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プロフィール

生年月日2016年5月9日
英字表記First Force
性別
毛色黒鹿毛
ロードカナロア
ラッシュライフ
母父サクラバクシンオー
生産三嶋牧場(北海道浦河町)
調教師西村真幸(栗東)→ 田中淳司(北海道)→ 西村真幸(栗東)
主戦騎手団野大成鮫島克駿松山弘平など(JRA)、阪野学(地方競馬時代)

ロードカナロアの2世代目産駒の一頭。

下記戦歴の通り、JRAでのデビューが大幅に遅れて3歳未勝利戦を勝ち上がれず、一時は地方競馬に転籍。その後も複数回の長期休養を経ながらも2021年CBC賞でJRAレコードを記録して重賞初制覇、さらに2023年高松宮記念で7歳でGⅠ初制覇を果たした遅咲きの馬である。

なお、馬名は「第一の力=First Force」であり、速い力(Fast Force)ではない。


サクラバクシンオー産駒の母ラッシュライフは現役時代19戦2勝の戦績も、函館2歳ステークス2着・ファンタジーステークス2着の戦績があり、2006年桜花賞にも出走している(9着、勝ち馬はキストゥヘヴン)。

半兄にはアデイインザライフ(新潟記念、父ディープインパクト)がいる。


戦歴

遅いデビューと苦戦

2019年クラシック世代、すなわち牡馬クラシック戦線は皐月賞サートゥルナーリア日本ダービーロジャーバローズ菊花賞ワールドプレミアと分け合った世代だが、ファストフォースは大幅にデビューが遅れ、初出走はダービーもとっくに終わった2019年6月。


もう「3歳新馬戦」はない時期であり、ファストフォースのデビュー戦は阪神競馬場3歳未勝利戦・芝2400m。後にオープンまで進む小さなアイドル・メロディーレーンが初勝利を挙げたレースである。ファストフォースは、後の戦績からは信じがたいことだが、初出走は長距離戦だったのだ。先行策で道中を進めるも最後は疲れ、12着に敗れた。

父はロードカナロア、母父はサクラバクシンオーと歴代最強とも呼ばれるスプリンター2頭が居る血統で、今ならば「こんな血統が2400mで走るのか?」と思えるが、当時は父ロードカナロアからはアーモンドアイ、母父サクラバクシンオーからはキタサンブラックと血統的には明らかな適性外を楽勝してしまった馬の活躍が近い時期。似た血統の馬は適性距離に苦心していた時期と見ることも出来るだろう。

もっともアーモンドアイは母親がエリザベス女王杯を勝っているし、キタサンブラックも父親ディープインパクトの全兄なので、両親揃って短距離血統のファストフォースはまた話が変わってきそうだが……その辺はやはり関係者でなくては分からない何かがあったのかもしれない。


ともあれ、もうひと世代下の馬たちがデビューを初めている時期の、1年遅れのデビュー。夏競馬が終わる9月初めまでに未勝利戦を勝ち上がれなければJRAにはまず留まれない立場であり、残された時間は少ない。

ファストフォースはダートに転じてみたり、距離を1600~1800に詰めてみたり試行錯誤を繰り返して初勝利を目指したが(この過程では同じく遅めのデビューから重賞馬にのし上がったボッケリーニに敗れたりもしている)、結局2ヶ月強で6戦して勝ち鞍を挙げられなかった。


幸いホッカイドウ競馬の田中淳司厩舎に受け入れが決まり、地方で現役続行できることになった。


ホッカイドウ競馬~JRA復帰

転籍後も調整には時間がかかり、北海道での初出走は約8ヶ月後、4歳になった2020年4月。門別競馬場・二輪草特別(ダ1700m)に出走したファストフォースは阪野学騎手を鞍上に初勝利を挙げた。


