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孔雀明王

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くじゃくみょうおう

仏教の尊格『明王』の一柱。 毒蛇・毒虫を食らう孔雀を神格化した存在であり、悟りを妨げる「三毒」を食らい浄化するとされる。 明確に女性の尊格とされ、仏教でも珍しい『戦女神』であり、他の明王と違い憤怒の相をとらない。
仏教の尊格『明王』の一柱。 毒蛇・毒虫を食らう孔雀を神格化した存在であり、悟りを妨げる「三毒」を食らい浄化するとされる。 明確に女性の尊格とされ、仏教でも珍しい『戦女神』であり、他の明王と違い憤怒の相をとらない。

孔雀明王とは、仏教の尊格『明王』の一柱である。


概要

元はインド神話女神マハーマーユーリー【महामायूरी】であり、孔雀が神格化された存在を原点とする。


仏教でも珍しく明確に女性として描かれる尊格(天部以下は除く)であり、明王の特徴である「憤怒の相」をとらずに穏やかな表情を浮かべている。そのため「孔雀仏母」「孔雀王母菩薩」という女性的な別名を持ち、その姿も菩薩のように非常にたおやかである。

仏教が中国に伝来した後、孔雀明王が言及される仏典も名詞に男性形・女性形の別がない漢文に訳された。

そこで「ヴィディヤ・ラージニー(ラージャの女性形)」に「明妃」ではなく「明王」の訳語があてられた結果、漢訳仏典を用いる文化圏では中性的・男性的にも捉えられた。

例として後世の中国で書かれた神怪小説『封神演义封神演義)』において後に「孔雀大明王」となる孔宣は男性であり、東京国立博物館所蔵の「国宝 絹本著色孔雀明王像」ではひげが描写されている。

男尊である観世音菩薩が中国を経由して東アジア圏で女性的存在とも認識されたのと逆の現象と言える。


一面四臂で、倶縁果、吉祥果、蓮華、孔雀の尾を持ち、蓮座を背中に載せた孔雀に跨っている。


孔雀の毒蛇・毒を食らう」という食性から、悟りを開く妨げになる「三毒」()を食らって浄化し、悟りへの道を手助けするとされている。


真言

オン・マユラ・キランディ・ソワカ


道教における信仰

道教にも信仰対象として吸収された。関連する道教テキストとして『太上元始天尊説宝月光皇后聖母天尊孔雀明王経』『聖母孔雀明王尊経啟白儀』『太上元始天尊説孔雀経白文』がある。


西遊記における孔雀明王

西遊記』第七十一回で観音菩薩が孫悟空に対して語るエピソードに西方(後述の雛が負傷した後帰った先は「西天」と書かれておりインド西部を意味する)の「仏母孔雀大明王菩薩」が登場する。

この時悟空がいた朱紫国の先代王が、仏母孔雀大明王菩薩の二子、雌雄の二羽が翼を休めていたところ、狩りで誤って射ってしまった。

仏母は我が子が傷を負った無念を述べてから、当時の国王夫妻に別離の悲しみをもたらすという罰を三年間課した。


第七十七回では釈迦如来の口からスケールの大きなオリジンが語られる。それによると、混沌が分かれ、天・地・人が生じ、天地の間で万物が生み出された後、獣の長たる麒麟と、鳥の長たる鳳凰との間に、孔雀と大鵬とが生まれた。

この孔雀は生まれた時は最悪の存在だった。人喰いで、さらに自身の周囲四十五里の人間をまとめて平らげる大食いであった。修行中の釈迦は孔雀の口に吸い込まれ、腹の中に落ちてしまう。

