概要
アーケードゲーム『甲虫王者ムシキング』で展開されたストーリーの一つ。
2005ファーストプラスまで稼働された。
あらすじ
僕は森の妖精ポポ。僕らの森が大変なんだ。
他の国から来たムシたちが、森で大暴れしているんだ。
みんな、僕たちを助けて!
登場人物
正義感が強いが、環境問題についての知識に乏しい。
かつて何らかの理由で森を追放された老人の妖精。
外国甲虫を改造し、平和だった日本の森を荒らすという悪事をはたらいている。
何があったのかは(この時点では)分からないが、何らかの理由で人間を憎んでいるらしい。
ポポの親友であるカブトムシ。他のカブトムシより大きくて強い。
最初は「私はただのカブトムシだよ」と謙遜していたが、第4話(最後の決戦)で登場した際には自らムシキングを名乗り、ポポと共にアダーに立ち向かう。
ストーリーの内容
第1話
「やさしい」モードに相当する。
2003年秋に追加された。
- 最初の敵
敵は強さ100。わざカードは無し。
チュートリアルに相当するため、敵の思考ルーチンは単純で難易度は高くない。
最初の敵を倒すとアダーが登場し、「やはり小さいムシはダメじゃな…」と言う。
その後の会話の流れは以下の通り。
ポポ「アダー、何でこんな所に。森を追放された筈なのに…。まさか、ムシを操っているの?」
アダー「ポポ、久しぶりじゃな。邪魔だ、家に帰れ!」
- 2番目の敵
敵は強さ120または140。カスタマイズは超必殺わざのみ。
思考ルーチンは最初の敵と同様。ただし最初の敵より強くなっているので注意。
2番目の敵を倒した後の会話の流れは以下の通り。
ポポ「もうやめてよ!森がメチャクチャになっちゃうよ!」
アダー「わしを追い出した罰じゃ。この森がわしの物だということを、妖精どもに思い知らせてやるのじゃ。」
ポポ「森はみんなの物だよ。誰かの物じゃない!」
アダー「生意気な奴め!次は勝てんぞ。諦めろ。出て来い、わしの忠実なしもべよ!」
- 最後の敵(3戦目)
敵は強さ160または180。カスタマイズは「超必殺わざ」と「テクニック80のわざ」(相性△)1枚。
今までより思考ルーチンが少し複雑になっており、たまに威嚇して裏をかいてくることがあるので注意が必要。
倒した後の流れは以下の通り。
アダー「まだほんの子供だと思っていたが、少しはやるようだな。」
ポポ「アダー、ムシに何をしたの…?」
アダー「大したことじゃない。わしの言うことを聞くようにほんの少し手術をしただけじゃ。」
ポポ「そんな、酷いよ…。ムシは妖精の手下じゃない。仲間なんだ!」
アダー「うるさいわ。これで最後じゃ!いでよ、◯◯(ムシの名前)!奴らを蹴散らすのじゃ!」
- 本当の最後の敵(4戦目)
敵は強さ200。カスタマイズは「超必殺わざ」と「とくしゅわざ」2枚。
ここで初めてとくしゅわざを使ってくる。
本当の最後の敵を倒すと、「アダー様、疲れました…。もう戦いたくない…。◯◯(本当の最後の敵の生まれた国)の森へ帰りたい…。」と言って倒れ、第1話はクリアとなる。
ポポ「アダー、もうムシはいない。諦めろ!」
アダー「諦める?分からんのか、ポポ?この見慣れないムシどもが何故この森にやって来たのか。人間じゃ!人間が連れてきたのじゃ!聞け、風の音を。人間はすぐそこまで来ている。この森の近くまでな。」
ポポ「そんな…。」
アダー「ムシたちはこれからもどんどんやってくる。もはや今までの平和な森など、何処にも無いのじゃ!わしはやめんぞ、ムシを使ってお前たちと戦うのをな!さらばじゃ!」
(※アダー、逃亡)
ポポ「アダー!」
第2話
「やさしい」の隠しステージ。
「やさしい」を選ぶ際にグー、チョキ、パーの3つのボタンを同時に押すと遊べる。
2004ファーストで追加された。(この頃は第2話が「むずかしい」モード相当だった)
ポポがアダーの屋敷の場所を掴んだところから始まる。
【ストーリー】
前回、追い詰めながらも僕たちの前から姿を消したアダー。その後もあいつは改造したムシたちを操って森を荒らし続けているんだ。
ついに僕はアダーのいる場所を突き止めた。これ以上森をメチャクチャにさせるわけにはいかない。あいつを捕まえて、悪いことをやめさせるんだ!
