概要
アニメ版『遊☆戯☆王デュエルモンスターズ』での完全オリジナルエピソード。
第145話から第184話までと、3クール以上をかけた長編シリーズ。
乃亜編同様、アニメが原作に追いついてしまったため製作された。
これに加え、KCグランプリ編を含めると約1年に渡りアメリカを舞台にしたオリジナルエピソードが放送された(遊戯王@2ch辞典)。
それまでのアニメオリジナル回は
- 原作で僅かに語られた設定を膨らませてオリジナルキャラを出したり、設定の掘り下げを行う(レベッカやBIG5など)
- アニメのみでは分かりにくい既存キャラの描写(海馬瀬人と海馬剛三郎の関係など)
- 既存デュエルの展開を拡張してOCGのカードを多く使用する。
- 原作では末路が描かれなかったキャラの末路を描く(BIG5)
- 原作ではデュエルをしないキャラがデュエルをする(真崎杏子vs孔雀舞やステップジョニー戦など)
- 舞台が現実世界から別世界になるが、あくまで海馬コーポレーションのテクノロジーの一環(DMクエスト、乃亜編の電脳世界)
といった風に原作に存在する要素を最大限に利用したり拡張させた展開が見られたが、本作は原作から出典となる要素は存在せず、完全にアニメのみのオリジナルストーリーとなる。
モンスターと同じ姿をしながら独自の意思を持つ「カードの精霊」と彼らが住む別の世界が存在するなど、これまでのエピソードとは異質な要素が目立つ。
また、原作では完璧超人だった闇遊戯が(インセクター羽蛾が遊戯をダシにした卑劣なやり口を行い、それに激昂したという事情があったとはいえ)「狂戦士の魂(バーサーカー・ソウル)」を使ってルール無視のオーバーキルを行使するなど、これまで見られなかった彼の心の弱さもクローズアップされた。
王国編で登場したペガサス・J・クロフォード、孔雀舞、羽蛾、ダイナソー竜崎やデュエリストキングダムが再登場している事から、王国編の続編もしくは後日談ともいえる。
これまでそれらしい節はあったが、明確に描写されていなかった「デュエルモンスターズ」がただのゲームではなく全く異なる異世界の住人として実在し、場合によっては世界を滅ぼすほどの力を秘めた負の側面が描写され、主人公も含めて人間の誰しもが抱えている心の闇を言及するなど後のシリーズの展開の基盤を作ったストーリーともいえる。
心の闇については、二作目のGX、三作目の5D’sでは深く言及されている。
特にアニメDMの続編である遊戯王GXでは、第1話目からデュエルモンスターズの精霊が登場しており、3期~4期では主人公や仲間、生徒達の心の闇が濃密に描写されている。
一方で、それまでのエピソード全体を通して見ると既存キャラクターの性格や行動が視聴者も違和感を感じるほど改変されていたり、上記の「カードの精霊」を含む設定が明らかに本来の世界観から逸脱していたりと、別のアニメに変化してしまったように感じられる要素がとても多い。
当時のアニメ製作スタッフのコメントによれば「張り切り過ぎて、後半になるにつれて暴走し過ぎた」とのこと。
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アニメDMでのオリジナルエピソードの系譜