ピクシブ百科事典は2023年6月13日付でプライバシーポリシーを改定しました。改訂履歴
「銀河英雄伝説」の登場人物。

アニメ版CV:青野武、Die Neue These:大塚芳忠


概要

概要

ヤン艦隊の参謀長で最終階級は中将

秀才型の軍人で独創的な戦略・戦術の持ち主ではないが、緻密な頭脳常識形式を重んずる。若いメンバーが多いヤン艦隊幹部、引いては自由惑星同盟全軍にあっても異例な雰囲気のヤン艦隊をギリギリのところで、軍隊らしく引き締める役目を果たした。神経質そうな、痩せた中年男と描写される。

時系列上の初登場は、エル・ファシル逃亡劇後、惑星エコニアでの調査に赴いた時。その時はタナトス警備区司令部参事官中佐であり、その際に当時少佐だったヤン・ウェンリー、大尉だったフョードル・パトリチェフと出会っている。


ダスティ・アッテンボロー中将やオリビエ・ポプラン中佐などの若手には、嫌われているというよりは「小うるさいおっさん」ということで煙たがれているが、組織に必要なタイプの人物でもあるということで否定的に見られているわけでもない、ヤン艦隊ではやや居心地が悪そうな、普通の軍人である。


…作中中盤、実はこのような役割をあえて演じていたことを吐露する。即ち、司令官を筆頭に「非」常識的な人物が多くを占めるヤン艦隊においてあえて「常識的な」「型通りの」意見を示すことで却って視野の多様性を確保していたのである。上記若手連中が煙たがりながらも嫌っていなかったのは、そういうムライの役割と人柄を理解していたためと思われる。事実、参謀長という職に就きながらいわゆる参謀的役割を果たすことはあまりなく(ヤンが参謀無用の傑物であったことにもよるが)、意見や策の表明はするものの、その立場を利用してそれらをゴリ押しするようなことはなかった。むしろ事務処理や実務上の補佐などの、司令官が不得意極まる分野のサポートが真の任務の一つでもあったように思われる。


艦隊副司令官・エドウィン・フィッシャー中将の戦死、副参謀長・パトリチェフ少将と上司のヤン元帥の死後、戦意をなくした将兵が足手まといになり、叛乱を起こしかねないことを透察、あえて穢れ役となって不穏分子とともにイゼルローン要塞を離脱、惑星・ハイネセンへ帰っていった。


直後、新領土総督・オスカー・フォン・ロイエンタール元帥が帝国に反旗を翻すと、ムライはロイエンタールの依頼を受け使者としてイゼルローン要塞を訪れる。

「イゼルローン回廊を通ろうとする帝国軍を足止めしてくれれば、恩賞として旧同盟の支配権とヨブ・トリューニヒトの身柄をくれてやる」というのがロイエンタールの条件だったが、ムライが使者を引き受けたのは、イゼルローン軍が一時の損得にかられて帝国の内乱に介入しないよう説得することだった。

結果、ムライの説得を受けるまでもなく、イゼルローン軍は帝国軍・エルネスト・メックリンガー上級大将率いる艦隊を通すことで中立を守り、帝国に恩を売ることに成功する。


ハイネセンに帰ったムライはシドニー・シトレ元帥やパエッタ中将ら旧同盟要人たちとともに、軍務尚書・パウル・フォン・オーベルシュタイン元帥の命により帝国軍に逮捕される。

しかし、留置場の待遇が悪かったことにより暴動が発生、ムライも他の囚人同様脱走したが、爆発に巻き込まれ一時は意識不明の重体となる。

なんとか一命をとりとめたムライと再会したユリアン・ミンツ中尉は、ムライに「軍に復帰する意思がないこと」を知り、現役復帰を求めないことを決断する。

時代の激動をくぐり抜け、なんとか作品本編を生き残った貴重なヤン艦隊幹部の一人である。


余談

アニメ版でムライを演じた青野武氏は「宇宙戦艦ヤマト」シリーズでは真田志郎を演じたことで知られているが、新作でムライを演じる大塚芳忠氏も「宇宙戦艦ヤマト2199」では真田志郎を演じており、くしくも大塚氏は「ヤマト」と「銀河英雄伝説」で時間を超えて青野氏の同じ役を引き継ぐことになってしまった。

なお大塚氏は旧アニメ版では、フェザーンの航宙士カーレ・ウィロック役を演じている。

 

