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水原一平氏の違法賭博問題の編集履歴

2024-04-13 01:56:32 バージョン

水原一平氏の違法賭博問題

みずはらいっぺいしのいほうとばくもんだい

2024年に、MLBのシーズン開幕前に発覚した水原一平氏に関する一大スキャンダル。

概要

2024年3月2021日韓国ソウルドジャースvsパドレスMLB開幕戦が行われた。


しかし、その最中の3月21日早朝、アメリカのスポーツメディア:ESPNが、ドジャースのエース:大谷翔平選手の専属通訳を務めていた水原一平がドジャースを解雇されたというニュースを報じた。この衝撃的な一報は世界中を駆け巡り、野球ファンに衝撃を与えた。

しかも、解雇の理由は、大谷選手の一部資産の着服並びに横領というとんでもないもの。これにより、大谷選手の代理人弁護士からも、窃盗の疑いで告訴されることになった。


いったい水原氏の身に何があったのか?


経緯

その後、メディアの取材や水原氏を含む関係者の証言から、以下のような事情が明らかになった。


2021年、水原氏は遠征先のカジノで、違法賭博のブックメーカー(胴元)であるマシュー・ボウヤーという男性と知り合った。水原氏はボウヤー氏に勧められるままにスポーツ賭博を始めたものの、元よりギャンブルの才能がなかった水原氏は負けが込み続け、同年の年末までに100万ドル(日本円でおよそ1億5千万円)の借金を背負うことになった。

水原氏は家族知人から借金をしながらもなんとか返済を試みたものの、賭博そのものをやめることはできず、負債は2023年には450万ドル(日本円でおよそ6億8千万円)にまで膨れ上がり、最早自力での返済は不可能な領域にまで到達していた。

このため、水原氏は大谷の資金を使って借金の返済を試みた…というのが大まかなシナリオのようだ。


なお、ボウヤー氏は水原氏が大谷選手の関係者であることを知っており、端っから大谷選手の多額の資産を当てに水原氏から金を毟り取る算段であったと言われている


その後、FBIが違法賭博の捜査ならびに摘発を進める中で、ボウヤー氏の口座に大谷名義の金の振り込みがあることを突き止め、ほぼ同時期に別ルートでこのことに気づいたESPNが真相を確かめようと水原氏に取材をしたところ、この一件が発覚したというわけである(一説には、FBIがメディアに情報を流したのではないかとも言われている)。


疑念

ところが、この一件は、当初からいくつか不可解な点が見受けられ、それがこの事件の謎や疑念を深めてしまうことにもなった。


  • 大谷選手はこのことを知っていたのか?

当初、水原氏はESPNの取材に対して、「二度とギャンブルに手を出さないという条件で、大谷選手に借金を肩代わりしてもらった」と証言していた。しかし、何故かその翌日にはこの証言を撤回し、「大谷選手は今までこのことを一切知らなかった。すべて自分がやった」と主張。困惑した記者に「いったいどういうことですか?我々に噓を付いていたのですか?」と問い詰められた際にも「そうです」と即答したという。

後日、大谷選手自身も声明発表の中で、「水原氏が白状するまで、自分の金が横領されていたことは知らなかった」と主張している。

このため、この声明発表以降、「大谷選手は自分の金が使われていることはおろか、そもそも水原氏が借金を抱えていることすら知らなかった」という主張が有力視されるようになった。


その場合、最初の水原氏の証言はいったい何だったのかという新たな疑問が生じることになるが、これについては、水原氏はギャンブル依存症に陥っていたことを告白していることや、その後の捜査で明らかになった事実(後述)から、ギャンブル依存症の患者にしばしばみられる、自分の実態をごまかすための虚言癖によるもので、ESPNの取材に対して最初に行った水原氏の証言はすべてでっち上げだった可能性が高まった。


  • 誰がどうやって送金したのか?

こちらも当初、水原氏は「自分が見ている前で、大谷選手自身がパソコンを操作し、指定された口座に複数回に渡って送金を行った」と証言したが、翌日に撤回している。

しかし、電子送金には、セキュリティのために本人確認やパスワードの二段階認証等の複雑な手順があるはずで、水原氏が本当に単独で送金を行えたのかは疑わしいという意見も多い

水原氏も大谷選手も具体的な送金方法については一切明かしておらず、これが本事件に対して大きな疑念が向けられた一因となっている。


加えて、「信用のおける人物だからといって、側近1人だけに金の管理を任せたりするだろうか」「いくら金を稼いでいるからといって、450万ドルもの大金が手元から無くなっていたのならばさすがに気付くのではないか?」という点も事件の不可解さに拍車をかけている。

これらの疑問点や、水原氏の一番最初の証言から、「実際に違法賭博に手を出していたのは大谷選手の方で、水原氏はスケープゴートにされたのではないのか?」と大谷選手に対して疑念を向けたり、謂れのないバッシングを浴びせたりする動きが一部で加熱することにもなった。


  • なぜ開幕戦のタイミングで報道されたのか?

