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サクラスターオー

5

さくらすたーおー

1984年生まれの日本の競走馬。 1987年の皐月賞と菊花賞の二冠を制し年度代表馬に輝くも、同年暮れの有馬記念で骨折し、闘病の末死亡した。
1984年生まれの日本の競走馬。 1987年の皐月賞と菊花賞の二冠を制し年度代表馬に輝くも、同年暮れの有馬記念で骨折し、闘病の末死亡した。

天に舞え。

ドリームレース「有馬記念」。誰もが出場したいと願うレース。

待ちに待ったファンファーレ。関係者は「勝利」への期待に胸をおどらせる。

しかし、場内に鳴り響くアナウンスの声、「故障発生、故障発生!」

サクラスターオー復活にかけたレース。

まだ走り続けたいと首をふり競走馬の使命をたぎらせる。

……生と死にさまよい、強靭な生命力、強靭な魂は「生」へと歩みよる。

闘病にかけた日々。皆、天をあおいで復活を願い続けた。

5か月の長い日々、治療に立ち向かう姿は「生きる」証だ。

目は闘志に輝いている。「生きろスターオー」。

しかし、5月12日、ついにスターオーは天に召された。

スターオー、天の大地を踏みしめ今、走れ!

愛とロマンをのせ天国のターフを走り抜け!

ヒーロー列伝No.23≫

※文章は、主戦騎手東信二の妻・東葉子が寄稿した。



※馬齢は2000年までの旧表記で統一する。


生涯

生涯

1984年5月2日生まれ。

父は1978年日本ダービー優勝馬サクラショウリ。母はサクラスマイル。

母の父インターメゾはTTGの一角グリーングラスの父で、自身の翌年に菊花賞を勝利したスーパークリークも同じく母の父がインターメゾである。


しかし、母のサクラスマイルは初仔スターオーが生まれて間もなく腸捻転のため死亡。

高祖母にあたるスターロツチ(1960年優駿牝馬有馬記念を優勝した牝馬)が母親代わりとなったが、彼女もスターオーがデビューする直前に老衰のため30歳(現29歳)で死去した。


1986年(3歳)

10月5日に東京競馬場で開催された新馬戦で小島太を鞍上に迎えてデビューし2着。

2週間後の10月18日の未勝利を勝利したが、骨膜炎のためここで3歳シーズンを終える。


1987年(4歳)

復帰戦となる2月21日の寒梅賞(400万下)は5着に敗れた。(勝ち馬はマティリアル)

しかし、この頃サクラ軍団のオーナー全演植と小島の間に確執が発生し、小島はスターオーの主戦を降ろされ、以降は東信二が主戦となった。


乗り替わり初戦となった弥生賞(GⅡ)は6番人気ながらも勝利。

迎えた皐月賞(20頭立て)は寒梅賞でスターオーに勝ち、スプリングステークスも勝ったマティリアルが1番人気でスターオーは2番人気。3番人気はマイネルダビテ


レースはサクラスターオーが優勝。2着は西の3歳王者ゴールドシチー(11番人気)で1番人気のマティリアルは3着だった。


しかし皐月賞の後、スターオーは繋靭帯炎を発症してしまい、日本ダービーの断念を余儀なくされ、父サクラショウリとのダービー父子制覇は潰えることとなった。

そしてこの繋靭帯炎が、最終的にスターオーを蝕むこととなる。

なお、日本ダービーを優勝したのは皐月賞で7着だったメリーナイスだった。


スターオーは治療のため約半年間休養する。

そして、約7ヶ月ぶりのレースとなった第48回菊花賞(11月8日)。

休養明けということもあって単勝は9番人気だったが、復活の勝利を挙げ、皐月賞との二冠を達成。(2着は皐月賞に続いてゴールドシチー。)