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銀河英雄伝説/銀英伝 秩序

アニメ版CV:青野武、Die Neue These:大塚芳忠


概要

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ヤン艦隊の参謀長で最終階級は中将

秀才型の軍人で独創的な戦略・戦術の持ち主ではないが、緻密な頭脳常識形式を重んずる。若いメンバーが多いヤン艦隊幹部、引いては自由惑星同盟全軍にあっても異例な雰囲気のヤン艦隊をギリギリのところで、軍隊らしく引き締める役目を果たした。神経質そうな、痩せた中年男と描写される。

時系列上の初登場は、エル・ファシル逃亡劇後、惑星エコニアでの調査に赴いた時。その時はタナトス警備区司令部参事官中佐であり、その際に当時少佐だったヤン・ウェンリー、大尉だったフョードル・パトリチェフと出会っている。


ダスティ・アッテンボロー中将やオリビエ・ポプラン中佐などの若手には、嫌われているというよりは「小うるさいおっさん」ということで煙たがれているが、組織に必要なタイプの人物でもあるということで否定的に見られているわけでもない、ヤン艦隊ではやや居心地が悪そうな、普通の軍人である。


…作中中盤、実はこのような役割をあえて演じていたことを吐露する。即ち、司令官を筆頭に「非」常識的な人物が多くを占めるヤン艦隊においてあえて「常識的な」「型通りの」意見を示すことで却って視野の多様性を確保していたのである。上記若手連中が煙たがりながらも嫌っていなかったのは、そういうムライの役割と人柄を理解していたためと思われる。事実、参謀長という職に就きながらいわゆる参謀的役割を果たすことはあまりなく(ヤンが参謀無用の傑物であったことにもよるが)、意見や策の表明はするものの、その立場を利用してそれらをゴリ押しするようなことはなかった。むしろ事務処理や実務上の補佐などの、司令官が不得意極まる分野のサポートが真の任務の一つでもあったように思われる。


艦隊副司令官・エドウィン・フィッシャー中将の戦死、副参謀長・パトリチェフ少将と上司のヤン元帥の死後、戦意をなくした将兵が足手まといになり、叛乱を起こしかねないことを透察、あえて穢れ役となって不穏分子とともにイゼルローン要塞を離脱、惑星・ハイネセンへ帰っていった。


直後、新領土総督・オスカー・フォン・ロイエンタール元帥が帝国に反旗を翻すと、ムライはロイエンタールの依頼を受け使者としてイゼルローン要塞を訪れる。

「イゼルローン回廊を通ろうとする帝国軍を足止めしてくれれば、恩賞として旧同盟の支配権とヨブ・トリューニヒトの身柄をくれてやる」というのがロイエンタールの条件だったが、ムライが使者を引き受けたのは、イゼルローン軍が一時の損得にかられて帝国の内乱に介入しないよう説得することだった。

結果、ムライの説得を受けるまでもなく、イゼルローン軍は帝国軍・エルネスト・メックリンガー上級大将率いる艦隊を通すことで中立を守り、帝国に恩を売ることに成功する。


ハイネセンに帰ったムライはシドニー・シトレ元帥やパエッタ中将ら旧同盟要人たちとともに、軍務尚書・パウル・フォン・オーベルシュタイン元帥の命により帝国軍に逮捕される。

しかし、留置場の待遇が悪かったことにより暴動が発生、ムライも他の囚人同様脱走したが、爆発に巻き込まれ一時は意識不明の重体となる。

なんとか一命をとりとめたムライと再会したユリアン・ミンツ中尉は、ムライに「軍に復帰する意思がないこと」を知り、現役復帰を求めないことを決断する。

時代の激動をくぐり抜け、なんとか作品本編を生き残った貴重なヤン艦隊幹部の一人である。


余談

アニメ版でムライを演じた青野武氏は「宇宙戦艦ヤマト」シリーズでは真田志郎を演じたことで知られているが、新作でムライを演じる大塚芳忠氏も「宇宙戦艦ヤマト2199」では真田志郎を演じており、くしくも大塚氏は「ヤマト」と「銀河英雄伝説」で時間を超えて青野氏の同じ役を引き継ぐことになってしまった。

なお大塚氏は旧アニメ版では、フェザーンの航宙士カーレ・ウィロック役を演じている。

 

