ピクシブ百科事典は2023年6月13日付でプライバシーポリシーを改定しました。改訂履歴

佐々木朗希

ささきろうき

千葉ロッテマリーンズ所属のプロ野球選手。ポジションは投手。岩手県陸前高田市出身。21世紀及び令和初となる完全試合達成者。
目次 [非表示]

プロフィール

所属千葉ロッテマリーンズ(背番号17)
出身岩手県陸前高田市
最終学歴岩手県立大船渡高校
生年月日2001年11月3日
身長・体重190cm⇒192cm、85kg
投球・打撃右投右打
ポジション投手
プロ入り2019年ドラフト1位
ロッテの契約金1億5000万円
同初年俸1500万円(2019年)
同最高年俸3000万円(2022年・推定)
プロ一軍デビュー2021年5月16日・西武戦

経歴

2001年11月3日生まれ、岩手県陸前高田市出身。


小学校の頃に野球を始めるが、東日本大震災に遭遇・父と祖父母を亡くし、その後大船渡市へ転居。名門校からの誘いもあったが、愛する大船渡を離れることなく大船渡高校へそのまま進学した。


佐々木は東日本大震災が無ければプロ野球に進まなかったと話している。震災に遭った仲間達を元気づけたいという気持ちがあったのかもしれない。あるいは震災に遭った地元がトラウマになっていたのだろうか。


高校3年生の時の2019年、高校生の日本歴代最速となる163km/hを計測したことで注目を浴びるように。この年は奥川恭伸ヤクルト1位指名)・西純矢阪神1位指名)・及川雅貴(阪神3位指名)と合わせた4人で『高校BIG4』と称された。

この年、夏の高校野球岩手県大会では決勝進出に貢献するほどの活躍を果たしたが、アメリカ独立リーグでのプレイ経験がある国保陽平監督(当時)の「故障予防のため」との判断で決勝戦・花巻東戦では登板回避。チームは2-12と敗れたため甲子園出場は逃した(なお花巻東の胴上げ投手は西舘勇陽で、2023年読売ジャイアンツから1位指名)。この「登板回避問題」にはメディアでも取り上げられるほど物議を大いに醸した。


特に球界の大物であった張本勲氏は

「絶対に投げさせるべきですよ」

「怪我が怖いならスポーツ選手をやめたほうがいいですよ。みんなスポーツ選手の宿命ですから」

昔さながらな精神論を「サンデーモーニング」で振りかざし、その張本氏の精神論に噛みついた日本人メジャーリーガーのダルビッシュ有投手が

神龍(シェンロン)が願いを一つだけ叶えてあげると言ってきたら、このコーナーを消して下さいと迷いなく言う」

「ずっと停滞していた日本球界を変えていくには勉強し、今までのことに疑問を感じ、新しいことを取り入れていく。その中で議論というのは外せないルーツ。それを黙って仕事しろとはまさに日本球界の成長を止めてきた原因と気付けへんのかな?」

と自身のtwitterにツイートし、これらに反応したサッカー界の長友佑都選手も

「(張本氏の)この記事が事実だとしたら非常に残念。苦境に立たせて大怪我をしたらマイナスでしかない。プロ野球で生きていく選手ならなおさら。国保監督は選手の将来を批判覚悟で守った英断。何度も言うが、日程を選手ファーストで考えてほしい」

と自身のtwitterにツイートするなど、野球界に留まらず、スポーツ界全体で大きな論争を呼ぶことになった。


キャリアは身体づくりからスタート

同年秋のドラフト会議にて、1巡目指名で千葉ロッテマリーンズ東北楽天ゴールデンイーグルス北海道日本ハムファイターズ埼玉西武ライオンズの4球団競合を経て交渉権を手に入れた。

その後12月9日に入団記者会見が開かれ、背番号が「17」になったことが公表された。


しかし、最初のルーキーイヤー(2020年)は登板機会が一軍はおろか二軍でも全くなく、鳴り物入りで入団しながら登板機会が全く与えられないことから、「投げない怪物」といつしか揶揄する向きも出始めた。