杉本清による「菊の季節にサクラが満開!菊の季節にサクラ!サクラスターオーです!」という実況も名文句として知られる。


陣営は菊花賞を最後に休養に入る予定だったが、第32回有馬記念(12月27日)に出走することとなった。

しかし、スターオーは第3コーナーを通過した直後に故障を発生、競走中止となった。


この年の有馬記念は大波乱のレースで、メリーナイスがスタート直後に根本康広の落馬により競走中止し、4歳クラシック馬が揃って競走中止となり、前年のダービー馬及び有馬記念優勝馬のダイナガリバーは14着の殿負け。

そして勝ったのは10番人気のメジロデュレン(メジロマックイーンの半兄)。2着に同枠のユーワジェームス(7番人気)で、枠連は4-4のゾロ目決着で16,300円と穴馬券となった。


1988年(5歳)

JRA賞年度代表馬に輝いたスターオーだったが、本来なら安楽死処分となるところを、オーナーの全氏や競馬ファンの助命嘆願によって治療が行われた。

この10年前の1978年にテンポイントが同様にリハビリを行ったが最終的に衰弱死した。そしてスターオーも同様に、5月12日に怪我しなかった部位も脱臼したことで自力で立つことが出来なくなり、そのまま安楽死となった。


スターオーの死から17日後の5月29日、同門のサクラチヨノオーが日本ダービーを勝利し、陣営はスターオーの無念を晴らした。

この時オーナーの全氏は「スターオーの霊が後を押してくれたのかな…」と語っている。


「20世紀の名馬100」では第65位にランクインした。


その他

その他

皐月賞で上位を占めたサクラスターオー・ゴールドシチー・マティリアルの3頭は、いずれも故障が元で若くしてこの世を去ったため、「悲劇の世代」と呼ばれた。

しかし、その一方で1987年にサクラスターオー、1988年にタマモクロス、1989年にイナリワン年度代表馬を受賞した。

年度代表馬を3頭出した世代は、中央競馬会の長い歴史の中でも他にはTTG(1973年生まれ)とコダマ世代(1957年生誕)だけ、ましてや3年連続で同一世代から年度代表馬を輩出したのはスターオー世代とコダマ世代(1960年コダマ、1961年ホマレボシ、1962年オンスロート)だけである。


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競走馬

天に舞え。

ドリームレース「有馬記念」。誰もが出場したいと願うレース。

待ちに待ったファンファーレ。関係者は「勝利」への期待に胸をおどらせる。

しかし、場内に鳴り響くアナウンスの声、「故障発生、故障発生!」

サクラスターオー復活にかけたレース。

まだ走り続けたいと首をふり競走馬の使命をたぎらせる。

……生と死にさまよい、強靭な生命力、強靭な魂は「生」へと歩みよる。

闘病にかけた日々。皆、天をあおいで復活を願い続けた。

5か月の長い日々、治療に立ち向かう姿は「生きる」証だ。

目は闘志に輝いている。「生きろスターオー」。

しかし、5月12日、ついにスターオーは天に召された。

スターオー、天の大地を踏みしめ今、走れ!

愛とロマンをのせ天国のターフを走り抜け!

ヒーロー列伝No.23≫

※文章は、主戦騎手東信二の妻・東葉子が寄稿した。



※馬齢は2000年までの旧表記で統一する。


生涯

生涯

1984年5月2日生まれ。

父は1978年日本ダービー優勝馬サクラショウリ。母はサクラスマイル。

母の父インターメゾはTTGの一角グリーングラスの父で、自身の翌年に菊花賞を勝利したスーパークリークも同じく母の父がインターメゾである。


しかし、母のサクラスマイルは初仔スターオーが生まれて間もなく腸捻転のため死亡。

高祖母にあたるスターロツチ(1960年優駿牝馬有馬記念を優勝した牝馬)が母親代わりとなったが、彼女もスターオーがデビューする直前に老衰のため30歳(現29歳)で死去した。


1986年(3歳)

