期の機体であるためいきなり実戦投入という訳にもいかず、大半は教導機動大隊の訓練用に回されている。


MS-06C 初期量産型ザクⅡ

J型や後述するF型と共にムック『ガンダムセンチュリー』で設定付けされた、ザクⅡの最初の実戦配備型。

この型から右肩にL字シールド、左肩に3本のスパイクが付いたショルダーアーマーが装備され、スタンダードな「量産型ザクⅡ」の姿となっている。

核弾頭の装備を前提に設計されており、コクピット内部には耐放射線装備が施されている。その為本体重量は72tと他の量産型と比べかなり重い。

ザクⅡ

漫画及びそのOVA化作品『機動戦士ガンダム THE ORIGIN』では耐放射線装備の有無は言及されていないが、更なるマイナーチェンジとして地上にも対応したMS-06C-5と固定武装を強化したMS-06C-6が新たに設定された。

C-5型は胸部左右ブロックに小型スラスターが増設、中央ブロックのT字状の隆起が無くなりハッチ上部には小型のレーザー銃が搭載されている。C-6型は更に胸部右ブロックとの境界部分が丸くくり抜かれ、その部分に3連装機関砲が搭載された。

これとは別に固定武装として左右鎖骨部に30mm機関砲2基、左腕部に20mm機銃を増設する「R6キット」というオプションも設定され、どちらか一方でも装備した場合「MS-06C-5/R6」といったように型式番号の末尾にR6キットを装備したことを表すコードが付随する。


MS-06F 量産型ザクⅡ

南極条約の締結により核兵器が使用できなくなり、それに伴いC型からデッドウェイトになる耐放射線装備を外した型。「ザク」や「ザクⅡ」と言われると基本的にこれを指す。

機動戦士ガンダム』作中、一年戦争初期のコロニー落としのシーンを除けば宇宙やコロニーにおいて登場する量産型ザクは殆どがこれとされる。


パーソナルカラーで塗装されたエース専用機は数多くあれど改造まで施してあるのは意外に少なく、装飾性の高い頭部ブレードアンテナとスパイク付きの手甲に加え4本のスパイクを取り付けたショルダーアーマーを両肩に装備したドズル・ザビ専用機(後述)、前傾向きの頭部ブレードアンテナに両肩にスパイクアーマーを取り付けたエミコ・ジェラード機、頭部をE型のものに換装するなどマゼラ・トップ砲改造のスナイパーライフルによる狙撃戦に特化したリンゼイ・シミズ機程度。


中期量産F型

旧キット「1/144 MS-06FZ ザク改」の組立説明書に登場。

基本的な仕様は通常のF型と同様だが、各部の外装のバランスがザクⅡ改に近い形に改められている。また、他のザクⅡに無い特徴として、股間上部に小型スラスターが1基備わっている。

設定されているのはデザインと機体名のみで、F型のバリエーションなのか、F型のデザインをリファインしたものなのかは不明。


MS-06F ザクⅡF型(狙撃装備)

ゲーム『機動戦士ガンダムオンライン』に登場。

ザクⅠ・スナイパータイプのランドセルとビームスナイパーライフルを装備するが、チャージ・ビーム・スナイパーライフルなどの他の狙撃用武装も携行できる。

型式番号に変更はない。また、S型をベースにした機体も存在する。


MS-06F ドズル・ザビ専用ザクⅡ

ザクⅡ(ドズル・ザビ専用機)

メカニックデザイン企画『MSV』に登場。

読んで字のごとくドズル・ザビ専用のパーソナルカスタム機。身長2mほどの巨漢であるドズルが乗れるようにコクピットを大型化している。全身縁の塗装に金色のエングレービングが施されている(これはドズルの趣味ではなくある技術士官の発案らしい)。肩は左右とも量産型からスパイクが1本増設されたスパイクアーマーになっており、両手の甲にもスパイクを3本ずつ装着している。