肛門から出ようとも思ったがそれでは汚れてしまうので背中を割いて脱出。背中に乗ったまま霊山(インドの霊鷲山の別称)まで行った。

釈迦は孔雀を殺害してやろうと思ったが、仏達から自分の母を傷つけるようなものだと言われて取りやめ、孔雀を霊山に留めて「仏母孔雀大明王菩薩」に封じた。


経典を唐に持ち帰った三蔵法師の物語である『西遊記』には実際の仏典としての『孔雀経』『大孔雀経』『孔雀真経』の名が出ているが、これらの経典にある孔雀明王観との違いについてはコメントされていない。


関連タグ

仏教 明王 女神 孔雀

孔雀明王とは、仏教の尊格『明王』の一柱である。


概要

元はインド神話女神マハーマーユーリー【महामायूरी】であり、孔雀が神格化された存在を原点とする。


仏教でも珍しく明確に女性として描かれる尊格(天部以下は除く)であり、明王の特徴である「憤怒の相」をとらずに穏やかな表情を浮かべている。そのため「孔雀仏母」「孔雀王母菩薩」という女性的な別名を持ち、その姿も菩薩のように非常にたおやかである。

仏教が中国に伝来した後、孔雀明王が言及される仏典も名詞に男性形・女性形の別がない漢文に訳された。

そこで「ヴィディヤ・ラージニー(ラージャの女性形)」に「明妃」ではなく「明王」の訳語があてられた結果、漢訳仏典を用いる文化圏では中性的・男性的にも捉えられた。

例として後世の中国で書かれた神怪小説『封神演义封神演義)』において後に「孔雀大明王」となる孔宣は男性であり、東京国立博物館所蔵の「国宝 絹本著色孔雀明王像」ではひげが描写されている。

男尊である観世音菩薩が中国を経由して東アジア圏で女性的存在とも認識されたのと逆の現象と言える。


一面四臂で、倶縁果、吉祥果、蓮華、孔雀の尾を持ち、蓮座を背中に載せた孔雀に跨っている。


孔雀の毒蛇・毒を食らう」という食性から、悟りを開く妨げになる「三毒」()を食らって浄化し、悟りへの道を手助けするとされている。


真言

オン・マユラ・キランディ・ソワカ


道教における信仰

道教にも信仰対象として吸収された。関連する道教テキストとして『太上元始天尊説宝月光皇后聖母天尊孔雀明王経』『聖母孔雀明王尊経啟白儀』『太上元始天尊説孔雀経白文』がある。


西遊記における孔雀明王

西遊記』第七十一回で観音菩薩が孫悟空に対して語るエピソードに西方(後述の雛が負傷した後帰った先は「西天」と書かれておりインド西部を意味する)の「仏母孔雀大明王菩薩」が登場する。

この時悟空がいた朱紫国の先代王が、仏母孔雀大明王菩薩の二子、雌雄の二羽が翼を休めていたところ、狩りで誤って射ってしまった。

仏母は我が子が傷を負った無念を述べてから、当時の国王夫妻に別離の悲しみをもたらすという罰を三年間課した。


第七十七回では釈迦如来の口からスケールの大きなオリジンが語られる。それによると、混沌が分かれ、天・地・人が生じ、天地の間で万物が生み出された後、獣の長たる麒麟と、鳥の長たる鳳凰との間に、孔雀と大鵬とが生まれた。

この孔雀は生まれた時は最悪の存在だった。人喰いで、さらに自身の周囲四十五里の人間をまとめて平らげる大食いであった。修行中の釈迦は孔雀の口に吸い込まれ、腹の中に落ちてしまう。

肛門から出ようとも思ったがそれでは汚れてしまうので背中を割いて脱出。背中に乗ったまま霊山(インドの霊鷲山の別称)まで行った。

釈迦は孔雀を殺害してやろうと思ったが、仏達から自分の母を傷つけるようなものだと言われて取りやめ、孔雀を霊山に留めて「仏母孔雀大明王菩薩」に封じた。


経典を唐に持ち帰った三蔵法師の物語である『西遊記』には実際の仏典としての『孔雀経』『大孔雀経』『孔雀真経』の名が出ているが、これらの経典にある孔雀明王観との違いについてはコメントされていない。