10月5日に東京競馬場で開催された新馬戦で小島太を鞍上に迎えてデビューし2着。

2週間後の10月18日の未勝利を勝利したが、骨膜炎のためここで3歳シーズンを終える。


1987年(4歳)

復帰戦となる2月21日の寒梅賞(400万下)は5着に敗れた。(勝ち馬はマティリアル)

しかし、この頃サクラ軍団のオーナー全演植と小島の間に確執が発生し、小島はスターオーの主戦を降ろされ、以降は東信二が主戦となった。


乗り替わり初戦となった弥生賞(GⅡ)は6番人気ながらも勝利。

迎えた皐月賞(20頭立て)は寒梅賞でスターオーに勝ち、スプリングステークスも勝ったマティリアルが1番人気でスターオーは2番人気。3番人気はマイネルダビテ


レースはサクラスターオーが優勝。2着は西の3歳王者ゴールドシチー(11番人気)で1番人気のマティリアルは3着だった。


しかし皐月賞の後、スターオーは繋靭帯炎を発症してしまい、日本ダービーの断念を余儀なくされ、父サクラショウリとのダービー父子制覇は潰えることとなった。

そしてこの繋靭帯炎が、最終的にスターオーを蝕むこととなる。

なお、日本ダービーを優勝したのは皐月賞で7着だったメリーナイスだった。


スターオーは治療のため約半年間休養する。

そして、約7ヶ月ぶりのレースとなった第48回菊花賞(11月8日)。

休養明けということもあって単勝は9番人気だったが、復活の勝利を挙げ、皐月賞との二冠を達成。(2着は皐月賞に続いてゴールドシチー。)

杉本清による「菊の季節にサクラが満開!菊の季節にサクラ!サクラスターオーです!」という実況も名文句として知られる。


陣営は菊花賞を最後に休養に入る予定だったが、第32回有馬記念(12月27日)に出走することとなった。

しかし、スターオーは第3コーナーを通過した直後に故障を発生、競走中止となった。


この年の有馬記念は大波乱のレースで、メリーナイスがスタート直後に根本康広の落馬により競走中止し、4歳クラシック馬が揃って競走中止となり、前年のダービー馬及び有馬記念優勝馬のダイナガリバーは14着の殿負け。

そして勝ったのは10番人気のメジロデュレン(メジロマックイーンの半兄)。2着に同枠のユーワジェームス(7番人気)で、枠連は4-4のゾロ目決着で16,300円と穴馬券となった。


1988年(5歳)

JRA賞年度代表馬に輝いたスターオーだったが、本来なら安楽死処分となるところを、オーナーの全氏や競馬ファンの助命嘆願によって治療が行われた。

この10年前の1978年にテンポイントが同様にリハビリを行ったが最終的に衰弱死した。そしてスターオーも同様に、5月12日に怪我しなかった部位も脱臼したことで自力で立つことが出来なくなり、そのまま安楽死となった。


スターオーの死から17日後の5月29日、同門のサクラチヨノオーが日本ダービーを勝利し、陣営はスターオーの無念を晴らした。

この時オーナーの全氏は「スターオーの霊が後を押してくれたのかな…」と語っている。


「20世紀の名馬100」では第65位にランクインした。


その他

その他

皐月賞で上位を占めたサクラスターオー・ゴールドシチー・マティリアルの3頭は、いずれも故障が元で若くしてこの世を去ったため、「悲劇の世代」と呼ばれた。

しかし、その一方で1987年にサクラスターオー、1988年にタマモクロス、1989年にイナリワン年度代表馬を受賞した。

年度代表馬を3頭出した世代は、中央競馬会の長い歴史の中でも他にはTTG(1973年生まれ)とコダマ世代(1957年生誕)だけ、ましてや3年連続で同一世代から年度代表馬を輩出したのはスターオー世代とコダマ世代(1960年コダマ、1961年ホマレボシ、1962年オンスロート)だけである。