武器は専用の大型ヒートホークを装備しており、マシンガンなどは装備せずに出撃する事もあった。

ドズルは開戦当初にこの機体を駆って前線に出ては兵士たちを鼓舞していた。また戦場視察にもこの機体を使って戦った。だが戦争後期になると司令官としての仕事が忙しくなった為に視察に出なくなり始めたのであまり使われなくなり、最終的にソロモン攻略戦の際に焼失したと言う。

Giant Warhammer

漫画『機動戦士ガンダム MSV-R 宇宙世紀英雄伝説 虹霓のシン・マツナガ』においては更なる改修を経ており、後の「袖付き」を彷彿とさせる黒主体の華美なエングレービングが施されていた他、ランドセルもS型のものに換装、両腕部にも動力パイプが這うようになりその強化された出力に見合った専用の武装としてロケットブースター付きの「ジャイアント・ウォーハンマー」を携えていた。

連邦のアンタレス作戦に対抗するために用いられた際にプロトGファイターと交戦し失われた。


リビング・デッド師団仕様

機動戦士ガンダム サンダーボルト 量産型ザク+ビッグ・ガン

漫画及びそのOVA化作品『機動戦士ガンダム サンダーボルト』に登場。

サイド4「ムーア」にあるコロニーの残骸やデブリが漂う暗礁宙域「サンダーボルト宙域」に展開する「リビング・デッド師団」向けに改修された仕様。

デブリを避けるなど細やかな動作が求められる暗礁宙域に対応すべく多数のアポジモーターが設けれた巨大なバックパックが目を引く。武装はバックパックにまとめて懸架されており、上部に折り畳まれている2本のサブアームで取り出す。

本体も関節や動力パイプのシーリング処理に加え、脚部のアポジモーターを8対に増やしてある。また、足裏は従来のようなスラスターではなくデブリなどに自機を固定する為の展開式のクローが付いている(OVAでは若干解釈が変わり、足裏スラスターは2基ずつに増えたうえでクローが小型化、バックパックは従来のランドセルに被せる取り付け方式となっている)。

リビング・デッド師団が四肢を失いMSの操縦が困難になった傷病兵で構成されていることから主に狙撃手としての役割を任されており、大型ジェネレーター3基で稼働する大出力ビーム砲座「ビッグ・ガン」(ザクキャノンのそれとはまったくの別物)が共に配備されている。


OMS-06RF RFザク

機動戦士ガンダムF91フォーミュラー戦記0122』を初出とするモビルスーツ。

宇宙世紀0110年代から0122年にかけて活動した、レガシィをはじめとするオールズモビルと呼ばれる一連のジオン残党組織が運用した。MS-06ザクIIと近しい外装を被せられているが、その中身はネオ・ジオン系の発展技術で構成されており、量産機ながら前世代のエース機にも通じる性能を誇る。

RFシリーズという兵器群に分類され、開発はオールズモビルの中でも火星を拠点とする火星独立ジオン軍が行った。一年戦争期のザクIIと同一の外観を持つものは前期型と呼ばれる。のちにブッホ・コンツェルン小型モビルスーツのノウハウを取り込んだ最新型は後期型と呼ばれ、必ずしも原型機と同一の機能と様相にこだわってはいない。


ワーカーモデル

MS-06ザクIIは宇宙やコロニー内はともかく、バリエーション機を含め地上や水中など、ほぼ全領域にわたって運用された機種のため、地球連邦におけるガンダムのように、ジオニストをはじめ半ばシンボル化された側面を持っていた。そのうえモビルスーツの中では最初期に開発された旧型ながら堅実な設計で整備性や信頼性に優れていたため、宇宙世紀0110年代には一部マニアの間でモビルワーカーとして運用されるケースも散見された。使用されるパーツはユニバーサル規格の共用品が用いられ、原型と比べ飛躍的な軽量化を果たしている。