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  • 誓うは、永遠の愛

    銀河英雄伝説の登場人物、ムライ参謀長受け作品の投稿企画です。 ※原作8巻までの盛大なネタバレを含みます※ フィムラ前提でパト→ムラ前提の大体全部捏造な6月5日、ユリアンを訪ねる前のムライさんのお話です。 ここまでで嫌な予感がした方は回れ右推奨です。 つまりそういうお話です。 正直に言うとムライさんに遺品整理をさせたかっただけです() 前に書いた『続きを、乞う』(https://www.pixiv.net/novel/show.php?id=12989779) と少しお話が繋がっていますがこれだけでも読めます。
  • 准将閣下と亡命少女

    少将閣下と亡命少女 1

    相変わらず設定捏造、フィッシャー提督捏造が激しい……ご注意。 あと、パトリチェフさんの口調が迷子
  • ヤン家のイーブイ

    ヤン家のイーブイ進路相談

    長らくお待たせしました。赤緑金銀世代で知識が止まっているのでリーフィアとかグレイシアはポケGO知識です。当初ここまで書ければいいなと思っていたのですが、名探偵ピカチュウの影響でイーブイの過去話が書けそうなのでそれもう一本書いてこのシリーズは一旦お終いです。 今までの作品にいいね、ブクマ、コメント、フォローなどなどありがとうございます。ぼっちじゃないんもだなと感涙に咽び泣いております。よかったら、読了ボタン代わりにいいねして貰えると励みになります。
  • 銀英伝・ヤン艦隊司令部

    遅れてきた男

    リハビリ~☆ って、ずっと言ってる気がする;;; やーっと劇場前売りが開始し、チラシも置かれるようになった! よもやの三ヶ月連続とはね。でも、チラシのアッちゃんは何か、こう^^;;; いや、何でもないです★
  • 白い恋人たち

     今までブックマークや閲覧ありがとうございます。  以前サイトを運営していた時掲載していた小説の再編集版です。  ムライ少将の第三期のEDの私服は自分で選んだのかな?と考え込み、このお話ができました。サイトではオリジナルキャラクターから見たお話でしたが、今回はムライ少将からの見たお話です。  よかったら読んでみてください。よろしくお願いします。
  • コインロッカー

    銀河英雄伝説の『イゼルローン攻略』をモチーフに、前半部分は銀河帝国の兵士の話、後半部分は自由惑星同盟軍のヤンの話になっています。 因みにギャグになりますが、『MANZAI★BANZAI]』と『エ!?ウソ!?ホント!?』は『コインロッカー』のほんの数週間前ぐらいの設定で書かれていますので、帝国軍が同盟軍に敗北する理由が何となく分かって頂けるかと・・・・・・。 ご一読頂ければ幸いです。
  • Another Love Stories

    第七章 秘密 Ⅰ

    摂政皇太后の新領土行幸を前にして、雲行きがあやしくなる新領土。そして訪れる、一つの破局。 (作者の独り言:ついに、この章が、この問題の章が、きてしまった……)
    14,593文字pixiv小説作品
  • Twitter log

    TwitterLog2

    ツイッターに投稿したSSです。アッテンボロー推しなので、どの話にもアッテンボローが登場します。更に本伝10巻後の戦後を捏造して好きに書いています。所謂腐向けではないものをまとめましたが、書いた人が腐っているので品質の保障はできません。士官学校の先輩後輩の会話「先輩と後輩」「星の海へ」。戦後捏造の「6月1日」「守りたい人がいる」の4品です。ブクマ、いいね、コメントありがとうございます。表紙はこちら(https://www.pixiv.net/artworks/86387347)からお借りしました。
  • 続きを、乞う

    銀河英雄伝説の登場人物、ムライ参謀長受け作品の投稿企画です。 5月15日にまつわるフィムラのSSです。 回廊の戦い中と、戦いが終結した後のお話。 一応、OVA版の雰囲気を意識しました。 ※原作8巻までのネタバレを含みます※
  • Another Love Stories

    第十章 英雄の条件 Ⅱ

    シロン事変とロイエンタールの叛乱を受けての各勢力と各人物。それぞれの動きと思惑と混乱。 ブリュンヒルトで帰還中のミュラーと誰かさん。新領土の各惑星統治府と帝国の行政長官。エル・ファシル自治領のホワンとキャゼルヌ。新領土総督府のムライ。新領土治安軍のグリルパルツァーとクナップシュタイン。帝国軍の若い連中と首脳部のワーレンとアイゼナッハ。そして帝国政府のマリーンドルフ伯などなど 今回あっちこっちに舞台が飛ぶし、とても登場人物が多い……皆さんついてきてね~!  それにしてもホワン・ルイがキレッキレです。
    23,742文字pixiv小説作品
  • 奇術師の守り人

