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ファイアパンチ

ふぁいあぱんち

ウェブコミック配信サイト『少年ジャンプ+』(集英社)にて、2016年4月18日から2018年1月1日まで毎週月曜日更新で連載された漫画作品。
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曖昧さ回避

ロックマンエグゼ』シリーズに登場するバトルチップの一種⇒チャンプル


概要

藤本タツキの初連載作品。文明崩壊後の世界で生きながら消えない炎を纏う青年・アグニを主人公とした物語が描かれている。救いの無い終末的な世界観と、それにあらがい続けるアクの強すぎる登場人物達が織りなす無茶苦茶で行き当たりばったりな生き様が物語の核となっており、読者の情緒を無闇矢鱈に揺さぶるカオスな作品である。


作者の藤本は話が進むごとに作品のジャンルを変えていると公言しており、web作品ならではの挑戦的なストーリー展開が多くなされた。一見すると支離滅裂にすら感じるストーリーも意図して構成されたモノであり、作品を形作るギミックの一つとなっている。


映画」が重要な要素として位置づけられており、劇中で語られる映画ネタも劇中劇などでは無く実在の映画から取り上げられている。


ストーリー

『氷の魔女』によって世界は雪で覆われ、極寒の大地は人に飢餓と狂気をもたらした。人類は先史文明が残した遺産にすがりながら、緩やかに滅びる世界で凍えながら暮らしている。

生まれながらに異能を持つ”祝福者”である少年アグニは同じ能力を持つ妹のルナと一緒に明日をも知れぬ世界で懸命に暮らしていた。

そんな日々は突然終わった。ベヘムドルグ王国と呼ばれる勢力の尖兵ドマによってアグニたちが住んでいた村は全滅し、ドマの祝福である”焼け朽ちるまで消えない炎”によってアグニは生きながらに焼かれる地獄に堕とされた。

しかしてアグニは死ななかった。彼は肉体を瞬時に再生出来る祝福を持っていたために、延々と肉体を焼かれ続ける羽目になったのだ。妹のルナはアグニほどの再生力が無かったために燃え尽きて果てるも、最後に「生きて」とアグニに言い残す。

自分と妹をこんな目に遭わせたドマへの復讐を誓ったアグニは、年月の末に我が身を苛む炎を手なずけ、煉獄の戦士ファイアパンチとなって旅立った。


登場人物

  • アグニ:主人公の青年。肉体を瞬時に再生出来る祝福を持って生まれた祝福者であり、妹のルナと共に寒村で暮らしていた。自らの肉体を切って村人達の糊口を凌ぐ手助けをしていたが、ベヘムドルグ王国の尖兵ドマが村を襲撃した際にそれを見て「人食いの村だ」と嫌悪して村民もろとも村を焼き払ってしまった。彼が放った”燃え尽きるまで消えない炎”のせいで燃えては再生を繰り返す生き地獄を味わう羽目になり、妹のルナも苦しんだ末に焼死してしまった。耐えざる苦痛を月日によって乗り越え、我が身を焼く炎をコントロールする術を身につけたアグニは、ドマへの復讐を果たすべくベヘムドルグを目指すことになる。あまりにも過酷な人生を歩んでいるが、普通の感性を持った人間であり、そのために自身の生き方に悩み続けることになる。

  • ルナ:アグニの妹。兄ほどでは無いが再生の祝福持ちであり、愛する兄を側で支える優しい少女。ただし愛が行き過ぎてかなり危ない方向に進みかけたことも。ドマの炎によって生きながら焼かれてしまい、再生能力が追いつかず焼死してしまったが、今際の際に「生きて」とアグニを励ました。アグニはこの言葉だけを糧に地獄を生き続けることになったのだが、同時にこの言葉が呪いのように彼を苦しめることにもなる。

