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都良香

みやこのよしか

都良香とは、菅原道真の師で平安時代の漢詩歌人である。 この記事では東方projectに登場するキャラクター宮古芳香の元ネタ(推定)として考察を中心に扱う。
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概要

まつわる伝承

良香が羅生門の下で「気霽れては風新柳の髪を梳る」と歌を詠んだところ、門の鬼(茨木童子)が「氷消えては波旧苔の鬚を洗ふ」と下句を返した。


 都良香らぜうもんを過て一句を吟じて曰く、「気霽風梳新柳髪」と。

 その時鬼神一句をつぎていはく、「氷消波洗旧苔鬚」と。

 後、渡辺綱がために腕をきられ、からきめ見たるもこの鬼神にや。

                 - 鳥山石燕 『百鬼夜行拾遺,雨』(妖怪画集) -


また大峯山で仙人になり百年後変わらぬ姿で目撃されたという伝承がある。

(大峯山は道教の流れを汲む平安時代から信仰された修験道総本山である)


 遂に仕へを止めて金峯山(大峯山中で修験場のある山)に入り、

 其の終る所を知らずなりしと云ふ。

 かくて百余年を経たる後、或人大峯山に詣でて、岩窟の中に人の居るを見て、

 誰人にて渡らせ給ふぞと尋ねければ、我は是れ都良香と云ふ者なりと答へしによりて、

 良香の仙人となり居ること、世にも知らるゝことゝ成りけるが、

 其の時の顔色少しも衰へず有りけるとかや。

                           - 本朝神仙伝(抜粋) -


弁才天に歌を愛された歌人でもあり、竹生島で遊んだ時読んだ上句に弁才天が下句を付けた伝承がある。

因みに都良香が仙人となった伝説の残る大峯山麓には日本三大弁財天の一つ天河大弁財天社が存在する。


 三千世界は眼の前に尽きぬ、

 十二因縁は心の裏に空し

                           - 江談抄(抜粋) -


他に記録に残る最古の富士山頂の描写「富士山記」(非常に正確と言われるが実際に登頂したか不明)、

歴史書の編纂として「日本文徳天皇実録」(未完のまま大峯山に去っている)、

雷神に授かった子(道場法師)が元興寺の鬼を退治する「道場法師伝」等の伝承を書き残している。

(雷神に授かった子が元興寺の鬼を退治→東方神霊廟5面道中スペル雷矢「ガゴウジサイクロン」:雷矢「ガゴウジトルネード」の元ネタ?)


東方原作で

東方神霊廟

青娥に蘇生させられた日本古代の死体。

                           - キャラ設定とエキストラストーリー(抜粋) -


この一文から読み取れるのは宮古芳香は飛鳥時代~平安時代の日本人である。

Wikipediaに準拠するならば日本史における古代とは王朝時代(飛鳥~平安)を指し武士が政権を執る鎌倉時代以降は含まれず、平安時代の都良香と合致する。


3面道中は多々良小傘、そして3面は芳香である。

ここで東方求聞口授の記述を併せると興味深い対比が浮かび上がる。立場と状況は違えど二人は「道具」として存在している。方や妖怪の身でありながら人に使われる事を望む道具と、方や元人の身でありながら道具として存在する事になった妖怪。何故3面道中が小傘だったのかそこに神主の意図が隠されているとする推察がある。


自機魂魄妖夢4面で3面の薄ボンヤリして支離滅裂な台詞と打って変わって妖夢の台詞中にある「死」のワードに非常に強い反応をする。

「死ぬのはいかん。あれだけはいかんのじゃ」

死に際して何か普通でない尋常ならざる事があったのか、生前から死に対して人一倍強い不死の願望があったのかは不明である。また現在の自分の状況と照らし本能的に警告を発したのではという見方もされている。