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さくらすたーおー

1984年生まれの日本の競走馬。 1987年の皐月賞と菊花賞の二冠を制し年度代表馬に輝くも、同年暮れの有馬記念で骨折し、闘病の末死亡した。
1984年生まれの日本の競走馬。 1987年の皐月賞と菊花賞の二冠を制し年度代表馬に輝くも、同年暮れの有馬記念で骨折し、闘病の末死亡した。

天に舞え。

ドリームレース「有馬記念」。誰もが出場したいと願うレース。

待ちに待ったファンファーレ。関係者は「勝利」への期待に胸をおどらせる。

しかし、場内に鳴り響くアナウンスの声、「故障発生、故障発生!」

サクラスターオー復活にかけたレース。

まだ走り続けたいと首をふり競走馬の使命をたぎらせる。

……生と死にさまよい、強靭な生命力、強靭な魂は「生」へと歩みよる。

闘病にかけた日々。皆、天をあおいで復活を願い続けた。

5か月の長い日々、治療に立ち向かう姿は「生きる」証だ。

目は闘志に輝いている。「生きろスターオー」。

しかし、5月12日、ついにスターオーは天に召された。

スターオー、天の大地を踏みしめ今、走れ!

愛とロマンをのせ天国のターフを走り抜け!

ヒーロー列伝No.23≫

※文章は、主戦騎手東信二の妻・東葉子が寄稿した。



※馬齢は2000年までの旧表記で統一する。


生涯

生涯

1984年5月2日生まれ。

父は1978年日本ダービー優勝馬サクラショウリ。母はサクラスマイル。

母の父インターメゾはTTGの一角グリーングラスの父で、自身の翌年に菊花賞を勝利したスーパークリークも同じく母の父がインターメゾである。


しかし、母のサクラスマイルは初仔スターオーが生まれて間もなく腸捻転のため死亡。

高祖母にあたるスターロツチ(1960年優駿牝馬有馬記念を優勝した牝馬)が母親代わりとなったが、彼女もスターオーがデビューする直前に老衰のため30歳(現29歳)で死去した。


1986年(3歳)

10月5日に東京競馬場で開催された新馬戦で小島太を鞍上に迎えてデビューし2着。

2週間後の10月18日の未勝利を勝利したが、骨膜炎のためここで3歳シーズンを終える。


1987年(4歳)

復帰戦となる2月21日の寒梅賞(400万下)は5着に敗れた。(勝ち馬はマティリアル)

しかし、この頃サクラ軍団のオーナー全演植と小島の間に確執が発生し、小島はスターオーの主戦を降ろされ、以降は東信二が主戦となった。


乗り替わり初戦となった弥生賞(GⅡ)は6番人気ながらも勝利。

迎えた皐月賞(20頭立て)は寒梅賞でスターオーに勝ち、スプリングステークスも勝ったマティリアルが1番人気でスターオーは2番人気。3番人気はマイネルダビテ


レースはサクラスターオーが優勝。2着は西の3歳王者ゴールドシチー(11番人気)で1番人気のマティリアルは3着だった。


しかし皐月賞の後、スターオーは繋靭帯炎を発症してしまい、日本ダービーの断念を余儀なくされ、父サクラショウリとのダービー父子制覇は潰えることとなった。

そしてこの繋靭帯炎が、最終的にスターオーを蝕むこととなる。

なお、日本ダービーを優勝したのは皐月賞で7着だったメリーナイスだった。


スターオーは治療のため約半年間休養する。

そして、約7ヶ月ぶりのレースとなった第48回菊花賞(11月8日)。

休養明けということもあって単勝は9番人気だったが、復活の勝利を挙げ、皐月賞との二冠を達成。(2着は皐月賞に続いてゴールドシチー。)

