概要
全宇宙にその名を轟かす侵略軍団。星王バズーを頂点とし、全宇宙の支配を目論む強大な異星人の混成軍団である。バズーの下で数々の惑星を蹂躙し、奴隷や戦力として使役する。数々の惑星から選りすぐりの宇宙人が集う混成部隊であり、メンバーの中にはゴズマの侵略に立ち向かい、圧倒的な力の前に屈し軍門に下った者もいる。母星の再興など、皆それぞれの理由のために戦っている。
ギルーク率いる部隊は、ゴズマの一部隊にすぎず、組織力という点では後の宇宙帝国ザンギャック、宇宙幕府ジャークマターと並んでトップクラスといえよう。
ここまで巨大かつ実績の揃った悪の組織は、他番組を含めてもベリアル銀河帝国、不思議界フーマ、大ショッカーなど数えるほどしかいない。
宝島社の『怪獣VOW』では「堅実な悪の組織(=しっかりした悪の組織)」において1位を獲得した。
星王バズーは今、その狙いを地球に定めるが、第21話で電撃戦隊の活躍が全宇宙に生中継されたことで、各惑星にとって、チェンジマン、ひいては地球がゴズマ打倒のフラッグシップとなっていく。
なお、戦隊シリーズでは初めて、組織が滅んでも幹部全員が倒されず、一部の者が離反して生き残った。本作以前では『電子戦隊デンジマン』のヘドリアン女王がいるが、次回作『太陽戦隊サンバルカン』において死亡したため、除外されることが多い。
星王バズー
演:桑原一人
声:加藤精三
ゴズマを支配する謎の巨人。幻影とも実体ともつかないその姿で、各部隊に指示を出す。
惑星の侵略さえできれば、部下たちのやり方には特に口出ししないが、目的のためなら幹部クラスでさえも捨て駒にすることも厭わない、またかつて手を組んで挑んできたギルークとアハメスの協力を許さず、チェンジマンを倒した方だけを生かしておくと言って対立関係にしたりと、冷酷さも持つ。
額からの「天罰光線」で、作戦に失敗した幹部を制裁する、宇宙の墓場に送るなどしたほか、第21話では、宇宙空間から地上にいる剣飛竜を攻撃した。
その正体は謎に包まれていたが……(ネタバレ防止のためバズー自身の記事を参照)。
幹部
幹部達は皆、バズーに征服された星々の出身であり、母星再興のためにやむなく戦っている者もいる。
ギルーク司令官
演:山本昌平
ギラス星出身の武人で、地球侵略軍の司令官。ギラス星がバズーに攻められた際、最後まで抵抗するが、バズーは彼の戦闘力と執念を買って、軍門に下ることを許可した。
武器は大きな2本の剣・ギラス剣。第20話で初めて地球に降り立ち、チェンジマンの前に姿を現した。
しかし、アハメスの登場と度重なる作戦の失敗からバズーに見放され、最後の賭けだったリゲルオーラを浴びる作戦にも失敗した第33話において、バズーによって宇宙の墓場へと追いやられてしまう。
ゴーストギルーク
宇宙の墓場へと追放されたギルークは、そこで出会った宇宙獣士ザドスと融合し、幽霊体となった。
第38話で姿を現し、チェンジマンVSアハメス率いるゴズマとの戦いに度々現れるが、不完全な姿のため、長時間地上にいることができず、シガール星のお菓子を狙うなど実体を得るために行動する。
だがその執念はバズーに評価された。
第43話でリゲル星人ナナを捕らえて2度目のリゲルオーラを発生させ、これを浴びてスーパーギルークとして復活する。
スーパーギルーク
リゲルオーラを浴びて以前よりさらに強くなって復活したギルーク。それに伴い、宇宙獣士ザドスも復活・実体化した。この復活によって完全に復権するが、以降はゴズマードには戻らず、単独で戦いを挑む。
悪魔のスーパーパワーや、幹部達を宇宙獣士にする能力も手に入れ、シーマやアハメスがその犠牲になった(ブーバは寸前で逃れた)。
宇宙獣士ギラス
第54話でチェンジドラゴンとの一騎打ちで劣勢に立ったスーパーギルークは、自ら宇宙獣士に変身した。
ギラス剣が両腕に一体化し、交差して放つ強力な電撃・目や胸から放つ光線でチェンジマンを苦しめるが、ギラスになる前にドラゴンにつけられた左胸の傷が弱点になり、「アースフォース電撃ソード」で大ダメージを受け、パワーバズーカに倒される。