自機東風谷早苗3面の芳香遭遇時の芳香台詞

「そうだ。やんごとなき霊魂に命を吹き込まれたのだ」

やんごとなきは非常に高貴な家柄や血筋の者に対して使われるが、都良香は太子より200年程後の人である。よってこの場合太子では無いし青娥が名家出身の強力な仙人と言うだけでやんごとなき霊魂と言うには無理がある。やんごとなき霊魂=非常に高貴な霊魂=神又は皇族の霊と捉えるのが自然だか、そうすると芳香は青娥が気付かないうちに正体不明の神霊が復活に手を貸した特別なキョンシーという事になる。やんごとなき霊魂の正体について大峯山関係から白河法皇ではないか、又は都良香の歌を愛した弁才天ではないか等など幾つかの考察が投げかけられている。


自機東風谷早苗3面の芳香撃破後の早苗台詞

「さようなら。今度こそ永遠の眠りになるといいですね」

早苗の心情と見る意見と同様、芳香にまつわる悲劇性を暗示した台詞ではないかとも考えられている。


東方茨歌仙

第一話にて茨木華扇が人里の門で過去を回想し吟じた漢詩が「水消えて波は旧苔の髪を洗う」であり、

華扇自身が「あの頃の私は-」と独白している所から二人は過去に何がしかの関係があったのではと見る向きもあるが現時点では明らかにされていない。

しかし本のタイトルが東方茨仙であるところからが重要なキーワードの一つになっているのは想像に難くない。(仮タイトルは当初「東方茨牡丹」の予定であったがZUNの要望により改題されている)

二人の関係についての考察は都良香と茨木童子は漢詩を介した友人だったのではないか、或いは都良香が師となり茨木童子に文化人として教養を授けたのではないか、二人は共に仙人を目指そうとしたのではないか、後述の東方求聞口授の記述と併せ華扇が「地上に住めるのは 善人と聖人と それと大悪党だけだ」と作中で自らを大悪党と称するところから宮古芳香を毒殺したのは実は彼女なのではと多岐にわたる。


茨華扇側から見た宮古芳香との関係性はニコニコ大百科-茨華仙内の「宮古芳香との関係」項に詳しく触れられているので参照されたい。


2012/05/25発売の第十ニ話「地獄のお迎え」で霍青娥と華扇の二人はついに邂逅する事となる。二人は初対面であったのが作中より読取れるが芳香は登場しなかったので今後の展開が注目される。この時華扇は小野塚小町をして青娥を「かなり邪悪な」と言わしめた理由をまだ把握できていないようである。

2013/02/16発売の第15話「人の寄りつかない神社」で博麗霊夢は博麗神社境内の臥龍梅に注連縄で結界を張り、菅原道真の神霊を勧請するも不手際から結界外に出て行かれてしまう。説話で都良香は菅原道真の試験官等を務めた等師弟関係のものがある。ちなみに菅原道真は学問の神として祭られる以前は崇徳院・平将門に比肩する祟り神でもあった。


東方求聞口授

御札の剥がれた宮古芳香が墓場で呆然と歌を詠んでいるのが目撃され、また 「現在の幻想郷に彼女を覚えている人間が居ない以上、死体は邪仙のものである。」とも記述されている。

もし覚えている者が現れたらどうなるのだろうという誘導が考えられる。(勿論ミスリードを誘われている可能性もある)

また「薬に詳しい住人からは毒殺されたのでは、と疑いを持たれている。」という記述がある。

外傷があっても修復されたろうから判らないのではないか、豊聡耳神子同様に錬丹術の誤りから中毒死したのではないか、何かの陰謀に巻き込まれたのでは等々、数々の憶測を呼んでいる。


その他の謎や考察

・神主は2012/10/03の呟きで新作:東方鈴奈庵東方儚月抄のようないつも通りか東方茨歌仙のようないつも通りか?との問いに対し、東方三月精のようないつも通りであると返した。これは同時に東方茨歌仙は東方三月精のようないつも通り(お酒と宴会ENDで全て丸く治まる)にならないという示唆でもある。これは東方茨歌仙連載開始時にも触れられていた事ではあるが、改めて示された事で今後のストーリー展開の期待と芳香ファンの中には東方求聞口授での記述と併せ芳香が悲しい事になるのではないか?と考え戦々恐々とする者もいる。


