概要
『悪役令嬢の中の人』の舞台となる乙女ゲームアプリ『星の乙女と救世の騎士』(通称:オトキシ)の悪役令嬢。
ゲームキャラとしては「親からの愛も満足に得られず、婚約者だったウィリアルドにすら疎まれた挙げ句、ヒロインである星の乙女にウィリアルドを奪われてしまい、その絶望から世界を破滅に導く災いを引き起こした末に討たれる」設定の敵役であった。
しかし、幼い頃高熱を出した時、現実世界において命を落としたエミの意識が憑依した結果、この世界の真実やエミの記憶を知覚して以降、本来のゲームから逸脱した生き方を歩むようになる。
レミリア
突然宿ったエミの意識に身体の主導権を奪われ、エミを含む外界との交流が途絶してしまう。
当初こそ憤っていたものの、内側からエミの言動を見ている内、彼女が自分を深く愛し「破滅の未来から救いたい」と心から願ってくれていた本心を知って徐々に心を開き、「エミの幸せを見ていられればそれでいい」と考えるようになった。
しかし、エミが同じく異世界からの憑依者であるピナの罠に嵌められ、ショックから心を閉ざしてしまったのを契機に、入れ替わるように肉体の主導権を取り戻すと、大切なエミを傷つけた者に復讐を始める。
尚、レミリアの復讐劇のターゲットはピナの策略に乗せられていたか否か関係なく、裏切った全ての者達を復讐の対象としており、とりわけ、その主犯格たるピナに対しては「簡単には死なせない」「死を希うほどまでに苦痛を与えてやらなければ気が済まない」と断言するまでに憎悪している。
悪役らしく狡猾で冷酷、計算高い性格だが、エミへの想いから「エミがいた頃のレミリア」のイメージを壊さないようにすべく卑劣な手段は一切使わず、エミの記憶から得た現実世界の知識(ゲームの攻略情報、作中世界の文明に合わせた科学技術)と自分自身の計略を基に、他人に対し奉仕と善行に全振りする真っ当なやり方で復讐を果たそうとしている。そのためにエミを陥れたピナ(転生者)よりも先に世界の窮地に立ち向かい彼女には一切の手柄を与えぬように各地の国や村をめぐり村人や民の信頼を集めた。
前述の通り性格は冷酷そのもので、人間だろうと魔族だろうと使えるものはなんでも利用するが、その本心はどうであれ彼女が行っているのはどう切り取っても善行そのものである為、回りまわって降りかかった想定外の幸運や人の縁は数多い。また「他人を利用する」 と豪語しつつも、エミの言動を見ていたお陰か他人から寄せられる感謝や好意に対し、素直に喜びを感じられる感性は持ち合わせている。
漫画版において事態が思惑通りに進んでいるのを感じ入る度に垣間見せる、悪役らしい凶悪さ満点のしたり顔は必見。
エミ
フルネームは小林恵美(こばやし えみ)。
前世は日本の女子大生だったが、交通事故で他界し、「オトキシ」世界のレミリアの身体に宿る形で異世界転生した。
前世では家族に恵まれ、フィクション作品の哀しき悪役であっても、深く感情移入し涙する程に優しい性格であり、家族の愛に恵まれなかったが故に破滅の道を辿ってしまったレミリアに対しても、強い憐憫と悲しみの情を抱いていた。
いざレミリアとなったエミは彼女を破滅から救うべく、前世の知識や憶えている限りのゲーム攻略情報を基に断罪回避に奔走。他人の生死など修正力らしきものが働く事象こそ変えられないものの、ゲーム本編開始前に攻略対象達との関係を良好なものに変え、いつレミリアが身体に戻っても大丈夫なよう整えていた。
しかし、私欲の為に全キャラとの逆ハーレムルートを狙っていたピナ(転生者)にとっては邪魔者でしかなく、策略によって陥れられ冤罪を着せられて断罪され、それまで信頼関係を築いてきたはずの者達からも、悉く裏切られる仕打ちを受けた絶望の果てに精神が崩壊。意識を失って深い眠りに落ちてしまった。
これによってエミとレミリアとの関係が逆転し、レミリアは「エミが安心して戻ってこられる世の中を作る」べく、裏切った全ての人間達の排除に奔走するようになる……。