    第三話:ムライ

    新しい世界の扉を開けたリンアテです。今回はムライ参謀長が大活躍!いろいろな妄想を詰め込んで捏造しました。みんな幸せになってほしかったので。
  • Another Love Stories

    第十四章 戦いの後に Ⅱ

    そして、たどりついたハイネセンで、ロイエンタールを待っていたものは。 本年最後の投稿です。それがこの節になるというのも、何かの因縁かもしれません。本篇はあと少しですが、来年もよろしくお願いいたします。
  • 《サンプル》MÅNGATA

    2020年6月1日発行予定の銀河英雄伝説本伝10巻後を舞台にした短篇集のサンプルです。ツイッターで投稿していたものに若干の書き下ろしを加えて本にしたものです。ネタバレを含みますのでご注意ください。BOOTHで通販を行う予定です。通販ページはこちらで告知します。 表紙はこちら(https://www.pixiv.net/artworks/79197085)からお借りしました。 文庫 / 56頁 / 300円 / 全年齢 《追記》 通販:https://sarukani-2357.booth.pm/items/2102434
  • Another Love Stories

    第十二章 回廊の内と外 Ⅰ

    嵐の前。 嵐に置き忘れられたハイネセンで、ムライが見出したものとは。同じくハイネセンにいるもう一人の運命は。嵐の最中のエル・ファシルはどうなるのか。 そして、イゼルローン回廊確保をめぐる競争の勝利者は。 この回より下3に入ります。今度は戦闘場面やら戦術やらを考えるのに、この作者はまた五年もかかったのでした……当時の皆様、ほんとにお待たせしてすみませんでした。
    17,166文字pixiv小説作品
  • Another Love Stories

    第六章 即位五周年式典 Ⅴ

    「アンネローゼ、ヤン・ファミリーに会う」の巻 しかし姉上、あっさり馴染みすぎです……まあヤンという緩衝材がすごすぎるのですがしかし、「爆弾宣言」には噴いた。 ……そして式典は終わり、ロイエンタールはフェザーンを発っていく……
    18,535文字pixiv小説作品
  • The magic of Magician's Staff

    ムライ中将離脱表明日に。イゼルローン軍を再構築したこの離脱表明が彼の功績の一つですが、その前のこの一件も隠れた彼の仕事だ、と思っています。タイトルの意味は「魔術師の参謀の魔術」なのですが、参謀の「Staff」には「杖」という意味もあります。「魔術師の杖の魔術」ヤンにとってムライさんは魔術をを使うために必要な杖のような存在だったかも知れません。初出:ご老人本「Old Age」1992年2月発行
  • 銀英伝ノイエ

    呼応(後篇)

    後篇…、なのに終わっていません。再会するはずだった先輩後輩もまだ会っていません。色々と思いついた展開をブッ込んだら、案外、延びてしまいました^^;;;
  • Another Love Stories

    第十四章 戦いの後に Ⅲ

    そして、ロイエンタールの訃報を受けたさまざまな人々のさまざまな感慨。ハイネセンのミッターマイヤー、ムライ、ベルゲングリューン、ブリュンヒルトのヤン、そしてフェザーンのラング。 2020年最初の投稿でございます。 この節のみ、冊子版から加筆をいたしました。冊子版では直接触れられなかった、ある人の決着とその後を予想させる箇所です。皆様のお声も多く、確かにこの人の決着をつけておかなくてはならないな、と思いまして。
  • Another Love Stories

    第十一章 捩れた宇宙 Ⅲ

    ヤンの宣言を受けての、各方面の反応。新領土、帝国本土、時代に忘れられたかのようなあの要塞。エル・ファシルのキャゼルヌとムライ。帝都でのアンネローゼとアレクとエヴァンゼリン。 そして、捩れた宇宙に、ついに訪れる決裂 冊子版のBOOTHはこちら→ https://milchstrasse.booth.pm/items/2940325
    23,097文字pixiv小説作品
  • 【星オラ8】Depresso【サンプル】

    【イベント情報】 8月27日 星々のオラトリオ8/東京ビッグサイト東4カ62b 「折たく柴」 【新刊情報】 Depresso 小説/文庫/36P/中綴じ本 同盟軍人事部長リバモア中将を中心に、同盟軍の人事にまつわる話を集めた短編集 各話担当:キャゼルヌ/バグダッシュ/メルカッツ/ビュコック/ヤン/ムライ ノイエ策謀第三章で出てきたリバモア中将のビジュアルが好みすぎて、気付いたら本を作っていました。 サンプルはSNSにあげたメルカッツ・ビュコック・ヤンの話を載せています。

