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煮えてなんぼのおでんに候

にえてなんぼのおでんにそうろう

少年漫画『ONEPIECE』に登場する台詞および目の前の出来事(多くは光月おでんの生き様)について詠った句。
目次 [非表示]

🍢概要🍢

少年漫画ONEPIECE」に登場する光月おでんの台詞および目の前の出来事について詠った句。



台詞内にある「(そうろう)」とは、使われ方により意味が変わる言葉。それは「高い身分へ仕える意志」・「自分の意思丁重丁寧に表現・強調」の2つがあり、自分・相手の思いがどう伝達されるか慎重に読取ると、より深く意図を理解できる言葉でもある(特に古文関連の事柄)。

現行では、歴史モノで語尾・文末に添えて「~でございます」のように丁寧の補助動詞として知る機会が多い。


なお本稿「煮えてなんぼのおでんに候」では、使用される状況から『自分の意思を強調』の意味合いが強く見受けられる候。

(参考:候文(そうろうぶん) - Wikipedia


御田の日に候“煮えて“なんぼのぉ〜"おでんに候!!!!"

また台詞内にある「おでん」とは、遣われる場面により食べ物の「おでん」か自身の「光月おでん」を指すため、若干意味合いが異なる。ゆえに、読者によって印象・解釈の差異が起きやすくなると思われる。それでも作品の閲覧に支障はなく、だいたい〝こんな事〟を言ってると分かるので、さほど難解に考える必要はない台詞でもある。

その為、本稿の内容は解釈の一つとして参考に留めることを推奨し奉り候。


🍢使用例🍢


🍢第963話の例🍢

漂着

ミンク族(獣人)の子ども達カッパ(本当は魚人族)の子どもを成り行きで保護し、空腹だった彼らに光月おでんが得意料理の「おでん」を振る舞う場面。熱々の「おでん」に上機嫌で舌鼓を打つ子ども達だが、ネコのミンク族ネコマムシ猫舌のため我慢ができず、用意してくれた「おでん」をひっくり返すほどの猛抗議。

その様子を愉快そうに眺める光月おでんは―



わーっはっはっは おいネコ!!

『煮えてなんぼのおでんに候!!』



と、特に咎めことはなかった(つまりは、さらっとネコマムシの訴えは流された)。

場面的に、食べ物の「おでん」が煮えて熱々なのは仕方ないとの意味合いで用いられていると思われる。


🍢第966話の例🍢

運命的な出会いから、船(海賊船)を乗り換え冒険を続ける事を決意した光月おでん。だが冒険を共にする事になった船長以外の乗組員たちは、尊敬する船長の判断とはいえ、新入りの光月おでん達に対し不服な態度(乗船理由が、光月おでんの知識が後の航海で必要不可欠であるで、突然の予定外かつ交流の浅い見知らぬ他人である事など、非合法で危険な航海を続けるたちにとって懸念事項が多い乗船であった)。


その不穏な空気に、豪快な光月おでんは気にも止めない様子。そして彼の大っ嫌いな「窮屈でござる」の雰囲気に対抗心があってか、停泊先の町から得意料理「おでん」の具材を調達し始める。しかも非合法(かっぱらい)で。

この予想外で破天荒な行動に、船の掟「堅気(かたぎ)への手出しは厳禁」に反するとして、他の乗組員たちは慌てふためいた(だが停泊先の港町は堅気ではない無法地帯だったため、お咎めは杞憂で済んだ・・・無茶苦茶でござる)。


得意料理「おでん」の具材が揃うと、早速調理を始める光月おでん(アニメオリジナルで、見知らぬ異国料理として物珍しいモノだと、乗組員たちが各々に気になる様子が追加された)。大人数でも行き渡るよう特大の「おでん」が完成。その美味・愉快に振る舞う光月おでんの言動から、たちまち乗組員たちは乗船時にあった彼への不服は無くなり、福福な人柄である彼を心から気に入るのだった。



おーでーん♪ おーで~ん♪


ぎゃははははは

ドンチャン♪ ドンチャン♪



そこから大きな宴となって、上機嫌の光月おでんは十八番であるように―



光月おでん

『あ 煮えてなんぼのォ~ おでんに候!!!』

カン!!



