「幸福になろうと生まれ 幸福を欲して戦いに死す ならば最初（ハナ）から何をせずともよかろうて」

「抜き差しならない人の性だ… 哀しいな… ……だが救いの道は一つある」

「みんな死んだらいい」

「生くる術なし 哀しみの求道 ここは生存率0％ “鉄の試練”!!!」

概要

空島“スカイピア”の唯一神エネルに仕える四神官の1人。アッパーヤードにて罪人を裁く四つの試練の中の一つ“鉄の試練”を司る。

神官なので一応聖職者だが、ヒゲの強面スキンヘッドにサングラス、ガタイの良さを引き立てるタンクトップに右腕のタトゥーというそのビジュアルは一般的な「神官」のイメージからはかけ離れている。が、(かろうじて)武僧っぽく見えなくもないので、格好だけはまだ神官らしいかもしれない。

ちなみに彼のサングラスはレンズの端が角のように横に突き出た独特なデザインをしており、この特徴からゾロからは「ツノサングラス」というまんまなあだ名で呼ばれていた。

彼自身は常人程度の背丈(それでも我々読者側からすれば大柄)だが、愛犬ホーリーは小山のような巨体を誇り、移動の時には乗る事もある。

「空の畜産家(スカイブリーダー)」であるオームはよく行き届いたしつけはもちろん、完全なる二足歩行と拳闘を叩き込んだとのこと。

プロフィール

能力

“雲貝(ミルキーダイアル)”の扱いに長けており、彼の扱う「鉄の試練」ではいたる所にこれが仕込まれている他、それを踏み抜くなどして起動させてしまうと、有刺鉄線のような細い“鉄雲”が射出されて試練の挑戦者に襲い掛かる。

さらに武器として片刃の剣を使用するが、剣は刀身が鉄雲で構成されているため雲並みの軽さと鉄の硬度を併せ持つ。

加えて柄には”雲貝”を仕込んであるので、鉄雲を追加する事で自在に刀身を変形させることが可能。

そのため剣士と言えどオームにリーチという概念は無いに等しく、状況によっては複数人の相手を纏めて薙ぎ払ったり、刀身を鉄の壁に変形させて防御したりもできる攻防一体のアイテム。

このどこから来るかわからない”鉄雲”の罠、決して相手を逃がさない変幻自在のオームの剣術、そしてオームの指示を受けて的確に行動するホーリーのアシスト……隙のない猛攻により挑戦者は悉く命を落とすとされ、その恐ろしさは四つの試練の中でも最難関の生存率0%という実績が物語っている。

オーム曰く、”鉄の試練”とは「生くる術なし　哀しみの求道」なのだという。

また他の神官と同様に“心綱(マントラ)”(見聞色の覇気)を体得しているため、相手が壁の裏に居ようとも正確な位置を割り出し、完全な死角からでも斬撃を浴びせることができる。

技

鉄の鞭(アイゼンウィップ)

剣に鉄雲を追加して刀身を鞭のように伸ばし、距離に関係なく相手を切り伏せる。

石の壁すら一撃で切り崩せる威力を誇り、しかも心綱と併用すれば相手が壁の裏に居たとしてもまったく関係ない。並みの相手であればこの技だけでも瞬殺できる。

鉄の堤防(アイゼンバック)

剣に鉄雲を追加して壁のように前方に展開、相手の攻撃や侵攻を阻む。

「”雲”に決まった形があると思うか」

鉄の扇(アイゼンファン)

剣に鉄雲を追加して扇のような形状に変化させ、薙ぎ倒すように相手を切り裂く。

”鉄の鞭”よりもリーチは短いが、横への攻撃範囲は広い。

白荊(シロイバラ)デスマッチ

ホーリーに周囲の”雲貝”を次々に起動させ、範囲内の敵味方の全てをドーム状の鉄雲の囲いの中に閉じ込める。要するに金網デスマッチの金網が有刺鉄線になっているようなもの。

囲まれた者はその瞬間から「逃げる」という選択肢を奪われ、オームやホーリーとの白兵戦を余儀なくされる。もし後退し過ぎたり攻撃を受けて大きく吹っ飛ばされたりすれば、有刺鉄線の壁により大ダメージを受ける危険がある。

オームの技というよりも”鉄の試練”そのものの真骨頂というべきものであり、生存率0%を誇る所以でもある。

性格

欲望のために争いを起こし、自らの命を散らしてしまう人の性を憂い嘆き、時には持論を唱えながら涙を流すこともある。

だが、その救いの道として彼が導き、掲げる思想は「死」であり、「死ねば争うことも欲望を抱くこともない」という考えから「お前を救おう」とか言いながら相手の目の前で堂々と抜刀する超危険人物。

なおエネルに謁見した際のやり取りから神官同士は互いに反目し合っている事がうかがえ、シュラに対しては「ずいぶんでかい口を利きやがる　貴様の実力など本来どれ程のものか思い知らせてやろうか」と挑発し、ゲダツを倒して自身のテリトリーにやって来たチョッパーと対峙した時には

「…まったくウッカリしてやがるぜあのクモ頭…」とぼやきながら「お前…ゲダツを消したな……」と尋ねつつ、すぐさま「あァいいんだいいんだ… あんなバカは消えた方が世の為さ…　そう思うだろ」と続けている。

少なくとも彼らに仲間意識の概念は無いようだ。

活躍

エネルが仕掛けたアッパーヤードのサバイバルに神官として参加し、麦わらの一味の船医トニートニー・チョッパーに重傷を負わせ戦闘不能にした。

同じ一味のロロノア・ゾロにも心綱を使い一時は優勢を保っていたが、ゾロにカウンターを取られたことで隙が生じ、自身の攻撃を弾くほどの飛ぶ斬撃「百八煩悩砲(ひゃくはちぽんどほう)」をくらったことで敗北する。

エネル失脚後は、雲流しの刑(人1人分のスペースの島雲に乗せられ空を1人で彷徨い続ける遠回しな死刑)に処された。

余談

• 名前の由来

他の神官が仏教用語を由来としているのに対し、オームだけはバラモン教系の神聖文字「オーム」が由来であることがSBSにて語られている。

しかし馴染みが無い人が多いためか、エネルが雷の能力者であることからか、電気抵抗の単位である「Ω(オーム)」と勘違いしている人も少なくないらしい。

• ゲーム出演

スカイピア四神官の中で唯一、『グラバト3』と海外版ゲーム『GRAND ADVENTURE』にてプレイアブルキャラクターとして参戦している。なお、他の神官たちもオームの奥義の中で全員出演している。

関連タグ

ONEPIECE　空島　スカイピア　四神官　エネル

シュラ　サトリ　ゲダツ　 ホーリー

ワイパー　ガン・フォール

ロロノア・ゾロ

エピソードオブ空島

オウム真理教：教団自体が「死（殺人）を以て救済する」という思想を掲げていた。この「オウム」もバラモン教のオーム文字が由来。