門番「邪魔だ!帰れ!」
- 最初の敵
1匹目の門番との戦い。
強さは100または120(小型甲虫)。カスタマイズは超必殺わざのみ。
倒すと、「負けたよ…。でも、これでよかったのかもしれない…。」と言う。
- 2番目の敵
2匹目の門番との戦い。
強さは140または160(中型甲虫)。カスタマイズは「テクニック50のわざ」1枚と「とくしゅわざ」2枚。
2匹目の門番を倒すと、「お前強いな…。負けたけれど、何だか助けてもらったような気がする…。」とお礼を言ってくれる。
2匹の門番を倒した後、屋敷の中に入るポポ。
そこではアダーが2匹の大型甲虫を改造している真っ最中だった。
- 3番目の敵
敵は強さ180。カスタマイズは「テクニック20のわざ」2枚と「とくしゅわざ」1枚。
ここから思考ルーチンが少し複雑になっており、たまに威嚇して裏をかいてくる。
ただし、ここから最後の敵までは、負けそうになると一度だけ「2匹目の門番」だった中型甲虫が身代わりになってくれる。
身代わりになった後は「もう少しじゃないか…。頑張れよ…。」と言い残し、力尽きる。
- 最後の敵
敵は強さ200。カスタマイズはとくしゅわざ3枚。
ここはポポのヒントが全く無いが、敵の動き(通常or威嚇orフラフラ)で攻撃パターンが分かる。
最後の敵を倒した後、アダーは逃亡しようとするが、ギリギリのところでポポに取り押さえられ、杖を破壊される。こうしてアダーは逮捕され、森に平和が戻った。
ありがとう!森に再び平和が訪れた!
ここで「やさしい」モードのストーリーは終了。
第3話
「むずかしい」モードに相当する。2004セカンドで追加された。
ここで登場する敵は全て大型甲虫(強さ180または200)である。
ちなみにマルスゾウカブトは登場しない(2005ファーストプラスの時点でまだカード化されていないので)
単に敵が強いだけでなく、思考ルーチンが「やさしい」モードとは全く違うので格段に難易度が上がっている。
【ストーリー】
第2話でポポに逮捕されたアダーだが、虫笛を使って大型甲虫に檻を破壊させ脱獄してしまった。憤りを隠せないポポだが、そこにアダーに傷付けられた大型甲虫がいた。
ポポのナレーション「甲虫たちを操って悪いことを繰り返すアダー。ついに僕はアダーを捕まえ、二度と悪さをしないよう、檻に閉じ込めた。でも誰かが檻を壊してアダーを逃してしまったんだ。」
ポポ「酷い…。どうしてこんなことに…。」
(※大型甲虫の鳴き声)
ポポ「誰かいるの…?◯◯(大型甲虫の名前)!傷だらけじゃないか…、これ君がやったの?」
大型甲虫「そうだ…。アダーは虫笛を持っている。その音を聞くと、またおかしくなってしまうんだ…。」
(※アダーの虫笛)
大型甲虫「頭が痛い…。俺から離れろ…、ポポ。」
(※大型甲虫が赤目になる)
- 最初の敵
アダーに操られ檻を壊した大型甲虫との戦い。わざカードは無し。
傷だらけの状態から始まるので、敵の体力は最初から半分になっている。
倒された最初の敵は洗脳が解け、良心を取り戻した。
その後の流れは以下の通り。
最初の敵「早くトドメを刺せ…。またおかしくなるかもしれないぞ。」
ポポ「そんなことできないよ。待ってて、今アゲハチョウを呼んだから。」
(アゲハチョウが自分の甲虫と最初の敵の体力を全て回復させてくれる)
最初の敵「どうして…ありがとう…。アダーは砦の秘密の部屋に隠れている。俺が案内する。一緒に来てくれ。」