なおも巨大化し、襲い掛かるが、チェンジロボの風車斬りとスーパーサンダーボルトのコンボで倒された。
副官ブーバ
演:岡本美登
「チェンジマンの好敵手・宇宙海賊ブーバ、地球に死す。年齢、不明。生年月日、不明。生まれた星も…不明」(第52話ラストのナレーションより)
ギルークの副官として現場で指揮を執る幹部で元・宇宙海賊。詳細はリンク先参照。
2011年の『海賊戦隊ゴーカイジャー』のショーで26年ぶりに復活して、キャプテン・マーベラスが変身したチェンジドラゴンと一騎打ちを繰り広げた。これは、ブーバが過去に宇宙海賊であったことが由来していると思われる。
副官シーマ
演:藤枝かな
第52話までの声:飯田道郎(例外あり)
宇宙獣士ウーバに育てられた、アマンガ星出身の王女。容姿は女性でありながら、ゴズマ副官になってからは成人男性の声で話すようになった。ただこれはゴズマ副官としての状態であり、フラワーショップ店員に化けた第12話や、ゴズマ副官としての記憶を失った第46話では女性の声に「戻って」いる。
武器は光線を放つムチ・シーバー。彼女が立案する作戦は、前述の第12話や第46話など、主に人間の心に付け込んだ作戦が多い。
宇宙獣士ズーネ
第46話でシーマが宇宙獣士にされた姿。ゴーゴン或いはメドゥーサを思わせる容姿で、石ころをダイヤモンドに変えて人々を欲望まみれにし、争わせる。
ワラジーが吹いた「故郷の星を想う歌」を聞いて動揺し、シーマと分離した後はヒドラー兵5人を吸収し、襲い掛かった。
このショックでシーマは記憶を失い、チェンジマンに介抱される。このことが、彼女がゴズマを離反する遠因となる。
王女シーマ
第52話でブーバの秘策・ブルバドス活人剣で、元のアマンガ星王女に戻り、声も女性のものに戻った状態。以降は電撃戦隊に協力し、チェンジマンの後方支援に回る。
最終回で、ゲーター一家、ギョダーイと共に生き残り、バズーに滅ぼされた星々を復興するため、ユイ・イブキらと共にシャトルベースで宇宙に旅立った。
女王アハメス
演:黒田福美
第17話から登場。アマゾ星の女王だったが、母星をバズーに侵略され、自ら軍門に下った。
狡猾で、疾風翔から「女狐」と呼ばれたが、彼女のモチーフは妖狐である。手柄や功績の横取り、作戦で部下を捨て駒扱いし、自分だけ甘い汁を吸うどころか独占する傾向にあり、結果としてゴズマのメンバー達に決死の裏切りや離反を決意させてしまった。
第33話でリゲルオーラを浴びて強化。失脚したギルークに代わり、司令官に就任した。子飼いのアハメス三獣士ギザン・ジェラー・ダブンをチェンジマンに差し向け、これを破壊不可能の障壁ハードウォールと敵のエネルギーを奪うハードアタック、怪鳥ジャンゲランによる空中からの攻撃で支援し苦しめたが、ハードウォールを逆用されてダブンを倒され、さらにハードウォールを展開してギザンを守ったところを反転射撃でジェラーを倒され、アースフォースの真の力を引き出した5人にギザンをも倒され三獣士を失いチェンジマン抹殺は失敗に終わる。その後も作戦がことごとく失敗し、さらにギルークが復活したことから功を焦り、第53話でバズーとスーパーギルークによって宇宙獣士メーズにされてしまう。
宇宙獣士メーズ
第53話でアハメスが宇宙獣士にされた姿。電撃戦隊の基地を探し出し、破壊することが任務。
杖と服から発する強力な電撃が武器で、パワーバズーカも通用しない強敵だったが、アハメスが執念で分離したことで大幅に弱体化。パワーバズーカに倒された。
そして、改造の後遺症と戦闘でのダメージで半狂乱になったアハメスは、電撃戦隊の基地を破壊。崩壊する基地と運命を共にした。
宇宙怪鳥ジャンゲラン
第32話でアハメスが引き連れた双頭の怪鳥。炎と冷気を操る。
第50話でバズーによって宇宙獣士ジャンとゲランに分離されるが、合体して元に戻ることも出来る。ジャンは冷気、ゲランは炎の能力を操る。分離後は同朋意識の強さがゲランの口から語られた。
