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概要

ジェンダー(英語:Gender)は、社会的な視点から見て性別ごとにどのような役割を担うのかという考え方。生物学的な性差である「セックス」に対して、精神的に「自分の性別をどう捉えるか」という本人のパーソナリティに非常に深く関わる為、かなり繊細な問題として扱われる。この単語に関する考え方自体は国・地域・時代によって大きく変化する為、あくまでもこの項目で述べられていること自体が、「21世紀初頭の日本での考え方の1つ」と言う風に考えるべきである。


社会的な例

近代以前の社会的な性差についての考え方は、世界的に見て一部の例外を除いてほぼ同一で統一されていたと言って良く、つまり「男性は外で働いて女性は家を守る。」という事である。この考え方は女性は子供を産み、その子供を育てる生物学的な機能から派生したものであり、基本的には出家する以外で女性がこれ以上の社会的な役割を担う事は無かった。


その考え方が大幅に変化したのは、近代に入って蒸気機関が開発されて人類の技術力が飛躍的に進歩した事である。機械によって人間に求められる肉体的な労働力の割合が減った事で、女性の労働力が社会的に大量に必要とされる時代に入った。その後は2度の世界大戦で男性が軍事力として必要とされると、その穴埋めとして女性の労働力が大量に必要になり、第2次世界大戦の後に女性の社会進出が以前に比べて大幅に浸透していく事になる。


これらの世界的な潮流は日本にも大幅な影響を与えており、明治時代に女性の社会進出が始まると、大正・昭和時代を通して社会的にも女性の役割は大幅に変化していった。しかしそれでもバブル時代まで日本の女性に対する価値観は「会社に入っても結婚すると辞職する。」と言う見方が大きく、1度でも結婚して職を辞めると女性が結婚を維持したまま就職する事は非常に難しく、社会的な性差が埋まったとは言い難い状況であった。


1991年3月にバブル経済が崩壊すると、夫婦は共働きで家庭を支えるのが当たり前となった。夫が正社員で働いている間は妻がパートタイムで働くのが一般化した事で、「結婚した後も女性が働くのは当たり前である。」というのが社会的に認識されていくようになり、その後は2000年代に入って女性の雇用機会が不均等である事が見直されるようになった。


この頃から日本が世界的に見て、女性の政治家・経営者と言った女性の社会的指導者の数が圧倒的に少ない事が問題視されるようになった。男女の労働機会が均等では無い事に関しては2020年代に入っても全面的に改善されたとは言い難いが、少なくとも多少は改善されており、社会的な男女差が本当に徐々にでしかないものの確実に埋まっている。


文化的な例

女性が街を闊歩するという事自体が眉を顰められた時代に、革新指向の女性たちはしばしば保守派から槍玉に挙げられており、それに対して洋風のファッションを意図的に見せつけるといった形で対抗していた。そうした流れの一環として男性言葉をあえて用いるという文化も発生していた。当時は女性に選挙権が無いような時代であり、学校生活においても女性教育があからさまに軽視される事も少なくなかった為、男性のように振る舞う事は時に政治的意味すら帯びた。


体制側から見るならそうした女性たちは反抗期若気の至りを超えた重大なタブーとして映り、実際にその後の戦時体制の中で徹底的な弾圧を実施して一旦終結している。一方で伝統芸能として地位を築いた宝塚歌劇団の男役が「男性的な女性」を戦後に辛うじて伝え、サブカルチャーが発展する1970年代前後からは日常での使用例が再び散見されるようになっていく。


直接的に再び普及するきっかけをもたらした事象やその時期については諸説あるが、漫画の神様の手塚治虫が自身の作品にそのようなキャラクターを登場させた事が1つの転機になった事は間違い無いだろう。アイドルブームの到来で女性の歌手が爆発的に増加した事で、差別化として一人称である「ボク」の歌を歌ったり、会話そのものを「ボク」にする例も多発した。メインカルチャーとまではならなかったものの、ボクっ娘は一時期かなり好意的に受け取られるようになった。


1980年代には「オタク」という言葉が誕生し、批判的に論じられる事が多くなる。幼稚な精神に甘んじて大人になろうとしない(ピーターパンシンドローム)という考察はその典型であり、一人称からして一般人と異なる男性口調もまた「第2次性徴を受け入れようとしない心の表れ」などと否定的に捉える理解が主流となっていった。


1979年12月に女子差別撤廃条約が署名され、1981年9月にこの条約が発効された。それなどを巡ってフェミニズムが盛んになっており、自分たちの地位が乗っ取られると受け止める男性が続出した。戦前と同様の状況の中で同じオタクの中からも「心から男性になりたいのだろう。」などとしばしば叩かれるようになり、使用者を減少させていった。


現代で特に若い世代において「~のよ」・「~だわ」・「~わね」・「~わよ」・「~かしら?」のような分かりやすい女性語を使用する女性はほんのごく一握りで、むしろ「~だよ」・「~だぜ」・「~じゃねえよ」・「~じゃねえぜ」という、かつては男性だけのものであった男性語ヤクザ口調が女性にも大変浸透している。その為言葉遣いにおける男女の差異は急激に無くなりつつあり、世の中が既に中性的になっている感じがある。


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