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この先、月姫リメイク及びアルクェイド・ブリュンスタッドに関する重大なネタバレを含みます。














































「そん、な—————」


太陽が落ちたようだ。

それは硬く、柔らかく、冷たく、温かな光だった。

物質化した神話の容器(すがた)。

理性を壊され、狂気さえ壊された彼女が立ち返った原初の一。


「“aa———aaア————アha、aaaaaaaaa————”」


エーテルが膨張し、収束していく。

顕現の儀式が終わる。

指向性のないエネルギーが、一つのイメージの下、人間にも理解できる現象に変わっていく。


「———信じられない。さっきまでのは、まだ正常だった、なんて」


太陽のままならまだよかったのに、とシエルは思った。

人間に理解できる最上級の存在とは、神と呼ばれるものに他ならず―――


顕れた化身は、もう生命と呼べない“何か”だった。



プロフィール

クラスバーサーカー
真名アーキタイプ:アース
性別女性体
出典月姫
身長・体重顕現時:200m級、安定時:100m級(街の一番高いビルより大きいぐらい。周囲の文明レベルに合わせてのもの)
属性秩序・混沌

顕現時はまだ光体が安定していないため大きく出現するかわりに、当たり判定があまりない。ビルをすり抜けるのもこのため。


体重はどの状態だろうと元のアルクのまま変わらず。地球から漏れ出している生命力が形になっているだけなので、強いて言うなら地球の質量が体重である。

なので、地球上ではどんなアクションをしようと『地球にとっては重くないので、地形には重さによるダメージはかからない』となる。光体が歩くと地面が陥没する、などということはない。ただし人工物はその限りではない。


概要

急膨張(インフレーション)、離拡光体現象。真祖の王族のみが持つ励起状態であり、なんらかの手段で肉体が完全に破壊されてしまった場合に、その反作用として起こるとされている。


『まだ魔力が有り余っている真祖』を下手に破壊した場合、体内に蓄えられていたエネルギーのみで出現することで災害となって人間の都市を破壊する、消費文明への報復機能。長く天体を運営するために必要な“魂”を地表へ漏らす、あってはならないシステム障害。


リメイク版シエルルートにおいて登場。魔術世界における生命の質量定義において『小さくて重いもの』であるアルクェイドが、肉体という匣を魔力が有り余っている状態で破壊されたことで圧縮されていた魔力を開放し、存在規模を膨張させた結果として発生した。


ロアに力を奪われ、衰弱死を迎えているアルクェイドルートではインフレーションは起こらないが、シエルルートではロアを殺し、志貴への恋心でバグを起こし、吸血衝動を抑えなくなったことでこの現象を引き起こしてしまった。


真祖の王族が持つ励起状態でありアルクェイド固有の形態ではないが、本記事で扱うのは主に光体化したアルクェイドの情報となる。


詳細

真祖は地球の触覚であり、地球の免疫機構のようなもの。最高水準の真祖であるアルクェイドになると、その在り方は免疫機構よりも一段階上、地球の分身と言って差し支えないものとなるが、そもそも真祖とは地球の分身レベルの筐体を作り出すことを目的として生み出されたもの

アルクェイド以外は皆失敗作であり、真祖たちはその末期に一番初めに望まれていた『星の頭脳体』を作ることに成功したのである。


とはいえ、それほどの生命体が『人間の体』で行動している事自体がそもそも異常な事と言える。天体のエネルギーを小さな『人体』に押し込めているのだから、いつ暴走してもおかしくない状況にあるのである。


アルクェイドは活動する際、その出力を『常に相手より一段階上のものに制限する』が、これは万能の現れではない。肉体という出力装置の保護であり、(地球的に)エネルギーの無駄遣いを防ぐためである。


しかし、肉体という枷がなくなり、かつアルクェイドの精神活動が衰えていない場合、力の制御はされなくなる。肉体に秘められていた魔力は爆発するように拡散し、地球からエネルギーを引き出す能力に制限はかけられなくなる。それがインフレーション―――離拡光体現象。


本来は星の内部に留め、長く天体を生かす(運営する)ために必要な『(宇宙において天体が生まれる確率はほぼない。それを成立させる運命力、時空因果を魂と定義している)』を地表に漏らす、あってはならないシステム障害である。