と、場を盛り上げていくのだった。

場面的に、彼自身の名前である「おでん」へ強く思いを込めて、いうならば「熱々に煮えた「(食べ物の)おでん」があってこそ俺(おでん)が引き立つ」「これが俺(おでん)の生き様よ」といった、自己主張の意味合いで用いられたと思われる。



🍢蛇足🍢

上記の場面で「煮えてなんぼのおでんに候」が言われる前に(作中の時系列では二十年の月日が経った後)、後世の人物たちも「おでん」に関わる句・台詞を述べている。



『 〝器の小さき男には〟 〝一生食えぬ「おでん」に候〟』


と将軍(つまり国王)・黒炭オロチに向けて詠んだ。彼の小さき度量では、光月おでんが亡くなり二十年の月日どころか、一生かかっても「おでん」の存在(呪縛)を無くせない(食いきれない)と皮肉った辞世の句。これは現在だと面影がないほど厳格な元大名で光月おでん盟友霜月康イエトの康の正体)が磔にされ、処刑間際に詠んだ一句。つまり教養ある人物が詠っている事から、語尾にある「候」は『丁重な言葉遣い』の意味合いが強く見受けられ、尚更に〝器の小さきの矮小さを強調している候。




『 だからこそ我ら 最期まで おでん様の…… 』

『 〝侍(サムライ)〟でありたく候!!! 』


と主張する場面。侍(サムライ)たち・赤鞘九人男は、生まれも育ちも異なるが、一人の侍(サムライ)・光月おでんの〝生き様〟に惚れ込み・救われて集った者たちであった。彼が叶えたい夢は彼らの夢と考えるほど、忠義に厚い意志は二十年の月日が経っても変わらず、たとえ無駄死になる無謀な逆境であっても抱き続けた。この事から、語尾にある「候」は『主人に仕える意志』の意味合いが込められ、亡き主君・光月おでん遺志(ゆめ)を受け継ぐ覚悟が強く見受けられる候。


🍢第972話〝煮えてなんぼのおでんに候〟🍢



それは不条理この上ない策略で、光月おでん彼の侍(サムライ)たちが「釜茹での刑」に処される場面。熱気だけでも暑さで倒れそうな、ぐつぐつに殺人的な高熱で湯だった大釜

これは首都・花の都にて、処刑を遂行する黒炭オロチカイドウ、彼らの手下たち、民衆たちを前にしての公開処刑であった。


処刑間際、光月おでんは「おれはまだ生きねばならない」と助命のチャンスを求め、カイドウも彼の提案に乗り「十人同時に釜に入り、1時間耐えたら解放してやる」と約束した。この提案を確認し、なんと破天荒な行動で応える光月おでん

彼は自ら真っ先に釜の中へ飛び込み、9人の家臣たちを橋板の上に載せたまま、それを一人で持ちあげる事で「十人同時に釜に入った」を応えてみせた。だが人間離れに屈強な光月おでんであっても、出血しながら苦悶の顔で熱と重みに決死に耐え続ける。


海贼王onepiece「公開処刑」釜茹での刑

カイドウは9人もの侍たち(いずれも常人より大柄な体躯の巨漢)を支えながら高熱の油に浸かる光月おでんの苦悶する姿を面白がり、それを認めて続行させた。


この凄惨な処刑を取り囲んで見物する民衆の態度は冷ややかなものだった。なぜなら、かつて九里大名だった光月おでん鎖国国家・ワノ国禁忌である「海外の接触」を破り出国、年月が経ち荒れ果てたワノ国に突然帰ってきたと思ったら、民衆を導く高い身分であるはずの彼は、国へ貢献するのではなく国が荒廃する由縁・黒炭オロチへ媚び諂う低い態度をみせた。それは周囲の「期待」を受けていた人物から、一転して「嫌い」を受ける人物へ落ちるに十分な理由であった。その嫌悪を感じさせる相手を5年も見続けていた民衆は、一瞬で終わると思っていた処刑に、心ない言葉を投げかける者まで現れた。


その光景へ怒り耐え兼ね、観衆に紛れて密かに主君・光月おでんの最期を見届けようとしていた一人のくノ一・しのぶは刃を抜いて民の一人に詰め寄る。

そして彼女は涙ながらに語りだす。その内容に民衆たちは、唐突で耳を疑う信じられない真実を知るのだった。


ワノ国が荒廃している由縁・黒炭オロチ復讐者として将軍(いわゆる国王)の地位にいること、復讐の一端で密かに国民を奴隷として人身売買しようと企んでいたこと、これを含む非情な復讐劇を収める条件として光月おでん〝嫌われ役〟を演じる事に承諾したこと、これまで口外されなかった真相・真意を知り混乱・動揺する民衆。

だが、いつの間にか自分達を囲う百獣海賊団の軍勢、光月おでんの助命を懇願する一部の民が次々に矢で射られる光景を目の当たりにして、一人のくノ一が語った話が信じたくない現実・真実なのだと悟る。