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「銀河英雄伝説」の登場人物。

アニメ版CV:青野武、Die Neue These:大塚芳忠


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ヤン艦隊の参謀長で最終階級は中将

秀才型の軍人で独創的な戦略・戦術の持ち主ではないが、緻密な頭脳常識形式を重んずる。若いメンバーが多いヤン艦隊幹部、引いては自由惑星同盟全軍にあっても異例な雰囲気のヤン艦隊をギリギリのところで、軍隊らしく引き締める役目を果たした。神経質そうな、痩せた中年男と描写される。

時系列上の初登場は、エル・ファシル逃亡劇後、惑星エコニアでの調査に赴いた時。その時はタナトス警備区司令部参事官中佐であり、その際に当時少佐だったヤン・ウェンリー、大尉だったフョードル・パトリチェフと出会っている。


ダスティ・アッテンボロー中将やオリビエ・ポプラン中佐などの若手には、嫌われているというよりは「小うるさいおっさん」ということで煙たがれているが、組織に必要なタイプの人物でもあるということで否定的に見られているわけでもない、ヤン艦隊ではやや居心地が悪そうな、普通の軍人である。


…作中中盤、実はこのような役割をあえて演じていたことを吐露する。即ち、司令官を筆頭に「非」常識的な人物が多くを占めるヤン艦隊においてあえて「常識的な」「型通りの」意見を示すことで却って視野の多様性を確保していたのである。上記若手連中が煙たがりながらも嫌っていなかったのは、そういうムライの役割と人柄を理解していたためと思われる。事実、参謀長という職に就きながらいわゆる参謀的役割を果たすことはあまりなく(ヤンが参謀無用の傑物であったことにもよるが)、意見や策の表明はするものの、その立場を利用してそれらをゴリ押しするようなことはなかった。むしろ事務処理や実務上の補佐などの、司令官が不得意極まる分野のサポートが真の任務の一つでもあったように思われる。


艦隊副司令官・エドウィン・フィッシャー中将の戦死、副参謀長・パトリチェフ少将と上司のヤン元帥の死後、戦意をなくした将兵が足手まといになり、叛乱を起こしかねないことを透察、あえて穢れ役となって不穏分子とともにイゼルローン要塞を離脱、惑星・ハイネセンへ帰っていった。


直後、新領土総督・オスカー・フォン・ロイエンタール元帥が帝国に反旗を翻すと、ムライはロイエンタールの依頼を受け使者としてイゼルローン要塞を訪れる。

「イゼルローン回廊を通ろうとする帝国軍を足止めしてくれれば、恩賞として旧同盟の支配権とヨブ・トリューニヒトの身柄をくれてやる」というのがロイエンタールの条件だったが、ムライが使者を引き受けたのは、イゼルローン軍が一時の損得にかられて帝国の内乱に介入しないよう説得することだった。

結果、ムライの説得を受けるまでもなく、イゼルローン軍は帝国軍・エルネスト・メックリンガー上級大将率いる艦隊を通すことで中立を守り、帝国に恩を売ることに成功する。


ハイネセンに帰ったムライはシドニー・シトレ元帥やパエッタ中将ら旧同盟要人たちとともに、軍務尚書・パウル・フォン・オーベルシュタイン元帥の命により帝国軍に逮捕される。

しかし、留置場の待遇が悪かったことにより暴動が発生、ムライも他の囚人同様脱走したが、爆発に巻き込まれ一時は意識不明の重体となる。

なんとか一命をとりとめたムライと再会したユリアン・ミンツ中尉は、ムライに「軍に復帰する意思がないこと」を知り、現役復帰を求めないことを決断する。

時代の激動をくぐり抜け、なんとか作品本編を生き残った貴重なヤン艦隊幹部の一人である。


余談

アニメ版でムライを演じた青野武氏は「宇宙戦艦ヤマト」シリーズでは真田志郎を演じたことで知られているが、新作でムライを演じる大塚芳忠氏も「宇宙戦艦ヤマト2199」では真田志郎を演じており、くしくも大塚氏は「ヤマト」と「銀河英雄伝説」で時間を超えて青野氏の同じ役を引き継ぐことになってしまった。

なお大塚氏は旧アニメ版では、フェザーンの航宙士カーレ・ウィロック役を演じている。

 

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アニメ版CV:青野武、Die Neue These:大塚芳忠


