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自由ソフトウェア

じゆうそふとうぇあ

利用者の"自由"を最大限尊重するソフトウェアの呼称として、リチャード・ストールマンによって提唱された概念。
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概要

自由ソフトウェアとは、利用者の自由を最大限尊重するソフトウェアの呼称として、GNUプロジェクトを興しフリーソフトウェア財団(FSF)を設立したリチャード・ストールマンによって提唱された概念である。


定義

この概念の成立に大きく関わるGNUプロジェクトのページにある定義には、次のようにある:



「自由ソフトウェア」は利用者の自由とコミュニティを尊重するソフトウェアを意味します。おおよそで言うと、そのソフトウェアを、実行、コピー、配布、研究、変更、改良する自由を利用者が有することを意味します。ですから、「自由ソフトウェア」は自由の問題であり、値段の問題ではありません。この考え方を理解するには、「ビール飲み放題(free beer)」ではなく「言論の自由(free speech)」を考えてください。わたしたちは無償の意味ではないことを示すのに時々、「自由」を表すフランス語あるいはスペイン語の言葉を借りて「リブレソフトウェア」(引用者注:"Libre"と綴る)と呼びます。(GNU. (2015) 自由ソフトウェアとは?. https://www.gnu.org/philosophy/free-sw.html )



これに続いて、利用者からソフトウェアの制御を奪い、自由を重んじないソフトウェアを「不自由」または「プロプライエタリ」のソフトウェアであるとしている。


"四つの自由"の原則

自由ソフトウェアが利用者に保証される自由は、原則として4つである。

  • どんな目的に対しても、プログラムを望むままに実行する自由 (第零の自由)。
  • プログラムがどのように動作しているか研究し、必要に応じて改造する自由 (第一の自由)。
  • 身近な人を助けられるよう、コピーを再配布する自由 (第二の自由)。
  • 改変した版を他に配布する自由 (第三の自由)。

これらを全て保証しなければ、自由ソフトウェアとは名乗れないのである。


"自由"の意義

とはいえ、ソフトウェアが"自由"である、という状態やそこから得られる便益は少々イメージしにくい。そこで、真逆の状態、つまり上述の自由が保証されていない状態を考えてみる:


プログラムが好きなときに好きなように実行できない。目的も制限されている。

第零の自由がない例。例えば、使うのにインターネット認証が必要なお絵描きツールは、当然インターネット環境がなければ利用できない。また、R-18の絵を描くことを禁止されていたり、描いた絵を売ってはいけないソフトウェアというのはどうだろう。


プログラムの動作を解析したり、改造したりできない

第一の自由がない例。最近のお絵描きツールを使うなら、様々なブラシ機能は絵を描く人々にとって手足のような機能である。当然、どのブラシでどのような線を描けるか、というのは絵を描く上で知っておかねばならないし、場合によっては自分の要求に応えるようブラシをカスタマイズしたいかもしれない。

ところが、お絵描きツールの製作会社がブラシの機能を解析したり改良したりするのを禁じていたらどうだろう。理不尽に画材を縛られた環境は、自由に絵が描ける状況といえるだろうか。

お絵描きツールの開発元に改善を頼めばいいじゃない、という人もいるかもしれないが、では開発元の会社が潰れてしまったらどうするのだろう。いくら優秀なプログラマーを雇ったとしても、「改良禁止」の四文字の前では我々は無力なのである。


コピーの再配布ができない。

第二の自由がない例。例えば友人に漫画のペン入れを手伝ってもらうとしよう。友人はあなたの意図する画作りのためにあなたのペンを借りて作業することができる。ところがこれがデジタルでの作業となるとこうはいかないことが多い。自分の使うお絵描きツールがコピーや二次配布を許可していないのなら、当然友人はお絵描きツールを使うことができないのである。


改良版を再配布できない。

第三の自由がない例。これはプログラマでない人々にとってはイメージしづらいと思うので、少し飛躍して料理を作るときのことを考えよう。

あなたがフランスでレシピを学んだトマトソースパスタの改造版として「ナポリタン」というパスタを思いついたとする。ところがトマトソースパスタのレシピには「改造版を人に教えるべからず」と書いてあった。となると、あなたはナポリタンを他の人に教えることができない。あなたが作り出した改良によって多くの人々が幸せになれるのに、である。



…いかがだっただろうか。身に覚えがあるという方も多くいる筈である。このような不自由を強いるソフトウェアは我々の権利を圧迫している、というのがソフトウェアの自由が重要視される所以であり、自由ソフトウェアの基本的な考え方である。


別名・表記ゆれ

フリーソフトウェア…自由ソフトウェアのもともとの英語表記は"Free Software"であるため間違いではない。がしかし、発起人のストールマン本人やGNUプロジェクトも、日本語では「自由ソフトウェア」の語を使ってほしいとしている。


紛らわしいもの

フリーウェア自由ソフトウェアにはコピー売って利益を得る"自由"もある。よって完全に別の次元のお話である。


フリーソフトフリーソフトウェアの略語のようだが、前述の無料ソフトウェアとごっちゃになって用いられる言葉である。


自由ソフトウェアの例

ピクシブ百科事典に記事のある自由ソフトウェアには、次のようなものがある:


2Dグラフィックスツール

3Dグラフィックスツール

OS


この他にも多くの自由ソフトウェアが存在する。ソフトウェア選びの基準に取り入れてみてほしい。


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