概要
『ヒューマンバグ大学』に登場する極道組織。
神奈川県横浜市を拠点に置いており、蒼弩街をシマとしている。天城戦争にて天羽組と対立する。
特徴
極道組織の例に漏れず、好戦的もしくは冷徹な人物が多く在籍している。他組織の構成員にも慇懃無礼で非常に威圧的な態度をとり脅しにも近い対応をしていた事から、当初は任侠集団というより羅威刃や戒炎のようなマフィアに近いと見られていた。
しかし実際は仁義を貫く任侠組織であり、地元の人々を半グレから守り頼られている(恐らく海外勢力からも横浜を守っていると思われる)。また、仲間同士の結束も非常に固い。
その一方、非常に排他的で(裏を返せば地元愛が強いとも言えるが)、横浜を一枚岩にするという野心があるが、隣県(特に東京)の極道に強い敵対心を持っている。
周辺組織からは「触らぬ神に祟りなし」と言われ、武闘派としては超強力だが、元々好戦的ではなかった模様。同じ神奈川県の鎌倉市にあるとされる隼瀬組との関係は不明。
歴史
2024年4月17日の動画で、過去に東京対横浜の戦争となり、戦後にその緩衝地帯となったのが閏間地区だった事が判明。
その昔、閏間地区は横浜でも指折りの貧困地帯であった。その事もあってか横浜の極道は閏間地区周辺の出身者が多く、さらに運動場などの子供向け遊戯施設が集中しているため他所の地区出身者でも閏間地区で子供時代を過ごした者も多く、そのため閏間地区は横浜極道にとって故郷と呼ばれる程の思い入れが深い特別な土地であった。
そして今から15年前に起きた東京極道との大戦争で閠間地区は一時的に東京側に実効支配され、元々の閠間地区をシマにしていた家入組は生き残りの為に東京極道と繋がる事となるが、奇しくもこの頃に東京極道から学んだシノギのノウハウにより閏間地区は経済成長する事となる。だが横浜極道による決死の攻撃により多数の犠牲を出しながらも閠間地区から東京極道を追い出す事に成功し、家入組に自治権を返したが、戦争後も東京との関係を続けている家入組が再び東京側に付く事によって、両者の勢力圏が再び接する事を危惧している模様。
それでも家入組の事情に配慮して静観していたが、近年になって半グレが閏間地区を荒らすようになり治安が悪化する。家入組では戦力不足で対応できずにいる状況を見かねて協力を持ちかけるも、東京極道との兼ね合いで家入組に協力を断られた事に腹を立てる。自分たちの故郷を自分たちで守れない事に納得がいかず、さらに東京極道と組んで閠間地区の都市開発に乗り出した事を知り、これは利権目当てに東京に横浜の土地を売る裏切り行為だと断定。もはや家入組に閏間地区を任せられないと長年の不満を一気に爆発させるに至った。
その後は家入組の許可無しに閏間地区に乗り込んで治安維持を強行し、さらに家入に東京極道と手を切り神城組と協力するよう圧力をかけるが、家入は神城組の脅迫じみた強引な態度に怯え、天羽組に助けを求める事態となり、天羽組は戦争を回避するための抑止力として武闘派構成員を家入組に派遣するが、神城組は家入組が警告を無視して閠間地区に東京極道を引き入れた事に激怒し、東京極道が仕切る都市開発の建設案件を回してもらった家入組が完全に東京側に付いたものと受け取ってしまい、戦争回避どころか逆に神城組の戦意がさらに高まる結果となった。そして最終通告として家入組に臣従か家入組を取り潰して横浜から追放かをせまったがそこで最悪の事態が起きてしまうのだった・・・。
本来は天羽組同様、心から戦争を望んでいる訳ではなかったのだが…
戦力
規模や戦力としても不明な点は多いが、関西極道でもトップレベルの規模と戦力を持っていた天王寺組が東京侵攻する際も、当時の若頭でブレインとして非常に優秀だった大嶽徳史でさえ、接触や抗争を恐れて横浜を通る事を回避したほどに警戒していた事から、天羽組どころか他地方の極道組織も気安くやり合いたがらないレベルである模様。天羽組で頭角を現しつつある武闘派にして不良上がりの飯豊朔太郎曰く、「港町として栄えてきた横浜は海外の輩達が降り立つ場所である事から、その対抗戦力を持つために強い男が多く集まりやすい」との事。
現在の若頭である名波がどこかのアサシンギルドに所属していた経験があり、彼が主導となって武闘派構成員を鍛え上げており、それが戦力の高さにブーストをかけている。
構成員
上層部
- 組長(仮称)
神城組の組長。本編未登場。
- 名波和親(ななみ かずちか)
若頭。茶色のスーツにオレンジ色のメッシュがかかった髪型が特徴。天羽組の組長である天羽桂司にも舐めた態度を取ることから無礼な性格であることが窺える。一方、若頭でありながら現場に立ち続ける現役の武闘派であり、統率力にも長けた人物である。先述の通りとあるアサシンギルドに所属した経験があることからして株式会社モーリーやエルペタスの面々に匹敵する戦闘力を持っている可能性が高い。
主力級の武闘派構成員
- 長門碧(ながと あおい)