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ヤン艦隊の参謀長で最終階級は中将

秀才型の軍人で独創的な戦略・戦術の持ち主ではないが、緻密な頭脳常識形式を重んずる。若いメンバーが多いヤン艦隊幹部、引いては自由惑星同盟全軍にあっても異例な雰囲気のヤン艦隊をギリギリのところで、軍隊らしく引き締める役目を果たした。神経質そうな、痩せた中年男と描写される。

時系列上の初登場は、エル・ファシル逃亡劇後、惑星エコニアでの調査に赴いた時。その時はタナトス警備区司令部参事官中佐であり、その際に当時少佐だったヤン・ウェンリー、大尉だったフョードル・パトリチェフと出会っている。


ダスティ・アッテンボロー中将やオリビエ・ポプラン中佐などの若手には、嫌われているというよりは「小うるさいおっさん」ということで煙たがれているが、組織に必要なタイプの人物でもあるということで否定的に見られているわけでもない、ヤン艦隊ではやや居心地が悪そうな、普通の軍人である。


…作中中盤、実はこのような役割をあえて演じていたことを吐露する。即ち、司令官を筆頭に「非」常識的な人物が多くを占めるヤン艦隊においてあえて「常識的な」「型通りの」意見を示すことで却って視野の多様性を確保していたのである。上記若手連中が煙たがりながらも嫌っていなかったのは、そういうムライの役割と人柄を理解していたためと思われる。事実、参謀長という職に就きながらいわゆる参謀的役割を果たすことはあまりなく(ヤンが参謀無用の傑物であったことにもよるが)、意見や策の表明はするものの、その立場を利用してそれらをゴリ押しするようなことはなかった。むしろ事務処理や実務上の補佐などの、司令官が不得意極まる分野のサポートが真の任務の一つでもあったように思われる。


艦隊副司令官・エドウィン・フィッシャー中将の戦死、副参謀長・パトリチェフ少将と上司のヤン元帥の死後、戦意をなくした将兵が足手まといになり、叛乱を起こしかねないことを透察、あえて穢れ役となって不穏分子とともにイゼルローン要塞を離脱、惑星・ハイネセンへ帰っていった。


直後、新領土総督・オスカー・フォン・ロイエンタール元帥が帝国に反旗を翻すと、ムライはロイエンタールの依頼を受け使者としてイゼルローン要塞を訪れる。

「イゼルローン回廊を通ろうとする帝国軍を足止めしてくれれば、恩賞として旧同盟の支配権とヨブ・トリューニヒトの身柄をくれてやる」というのがロイエンタールの条件だったが、ムライが使者を引き受けたのは、イゼルローン軍が一時の損得にかられて帝国の内乱に介入しないよう説得することだった。

結果、ムライの説得を受けるまでもなく、イゼルローン軍は帝国軍・エルネスト・メックリンガー上級大将率いる艦隊を通すことで中立を守り、帝国に恩を売ることに成功する。


ハイネセンに帰ったムライはシドニー・シトレ元帥やパエッタ中将ら旧同盟要人たちとともに、軍務尚書・パウル・フォン・オーベルシュタイン元帥の命により帝国軍に逮捕される。

しかし、留置場の待遇が悪かったことにより暴動が発生、ムライも他の囚人同様脱走したが、爆発に巻き込まれ一時は意識不明の重体となる。

なんとか一命をとりとめたムライと再会したユリアン・ミンツ中尉は、ムライに「軍に復帰する意思がないこと」を知り、現役復帰を求めないことを決断する。

時代の激動をくぐり抜け、なんとか作品本編を生き残った貴重なヤン艦隊幹部の一人である。


余談

アニメ版でムライを演じた青野武氏は「宇宙戦艦ヤマト」シリーズでは真田志郎を演じたことで知られているが、新作でムライを演じる大塚芳忠氏も「宇宙戦艦ヤマト2199」では真田志郎を演じており、くしくも大塚氏は「ヤマト」と「銀河英雄伝説」で時間を超えて青野氏の同じ役を引き継ぐことになってしまった。

なお大塚氏は旧アニメ版では、フェザーンの航宙士カーレ・ウィロック役を演じている。

 