杉本清による「菊の季節にサクラが満開!菊の季節にサクラ!サクラスターオーです!」という実況も名文句として知られる。


陣営は菊花賞を最後に休養に入る予定だったが、第32回有馬記念(12月27日)に出走することとなった。

しかし、スターオーは第3コーナーを通過した直後に故障を発生、競走中止となった。


この年の有馬記念は大波乱のレースで、メリーナイスがスタート直後に根本康広の落馬により競走中止し、4歳クラシック馬が揃って競走中止となり、前年のダービー馬及び有馬記念優勝馬のダイナガリバーは14着の殿負け。

そして勝ったのは10番人気のメジロデュレン(メジロマックイーンの半兄)。2着に同枠のユーワジェームス(7番人気)で、枠連は4-4のゾロ目決着で16,300円と穴馬券となった。


1988年(5歳)

JRA賞年度代表馬に輝いたスターオーだったが、本来なら安楽死処分となるところを、オーナーの全氏や競馬ファンの助命嘆願によって治療が行われた。

この10年前の1978年にテンポイントが同様にリハビリを行ったが最終的に衰弱死した。そしてスターオーも同様に、5月12日に怪我しなかった部位も脱臼したことで自力で立つことが出来なくなり、そのまま安楽死となった。


スターオーの死から17日後の5月29日、同門のサクラチヨノオーが日本ダービーを勝利し、陣営はスターオーの無念を晴らした。

この時オーナーの全氏は「スターオーの霊が後を押してくれたのかな…」と語っている。


「20世紀の名馬100」では第65位にランクインした。


その他

その他

皐月賞で上位を占めたサクラスターオー・ゴールドシチー・マティリアルの3頭は、いずれも故障が元で若くしてこの世を去ったため、「悲劇の世代」と呼ばれた。

しかし、その一方で1987年にサクラスターオー、1988年にタマモクロス、1989年にイナリワン年度代表馬を受賞した。

年度代表馬を3頭出した世代は、中央競馬会の長い歴史の中でも他にはTTG(1973年生まれ)とコダマ世代(1957年生誕)だけ、ましてや3年連続で同一世代から年度代表馬を輩出したのはスターオー世代とコダマ世代(1960年コダマ、1961年ホマレボシ、1962年オンスロート)だけである。


関連タグ

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競走馬

天に舞え。

ドリームレース「有馬記念」。誰もが出場したいと願うレース。

待ちに待ったファンファーレ。関係者は「勝利」への期待に胸をおどらせる。

しかし、場内に鳴り響くアナウンスの声、「故障発生、故障発生!」

サクラスターオー復活にかけたレース。

まだ走り続けたいと首をふり競走馬の使命をたぎらせる。

……生と死にさまよい、強靭な生命力、強靭な魂は「生」へと歩みよる。

闘病にかけた日々。皆、天をあおいで復活を願い続けた。

5か月の長い日々、治療に立ち向かう姿は「生きる」証だ。

目は闘志に輝いている。「生きろスターオー」。

しかし、5月12日、ついにスターオーは天に召された。

スターオー、天の大地を踏みしめ今、走れ!

愛とロマンをのせ天国のターフを走り抜け!

ヒーロー列伝No.23≫

※文章は、主戦騎手東信二の妻・東葉子が寄稿した。



※馬齢は2000年までの旧表記で統一する。


生涯

生涯

1984年5月2日生まれ。

父は1978年日本ダービー優勝馬サクラショウリ。母はサクラスマイル。

母の父インターメゾはTTGの一角グリーングラスの父で、自身の翌年に菊花賞を勝利したスーパークリークも同じく母の父がインターメゾである。


しかし、母のサクラスマイルは初仔スターオーが生まれて間もなく腸捻転のため死亡。

高祖母にあたるスターロツチ(1960年優駿牝馬有馬記念を優勝した牝馬)が母親代わりとなったが、彼女もスターオーがデビューする直前に老衰のため30歳(現29歳)で死去した。


1986年(3歳)