この5年間、これまで「バカ殿」と言われたがみせていた奇行の理由を知り、民衆たちの誤解は解けた。

それからは、光月おでんへ心ない言葉を投げかけていた声が、いつしか応援感謝の言葉へと変わっていった。更に〝光月おでんの真相〟は、またたく間に国中へ伝達され、処刑場に駆けつける民衆も現れ、一瞬で終わると思っていた長引いている処刑の1時間は希望の1時間へと変わるのだった。


だが非情にも、約束の釜茹で1時間を耐えきった光月おでん家臣たちを前に、黒炭オロチは独断で「銃殺刑に変更」という幼稚な屁理屈を言い出した。満身創痍の光月おでん家臣たちを銃で武装した部下達に包囲させた事へ、大衆は抗議の声を上げる。光月おでんは、この一瞬の隙きを突いて橋板を釜の外まで投げ飛ばし家臣たちを逃がす。9人の家臣たちは涙目ながら決意の表情で、脇目も振らずに駆け出した。


黒炭オロチカイドウの部下たちが直ぐ様に彼らを追う中、光月おでんには遂に最期の時が迫る。自ら拳銃を取ったカイドウから、敵ながら見事な死に様をみせた賛美の言葉と、先の戦いにおいて部下が卑劣な罠を仕掛けたことに対する詫びの言葉(本来なら海賊の決闘に“卑怯”と言う言葉は存在しないとは言え、カイドウにとってあのような決着は不服と感じた故に、その部下制裁としてカイドウに殺された)を贈られる光月おでん


One Piece ch. 972

立っているのも奇跡なワノ国の九里大名・光月おでんは、最期の一時に不敵な笑みを浮かべる。そして39年の生涯で最後となる辞世の句を、大見得を張って詠んだ。



kozuki Oden's execution


〝一献の〟 〝酒のお伽になればよし〟


(自分に銃を構える相手(そして家臣たち最愛の女性子ども達へ)、酒の席にでも俺のことをお伽話昔話)として思い出せばいいというように詠み)



〝煮えて〟 〝なんぼのォ~〟


(心の声「トキ モモの助 日和…!! 行って参る!!」と、元ワノ国将軍・光月スキヤキの一息子であり現光月家の長である光月おでんの生き様はこうだというように詠み)



魂は生きて逝く

ドン!!

ザバッ!

(心の声「・・・」と、カイドウの放った一発の銃弾で、遂にへ沈む光月おでん




≪≪≪≪≪ 〝おでんに候〟!!!! ≫≫≫≫≫



煮えてなんぼの最後の一節「おでんに候」は、壮絶な最期を見届けた大衆が代弁し、涙ながら光月おでんへ届くようにと願うが如く大声で詠んだ。それは光月おでん自身が詠うはずだった意思を引き継ぐ他に、自然と「わたしたちは 偉大な主君(あなた)の事を忘れない」ような、語尾にある「候」へ『主人へ仕える意志』の意味合いが強く現され、心を揺さぶる場面とも感じれる候。


波瀾万丈に富んだ人生だった一人の侍(サムライ)。彼は生涯最期の一時で、自分の意志(ゆめ)が最愛の人たちへ受け継がれた事を理解したようで、沈みゆく釜で満面の笑みを浮かべる光月おでん。奇しくもその最期の顔は、おでんと同じく故郷公開処刑された盟友ロジャーのように満面の表情であった・・・。


伝説の男達


アニメオリジナルでは、細部に演出・言葉が追加されている。例えば、処刑の終盤で光月おでんは走馬灯のように、盟友たちと共に進んだ大冒険の日々を思い出しながら耐える様子、最期に詠った辞世の句「煮えてなんぼのおでんに候」にて、心の声で「俺の侍たち、トキモモの助日和」と最愛の家族たちを顧みながら慈しい笑みを浮かべるなど、原作よりも深く光月おでんの雄大な人物像が知れる描写が増えている。


おでんに候おでん様とヤマトくん

時空を超え、引き継がれる意志捨名ッ知🍢👒👹海賊同盟ルフィローキッド

そして二十年(はたとせ)の時を超えて、光月おでんの意志・宿願は〝世代〟へも受け継がれていくので候。


🍢関連項目🍢

ONEPIECE ワノ国 光月おでん


台詞 おでん  / 候文

決め台詞 ダブルミーニング


赤鞘九人男

錦えもん カン十郎 雷ぞう 菊の丞

アシュラ童子 河松 傳ジロー ネコマムシ イヌアラシ


光月トキ 光月モモの助 光月日和

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