とはいえ、真祖がこの状態になることはほぼない。大抵の真祖は自身を抑えるために精神を摩耗させているので、肉体が破壊された時に再起する精神力がない(衰えている)ためである。


自らの吸血衝動に負けた『堕ちた真祖』との戦いにおいて光体が出現することはあるが、その場合でもアルクェイド程の大規模な光体は現れない。


『汝、真祖を討ち滅ぼすと願うなら、まずはその精神を摩耗させろ』とは教会に伝わる教えで、この教訓通り、代行者たちは不意打ちによる暗殺ではなく正面からの総力戦の末に真祖を倒す、あるいは魔力消費による自滅に追い込んでいた。(不意打ちで殺すと光体となってしまう可能性が高い)


生態

巨人なだけに強いが、あまり派手なアクションはしない。シエルを捕まえる過程も


1) 愕然とするシエルにゆっくりと手を伸ばす。シエルもまずいと後退しようとするが、体が重い。


2) 普段なら余裕で躱せる腕をギリギリで躱すシエル。そのまま距離を取ろうと体に力を込めるも、思うように動かない。


3) アルクの圏内にいるだけで「空気が薄い」「地面が熱い」「おまけに重力もなんだかおかしい」ことに気づくシエル。


4) 気付いたところでどうしようもない。無様に逃げようともがくシエルを楽しげに見るアルク。それでほぼ詰み。“アルクに見つめられて”空間に縫い留められる。


5) ゆっくりと落ちてくるアルクの手を絶望顔で見上げるしかないシエル。捕まり、アルクの手の中で解体ショーが始まる。


といったもの。


そしてその巨体のみならず精神感応も桁外れであり、相手の思考を直接読み取ることもできる。

これ自体は隠しておけばあらゆる局面で有利に働きそうな特性ではあるが、本編中では「(自分のことを)意識していたくせに」という遠野志貴の思念に対し「はあ?意識なんてしていなかったんですけど。」と反射的に返してしまったことであっさりと露呈した。


また、光体となったアルクェイドは3つの意識の層を持つ。


  • 表層意識より外である外界。延長意識、アメイジング

光体から300mより外側から数kmまで。

延長意識では表層意識内部で発生している乱気流が鋭い刃のように漏れてきている。強風、磁場の乱れ等で、光体に近寄るほど危険度は増していく。人間では戦車でもないかぎり表層意識の圏内に入るのは不可能。


既に物理的に危険な状態だが、光体から離れるほど被害は少なくなる。光体アルクはこの延長意識にいる生命をまったく意識していない。

これに挑む人間は、勝手に竜に挑み、勝手に死んでいくドンキホーテのようなもの。光体は光のドーム、あるいは何らかのシンボルに見える。


  • 光体を中心に、放射状に拡がった直径300mほどの表層意識、オーディエンス

300m以内の表層意識では、緑化がよりダイナミックに進行し、『惑星の霊長に知的生命体を設定しなかった場合の、地球本来の植物の尺度』で原生植物が地表を覆っている。

これらは人類の知る原生植物ではあるが、その規模・強靭さはまるで別物であり、通常の10~20倍のサイズがある。


これは過去の地球においていかに植物が強靭であったかを知らしめるものであり、近代の自然が『今の生命環境にあわせて』設定された軟弱なものであり、原始(古生代)の植物が恐ろしいものであったかを表している。

原始の自然は人類の文明より遥かに強大だった、という威圧でもある。


この圏内では地面は原始の植物に覆われて徒歩による移動はほぼ不可能(超人であるのならその限りではない)。

地表と上空の気圧差(巨大植物の酸素消費で起きる温度差)で気流は乱れ、上昇気流と下降気流が交差する強風の回廊となっている。


地上は植物に阻まれて移動できない。空は乱気流でまともに飛べない。そういった状況で、通常の暴走アルクが行っていた自動迎撃が行われる。敵が表層意識に入ると、当然『外敵』として認識されるためである。

不運にもアルクの視界に入ってしまえば魔眼によって拘束され、その時点で詰み。自動迎撃は見えない爪となり、時に外敵を切り裂き、時に外敵を空中に木の葉のように舞い上げていたぶり殺す。


空中では生存しようがない、と地表に留まったところで地表には(巨大植物たちが吸収しているので)酸素がない。このように、表層意識は現人類が生存できる環境ではないのである。