しかし、そんな背景や共用品を用いたことによる隠蔽のしやすさから、軍用モデルを紛れ込ませテロリズムに運用される例が頻発することとなった。

開発中のモビルスーツ

『機動戦士ガンダム』に登場。

ガンダムの運用開始に前後して、MS開発を活発化させたジオン軍が計画を進めていた機体のひとつ。

ベルファスト基地に寄港中のホワイトベース隊へレビル将軍が提示した、ジオン軍から押収した複数の新型機のデータの中に図面が含まれている。

脚部はザクⅡほぼそのままだが、上半身の外観は後のゲルググに似通った部分もある形に一新されており、モノアイ周りの面積が大きく取られた幅広の頭部を特徴とする。

当時の連邦軍は未確認情報として「単機での性能を重視した機体のひとつである」旨を推測していたが、実機は確認されておらず詳細は判然としない。正式な名称も不明。

アニメ『∀ガンダム』にも登場。月面ゲンガナムの「冬の宮殿」に保管されていた黒歴史のデータの中に図面が含まれており、他の技術データとともにグエン・サード・ラインフォードらによって収奪されている。

レビル将軍が示したデータに含まれるMSは、ゴッグを除きその後実物が登場しておらず、ファンに「実体の無い欺瞞情報では」と考察されることもあるが、本機に限っては宇宙世紀を含む黒歴史の中で確かに実在していたようである。


立体物

1/288、1/250、1/144、1/100、1/60、1/48のスケール。SDガンダムシリーズにて立体化がされている。

またシャア専用ザクが発売されてからリデコ・リカラー品として追って発売されることが多い。


1/288では、1/144旧キットを1/2に縮小したという体裁のガンプラコレクションにおいて、後述の量産型ザクとザクマインレイヤーが2種類ともラインナップされている。


1/250はガンダム情景模型と発売当時最新技術だった多色成型のイロプラが存在する。

ガンダム情景模型シリーズではそれぞれザク・バズーカとザク・マシンガンを構えたポーズ固定のものが「ランバ・ラル特攻」(ガンタンクグフとセット)、「ジャブローに散る」(ジムシャア専用ズゴックとセット)を構成するキットとして発売されており、おまけとして更にミニサイズの棒立ちのマスコットフィギュアが付属する。


1/144は種類もさることながら旧キットの時点でアニメ寄りの曲面的なベストメカコレクションと設定画寄りの直線的なMSVシリーズザクマインレイヤーのコンパチ)の2種類でラインナップされている珍しいMSだったりする。

その後のラインナップとしては『機動戦士ガンダム 第08MS小隊』に登場したJC型を再現したHGにて陸戦型ガンダムとのセットとF型とのコンパチ仕様が2種、プロポーションを後述のPGに合わせリファインした旧キットというべきFG1stガンダムのディテールを極力崩さず可動を向上させた初代HGUCとそれにガンダムを同梱したガンプラスターターセット、同様に追加武装のほか61式戦車ワッパを2両ずつ付属させた『機動戦士ガンダム MSイグルー2 重力戦線』再現仕様のHGUCHG(ハイグレード・ユニバーサルセンチュリー・ハードグラフ)ザクⅡ地上戦セット、緻密なディテールやアドバンスドMSジョイントにより動きに連動しスライドする装甲ギミックが売りのRG、原作カラー単品とビッグ・ガン付属品、そしてビッグ・ガン共々成型色が変更されたアニメ版の3種類がラインナップされたHG THUNDERBOLT、腕部のR6キットが付属したC型、C-5型のコンパチ仕様とC型用の胸部のR6キットも追加されたC-6型の2種類がラインナップされたHG THE ORIGIN、可動域やプロポーションをリファインしたHGUC REVIVEが存在する。