これもしばしばファンの間からは疑問視されることが多い。


シーズン開幕という選手にとっては一番大事な時期にこんなスキャンダルが発覚すれば、当然シーズン本番に向けた調整に大きな影響が出ることは避けられない。大谷選手やドジャースへの当てつけや嫌がらせと取られても不思議ではなく、一部では「大谷選手が活躍したり注目されたりすることを快く思わない勢力が裏で糸を引いており、大谷選手と水原氏はハメられたのではないのか?」という見方もある。

もちろん、何の根拠もないただの陰謀論ではあるのだが、アメリカ国内では未だに東洋人への差別が根強く残っている(※1)こと、どこの国でも国技で外国から来た選手が自国の選手を凌ぐ活躍をすれば一定数それに対するやっかみが生じるであろうこと(※2)を考えればまったく考えられない話ではない。


また、ドジャースはオフシーズンに大谷選手をはじめ、山本由伸投手、タイラー・グラスノー投手、テオスカー・ヘルナンデス選手といった大物選手を次々に獲得したことで多くのファンから札束攻勢だと非難されたため、大谷選手に限らずドジャースそのものがメジャーリーグファンから相当なヘイトを買っていたことも事実である。

大谷選手のドジャースとの後払い契約にも税逃れへ悪用される可能性があるとの懸念の声があり、これがきっかけで当局から目をつけられてしまったのではないかとする見方もある。


※1 実際、アメリカ国内ではコロナ禍ウイルスの発生源が中国であるとする報道が広まったことから、東洋人へのヘイトクライムが増加したとされる。また、この問題が発覚する直前に行われたアカデミー賞の授賞式でも、受賞俳優プレゼンターを務めた東洋系の俳優をガン無視するかのような行動を取って国際的な批判を浴びるという事件が起きたばかりであり、アメリカ国内で東洋人に対する差別意識が未だに根強く残っている現実が浮き彫りになっている。


※2 日本でも、大相撲外国人力士横綱に対して人種差別的な野次が飛ばされて問題視されたことがある。


真相解明へ一歩前進

現地時間4月11日、アメリカの司法省が水原氏を銀行詐欺容疑訴追したと発表した。


調査によると、水原氏は賭博で当初の証言をはるかに上回る総額62億円近くの損失を出しており、その損失を埋め合わせるために大谷選手の貯金を盗んで利用していたとされる。

大谷選手の被害総額は最低でも24億円に上るという。


また、これまで謎に包まれていた大谷選手の口座のセキュリティ突破の方法や会計士等が気付けなかった原因についてだが、大谷選手の口座についての連絡先を勝手に水原氏のものに変更し電話応対が必要な時は水原氏が大谷選手を騙って返答をしたり、直接面談する時も大谷選手側の都合で同席できないことにして彼1人で対応していたという)、大谷選手の財務管理や担当会計士に日本語を使えるスタッフがいなかったことを利用して、その口座について触れないように伝えて金銭関係の情報が一切入らないように工作していたという極めて計画的かつ悪質なものであった。


提出された訴状の中には、とあるブックメイカー(恐らくボウヤー氏だと思われる)が連絡を拒絶しようとしている水原氏に対し、「(大谷選手の動向を監視していることをほのめかしながら)大谷選手に直接問い合わせられたくなかったらさっさと連絡をよこせ」といった脅迫に近いメール内容も記載されていたという。

最悪な場合大谷選手が人質に取られたり、命の危険にさらされていた可能性も否定できない。


少なくとも、大谷選手が賭博に関わっていた可能性は政府機関によって完全に否定される形となり、大谷選手は潔白を無事証明されたが、同時に水原氏の行動の悪質さも明らかになることとなり、実刑、それも非常に重い罪(連邦法)に問われる可能性が高まった。


水原氏は事件発覚後、ジャパンでは行方不明扱いとなっていたが、サウスコリアからアメリカに戻った後、警察当局に呼び止められていた(逮捕はされなかった)ことも判明している。