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  • 誓うは、永遠の愛

    銀河英雄伝説の登場人物、ムライ参謀長受け作品の投稿企画です。 ※原作8巻までの盛大なネタバレを含みます※ フィムラ前提でパト→ムラ前提の大体全部捏造な6月5日、ユリアンを訪ねる前のムライさんのお話です。 ここまでで嫌な予感がした方は回れ右推奨です。 つまりそういうお話です。 正直に言うとムライさんに遺品整理をさせたかっただけです() 前に書いた『続きを、乞う』(https://www.pixiv.net/novel/show.php?id=12989779) と少しお話が繋がっていますがこれだけでも読めます。
  • 准将閣下と亡命少女

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    相変わらず設定捏造、フィッシャー提督捏造が激しい……ご注意。 あと、パトリチェフさんの口調が迷子
  • ヤン家のイーブイ

    ヤン家のイーブイ進路相談

    長らくお待たせしました。赤緑金銀世代で知識が止まっているのでリーフィアとかグレイシアはポケGO知識です。当初ここまで書ければいいなと思っていたのですが、名探偵ピカチュウの影響でイーブイの過去話が書けそうなのでそれもう一本書いてこのシリーズは一旦お終いです。 今までの作品にいいね、ブクマ、コメント、フォローなどなどありがとうございます。ぼっちじゃないんもだなと感涙に咽び泣いております。よかったら、読了ボタン代わりにいいねして貰えると励みになります。
  • 銀英伝・ヤン艦隊司令部

    遅れてきた男

    リハビリ~☆ って、ずっと言ってる気がする;;; やーっと劇場前売りが開始し、チラシも置かれるようになった! よもやの三ヶ月連続とはね。でも、チラシのアッちゃんは何か、こう^^;;; いや、何でもないです★
  • 白い恋人たち

     今までブックマークや閲覧ありがとうございます。  以前サイトを運営していた時掲載していた小説の再編集版です。  ムライ少将の第三期のEDの私服は自分で選んだのかな?と考え込み、このお話ができました。サイトではオリジナルキャラクターから見たお話でしたが、今回はムライ少将からの見たお話です。  よかったら読んでみてください。よろしくお願いします。
  • コインロッカー

    銀河英雄伝説の『イゼルローン攻略』をモチーフに、前半部分は銀河帝国の兵士の話、後半部分は自由惑星同盟軍のヤンの話になっています。 因みにギャグになりますが、『MANZAI★BANZAI]』と『エ!?ウソ!?ホント!?』は『コインロッカー』のほんの数週間前ぐらいの設定で書かれていますので、帝国軍が同盟軍に敗北する理由が何となく分かって頂けるかと・・・・・・。 ご一読頂ければ幸いです。
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    第七章 秘密 Ⅰ

    摂政皇太后の新領土行幸を前にして、雲行きがあやしくなる新領土。そして訪れる、一つの破局。 (作者の独り言:ついに、この章が、この問題の章が、きてしまった……)
    14,593文字pixiv小説作品
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    ツイッターに投稿したSSです。アッテンボロー推しなので、どの話にもアッテンボローが登場します。更に本伝10巻後の戦後を捏造して好きに書いています。所謂腐向けではないものをまとめましたが、書いた人が腐っているので品質の保障はできません。士官学校の先輩後輩の会話「先輩と後輩」「星の海へ」。戦後捏造の「6月1日」「守りたい人がいる」の4品です。ブクマ、いいね、コメントありがとうございます。表紙はこちら(https://www.pixiv.net/artworks/86387347)からお借りしました。
  • 続きを、乞う

    銀河英雄伝説の登場人物、ムライ参謀長受け作品の投稿企画です。 5月15日にまつわるフィムラのSSです。 回廊の戦い中と、戦いが終結した後のお話。 一応、OVA版の雰囲気を意識しました。 ※原作8巻までのネタバレを含みます※
  • Another Love Stories

    第十章 英雄の条件 Ⅱ

    シロン事変とロイエンタールの叛乱を受けての各勢力と各人物。それぞれの動きと思惑と混乱。 ブリュンヒルトで帰還中のミュラーと誰かさん。新領土の各惑星統治府と帝国の行政長官。エル・ファシル自治領のホワンとキャゼルヌ。新領土総督府のムライ。新領土治安軍のグリルパルツァーとクナップシュタイン。帝国軍の若い連中と首脳部のワーレンとアイゼナッハ。そして帝国政府のマリーンドルフ伯などなど 今回あっちこっちに舞台が飛ぶし、とても登場人物が多い……皆さんついてきてね~!  それにしてもホワン・ルイがキレッキレです。
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  • 奇術師の守り人

    第三話:ムライ

    新しい世界の扉を開けたリンアテです。今回はムライ参謀長が大活躍!いろいろな妄想を詰め込んで捏造しました。みんな幸せになってほしかったので。
  • Another Love Stories

