氷度笠

ひょうどがさ

氷度笠とは、特撮テレビドラマ『星獣戦隊ギンガマン』に登場する敵怪人の一体。

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目次 [非表示]

1 概要

2 作中での動向

3 備考

4 関連タグ

「ギンガの光を誘い出す。深く冷たい眠りへ落ちろ………」

CV：宗矢樹頼

登場話数：第二十章「ひとりの戦い」

概要

宇宙海賊バルバンの4軍団のうち、ブドー魔人衆に属する魔人の一人。「星から星への渡り鳥」を自称し、魔人衆の中でも最精鋭とも言える「ブドー四将軍」に選ばれるだけの実力者でもある。

クラゲを模した三度笠を被り、道中合羽や脚絆に身を固めた如何にもな渡世人姿が特徴で、腰に帯びた刀から「抜刀無惨斬り」という必殺剣を繰り出すなど、ずば抜けた剣の腕を持つ。加えて馬術にも長けており、作中でも獣走馬を駆るギンガレッドと熾烈な一騎打ちに及んだ。

しかし何より特筆すべきなのが、放り投げた笠から氷の針を豪雨あられと降らせる「夢氷（ゆめごおり）」という秘技である。この針を受けたあらゆる生物は急激に体温が低下し、やがてはそのまま永遠の眠りに陥ってしまうという、恐るべき特性を備えている。また、投げた笠はそのまま自由自在に空を飛び回り、より広範に夢凍を撒き散らすこともできる。

この夢氷は、口に含んでいる針からも同様に繰り出すことが可能であり、これ以外にも起爆性の針も備えているなど、木枯し紋次郎の楊枝飛ばしさながらな技も持ち合わせている。

作中での動向

「ギンガの光が姿を潜ませるもの」も残りわずかに絞られる中、ブドーが次に狙いをつけたのは「夢より醒めるもの」であった。これを「目覚めるとなればすなわち生きているもの全て」と解釈したブドーは、地球上の全ての生物を永遠の眠りに落とすべく、それが可能な氷度笠を作戦の実行役として差し向けることとなる。

こうして夜の市街地にて、夢氷をばらまき人々を無差別に眠りに落としていった氷度笠は、駆け付けたギンガマンに対しても抜刀無惨斬りでレッドを斬り伏せ、口からの氷の針を5人に撃ち込むことにより、炎のアースを持つリョウマ以外の4人までも冬眠状態へと追いやってみせた。

同様に冬眠状態となりかけていたモーク曰く、人々がこの状態に耐えられるのも恐らくは日暮れまでであり、唯一動ける状態にあったリョウマは、この状況を逆手に取ってギンガの光出現を待とうとするブルブラックからの妨害を受けながらも、独り氷度笠の行方を追うこととなる。

これと時同じくして、氷度笠の方も遂に出現したギンガの光を馬に乗って追跡し、これを掴み取るに至るのだが・・・そのギンガの光は偽物であった上、ブルブラックを振り切って獣走馬レッドスパークを駆るレッドとも遭遇してしまい、両者は馬上での一騎打ちを経て壮絶な斬り合いを展開。ここでもレッドを滅多切りにして歴然たる実力の差を知らしめるが、みんなを守るためと決意を固めたレッドは、敢えてノーガードの状態から氷度笠の攻撃を誘い、居合も同然の一撃に全てを賭けるという捨て身の戦法で臨み、これにより氷度笠も相打ちに近い形で敗れ去った・・・かに思われた。

「・・・もう一人、居たという訳か」

この思わぬ一言を残して倒れ伏した氷度笠の背には、一本の短刀が突き刺さっていた。実はレッドの捨て身の戦法だけでは氷度笠を打倒するには至らず、ブルブラックが投げたクランツの形見の短刀こそが、彼に止めを刺していたのであった。

それでも残された力で巨大化を果たした氷度笠は、これと対峙したギンガレオンを口からの針や剣戟で追い詰めるも、ここでも重騎士とゴウタウラスの介入を受けて優勢を覆され、銀星獣に大転生したギンガレオンの銀火炎でダメージを負った末にブルタウラスの野牛鋭断で今度こそ敗北。眠りに落ちていた生物たちも無事救われた。

氷度笠が敗れたことで、またしても作戦失敗という苦杯を嘗めさせられたブドーであったが、今回のそれには思わぬ裏があった。

前述したギンガの光の偽物は、ブドーによって面目を潰されたブクラテスと、その姪であるイリエスの差し金によるものであり、ギンガの光争奪戦の裏でバルバン内部の暗闘もまた、俄かに激しさを増そうとしていたのである・・・。

備考

デザインは野崎明が担当。前出の渡世人とクラゲをモチーフとしており、クラゲの頭がそのまま三度笠の形状に上手く合致したことから、後は道中合羽など渡世人らしい意匠を絡めつつ、腕のひだや肩口の装飾にクラゲの意匠も入れ込まれた形となっている。また、前述の通り馬上での一騎打ちが前提としてあったことから、足元については動きやすくかつ刀を振るえるシンプルな形にまとめられている。