最初の敵と一緒にアダーの屋敷に乗り込むポポ。そこにはアダーが玉座に座っており、2匹の赤目甲虫も護衛として控えていた。
ポポ「アダー、まだ分からないの?悪いことはやめろ!」
アダー「ポポ、また邪魔しにきおったか。この前は油断したが、今回はそうはいかんぞ!」
最初の敵も赤目甲虫に対し、「みんな。アダーの言うことを聞くのはやめろ。こいつは俺たちを利用しているだけだ。」と説得するが、「うるさい!」と一喝される。
- 2番目の敵
1匹目の赤目甲虫との戦い。カスタマイズは「超必殺わざ」と「とくしゅわざ」2枚。
ここから3番目の敵までは、負けそうになると「最初の敵」が味方になってくれる。
- 3番目の敵
2匹目の赤目甲虫との戦い。カスタマイズはとくしゅわざ3枚。
ちなみに「最初の敵」で3番目の敵を倒すと、「すまん…、ポポ…。ここまでだ…。」と言って力尽きてしまう。
2匹の赤目甲虫を倒した後、アダーは自分の屋敷に放火しポポを閉じ込め、さらに良心を取り戻した「最初の敵」を再び洗脳してしまう。
- 最後の敵
最初の敵ともう一度戦うことになる。わざカードは無し。体力は満タンの状態からスタート。
最初のターンこそ「むずかしい」モードの思考ルーチンだが、良心が残っていたため2ターン目から自らヒントを出し、自分を倒すように促す。また、2ターン目から思考ルーチンが「やさしい」モードの最初の敵と同じものになり、難易度が一気に下がる。
ちなみに2ターン目以降はじゃんけんで勝ってもポポが「やった!」と言わなくなる。
クリア後、「最後の敵」は屋敷の扉を力尽くで開けようとする。ポポが「危ない!やめて!」と心配するが「最後の敵」はこれを無視し、倒れた扉の下敷きになってしまう。
その後、「最後の敵」はポポに「俺は良い。早く逃げろ。火をみんなに伝えろ。そして…、アダーを追え…。」と言い残し、死亡した。
2004セカンドプラスまではここが最終話だった。
ちなみにスーパーコレクションでは、「最初の敵」と「最後の敵」はオウゴンオニクワガタで固定されている。
第4話(最後の決戦)
2005ファーストで追加されたストーリー。
「むずかしい」モードの隠しステージに相当する。
「むずかしい」モードを選ぶ際にグー、チョキ、パーの3つのボタンを同時に押すと開始される。
アダーの屋敷から辛うじて避難したポポだが、森が火の海になっている状況に絶望しかける。
しかしムシキングが助けに来てくれ、「森のみんなが安全なところに避難したこと」を聞いて安心する。
アダーが山火事を起こしていることを知ったポポとムシキングは激怒し、アダーを倒すことを誓う。
プレイヤーはムシキングと、自分で用意したムシカード(またはカード無しのカブトムシ)を使用する。
ここのムシキングは復活の森編以降と異なり、
- 超必殺わざはカブトムシと同じ「(スーパー)トルネードスロー」。
- テクニックは90。
- MAXカスタマイズ時の強さは208。
- 一部のとくしゅわざ(あいこやぶりなど)の効果が小型甲虫並みに優遇されている。
などの特長がある。
また、ここではポポの代わりにムシキングがヒントをくれる。
例:「気をつけろ!最初はこっちの必殺技に勝ちにくるぞ!」
ちなみにタッグマッチでは無いのでタッグ相性は気にしなくて良い。
敵は3匹の大型甲虫である。
敵 | カスタマイズ | 状態 |
---|---|---|