  • ユダ:カルト宗教国家ベヘムドルグ王国を束ねている祝福者の女性。ルナとうり二つの容姿をしており、アグニを大いに動揺させることになる。ベヘムドルグを存続させるために周辺地域での略奪を繰り返している。再生の祝福者なので一〇〇年以上も生きており、先の見えない世界で生きることに疲れ切っている。アグニとは何度となく戦い続けるが、そのうちに奇妙な縁で結ばれてゆく。

  • トガタ:再生の祝福者の女性。三〇〇年以上生きている映画マニアであり、ベヘムドルグの尖兵に家を焼かれて映画の記録を全て失ったことで生きる糧を失ってしまった。だが、配下が偶然撮影したアグニの姿に興味を持ち、彼を主役にした自主制作映画の撮影をすることにした。以降、アグニにしつこく付きまとい、彼に知識と格闘術や演技指導を施した。劇中屈指のネタキャラであり、シリアスな雰囲気をぶち壊すイカレた女。

  • サン:アグニが旅の途中で助けた少年。電気を操る祝福者であり、数々の辛い目に遭うも都度アグニに助けられ、彼を神と崇め崇拝するようになる。よく言えば純粋、悪く言えば思慮の足りない人間であり、アグニへの崇拝もやがて狂信にすり替わってしまうことになる。

  • ネネト:ベヘムドルグに囚われていた少女。奴隷として男に奉仕させられる境遇であったが、アグニを助けに来たトガタに何でも言うことを聞くことを条件に救われ、なし崩し的にカメラマンを任されてしまう。以降、アグニことファイアパンチの活躍をトガタとともに間近で撮影し続けることになる。

  • ドマ:ベヘムドルグの尖兵。アグニが住んでいた村を「人食いの村」と見なして焼き払った張本人であり、アグニにとっては妹の敵である。”燃え尽きるまで消えない炎”の祝福者であり、ベヘムドルグでは尊敬を集めた戦士であった。しかし、あることを切掛に自分のしでかしてきたことを後悔するようになり、精神を病んでしまった。

  • スーリャ:多彩な祝福を操る怪人。旧世紀から生き続けている旧世代人の祝福者であり、ゆうに四桁の年月を生きている。現代人とは異なり、あらゆる祝福が使えていた”進化した人間”の生き残りであり、ある計画のために自分と同じ体質を持つユダをさらい、彼女に自らの能力を分け与えた。アグニを焚き付けるために『氷の魔女』と名乗っているが、無論デタラメである。

用語解説

  • 『氷の魔女』

世界を雪で覆ったとされる存在。ベヘムドルグ王国は彼女を倒すために組織されたが、実際のところそんな者は存在せず、ベヘムドルグが国民を束ねるために生み出した架空の敵である。強いて言うなら、地球に訪れた氷河期そのものを擬人化した概念である。


  • ベヘムドルグ王国

『氷の魔女』を倒すために建国された国家。”王様”と呼ばれる存在から啓示を受けた戦士ユダによって支配されている軍事国家であり、国家維持のために近隣集落への略奪や奴隷狩りを行っている悪質な国である。氷河期によって滅びる運命にある人類に「世界を雪で覆った『氷の魔女』を倒せば人類は救われる」と嘯き、ささやかな希望を持たせることで国民を束ねており、王様という偽りの神様を信仰させることで国家としての体を成している。身もふたも無く言えば大規模なカルト宗教団体である。


  • 祝福者

劇中で登場する超能力者たちの呼称。この世界では超能力は”祝福”と呼ばれ様々な種類があり、「肉体を再生する」「炎を操る」「鉄を生み出す」「デンプンを生成する」「心を読む」などなど、バリエーションに富んでいる。その実体はこの世界の空気中に満たされているデバイス(ナノマシンのようなもの)を使える人間であり、現代人の祝福者は一人ひとつの祝福しか使えないが旧世代人は全ての祝福を使える。ちなみに旧世代人は全てが再生の祝福者であり、劇中に登場する祝福者も再生の祝福持ちが多い。


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