概要
次代の蚩尤候補で、羌姐の妹分。
よくしゃべる女子で、外の世界に興味を持っている。
男女の営みに対しても興味津々である。
以上はキングダム単行本の巻末おまけに記載された人物像である。
原作に登場したのは、鄴を攻略した後、趙の首都・邯鄲を陥落させるべく一進一退の攻防を続けている最中。
この時飛信隊は、李信を蘇生術によって蘇らせた後眠り続ける羌瘣の不在により戦力が大きく削がれていたが、他の戦場で羌瘣を見たという噂が流れていた。
その後昴が趙軍に殺される直前、「トーンタンタン」という聞き覚えのある言葉が森中に響き渡り、趙軍を瞬く間に瞬殺し、その様子を見ていた飛信隊に羌瘣に会わせるよう要求。
天幕で寝込んでいた羌瘣が飛び起きるほどの殺気を放ち困惑する中、羌瘣は羌礼がどうやって村を出たのかを聞いた。
実は祭が再び行われ、姉である羌識を殺し蚩尤となって村を出たのだ。
事情を知らない飛信隊は羌瘣の仲間（＝増援）と考え飛信隊に好意的に加入するものと思っていたが、当人は上から目線で加入を要求。
飛信隊メンバーに喧嘩を売り（加入させなければ飛信隊メンバーを殺しまくると恐喝し）ながらも、隊に順応できるならという条件付きで、羌瘣隊に一応の加入を認めさせた。
ところが作戦を無視して連日に渡って趙軍を切り殺しまくる姿に、沛浪には「人を殺したいだけのイカレヤロー」、干斗には「（飛信隊がいつか壊れるから）すぐに追い出すべき」と評された。
そして飛信隊も我慢の限界に達し崇原を中心に羌礼に切りかかったが、羌瘣に止められ、蚩尤族の掟として羌瘣を殺しに来たことを看破された。
この際羌瘣の体が著しく弱っているのを知り、その要因が李信に使った蘇生術と知ると、「本来の蚩尤の姿である死を撒き散らすただの’’禍（わざわい）''として、羌瘣が辛うじて戦える三日後に羌瘣と決闘し、その後李信を含めた飛信隊を皆殺しにする」と言い、その場を離れた。
だが、羌瘣にも羌礼の闇が見えたことから、羌瘣は羌礼を救うべく決闘しつつ話し合いで解決し、できなければ斬ると李信と河了貂に話した。
三日後の夜、決闘は互いに巫舞の深いところまで沈む大激戦に至る。
羌礼は祭を思い出し羌瘣に語る中で、結果的に自分が羌識を殺したものの、羌識は本気を出すと言いながら最期は手を抜いて殺された（互いに本気で戦う約束だったため、羌礼にとっては裏切られた形になる）。
姉として慕っていた人の心臓を貫いた手の感触、姉として慕っていた人の苦悶の表情は、彼女が死を撒き散らす闇の神''蚩尤''として完成するには十分な要因だった。
しかし、羌瘣は間違っていると言い放つ。前蚩尤であった幽連のように、闇の先に道はない、戻って来いと。
どこへどうやって戻ったら良いか分からない羌礼は、羌瘣が戻してくれるのかと問うた。
だが、羌瘣が言うには自身ではなく、羌識が戻してくれると言った。
羌礼は刺した後を思い出す。羌識は苦悶の表情で無言で死に絶えたのではなく、自分が羌礼を殺す覚悟が足りなかったことを詫び、自分の分まで精一杯生きてと激励し、大好きだと伝えていた。
やがて血の涙を流していた羌礼の目からは普通の人と同じ涙が流れ、彼女も羌識が大好きだったこと、彼女の分まで精一杯生きることを伝えられなかったことを後悔し、年齢相応の大泣きを見せ、死闘は終結した。
翌日、作中で初めて登場した時から見せていた荒々しい姿がなくなり、飛信隊に頭を下げて謝り回り、李信に飛信隊メンバーとして認められ、飛信隊所属となった。
その後は羌瘣の側近的立ち位置になり、影丘戦では瀕死に陥っていた王賁を助けて、歩兵と共に影丘を登り先陣を切って敵陣へ切り込み、拠点確保に貢献する。その後、趙右翼総大将の岳白によって崖下に落ちるが、落ちる最中に岳白が不思議な体術を使うと言い、信がそれを聞いたことで戦い方を変えた事によって間接的に岳白公の討ち取りに貢献していた。
上記のように単行本15巻と早い段階で存在が明かされていた（単行本おまけから作中初登場まで実に11年も開きがある）が、羌礼たちを守るために羌瘣が幽連を殺したことで止まるはずだった祭が結局起こり生き残った結果、単行本のおまけの人物像から大きく乖離した人物に変貌してしまった。
結果的には元に戻り、作中では飛信隊の窮地を何度も救うことが示唆されている。
上記以降は羌瘣の妹分のような立ち位置となり、立場上は武将では無い（兵卒を指揮する権利は無い）ものの、羌瘣とともに前線で戦う機会が多かったり李信との絡みが多かったりと、見方を変えれば李信の辿ってきた道をなぞるような活躍を見せていると言える。