・青娥との関係について、良香が即興で後世に残る漢詩を詠える天才ならば青娥にとって数少ない母国語で日常会話ができた当時としては中々に得難い相手だったはずとの考察がある。


・尸解仙の尸解は肉体捨て異なる器に魂を移し仙人となる術と言われる。

都良香は尸解仙となり後に天仙となり昇天したが、尸解仙となった時に捨てられた元の肉体を青娥がキョンシー宮古芳香としてリサイクルしたかもしれない。


・キョンシーは御札が剥がれて術者の制御から離れた時に凶暴化して人を襲うのが映画的御約束(霊幻道士シリーズ・幽幻道士シリーズ)にも関らず、芳香に限ってはそうならずに逆にお札で制御されている時に凶暴性を強制されている様に見えるのは何故なのか。


・都良香が大峯山で仙人になった伝承は太子封印後に青娥が何処に居たかの考察とも重なる。

青娥の目的であった道教の布教は太子封印後、修験道に吸収され一大山岳宗教として結実する。全盛期を迎えた藤原氏など権力者は大峯山に埋経や参拝を盛んに行い権力者に魅力的な宗教であったのが窺える。青娥の性格や行動から見て道教と中央権力者の接点に居たというのは有得る事で、都良香が仙人を目指す為に大峯山入りしたのならば青娥との出会いはまさに其処だったろうとする考察がある。


以下は余談ではあるが大峯山に関連する人物として西行法師も大峯山で修行を修めている。

                           - 古今著聞集 -

後に西行法師は高野山で寂しさから鬼の法(鬼は言葉通りの鬼の他に「悪い物」「恐ろしい物」の代名詞として使われる事もある)を真似て反魂の術を用い、人骨から人を甦らせようとするも失敗し置き去りにしている。西行法師に死人を甦らせる術を教えたのが何者かは謎である。(反魂術の記載は中国の漢の武帝が反魂香を用いた施術が故事として知られるが、日本においては西行法師以前は古事記イザナミ・イザナギの黄泉の国の物語に端を発する死者復活の思想はあったものの、術の存在自体を含め施術について記録が存在しない。)

                           - 撰集抄(西行於高野奥造人事) -


東方Projectにおいて、このように1本のゲームと2冊の書籍に渡って謎とヒントが提示されているにも関らず、尚謎多き過去を持つ稀有なキャラクターである。


タグについて

以上から宮古芳香を中心に霍青娥茨木華扇の関係を考察した絵、または御札の剥がれた宮古芳香にこのタグが付けられる事がある。


最後に

数々の考察が行われているがそこは神主のこと、どんな斜め上の結末や伏線投げっぱなしが用意されても泣いてはいけない


関連イラスト

せいよしかせん求聞口授読んで

よっかよしかせいよしかせん

気霽風梳新柳髪。水消波洗旧苔髪。


関連タグ

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東方神霊廟東方茨歌仙東方求聞口授

宮古芳香霍青娥茨木華扇

せいよしかせん


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宮古芳香霍青娥茨木華扇都良香

せいよしせいよしかせん

参考リンク

Wikipedia-都良香Wikipedia-大峰山(大峯山)Wikipedia-修験道

Wikipedia-金峯山寺Wikipedia-十訓抄Wikipedia-今昔百鬼拾遺

Wikipedia-羅城門の鬼

一迅社WEB-東方茨歌仙 〜Wild and Horned Hermit.(第1話試し読み)

東方元ネタwiki(宮古芳香)

Togetter-東方求聞口授を受けての宮古芳香の考察

Togetter-宮古芳香とその周りの仙人の関連性を考える

ネット世代の雑評論-東方茨歌仙 第十二話 地獄のお迎え 感想・考察・その他の確認等

2ch東方スレ観測所:【東方】宮古芳香について

宮古芳香考察~都良香から見る宮古芳香~

ニコニコ大百科-宮古芳香ニコニコ大百科-霍青娥ニコニコ大百科-茨華仙

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