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孔雀明王

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くじゃくみょうおう

仏教の尊格『明王』の一柱。 毒蛇・毒虫を食らう孔雀を神格化した存在であり、悟りを妨げる「三毒」を食らい浄化するとされる。 明確に女性の尊格とされ、仏教でも珍しい『戦女神』であり、他の明王と違い憤怒の相をとらない。
仏教の尊格『明王』の一柱。 毒蛇・毒虫を食らう孔雀を神格化した存在であり、悟りを妨げる「三毒」を食らい浄化するとされる。 明確に女性の尊格とされ、仏教でも珍しい『戦女神』であり、他の明王と違い憤怒の相をとらない。

孔雀明王とは、仏教の尊格『明王』の一柱である。


概要

元はインド神話女神マハーマーユーリー【महामायूरी】であり、孔雀が神格化された存在を原点とする。


仏教でも珍しく明確に女性として描かれる尊格(天部以下は除く)であり、明王の特徴である「憤怒の相」をとらずに穏やかな表情を浮かべている。そのため「孔雀仏母」「孔雀王母菩薩」という女性的な別名を持ち、その姿も菩薩のように非常にたおやかである。

仏教が中国に伝来した後、孔雀明王が言及される仏典も名詞に男性形・女性形の別がない漢文に訳された。

そこで「ヴィディヤ・ラージニー(ラージャの女性形)」に「明妃」ではなく「明王」の訳語があてられた結果、漢訳仏典を用いる文化圏では中性的・男性的にも捉えられた。

例として後世の中国で書かれた神怪小説『封神演义封神演義)』において後に「孔雀大明王」となる孔宣は男性であり、東京国立博物館所蔵の「国宝 絹本著色孔雀明王像」ではひげが描写されている。

男尊である観世音菩薩が中国を経由して東アジア圏で女性的存在とも認識されたのと逆の現象と言える。


一面四臂で、倶縁果、吉祥果、蓮華、孔雀の尾を持ち、蓮座を背中に載せた孔雀に跨っている。


孔雀の毒蛇・毒を食らう」という食性から、悟りを開く妨げになる「三毒」()を食らって浄化し、悟りへの道を手助けするとされている。


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道教における信仰

道教にも信仰対象として吸収された。関連する道教テキストとして『太上元始天尊説宝月光皇后聖母天尊孔雀明王経』『聖母孔雀明王尊経啟白儀』『太上元始天尊説孔雀経白文』がある。


西遊記における孔雀明王

西遊記』第七十一回で観音菩薩が孫悟空に対して語るエピソードに西方(後述の雛が負傷した後帰った先は「西天」と書かれておりインド西部を意味する)の「仏母孔雀大明王菩薩」が登場する。

この時悟空がいた朱紫国の先代王が、仏母孔雀大明王菩薩の二子、雌雄の二羽が翼を休めていたところ、狩りで誤って射ってしまった。

仏母は我が子が傷を負った無念を述べてから、当時の国王夫妻に別離の悲しみをもたらすという罰を三年間課した。


第七十七回では釈迦如来の口からスケールの大きなオリジンが語られる。それによると、混沌が分かれ、天・地・人が生じ、天地の間で万物が生み出された後、獣の長たる麒麟と、鳥の長たる鳳凰との間に、孔雀と大鵬とが生まれた。

この孔雀は生まれた時は最悪の存在だった。人喰いで、さらに自身の周囲四十五里の人間をまとめて平らげる大食いであった。修行中の釈迦は孔雀の口に吸い込まれ、腹の中に落ちてしまう。

肛門から出ようとも思ったがそれでは汚れてしまうので背中を割いて脱出。背中に乗ったまま霊山(インドの霊鷲山の別称)まで行った。

釈迦は孔雀を殺害してやろうと思ったが、仏達から自分の母を傷つけるようなものだと言われて取りやめ、孔雀を霊山に留めて「仏母孔雀大明王菩薩」に封じた。


経典を唐に持ち帰った三蔵法師の物語である『西遊記』には実際の仏典としての『孔雀経』『大孔雀経』『孔雀真経』の名が出ているが、これらの経典にある孔雀明王観との違いについてはコメントされていない。


