概要
日本では模型(プラモデル、ガレージキット)や車両、衣料品などに転写し、手書きの難しい企業ロゴや、統一規格の書体が使われる戦車や航空機などのマーキングを再現するためのものをデカールと称する場合が多い。
英語で言う「Decal」は日本で言うシールやステッカーの意味合いも含められている。
プラモデルのデカールは模型会社が作る事が多いが、それ専門の企業も存在する。また、個人で製作するケースも存在する。
種類も様々で、ウォータースライドデカール(水スライド式転写シールまたは水転写式デカール)、ドライデカール(インスタントレタリング)、耐水デカール(水転写シール)、熱転写デカール(衣料用)、シール・ステッカータイプと様々存在する。
プラモデルの場合、マーキング関係の他にも痛車等の痛系統に付属している物があり、それらが台無しになる=プラモが台無しになる等、非常にシビアな物だったりする。
ウォータースライドデカールの自作は多く普及したインクジェットプリンタでの製作は難しく、昇華式(インクリボン式)やレーザープリンタが必要であったが、対応したシートが登場した事で一応は製作可能となったが、白インクが無いこともあってクリアのシートでは切り出した白デカールを貼り重ねたり白く塗っておく必要がある等、貼れる場所が白地に限定される、白いシートではデザインによっては切り出しづらく白縁が出来てしまう。(一応白インクを使用したインクジェットもあるが、業務用しかなく、非常に高価である為に個人レベルでは現在も難しい)
一方で昇華式は金銀等のメタリックや白等の特色インクを使えるもののグラデーション表現には弱く、インクジェットは(顔料式を専用機化すれば)紫外線反応塗料が使える等、それぞれに得意不得意があるため、併用するユーザーもいる。
どちらの方式も一般的な市販品と異なり表面に透明な保護層が無い為溶剤には弱く、特に研ぎ出しを行うカーモデルのように分厚いクリア層を作る必要がある場合や強めの溶剤を用いた塗料を使う場合、表面にデカール保護剤を塗るか砂吹き(半乾きの塗料を吹き付けて下地を侵さないようにする方法)でクリアを重ねる等の工夫が必要となる。
なお、ドライデカールは現在もインクジェットプリンタでの製作は不可能となっている
業者では溶剤式インクジェットや箔押し等で少数からの製作を請け負っているところもある。こちらも方式によっては溶剤に弱く、クリアをで印刷が溶けたり箔の接着剤が溶けて皴になったりといった事が起きる為、使用の際の注意点を確認しておく必要がある。