今後の影響

大谷翔平選手

仮に大谷選手が送金に関して何らかの関わりを持っていた場合、コミッショナー判断により、MLBから何かしらの処罰が下される可能性があった。実際、過去にはピート・ローズ氏が自身が監督していたチームを対象とした違法賭博へ関与したがためにMLBから永久追放されるという厳罰を下されたこともある(なお、ローズ氏は今回の一件に関して、「1970~80年代の自分にも通訳がいれば良かった。そうすれば無罪放免だった」と皮肉を述べていたとか)。


ただ、今のところ大谷選手自身が賭博を行った形跡はなく、むしろ被害者の立場であることが捜査機関からも証明されたため、処分される可能性はないだろうという見方が有力である。


とはいえ、大谷選手は、これまで「不祥事やスキャンダルとは良くも悪くも全く無縁で清廉潔白な野球青年」「二刀流を含めて他の選手とは一線を明らかに画している稀代且つ不世出なユニコーンというイメージがなまじっか強かっただけに、今回の一件で「野球以外に関しては脇が余りにも甘く、資産管理が杜撰ルーズ大人」「アスリートとしては間違いなく超一流でありスーパースターであることに疑いの余地は全くないが、一社会人としてはまだ青いと言わざるを得ないというマイナスなイメージが付き、評判が大きく下がってしまったことは正直否めない。

加えて、無罪だとしても賭博事件の解決やその背後で暗躍する賭博シンジケートの摘発がなされるまでは、FBI・IRS(内国歳入庁。ジャパンの国税庁に相当する連邦政府機関)・NSA(アメリカ国家安全保障局)・MLB機構等からの執拗な調査や事情聴取がシーズン中に複数回行われることが予想されており、それらが原因で彼のメンタルパフォーマンスに悪影響が出るのではないのかと危惧されている。また、水原氏がアンダーグラウンドな人物・組織と関係を持っていたことが明るみになった事で、今度は大谷選手自身も危害を加えられないのかどうかも不安視されている。


ただし不幸中の幸いなのは、ドジャースのフロント幹部達やデイヴ・ロバーツ監督を筆頭に、ムーキー・ベッツ選手、フレディ・フリーマン選手、マックス・マンシー選手、エンリケ・ヘルナンデス選手、テオスカー・ヘルナンデス選手、ジョー・ケリー投手など彼のチームメイト達がとばっちりを受けた彼を擁護してくれることを約束したことだろう。

加えて、彼の伴侶でもある真美子夫人愛犬デコピンが傍にいてくれることが彼の何よりの心の拠り所となるに違いない。


アメリカ野球殿堂入りのハードル

また、今回の一件により、彼の人生最大のでもあるマリアーノ・リヴェラ氏以来の2人目の得票率100%でのアメリカ野球殿堂入り」にも影を落とす可能性が高まったと囁かれている。


実力・実績共に申し分が全くない上記のローズ氏やバリー・ボンズ氏、マーク・マグワイア氏、アレックス・ロドリゲス氏、サミー・ソーサ氏、カート・シリング氏、ロジャー・クレメンス氏ではあるものの………



など、素行人間性に難が有りすぎて殿堂入りに必要な75%以上の得票率を最後まで得られず、殿堂入りは夢のまた夢に終わってしまった


ヤンキースの歴代生え抜きキャプテンのなかでも人格者と謳われており、野手としてメジャー史上初の満票による殿堂入りが期待されていたデレク・ジーター氏ですら最終的に得票率99.7%に留まり、反対票を投じたたった一人の記者の犯人捜しがアメリカ中で躍起になって行われたほどの社会現象となってしまった(もっとも、当の本人は殿堂入りできたことにすっかり満足しており、むしろ彼の満票当選を一日千秋の想いで待ち焦がれていたニューヨークメディアやヤンキースファンが必要以上に激昂し暴れまくっていただけという面が強い)。


2025年には日本人選手初の殿堂入りが確実視されているイチロー氏も、現役を退いた今でこそ随分と丸くなったが、

  • 現役時代は第1回WBCの時に「向こう30年はジャパンに手は出せないな、という感じで(サウスコリアに)勝ちたいと思う」といった、好戦的・挑発的且つ敵を作りやすい物言いを意図的にブチかましたことがあったこと
  • 気に入らない記者やインタビューアーに対する不遜且つ傲慢な態度が批判されたこと(もっとも彼のマスコミ嫌いはジャパン球界時代からのものであり、渡米後から殊更に顕著になったわけではない)
  • 実績面でも安打こそ量産しまくったものの、キャリア通算OPSが.757とお世辞にも決して高くなかった(殿堂入りに必要な野手のキャリア通算OPSは最低でも.900以上を必須条件としている)

………などの理由から、得票率100%での殿堂入りはまず不可能と言われている(もっとも、こちらもジーター氏と同様、殿堂入りさえできれば、満票にはさほど拘っていない節が感じられるが)。