これは、私立の強豪校ではなく元々県立高校出身ということもあり、プロでやっていけるだけの身体がまだ出来ていなかったと首脳陣が判断したため。このため、一年目は体力・筋力作りから始まるという文字通りゼロからのスタートとなった。


2021年の二年目に登板機会がようやく与えられるようになり、投手としての実力をこの頃から開花させていき、怪物としての片鱗を徐々に披露することになる。ただし、彼への扱い方は「過保護」と呼ばれるぐらいに慎重に慎重を重ねたものであり、「球数は常時100球以下・登板間隔は10日以上を必ず空かす」ことをロッテ首脳陣は彼の育成計画を踏まえて常に徹底させた。なお、この方針はメジャーでのプレイ経験がある吉井理人投手コーチ(現ロッテ監督)によるものである。


そして、迎えた2022年の三年目…………


覚醒、「令和の怪物」の真骨頂

彼の目標は中6日のローテイションを一年間しっかりと守りきることである。


2022年4月10日オリックス戦で完全試合を達成し、元巨人の槙原寛己氏以来28年ぶり16度目16人目の達成者となった。20歳5ヶ月での完全試合達成はプロ野球史上最年少記録となった。その他にもこの試合で最多奪三振「19」のプロ野球タイ記録、連続打者奪三振「13」のプロ野球新記録もそれぞれマークした。


実は、彼にとってこの完全試合がプロ初完投、初完封でもある。プロ初完投・初完封が完全試合なのはプロ野球史上初となる大偉業。本来であれば「プロ初完投」は大きな話題となるはずだが、とんでもなさすぎる大偉業だっただけに、こちらは大きな注目とはならなかった。さらに、プロ通算14試合目、プロ通算5勝目での達成もプロ野球史上最速記録2021年の5月16日の西武戦でプロ一軍デビューしてからたった1年未満での達成だから、その驚異的すぎる化け物ぶりが「令和の怪物」たる所以でもあるのだろう。なお、佐々木とバッテリーを組んだ松川虎生捕手も前年にドラフト1位でロッテに入団したばかりの高卒ルーキーであり、こちらもプロ野球史上最年少である。彼の意表を突いたリードがなければ、佐々木の完全試合は成し遂げられなかったのである。また、守備だけでなく打撃でも相手の先発投手の宮城大弥投手から走者一掃のタイムリースリーベースを放つ大活躍を見せており、この試合の解説を担当したロッテOBの有藤通世氏も「なぜヒーローインタビューに彼(松川捕手)も呼ばないのか」と不満を漏らしていた。


「昭和の怪物」江川卓氏、「平成の怪物」松坂大輔氏、「二刀流の怪物」大谷翔平選手など時代や世代を代表する怪物ですらプロ入り後に完全試合はおろかノーヒットノーランすら達成できなかったのだから、この大偉業のインパクトは全く計り知れないだろう(江川氏は高校・大学時代にノーノー9回、完全試合2回を達成しており、松坂氏は高校時代に夏の甲子園決勝でノーノーを達成済み。また、大谷翔平選手は現役であるため完全試合とノーノー達成の可能性がまだ残されている)。


また、この大偉業は海の向こうのアメリカにも届くこととなり、現地のメディアが「日本のプロ野球で若い投手がとんでもないことを成し遂げた」と話題になった他、先の登板回避問題で国保監督を擁護したダルビッシュ有投手も「今すぐにメジャーリーグに来ても十分通用するだろう」と太鼓判を押している。当然MLBの各球団も朗希投手に大変大きな興味を示しているとのことで、将来的に大きな契約が結ばれるのでは…?という話まで出ているそうである。


あわや2試合連続完全試合未遂&まさかの交代事件簿

さらに同年4月17日の日本ハム戦で先発登板し、8回まで14奪三振を含む前回のオリックス戦から継続中の17イニング連続パーフェクト、3日の西武戦の8回2死から継続中の52者連続アウトを達成し、2014年8月28日サンフランシスコ・ジャイアンツの右腕ユスメリオ・ペティット投手(当時29)がコロラド・ロッキーズ戦で記録した46者連続アウトを大幅に更新した。