その後、門別を舞台に6月までに4戦3勝。状態の良さから、再び元の厩舎であるJRA栗東・西村真幸厩舎への復帰が決まった。


このためその後はずっと、出馬表のファストフォースには「◯地」マークがつくことになる(現在はJRA所属だが、過去に地方競馬所属の経験がある馬につくマーク)。


2020年の夏競馬からJRAに返り咲いたファストフォースは、松山弘平を鞍上に1勝・2勝クラスを連勝。しかし3勝クラスで壁にぶつかり、また長期休養に入ってしまう。


2021年CBC賞・驚きのJRAレコード

復帰は8ヶ月後、5歳になった2021年7月4日のCBC賞。3勝クラスからの格上挑戦となる重賞初出走であった。


この年のCBC賞は京都競馬場改修工事による開催割変更の影響で小倉競馬場開催。そして、この小倉開幕週は凄まじい高速馬場と化しており、前日3日の2勝クラス戦でプリモダルクが22年間破られていなかった芝1200mのJRAレコードを破った(1分6秒4)ばかりだった。


重賞初制覇を狙う地元九州の星ヨカヨカが1番人気、後にGⅠ馬に成長するこの年のシンザン記念ピクシーナイトが2番人気に推される中、鮫島克駿騎乗のファストフォースは52kgと軽めの斤量も、長期休養明けかつ格上挑戦もあってか13頭中の8番人気と特に注目された存在ではなかった。


鮫島騎手は3枠3番の内枠を活かしてスタートから押しまくり、ハナを取りきった。コーナーで内目の経済コースを譲らずに先頭を維持。内から差し足を伸ばしてきたピクシーナイトを半馬身抑えて逃げ切った。

そして、勝ち時計は前日のプリモダルクの記録を0秒4更新する1分6秒0の芝1200mJRAレコード。前が止まらない馬場と内目の利をしっかり活かしたケレンのない逃げで、見事に格上挑戦で初重賞を勝ち取った。

やはり、真の適性は短距離であったようだ。

※なお、ファストフォースのレコードタイムは翌2022年のCBC賞で今村聖奈騎乗のテイエムスパーダが更新(1分5秒8)。


2021年後半~2022年

こうして重賞馬となったファストフォースだが「馬場・枠順・展開に恵まれた」という見方もまた強く、次走の2021年北九州記念は同じ小倉芝1200mにも拘わらず4番人気止まり。しかし、初重賞を挙げたヨカヨカの2着に入り、実力がフロックではないことを示した。


その後は、芝短距離重賞戦線の常連となる。「序盤からガンガン押して前で引っ張り、粘り込みを狙います。もたなかったら、潔く沈みます」という馬で、前半は好位置にいるも終わってみたら掲示板外…というレースが多いのだが、2021年京阪杯で6番人気3着、2022年セントウルステークスで6番人気2着など、軽視していると時折馬券内に突っ込んでくるという存在だった。


GⅠ初制覇へ

そして、シルクロードステークスを10番人気2着から臨んだ2023年3月26日高松宮記念


通常はワンターンの1200m戦では決して有利とは言えない7枠13番を引いたファストフォースは単勝32.3倍の12番人気。しかしこの日の中京競馬場は週末から降り続く雨で不良馬場、特に内目が荒れて伸びづらい状況にあり、結果的に外目の枠は良い方向に働いた。コーナーを外目の6~7番手付近で運んだファストフォースは、直線で各馬が横に広がり激しいポジション争いを繰り広げる中、馬場の真ん中からじわじわと脚を伸ばして抜け出した。最後はナムラクレアの追撃を1馬身差抑えてゴール。

7歳にして嬉しいGⅠ初制覇となり、鞍上の団野大成騎手も5年目での初GⅠとなった。

また、未勝利で地方転出から再転入した馬のGⅠ制覇は史上初である。


新たな短距離の王者として今後が注目されていたが、6月8日に引退を発表。結果として高松宮記念勝利がラストランとなった。

引退後はアロースタッドで種牡馬になるとのこと。


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