上記のジーター氏やイチロー氏の例も相まって、(2024年シーズンを含めて最低でもあと4シーズン、またはこのまま現役引退までMLBでプレイし続ければ)大谷選手の殿堂入りもほぼ既定路線ではあるものの、(一応無実であることが証明されたとはいえ)今回のスキャンダルで得票率100%での殿堂入りにケチが付き、そのハードルがさらに分厚く高くなってしまった可能性は残念ながら否めなくなってしまった(誰もやらない・やれないことに挑戦したがり、それをモティヴェイションに変える大谷選手なら、ジーター氏やイチロー氏のように殿堂入りそのものに決して満足せず、満票での殿堂入りを狙っていたとしてもおかしくはない)。


水原一平氏

ドジャースが本拠地を置くカリフォルニア州はスポーツ賭博が法律により禁止されている他、MLBの規約においてもスポーツ賭博自体は禁止されていないものの、選手・スタッフ共に違法なルールの賭博に手を出すことは固く禁止されている。たとえ十分な貯えがあり、大谷選手の金に一切手を出さずに自腹で賭博を行っていたとしても、遅かれ早かれ彼の解雇は避けられなかったことだろう


また、今回の一件が引き金となり、水原氏は学歴や経歴を詐称していた疑惑まで持ち上がっている。加えて、捜査により通訳兼マネージャーとしての立場を悪用して、極めて計画的かつ狡猾な方法で大谷選手から金を盗んでいたことも明らかとなり、社会的な信用は最早完全に失墜してしまったと言って過言ではない。加えて、連邦法に違反し、有罪判決を受けた場合は最大で30年の収監が課せられることになる。水原氏は現時点で捜査に協力的であることから、多少の減刑は受けられるかもしれないが、それでもかなり長期間刑に服することは避けられないだろう。


彼にとって幸いなのは、アメリカはギャンブル依存症への社会的理解や治療法が日本と比べてはるかに進んでいることだろう。法的な裁きを受けた後は何かしらの治療プログラムを受けつつ、社会復帰を目指していくことになると思われる。

道のりは険しいだろうが、いつの日か治療を受けて社会へと復帰し、己の罪としっかり向き合いながら残された人生を生きていってほしいものである。


関連項目

水原一平 大谷翔平 不祥事 スキャンダル

賭博ギャンブル ギャンブル依存症


ショーンK:今回の一件がきっかけとなり、過去に侵した学歴詐称が再注目され、SNS上でもトレンド入りしてしまった。ちなみに、こちらは騒動終結後に無事に社会復帰を果たしており、現在は反省して新たな人生を歩み始めている。また、水原氏が訴追される直前には別の人物にも学歴詐称疑惑が持ち上がったが、こちらは以前から疑念を抱かれていたためかそこまで大きな騒ぎにはならなかった。


スリの銀次:『桃太郎電鉄』シリーズの登場キャラクター。平気で相手から数十億(場合によっては数)単位の金を擦っていくため、その鮮やかな(?)手口から彼を思い出した者も多く、ショーンK同様にトレンド入りしてしまった。ただ、こちらは盗んだ金を慈善事業や自然保護のために寄付したりもしているため、私利私欲のために金を使っていない分、水原氏よりもまだまともだという意見も。


粗品お笑いコンビ霜降り明星」のツッコミ担当。大のギャンブル好きで、生涯収支マイナス1億円君なる持ちネタがあったことから、彼に準えて水原氏を「生涯収支マイナス62億円君」とネタにする者も。粗品氏もこのことを把握しており、自身のSNSや出演番組でネタにしたことがあった(参考①参考②)。なお、水原氏はInstagram上でなぜか粗品氏のアカウントをフォローしていたことが明らかとなっている。同じギャンブルに身を投じた者として、色々思うところがあったのだろうか?


大谷ハラスメント:ジャパン国内の毎日供給過多とも思われる大谷選手報道に対して疲れや苛立ちを感じている日本人も多い(もっとも、これはメディアの報道の在り方に問題があるのであって、大谷選手自身に落ち度があるわけではない)。中には大谷選手に対してヘイト的感情、誹謗中傷を行うような者も出現するようになり、今回の事件は彼らにとって大谷選手とジャパンメディアの報道姿勢を叩く絶好の機会になってしまった(しかし、結局捜査の結果大谷選手の潔白が証明されることとなり、大谷選手を嬉々として叩いていた者たちの大半は、根拠のない憶測や一方的な言いがかりで大谷選手をバッシングしていたとして逆に大きく非難される羽目になってしまった)。

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