光体アルクは何もせず、ただ「入ってきたものを外敵として認識する」だけで事は終わる。近寄るコバエが勝手に死んでいるようなものである。


光体は『光の何か』から、人型の巨人に見える。


  • 自身の間近(30m以内)である深層無意識、スキンレイル

気流の乱れ、光体が持つエネルギーの歪みといった視覚障害はなくなり、本当の光体の姿が見える圏内。回転する気流地獄だった表層意識とは違い、大気は安定し、生存に適した環境になっている。


この圏内に入ると、光体アルクは億劫ながら迎撃する。『ハンマーのような衝撃で薙ぎ払ってくる暴風』『熱波』を、視線を向けることで発動させる。

光体アルク自体は『殴りつける』『踏みつける』といったことはほぼしない。力尽きて動けなくなったものは放っておき、関心のある敵なら大気操作で目の前まで運ぶ。


シエルに対してわざわざ腕を動かし、これ見よがしに恐怖を煽ったのはシエルが特別だからであり、遠野志貴に対して無関心を装ったのは、「ふられたのだから、絶対に自分から触ってやんない」と意地を張り、当て擦りをしているためである。


能力

光体となる以前の時点で時間を停止させるどころか文字通り“潰して”事象変換し、細菌に至るまで総耶市の全てを形而上のものに変えて星の内海に没収するなどの大規模な権能を行使することができたが、肉体という制限がなくなったことでより大規模な現象を引き起こすようになってしまっている。


事象収納の規模も普段のアルクェイドが行うものが文字通り"仕舞う”ものであるのなら、光体の行うそれは粉砕に近く、発動すれば『世界の終わり』が訪れる

身も蓋もない話ではあるが、彼女の機嫌を損ねてしまうと、世界は終わってしまうのである。


光体は知性体に対する『認識操作エフェクト』のようなものを持ち、遠くから見る者には『怖ろしい、理解できないもの』という印象を与え、近くから見る者には『美しい、理解できるもの』という印象を与える。

これは遠くにいる者は敵なので真実を見せずに殺し、近くまで拝礼する者は味方なので真実の一端を見せるという神霊的(宗教的)な仕組みである。


また、そもそも教会や宗教とはこのようなものに隷属する為に生まれた知的活動の行き止まり(ゴール)であるため、信仰などそれらの教えを力としてきた者に抗える道理はない。


さらに、死の要因が無くなっている状態なので空間の死さえ視える状態にまで高まった直死の魔眼でも死の線は見えず、光体に力を与えている地脈を先に殺して弱体化させようにも、事象収納によって地脈を取り込むことで死の点を消すなど、弱点らしい弱点は一切ない。


TYPE-MOON作品において神格を相手取る際にはまず弱体化させることが鉄則であったが、この存在に対して自発的にできることは本当に何もないのである。

(そんなものは無いからこそ、歴代の代行者達は正面からの総力戦という不毛な戦いを仕掛けることで真祖の精神を消耗させ、光体の出現を未然に防いでいた)


ステータス

筋力耐久敏捷魔力幸運宝具
EEXBA++EXD

エネルギー体となった事で通常時は使っていなかった魔力を「攻撃力」として使う。そのため魔力は上げ、使う必要のなくなった筋力は大幅にダウンさせている。


固有スキル

空想具現化:D通常アルクェイドではAだったものがDまでダウンしている。光体状態の真祖では空想具現化は大雑把なものしかできない。光体となっているため、きめ細かな空想を構築できない。
事象収納:EX星の地表で育ったモノを概念的、かつ物理的に収納する能力。惑星の地表に発生したあらゆる創作物―――テクスチャーの没収。神霊でいうのなら権能レベルの異能だが、惑星が持つ機能なのでスキルというよりシステムである。光体になったアルクェイドの足下に現れた重力圏は地球全土のテクスチャーを収納するだけの規模を持っている。
魔力放出(星):A魔力放出の凄い版。星の息吹。動物でいうところの呼吸。大気中の魔力(マナ)を取り込み、体内循環により新しい魔力として外界に吐き出す。マナクリーナー。光体が出現すると地上に高濃度のマナが満ちるのはこのため。人間は死ぬ。