リデコやコンパチを除きフォーマットで絞ると実に9種類の1/144が発売されていることになる。


現在HGのリデコの素体になっているのは専らTHE ORIGIN版個体を再現した「HG 1/144 ザクⅡ C型/C-5型」と元祖TV版個体を再現した「HGUC REVIVE ザクⅡ」の2種類であり、「設定上は同じザクⅡだがプラモの構造が違う」というかなりややこしい事になっている。例えばコアな人気を誇るドアンザクは「HG 1/144 ザクⅡ C型/C-5型」ベースな一方、量産型リコ専用ザクは「HGUC REVIVE ザクⅡ」がベースである。

元のキットが出来がどちらも良いだけに、特にミキシングビルドの際は注意が必要。


1/100は旧キットの他に当時のハイディテール路線が如実に表れたF型とJ型のコンパチとなる初代MG、プロポーションをアニメに寄せ今後のバリエーション展開を見据え金型のパーツ配置も見直されたMG Ver. 2.0(F型とJ型は別売り)がある。


1/60はムギ球を仕込むことでモノアイを発光させられる旧キットの他、発光ギミックもさることながら当時の技術の粋を集めフルハッチオープンも可能としたPGが発売されている。


1/48はニッパーを用いず手でランナーからパーツをもぎ取れるタッチゲートで構成され、パーツ数も控えめに抑えられているメガサイズモデルが唯一のラインナップ。


厳密にはガンプラの範疇には入らないが、組立キットHYPER HYBRID MODEL(HY2M)として1/12が2001年に販売された。

その高さは約150cmにまで到達する。

ガンプラで使われる製法である金型に溶融した樹脂を注入する「インジェクション」の他に、大型のパーツは風船のように膨らませ金型で挟み込む「テクニカルブロー成型」、その重量を支えるフレーム(故に脚は非可動)には「エクストリューション(押出成型)」が使用された。


SDガンダムでは、BB戦士からSDガンダム GGENERATION-ZERO』版の「ザクⅡ(フル装備型)」(ジョニー=ライデン ザクⅡの成型色変更+部品追加型)の他、『SDガンダム GGENERATION-F』版として作中に近い姿に新規造形された「ザクⅡ F型」の2種類が発売されている他、クロスシルエットにもラインナップされている。


その他商品の付属品としては、1/6ちびケロにはガンダムと共に1/100のガンプラとして(つまり1/600)、旧キットの1/1200ガウ攻撃空母EXモデルの1/1700ムサイ級軽巡洋艦には同縮尺のものが付属している他、カップヌードルミニのおまけとして1/380が発売されていた。


余談

ザクは違うスケールの間でそれぞれ共通したプロポーションとディテールを持つキットが多く、

  • 1/288ガンプラコレクションと1/144ベストメカコレクション
  • 1/250イロプラ、1/100、1/72メカニックモデル(シャア専用ザクのみラインナップされている)、1/60の旧キット4種
  • HY2MとMG Ver. 1.0と旧HG(肘など若干のディテール変更あり)
  • PGFG
  • MG Ver. 2.0と1/380
  • RGとメガサイズモデル

以上のキット間ではディテールを共有しており、RGとメガサイズモデルはMG Ver. 2.0のプロポーションやスラスター配置を基にパネルラインを大幅に増やしたディテール構成となっている。


デザインのモチーフ

メカニックデザイナーの大河原邦男によれば、デザインのモチーフは「背広」。というのも、大河原氏は東京造形大学から卒業後、一時期に大手アパレルメーカーに就職し、新人時代で来る日も来る日も背広のデザイン画を描いていた。ザクのデザイン依頼を受けた後、描き慣れてる背広をヒントにし、自前のコレクションである軍用ガスマスクのイメージを加えて、短期間にデザイン画を仕上げた。つまりロボットアニメにおける量産機のイメージ決定的なものとする名機・ザクⅡの根源は、昭和日本の企業戦士の制服なのだ。


関連イラスト

MS-06 ザクII その1センシティブな作品

強襲まだよく動けんようです、やります!!!

キャリホルニヤの悪夢一つ目の巨神


関連項目

機動戦士ガンダム

ジオン ザク ザクⅠ ククルス・ドアンドアンザク

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