「神風見せてやるよ!」
概要
演:蝦名清一
現代(2005年)の人間。自衛隊の物資輸送訓練中にヘリトラブルで夜見島に不時着した陸上自衛官。訓練成績は優秀だが、周りに流されやすい今時の若者(三沢に対して文句を呟いたりしている)。上官の三沢岳明と共に怪異の原因を探るが、三沢の行動に疑問を抱き別行動を取る。
その後、矢倉市子に銃を突きつける三沢を思い余って射殺してしまう。
始めの頃は仲間の死にいつまでも泣いている弱さもあったが、見ず知らずの少女の市子を助けるために戦ったり、フェイスペイントを施し「健康優良日本男児をなめんなよ! 神風見せてやるよ!」と啖呵を切るなど、勇ましい姿を見せる。
最終的には独りで闇人を殲滅して廻り、闇人と化した沖田宏と闇人甲式となった三沢を倒し、堕慧児までも独りで倒す。
しかし、直後に赤い津波に飲み込まれた永井が堕とされたのは母胎が地上奪還を成就した、漆黒の太陽が輝き、闇人が蔓延する平行世界だった。二度と現世に還れない「どうあがいても絶望」的な状況から発狂、錯乱し、闇人達に銃を乱射しまくるという、極めて悲惨な末路を辿っている。
このデモの後に手に入る闇人の絵日記には以下の記述がある。
「そらからこわいかい ぶつがおちてきた。 かいぶつはぜつめつ したはずの にんげんの いきのこり」
名前の由来は『野性の証明』の長井頼子と、『戦国自衛隊』の矢野隼人から。
元々の装備は89式小銃と無線機だったが、無線機は使い物にならないためか途中で放棄。89式は屍人化した沖田に奪われ銃撃されるが、88式鉄帽が弾き飛ばされるだけで済んだ。その際に9mm拳銃を三沢から渡される。その後は9mm機関けん銃や89式をメインで使用し、最終決戦では倒した三沢から取得したMINIMI(何故か弾数無限)を使用。なおエンディングで乱射している9mm機関けん銃は、装弾数以上を発砲している(無限化?)。
因みに永井や一部の隊員が装備している集約チョッキは、現実では試験運用しかされておらず、一般部隊には配備されていない(SIREN世界の歴史が、史実と異なっているためと思われる)。
結末について
生還組の中でも特に奮闘したであろう永井がこのような最悪の結末を迎えたことについて、ファンからは「頑張ったのに酷すぎる」「救いはないんですか!?」等々、数々の怒りや悲鳴が噴出している。確かに、永井は怪異中は生還するために戦っていた。しかし、その行動の中にはいくつか空回っている部分も散見される。具体的には
等が挙げられる。ハッキリ言って結構余計なことをしている(尤も、いずれも第三者視点では気づきようがなく、前者に関しても三沢の言動やそれに対する不信感があったため、察しろという方が不可能に近い)。
また、終盤における行動についても、一樹達は具体的な方法で解決に動き、阿部は終始マイペースを貫いていたのに対し、永井は「ひたすら戦い続ける」という安直且つ暴走気味の行動をとってしまっていた。
永井の性格的に怪奇現象を受け止められる土壌が無く、その上一樹のヤケを抑えてくれた木船のように、暴走を止めてくれる人間もいなかった。唯一それになり得たのが三沢だった(実際に中々立ち直れなかった永井を「気持ちはわかるがこれは映画ではない」と諭していた)のだが、元々そりが合わず、三沢自身も色んな意味で危うかったため、互いに寄り添い合うことは叶わなかった。このような感じでブレーキがないまま突っ走り、そのまま最後を迎えてしまったのも大きいという考察もある。
勿論、永井が戦わなければ一樹達が更に酷い状況になっていたのは想像に難くなく、必ずしも間違っているとは言えないものの、これらの点が重なることで、あの絶望的な結末に行きついてしまったのではないか、と一部ではささやかれている。もっと言うと、誤解とはいえ人間だった頃の三沢を射殺してしまった時点で、ある意味後戻りができなくなっていたのかもしれない。