クラス別能力

光体:A霊子核の急膨張(インフレーション)。シンプルに光体と呼ばれる現象。最高品質の真祖・・・真祖の王族のみが持つ励起状態。真祖が何らかの手段で肉体を完全に破壊されてしまった時、その反作用で起こるとされる。『小さくて重いもの』だったアルクェイドが、肉体という筐を失った事で圧縮されていた魔力が解放され、(見かけだけの話だが)存在規模を膨張させた結果。光の中心にアルクェイドの意識はあるが、肉体という壁がないため、その有り余る魔力量のまま『彼女が思い描く、自身のイメージ』が投影・拡散されている状態。教会では霊子筐体(ライトフレーム)と呼ばれている。いわば精神力だけで作られた自然現象。
魔眼(超広範囲)光体アルクが見た知性体の精神を『畏怖』あるいは『信仰』によって麻痺させる。光体アルクに見られた者は、よほどの強い精神力がない限り、逃げる事も、戦う事も困難となる。
空想無量化(通常攻撃無効)精神体なのでアルクェイドの認識で「あ、これ私でもダメ」と思える攻撃でなければ傷を負わせる事はできない。また、エネルギー体なので傷を受けても即座に元に戻ってしまう。
地熱操作、大気操作周囲の環境を過酷なものに変えてしまう。地面は高温となり立っているだけで生命活動に支障を与え、大気は乱気流となって近づくものを木の葉のように翻弄する。これらを無意識に行う。ようは自然現象を擬人化したもの。地震・台風・津波といったものを一つにまとめた存在。メルブラの姫アルクはこれらを『意識的に、指向性のもの』として使っていたが、光体アルクはこれらを『無意識に、反応として』使う事しかできない。生体機能として自動的に発動しているだけで、コントロールできないのである。災害をきちんと武器として使い、被害をコンパクトにできるので姫アルクの方が格上、という事。

なお、光体とは「攻撃」のためのスタイルではなく、「再生」のためのスタイルである。

肉体を破壊された真祖が、再び真祖として活動できる『元の体』を作るために必要な工程にすぎない。なので決して、出現した地点から移動することはない(その必要がない)。


惑星は強い重力によって水素やヘリウムが収束、圧縮されて資源の塊となり、やがて熱が冷め穏やかな地表となるが、光体もいずれ収束して『肉体』になるべきもの。


肉体になる利点は言うまでもなく、『自我、自己の確立』である。光体のままだとやがて意識が地球そのものと同化し、ただのエネルギーとなって拡散してしまう。


しかしシエルルートにおけるアルクェイドは理性・感情のコントロールができていないため、いつまでも光体を解除できずにいた。その果てに待つものは拡散消滅である。


さらには嫉妬によって「歩き出した」時点で、蛹であることを放棄してしまう。光体はあくまで『元に戻る』ためのシステムであるのに、それを個の生命として動かしてしまうと、アルクェイドであっても末端から崩壊していき、やがて完全消滅してしまう。


一方、光体を『元に戻るための手順』ではなく『より強い個体に新生するための手順』としてしまう場合はその限りではない。新しい真祖として活動できるが、“今までいた彼女”は文字通り、失われることとなる。


宝具

型月稿本におけるステータス表記には宝具:Dの表記があるが、宝具の項は見られない。


余談

全体的に白い体、文明・テクスチャーの没収、巨人と呼べるほどの大きさを持ちながら周囲の環境に合わせて最適化を行うなど、セファールとの共通性を指摘する声も多い。


また、事象収納の描写はFGO第2部における地球白紙化と似通っており、ファンの間で関連性が指摘されていた。

その後、月姫リメイクの発売後インタビューでFGOに登場したテクスチャの概念はもともと月姫リメイクの為に考えられていた概念であり、1部6章にもその概念が流用されていること、週刊ファミ通 2023年8月17・24日合併号内のFGO8周年インタビューでは月姫リメイクの開発の終わりが見えてきた頃に武内崇から地球白紙化が具体的にどういうものなのかを問われた際、「光体アルクェイドといっしょだよ」と説明していたことが奈須きのこによって語られ、物語的にはつながりこそないものの、FGOにおける地球白紙化は光体アルクの事象収納と本当に同一の現象であることが確認された。


FGO第2部第7章ではなんと、事象収納などの星に由来する一部の機能こそはないが光体と同じ能力を宝具として有するとんでもないサーヴァントが登場した。その正体を考えればこれでも生温い。


関連タグ

アルクェイド・ブリュンスタッド 暴走アルクェイド シエル先輩 遠野志貴

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