概要
『仮面ライダーディケイド』第24話・第25話に登場した世界。
他のエピソードはTVシリーズとは異なる、リ・イマジネーションの並行世界を舞台としていたのに対し、同時期に放送されていた『侍戦隊シンケンジャー』の作中世界そのものを舞台としており、シンケンジャーTV本編のエピソードとも完全に連動している。
テレビシリーズとしては初めて、仮面ライダーシリーズとスーパー戦隊シリーズがクロスオーバーしたエピソードであるが、同時に「仮面ライダーシリーズ」と「シンケンジャーの世界」が明確に別世界であると明示されたエピソードでもある（作中ではシンケンジャーの世界について「ライダーのいない世界」「仮面ライダーが必要ない世界」等と説明されている）。
他には『春休み合体1時間スペシャル』で、ニンニンジャーのTVシリーズの世界も仮面ライダーシリーズとは別世界として描かれたが、こちらは直接の続編にあたる仮面ライダー3号の映画の方では何故か同一世界のように描かれており、両作品の設定や描写に矛盾が生じている。
シンケンジャー以外の戦隊作品は、主にスーパーヒーロー大戦シリーズでライダーと同一世界であるかのように描かれていたが、スーパーヒーロー大戦シリーズが終了し、特にゼンカイジャー以降の現在では、明確にライダーと戦隊はそれぞれ別世界として描かれるようになっている（この辺りの世界観設定については後述する）。
『ディケイド」の第24話・第25話の話は、光写真館一行と海東大樹がこの世界を訪れた事によって起こった事件を軸に展開されており、時系列的に交錯している『シンケンジャー』の第二十幕・第二十一幕にも、話の裏で同時進行で『ディケイド』のキャラクターが客演している。
作中の時系列としては
- 『シンケンジャー』第二十幕「海老折神変化」Cパート（海東がシンケンジャーの世界に出没）
- 『ディケイド』第24話「見参侍戦隊」
- 『シンケンジャー』第二十一幕「親子熊」（本編の裏で『ディケイド』絡みの話が同時進行）
- 『ディケイド』第25話「外道ライダー、参る！」
となっている。
当時はスーパー戦隊の方が先に放送されていたのと、シンケンジャーがゴルフで1回休みだったのがあって放送順としては
『シンケンジャー』第二十幕・『ディケイド』23話→『ディケイド』第24話→『シンケンジャー』第二十一幕・『ディケイド』第25話、となる。
光写真館の背景ロールは折神の元になった動物達の絵で、門矢士の役割は志葉家に仕える黒子。彼のこの世界での役割は、仮面ライダーの介入によって誕生した異物であるチノマナコディエンド変身態を倒す事であり、それを達成した事で彼等は次の世界へと進む事になった。
映像ソフト収録
お互いの番組が相互に連携し、一繋がりとなったエピソードだったにも拘わらず、後に発売されたDVDでは当然のように各番組のみのエピソードしか入っていなかった為、それぞれを個別に買った上で、いちいち入れ替えないと当時の放映順のままで見られないという難儀な事になっていた。
これにより、『シンケンジャー』の方だけを見ると謎の怪しい人物達（『ディケイド』側の登場人物）が現れるものの特に伏線が回収される事なく有耶無耶になったように見え、逆に『ディケイド』の方だけを見ると、第24話から第25話に至るまでの途中のエピソードが丸々すっ飛ばされたような印象になってしまう（ちなみに、同じ問題がCSでの放送でも起きている）。
その後、2014年発売の『侍戦隊シンケンジャー コンプリートBlu-ray BOX2』には、映像特典で『ディケイド』第24話・第25話が当時の放映順のままで本編扱いとして同時収録されている。今から見るならこれがオススメだろう。
（『ディケイド』の方のBlu-ray BOXには、『シンケンジャー』は入っていない為に注意）
余談
上記した通り、本世界は当時放送されていた『シンケンジャーTV本編の世界』そのものなのだが、一方でこれによって後年放送された、シンケンジャーを含む34作のスーパー戦隊と世界観を共有し、さらにスーパーヒーロー大戦等では仮面ライダーとも世界観を共有する『海賊戦隊ゴーカイジャー』と、シンケンジャー世界の繋がりは不明瞭になっている。
これについては、さらに後年に放送された『機界戦隊ゼンカイジャー』で、全ての戦隊世界はパラレルという世界観設定が登場した事で、ゴーカイジャーとの繋がりが不明瞭でも整合性は取れるようになった（そもそもスーパー戦隊シリーズは、基本的にどの作品も本編は完全に独立した世界観と設定で描かれている為、シンケンジャー限らずどの作品も、大なり小なりゴーカイジャーとの繋がりが不明瞭な部分はある）。
つまり、シンケンジャーにはTVシリーズを基準とする完全に独立した世界と、ゴーカイジャーなどの他の戦隊と地続きのレジェンド戦隊の世界に属するシンケンジャーの2種類が存在し、ディケイドが客演したのは前者の『シンケンジャー単独の世界』だったという事である。ちなみにレジェンド世界の各戦隊も、各TV本編と同じような事件や戦いを経験していると言う設定らしい。
これは、シンケンジャーだけでなく他の戦隊も全て同じであり、戦隊にはそれぞれ独立した世界と地続きの世界の二種類が存在するのである。実際に例えばTVシリーズの『キュウレンジャー』はレジェンド戦隊とは別世界の戦隊という設定なのだが、後に『ゼンカイジャーVSキラメイジャーVSセンパイジャー』では、ゴーカイジャー世界のシシレッドが登場している。
そもそも同じ戦隊でも様々な世界が存在する事については、動物戦隊ゴーバスターズ等で既に描かれていた。
関連項目
スーパーヒーロー大戦、春休み合体スペシャル…後の戦隊＆ライダーのクロスオーバー企画。本企画はこれらの先駆けと言える。