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仏教 明王 女神 孔雀

孔雀明王とは、仏教の尊格『明王』の一柱である。


概要

元はインド神話女神マハーマーユーリー【महामायूरी】であり、孔雀が神格化された存在を原点とする。


仏教でも珍しく明確に女性として描かれる尊格(天部以下は除く)であり、明王の特徴である「憤怒の相」をとらずに穏やかな表情を浮かべている。そのため「孔雀仏母」「孔雀王母菩薩」という女性的な別名を持ち、その姿も菩薩のように非常にたおやかである。

仏教が中国に伝来した後、孔雀明王が言及される仏典も名詞に男性形・女性形の別がない漢文に訳された。

そこで「ヴィディヤ・ラージニー(ラージャの女性形)」に「明妃」ではなく「明王」の訳語があてられた結果、漢訳仏典を用いる文化圏では中性的・男性的にも捉えられた。

例として後世の中国で書かれた神怪小説『封神演义封神演義)』において後に「孔雀大明王」となる孔宣は男性であり、東京国立博物館所蔵の「国宝 絹本著色孔雀明王像」ではひげが描写されている。

男尊である観世音菩薩が中国を経由して東アジア圏で女性的存在とも認識されたのと逆の現象と言える。


一面四臂で、倶縁果、吉祥果、蓮華、孔雀の尾を持ち、蓮座を背中に載せた孔雀に跨っている。


孔雀の毒蛇・毒を食らう」という食性から、悟りを開く妨げになる「三毒」()を食らって浄化し、悟りへの道を手助けするとされている。


真言

オン・マユラ・キランディ・ソワカ


道教における信仰

道教にも信仰対象として吸収された。関連する道教テキストとして『太上元始天尊説宝月光皇后聖母天尊孔雀明王経』『聖母孔雀明王尊経啟白儀』『太上元始天尊説孔雀経白文』がある。


西遊記における孔雀明王

西遊記』第七十一回で観音菩薩が孫悟空に対して語るエピソードに西方(後述の雛が負傷した後帰った先は「西天」と書かれておりインド西部を意味する)の「仏母孔雀大明王菩薩」が登場する。

この時悟空がいた朱紫国の先代王が、仏母孔雀大明王菩薩の二子、雌雄の二羽が翼を休めていたところ、狩りで誤って射ってしまった。

仏母は我が子が傷を負った無念を述べてから、当時の国王夫妻に別離の悲しみをもたらすという罰を三年間課した。


第七十七回では釈迦如来の口からスケールの大きなオリジンが語られる。それによると、混沌が分かれ、天・地・人が生じ、天地の間で万物が生み出された後、獣の長たる麒麟と、鳥の長たる鳳凰との間に、孔雀と大鵬とが生まれた。

この孔雀は生まれた時は最悪の存在だった。人喰いで、さらに自身の周囲四十五里の人間をまとめて平らげる大食いであった。修行中の釈迦は孔雀の口に吸い込まれ、腹の中に落ちてしまう。

肛門から出ようとも思ったがそれでは汚れてしまうので背中を割いて脱出。背中に乗ったまま霊山(インドの霊鷲山の別称)まで行った。

釈迦は孔雀を殺害してやろうと思ったが、仏達から自分の母を傷つけるようなものだと言われて取りやめ、孔雀を霊山に留めて「仏母孔雀大明王菩薩」に封じた。


経典を唐に持ち帰った三蔵法師の物語である『西遊記』には実際の仏典としての『孔雀経』『大孔雀経』『孔雀真経』の名が出ているが、これらの経典にある孔雀明王観との違いについてはコメントされていない。


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