10月5日に東京競馬場で開催された新馬戦で小島太を鞍上に迎えてデビューし2着。

2週間後の10月18日の未勝利を勝利したが、骨膜炎のためここで3歳シーズンを終える。


1987年(4歳)

復帰戦となる2月21日の寒梅賞(400万下)は5着に敗れた。(勝ち馬はマティリアル)

しかし、この頃サクラ軍団のオーナー全演植と小島の間に確執が発生し、小島はスターオーの主戦を降ろされ、以降は東信二が主戦となった。


乗り替わり初戦となった弥生賞(GⅡ)は6番人気ながらも勝利。

迎えた皐月賞(20頭立て)は寒梅賞でスターオーに勝ち、スプリングステークスも勝ったマティリアルが1番人気でスターオーは2番人気。3番人気はマイネルダビテ


レースはサクラスターオーが優勝。2着は西の3歳王者ゴールドシチー(11番人気)で1番人気のマティリアルは3着だった。


しかし皐月賞の後、スターオーは繋靭帯炎を発症してしまい、日本ダービーの断念を余儀なくされ、父サクラショウリとのダービー父子制覇は潰えることとなった。

そしてこの繋靭帯炎が、最終的にスターオーを蝕むこととなる。

なお、日本ダービーを優勝したのは皐月賞で7着だったメリーナイスだった。


スターオーは治療のため約半年間休養する。

そして、約7ヶ月ぶりのレースとなった第48回菊花賞(11月8日)。

休養明けということもあって単勝は9番人気だったが、復活の勝利を挙げ、皐月賞との二冠を達成。(2着は皐月賞に続いてゴールドシチー。)

杉本清による「菊の季節にサクラが満開!菊の季節にサクラ!サクラスターオーです!」という実況も名文句として知られる。


陣営は菊花賞を最後に休養に入る予定だったが、第32回有馬記念(12月27日)に出走することとなった。

しかし、スターオーは第3コーナーを通過した直後に故障を発生、競走中止となった。


この年の有馬記念は大波乱のレースで、メリーナイスがスタート直後に根本康広の落馬により競走中止し、4歳クラシック馬が揃って競走中止となり、前年のダービー馬及び有馬記念優勝馬のダイナガリバーは14着の殿負け。

そして勝ったのは10番人気のメジロデュレン(メジロマックイーンの半兄)。2着に同枠のユーワジェームス(7番人気)で、枠連は4-4のゾロ目決着で16,300円と穴馬券となった。


1988年(5歳)

JRA賞年度代表馬に輝いたスターオーだったが、本来なら安楽死処分となるところを、オーナーの全氏や競馬ファンの助命嘆願によって治療が行われた。

この10年前の1978年にテンポイントが同様にリハビリを行ったが最終的に衰弱死した。そしてスターオーも同様に、5月12日に怪我しなかった部位も脱臼したことで自力で立つことが出来なくなり、そのまま安楽死となった。


スターオーの死から17日後の5月29日、同門のサクラチヨノオーが日本ダービーを勝利し、陣営はスターオーの無念を晴らした。

この時オーナーの全氏は「スターオーの霊が後を押してくれたのかな…」と語っている。


「20世紀の名馬100」では第65位にランクインした。


その他

その他

皐月賞で上位を占めたサクラスターオー・ゴールドシチー・マティリアルの3頭は、いずれも故障が元で若くしてこの世を去ったため、「悲劇の世代」と呼ばれた。

しかし、その一方で1987年にサクラスターオー、1988年にタマモクロス、1989年にイナリワン年度代表馬を受賞した。

年度代表馬を3頭出した世代は、中央競馬会の長い歴史の中でも他にはTTG(1973年生まれ)とコダマ世代(1957年生誕)だけ、ましてや3年連続で同一世代から年度代表馬を輩出したのはスターオー世代とコダマ世代(1960年コダマ、1961年ホマレボシ、1962年オンスロート)だけである。


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