名波の護衛にあたっていた武闘派構成員とされる男。紫色の服装と和中によく似た髪型と髪色をしており、右耳にはルビーのイヤリングを付けている。「男前」が口癖であり、好戦的でありながら週に3回もトリートメントに通うほど美意識の高い性格をしている。
武闘派なだけに避ける能力が異次元レベルのディフェンス力を誇っている模様。
- 広瀬大聖(ひろせ たいせい)
横浜伝説の不良グループ「須牌堕」のトップにして、「猛拳」の異名を持つ武闘派構成員。
白髪オールバックをベースに右側辺りへ髪を降ろした髪型と色黒の肌をした強面が特徴的な青年。青緑色のワークジャケットとVネックの黒Tシャツ、グレーのカーゴパンツに黒のショートブーツを着用している。
「ステゴロなら広瀬、文句あるならやってみな」とまかり通るほどに取っ組み合いの喧嘩に優れた人物であるとの事。ヤンキー達の憧れの的であり、天羽組の飯豊朔太郎も不良時代に何度もその名前を聞くほどの有名人である。一方で、受けた恩義を決して忘れない人物でもある。
- 安芸直治(あき なおはる)
「絶対に失敗しない男」の異名を持つ武闘派構成員。
黒色外ハネのミディアムヘアに毛先に青色のメッシュをかけたタレ目が特徴的な青年。
陽キャでイケイケなイメージを感じさせる広瀬と対照的に、「僕なんかどうせ失敗する」を口癖にしてそれを感じさせる陰気な印象である。袖と襟にヒョウ柄を拵えた黒のライダースジャケットに黒のハイネックシャツ、ストライプ柄のパンツに白のスニーカーを着用している。
ネガティブな性格ゆえに通常のケースから最悪のケースまで全て想定するほど用心深く、高い作戦立案能力を持っていることが窺える。
- 市合麟太郎(いちごう りんたろう)
特殊警察から極道へと移籍した異色の武闘派構成員。
ナツメ金融現社長の三門一郎太のビジネスパートナーである部南忠志と同じく、腐敗した権力側に愛想が尽きて裏社会へと流れて来た模様。視聴者からは三門が秋月家や雷一族と因縁があるように部南と何らかの関係があるのではとの声もある。
舎弟
- 神田直道(かんだ なおみち)
下っ端の構成員。濃いベージュのスーツに少し幼さが残る顔立ちが特徴的な青年。長門などと共に家入組への最終通告に向かう。
- 下田
下っ端の構成員。名波に家入組が本格的に天羽組もとい東京極道と繋がろうとする旨の報告をした。その後、最終通告に向かった際、家入組幹部の柴原に腹を撃たれる。後述の山井と異なり彼は瀕死の重体ながらもギリギリ生存しており、長門の指示を受けた神田によって闇医者へと運ばれた。
- 山井 ×
下っ端の構成員。最終通告に向かった際、天羽組の宇佐美純平に頭を撃たれて即死した。
敵対組織
神奈川県横浜市の閏間地区に拠点を構え家入雅和を組長とする極道組織。横浜の極道組織でありながら東京極道と友好関係を結んでいることが原因で神城組と緊張状態にあった。後日、神田・下田・山井を引き連れた長門が家入・柴原・宇佐美と出くわした際、柴原が半ば暴走に近い形で下田に重傷を負わせ、宇佐美も山井を殺害してしまう。これにブチ切れた長門はその報復として柴原・家入・宇佐美を殺害した。この一件を機に神城組と家入組・天羽組は完全に敵対することとなる。
東京都の空龍街に拠点を構える極道組織。家入組と神城組との抗争勃発を回避するために家入組に青山琉己・小峠華太に宇佐美を派遣していた。しかし、この行動が逆に神城組を激怒させることとなり、神城組から敵意を向けられることとなる。そんな中、家入の護衛をしていた宇佐美が家入・柴原諸共長門に殺害されてしまうという事態が発生してしまう…
考察
そもそも天羽組と神城組の最初の接点は「天羽組のシマである空龍街で悪事を働いた半グレの親組織である真島組を横浜で排除したことに彼らが因縁をつけた」ことにある。この件で彼らは「頼んでもいないのに横浜極道のケツを拭いてくれたそうで」「領分を理解しない東京者」などと主張したが、実際に彼らがこの問題に対して(少なくとも東京の地で実害が出る前に)天羽組の前に動いた様子は一切ない。すなわち実害を受けた天羽組が外道組織を粛清するための遠征に出ること自体は筋が通っており、それを完全無視して「(真島組は)横浜の問題だからよそ者は干渉するな」という主張は的外れであり、のちの日滅軍によるテロと共に神城組が糸を引いていたのではと疑われても仕方がない部分があった。
その上に、歴史問題に言及する時も意図的にこの事件への言及を避けている。このため、「何か理由があるのではないか」と勘繰る視聴者も存在する。真相は果たして...
また、家入組に以前から圧力をかけ続けていたこと(戦力差を考えると東京との関係を切れと命令しているのとほぼ同義)が明らかになっているが、家入組が対話を積極的に行なおうとしなかったことを踏まえてもやや行き過ぎていた面がある。
家入組にヘイトが集まっている状況ではあるが、真島組の件などを含めて神城組にも非がないともまた言い難い。
しかし、彼らなりに横浜、ひいては家入組のことを考えていたことも事実であり、神城・天羽・家入の三組織は少なくとも仁義外れの類ではない。三方の行き違いや非が重なったことで起こってしまった戦争と現状では言えるだろう。