ただし、この日のロッテ打線の援護点が0だったことで、井口資仁監督が彼の今後の大事を取って9回にクローザーの益田直也投手に交代させたため(なお、井口監督は仮に援護点が1点入っていたとしても、続投させずに100球前後を目途に交代させるつもりだったと試合後に明かした)、世界野球史上初となる2試合連続の完全試合達成は果たせなかった。っとはいえ2007年の日本シリーズ第7戦の山井大介の交代騒動の時代とは異なり「ローテーションを崩さないこと」の重要性が野球ファン一般に認知されていたため、山井の時のような否定意見は殆どなく、寧ろこの場面での完投を望む意見を出す者が叩かれる時代となっていた。

ちなみに、彼の交代後、試合は延長戦で3番手の西野勇士投手が、日本ハムの万波中正選手にこの試合日本ハム唯一の安打となる決勝ソロホームランを打たれたために0-1で惜しくも敗れ、彼に勝ち星が転がらなかった。日本ハムにとっては、正に「(彼との)勝負には負けたが、試合には勝った」内容となった。


その後

4月24日のオリックス戦で今季3度目の先発登板となるも、初球を相手の1番バッター福田周平にヒットにされ、連続アウトは52で途絶える。さらに、この日は球審の白井一行氏がストライクゾーンの判定に厳しかったこともあって制球に苦しみ(2回には判定に不服そうな態度を示したため、球審の白井から詰め寄られるという異例の事態にもなった)、自己ワーストとなる四死球5をマーク、これが祟って5回にノーアウト満塁から一挙2失点を喫し(この時点で3-2と1点差にまで詰め寄られた)、連続無失点記録も23で途絶えることとなった。

それでも5回を投げ切り、試合もロッテが6-3で勝利したため、苦しみながらもなんとか今季3勝目を手にすることとなったが、前回、前々回で素晴らしい投球を見せていただけに、ほろ苦い勝利になってしまったといえよう。


4月25日、疲労の蓄積を理由に朗希投手は一度一軍登録を抹消され、しばしの休養期間の後、5月上旬より一軍に復帰した。


これ以降も少しずつ登板間隔を短くしつつ、体を慣らしていく方向で調整しているようだが、現時点では規定投球回到達はおろかシーズンを通してフル稼働できたことすらまだない。

高いポテンシャルを秘めながらも投手としてはまだまだ成長途上にあると言えよう。


上記のようにアメリカでは彼の一刻も早いMLB挑戦が心待ちにされているようではあるが、残念ながら現状では日本よりもさらに過酷とも言われるMLBの環境に適応できるとは到底考えられず、球団側も現時点では彼のメジャー挑戦には否定的な立場を取っている。


「投げない怪物」を汚名返上

この3年間「投げない怪物」と多方面から散々揶揄され続けた彼だったが、今回の完全試合達成で上記の岩手県予選決勝の「登板回避」とロッテ首脳陣の焦らずじっくりとした「佐々木朗希育成計画」が正しかったことが図らずも証明されることとなり、行き過ぎた勝利至上主義による、高校野球や大学野球「登板過多」問題「球数過多」問題「エース酷使」問題に一石を投じたという点でも、彼の大偉業は極めて意義深いものだったと言われている。


2023年WBC出場

前述の活躍もあり、2023年に行われる第5回WBCの日本代表メンバー(侍ジャパン)に選出された。彼ですら3番手投手と目されることから、侍ジャパンの投手層が如何に厚いのかが分かる。

2023年3月4日ナゴヤドーム(バンテリンドーム)で行われた中日ドラゴンズとの強化試合で登板した際は、自身最速かつ同じく日本代表の大谷翔平選手に並ぶ165km/hを記録。

また、父と祖父母の命日である3月11日に東京ドームで行われた1次リーグB組のチェコ共和国戦で先発投手として登板。ここでも164km/hを記録し、4回1失点と好投して勝利に貢献した。