    第十四章 戦いの後に Ⅱ

    そして、たどりついたハイネセンで、ロイエンタールを待っていたものは。 本年最後の投稿です。それがこの節になるというのも、何かの因縁かもしれません。本篇はあと少しですが、来年もよろしくお願いいたします。
  • 《サンプル》MÅNGATA

    2020年6月1日発行予定の銀河英雄伝説本伝10巻後を舞台にした短篇集のサンプルです。ツイッターで投稿していたものに若干の書き下ろしを加えて本にしたものです。ネタバレを含みますのでご注意ください。BOOTHで通販を行う予定です。通販ページはこちらで告知します。 表紙はこちら(https://www.pixiv.net/artworks/79197085)からお借りしました。 文庫 / 56頁 / 300円 / 全年齢 《追記》 通販:https://sarukani-2357.booth.pm/items/2102434
  • Another Love Stories

    第十二章 回廊の内と外 Ⅰ

    嵐の前。 嵐に置き忘れられたハイネセンで、ムライが見出したものとは。同じくハイネセンにいるもう一人の運命は。嵐の最中のエル・ファシルはどうなるのか。 そして、イゼルローン回廊確保をめぐる競争の勝利者は。 この回より下3に入ります。今度は戦闘場面やら戦術やらを考えるのに、この作者はまた五年もかかったのでした……当時の皆様、ほんとにお待たせしてすみませんでした。
    17,166文字pixiv小説作品
  • Another Love Stories

    第六章 即位五周年式典 Ⅴ

    「アンネローゼ、ヤン・ファミリーに会う」の巻 しかし姉上、あっさり馴染みすぎです……まあヤンという緩衝材がすごすぎるのですがしかし、「爆弾宣言」には噴いた。 ……そして式典は終わり、ロイエンタールはフェザーンを発っていく……
    18,535文字pixiv小説作品
  • The magic of Magician's Staff

    ムライ中将離脱表明日に。イゼルローン軍を再構築したこの離脱表明が彼の功績の一つですが、その前のこの一件も隠れた彼の仕事だ、と思っています。タイトルの意味は「魔術師の参謀の魔術」なのですが、参謀の「Staff」には「杖」という意味もあります。「魔術師の杖の魔術」ヤンにとってムライさんは魔術をを使うために必要な杖のような存在だったかも知れません。初出:ご老人本「Old Age」1992年2月発行
  • 銀英伝ノイエ

    呼応(後篇)

    後篇…、なのに終わっていません。再会するはずだった先輩後輩もまだ会っていません。色々と思いついた展開をブッ込んだら、案外、延びてしまいました^^;;;
  • Another Love Stories

    第十四章 戦いの後に Ⅲ

    そして、ロイエンタールの訃報を受けたさまざまな人々のさまざまな感慨。ハイネセンのミッターマイヤー、ムライ、ベルゲングリューン、ブリュンヒルトのヤン、そしてフェザーンのラング。 2020年最初の投稿でございます。 この節のみ、冊子版から加筆をいたしました。冊子版では直接触れられなかった、ある人の決着とその後を予想させる箇所です。皆様のお声も多く、確かにこの人の決着をつけておかなくてはならないな、と思いまして。
  • Another Love Stories

    第十一章 捩れた宇宙 Ⅲ

    ヤンの宣言を受けての、各方面の反応。新領土、帝国本土、時代に忘れられたかのようなあの要塞。エル・ファシルのキャゼルヌとムライ。帝都でのアンネローゼとアレクとエヴァンゼリン。 そして、捩れた宇宙に、ついに訪れる決裂 冊子版のBOOTHはこちら→ https://milchstrasse.booth.pm/items/2940325
    23,097文字pixiv小説作品
  • 【星オラ8】Depresso【サンプル】

    【イベント情報】 8月27日 星々のオラトリオ8/東京ビッグサイト東4カ62b 「折たく柴」 【新刊情報】 Depresso 小説/文庫/36P/中綴じ本 同盟軍人事部長リバモア中将を中心に、同盟軍の人事にまつわる話を集めた短編集 各話担当:キャゼルヌ/バグダッシュ/メルカッツ/ビュコック/ヤン/ムライ ノイエ策謀第三章で出てきたリバモア中将のビジュアルが好みすぎて、気付いたら本を作っていました。 サンプルはSNSにあげたメルカッツ・ビュコック・ヤンの話を載せています。

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