1匹目 | MAXカスタマイズ | 開始時点で体力満タン |
2匹目 | 「テクニック20のわざ」2枚(超必殺わざを含む)と「とくしゅわざ」1枚 | 体力半分からスタート |
3匹目 | 「超必殺わざ」と「とくしゅわざ」2枚 | 体力半分からスタート |
なお3匹とも、基本的に最初のターンはプレイヤーの必殺技に勝つ技を出してくる。(威嚇してきた場合を除く)
3匹の大型甲虫を倒した後のセリフは以下のようになっている。
「アダー様、森を燃やしてまで戦う意味があるのですか…、アダー様…。」
「アダー様、これ以上私達を操るのはやめてください…。」
「アダー様、もうやめてください…。私達は間違っています…。ムシは森と共に生きなければ…。」
追い詰められたアダーはムシキングを洗脳しようとするが、ムシキングはそれに耐え「私には効かないぞ。私はムシキング!この森を守るのだ!」と言いながらアダーに向かって突進。そのままアダーと共に火の海に消えた。
ポポ「ムシキング…!ムシキングーッ!」
アダー登場編 終わり
復活の森編へ続く
その他
- 「日本の森をアダーの魔の手から守る」というストーリーだが、何故か外国甲虫(アダーコレクションを含む)も使える。
- アダーコレクションを使っている場合、第1話の2番目の敵までは背景が通常時と異なる。
- 復活の森編以降と異なり、敵は負けた後に何らかの台詞を吐く。
- ただし第2話の最後の敵と第3話を除く。
- アダー登場編では2ターン以上連続で勝った後の敵の「体を上げた後に脚をジタバタさせる動き」が無い。(ポポのヒント:連続で勝った後は手を変えてくるよ。気をつけて!)
- このパターンは「復活の森編」の続きのお話(アダー登場編でいう「やさしい」隠しステージに相当する)から適用されるようになった。
- 2004セカンドプラスまではわざカードによって攻撃力は上がっても体力は増えなかったが、2005ファースト以降はカスタマイズによって体力も増えるようになった(とくしゅわざを除く)。
- アダー登場編では敵は究極必殺わざをカスタマイズしていないが、データ改造によって装備させることも可能。ちなみに敵が究極必殺わざを発動すると「危ない!究極必殺わざだ!」「ああ…これが究極必殺わざか…」というメッセージが現れる。
- 日本の甲虫は敵として登場しない。これは復活の森編も同様である。
- 2003年バージョンでは「やさしい」モードがアダー登場編より前の物語で、「むずかしい」モードがアダー登場編の第1話だった。
- 当時の「やさしい」モードは「平和な日本の森を荒らしている外国甲虫を倒していく」という単純な勧善懲悪のストーリーだった。
- アダーは登場しないが、本当の最後の敵が敗れた際に「この俺を倒すとは…大した奴だ。アダー様…、許してください、アダー様…。」という台詞を言う場面がある。
- また、当時の「むずかしい」モードの敵の思考ルーチンは性格(バランスタイプorアタックタイプorディフェンスタイプ)によって異なるという仕様だった。
- 2003年秋の「むずかしい」モードでは、敵のアクティオンゾウカブトとヘルクレスオオカブトはディフェンスタイプになっていた。
- 当時の「やさしい」モードは「平和な日本の森を荒らしている外国甲虫を倒していく」という単純な勧善懲悪のストーリーだった。
関連動画
アダー登場編より前
2003年のむずかしいモード
第1話
第2話
第3話
最後の決戦