なお侍ジャパンの栗山英樹監督は震災発生日であるこの日に朗希投手を登板させる事を事前に決めており、「野球の神様が朗希に頑張れとメッセージを送っていると思う。」とコメントしている。

アメリカの野球マニアが知る人ぞ知るというくらいの注目度だったが、twitterSASAKIがトレンド入りしたほか、MLB公式を世界で最もエグい投手の証拠を得たと、驚愕させた。さらにWBCで25球以上投げた先発投手で100マイル超えの速球を投げた確率が90%をマークしたのは、佐々木朗希投手が初めてとの事。


試合の外では、チェコ戦にてデッドボールを与えてしまったウィリー・エスカラ選手に対し、後日ロッテ製のお菓子を持って謝罪に向かうというシーンがあり、これにはエスカラ選手だけでなくチェコ野球協会も感激。

日本のプロ野球シーズンが始まると佐々木朗希投手の登板をチェコの野球専門twitterが取り上げるなど、これをきっかけにチェコと野球の本格的な交流が始まることとなった。


その後は、準決勝メキシコ戦に先発。MLBでも活躍する選手たちを相手に上々の立ち上がりを見せるが、4回にルイス・ウリアス選手に3ランホームランを打たれてしまい、この回で無念の途中降板となった(罪悪感と悔しさ故か、ベンチ裏に引っ込んだ後は号泣していた)。

その後、落ち着きを取り戻した後はベンチで応援に回り、吉田正尚選手が同点ホームランを打った際には、被っていた帽子を思いっきり地面に叩きつけて喜びを爆発させ、9回裏に村上宗隆選手がサヨナラヒットを打った際には、他のチーム名と共にベンチから飛び出して村上選手を出迎え祝福した。


背番号

プロ野球

背番号使用年所属チーム
172020年〜千葉ロッテマリーンズ

国際大会

背番号使用年大会名
142023年2023WBC

余談

  • 彼の「ろうき」という名前は、「百獣戦隊ガオレンジャー」に登場した狼鬼が由来とされている。誕生当時(2001年11月)、3歳上の兄がガオレンジャー(及び狼鬼)ファンだった事や、「ろうき」なら他人と名前が被りにくいという母親の考えから、この名前になったのだとか。
  • 完全試合達成後、様々なところで影響を与えている。
    • ロッテの地元・千葉テレビが当日は放送されなかった(2022年の中継は平日のみ)が、中継していたcs放送「日テレジータス」が後日再放送したり、翌週のロッテ対日ハム戦で、テレビ東京・岩手放送(佐々木の地元)・北海道放送(日ハムの地元)など4局が緊急で生中継した。
    • 好物とされる地元・岩手県大船渡市の水野醤油店が製造する調味料「酢の素」が全国から注文殺到、入手困難になっている。
  • 圧倒的なピッチングで無双している彼だが、一方で前述の2度目の完全試合未遂の時も共通しているが、ムエンゴに泣かされる事も多く、同チームの小島和哉と並んで悲運の投手と言われている。
  • ダルビッシュ有は、侍ジャパンでチームメイトとなった際に、佐々木のことを「すごく他人を信用しない。悲壮感もあるし他人に表情を見せない。」と評しており、「彼の精神状態が心配だ。」と佐々木の繊細すぎる一面を気にかける発言もしている。

関連タグ

プロ野球 投手 狼鬼 令和の怪物 完全試合 ミスターパーフェクト 無双 チートキャラ ムエンゴ

関連記事

親記事

千葉ロッテマリーンズ ちばろってまりーんず

兄弟記事

pixivに投稿されたイラスト pixivでイラストを見る

pixivに投稿された小説 pixivで小説を見る

このタグがついたpixivの作品閲覧データ 総閲覧数: 45755

コメント

問題を報告

0/3000

編集可能な部分に問題がある場合について 記事本文などに問題がある場合、ご自身での調整をお願いいたします。
問題のある行動が繰り返される場合、対象ユーザーのプロフィールページ内の「問題を報告」からご連絡ください。

報告を送信しました