司令官の象徴としての側面もあったようで、スーパーギルークはネオジャンゲランの誕生を試みている。
航海士ゲーター
声:増岡弘
ナビ星の出身で、戦艦ゴズマードを操縦する航海士。単身赴任の父親でもある。名前の由来は「ナビゲーター」と「下駄」。
彼の家族の名前は履物が由来になっていて、妻のゾーリーは「草履」。長男のワラジーは「草鞋」。長女のクックは「靴」と「ズック」か。
小心者で、根からの悪党ではなかったものの、バズーへの恐怖から家族の説得を受けても中々に組織を裏切れずにいたが、妻の妊娠と新しい家族の為に裏切りを決意。更に終盤において、ワラジーが吹いた「故郷の星を想う歌」がゴズマの体制を大きく揺るがせ、電撃戦隊に活路を開いた。
最終回において、一家はシーマ、ギョダーイと共に生き残り、バズーに滅ぼされた星々を復興するため、ユイ・イブキらと共にシャトルベースで宇宙に旅立った。
スーパー戦隊シリーズにおいて、組織を裏切り生存した初の幹部である。
ギョダーイ
声:渡部猛
ギョダーイ星出身の原始生物。口内にある目からの光線で等身大の宇宙獣士を巨大化させる。戦隊シリーズ初の敵怪人巨大化担当要員である。
本来彼には悪意がなく、第24話で、チェンジマンがギョダーイに扮した時に、同胞を恋しがる様子が見られた。
最後は本能でチェンジマンに味方し、ゴズマスターの体内に閉じ込められるが、メモリードールを巨大化させたことが、逆転勝利の突破口となった。
最後まで生き残った彼は、ユイ・イブキらと共にシャトルベースで宇宙に旅立った。
構成員
※画像は劇場版1の敵・カミラ。
宇宙獣士
ゴズマの侵略部隊の尖兵となる怪人。それぞれ背景や前歴は異なるが、母星を蹂躙され、やむなくバズーに従う者や、単純に破壊活動を楽しむ者など多種多様である。
知能や能力の個体差が大きく、終始人語を喋らない者(オーズなど)や、ボルタのようにスターとして人気になった者、デモスのように司令官とほぼ同格の者までいる。
上記の為に幾つもの惑星の出身者から代表者を集めた関係上、怪人の名称に統一性がない。これはシリーズで初めての試みである。
ヒドラー兵
青い体の戦闘員。卵から生まれ、土の中や壁の中といった様々な所から現れる。体に取り付けられたパイプが弱点で、円形の剣が武器。不気味な鳴き声を発しながら、クネクネした不気味な踊りを好む。
協力者
熊沢博士
演:頭師孝雄
地球人の男性の科学者。宇宙人の存在を学会で主張したが認められず、自身を侮辱した世間に復讐すべく、ゴズマの地球侵略に与してしまう。
ゴズマの戦力
戦艦ゴズマード
ゲーターが操縦するゴズマの母艦。オレンジ色で、全長302.1メートル。自己再生能力を有するゴズモナイト製で、武器はキラーレーザーとゴズマ砲。終盤にチェンジマンに占拠され、最終回でゴズマスターに特攻して爆発した。
ゴズマ戦闘機
ゴズマードから発進される量産型の戦闘機。
ゴズマポッド
宇宙獣士用の小型宇宙ポッドで、主にゴズマードへ赴く際に用いる。丸い機体の上部にプロペラや双葉のような一対の羽を有する。第41話ではイカルス王子も搭乗しており、彼と従者であるボーラが1台のポッドでゴズマードへ参じていたことから、2人乗りなようだ。
余談
脚本家の曽田博久によると、ゴズマのモデルは彼自身が学生運動で経験した実体験であり、特に終盤の組織が崩壊していく経緯は子供番組向けに脚色しているものの、実際に経験した事をほぼそのまま書いたと後年のインタビューで語っている。
シーマが副官時に男性声優の声を当てられていたのは、演じた藤枝かなが勇ましい声を出せないことによる措置だった。その理由は藤枝がモデルを本職としており役者経験が全くなかったため。
関連イラスト
関連タグ
電撃戦隊チェンジマン スーパー戦隊シリーズ 宇宙人 エイリアン
銀帝軍ゾーン(地球戦隊ファイブマン):同じくエイリアン混成軍団。ただし幹部の出身星は明かされず、逆にほかのエイリアンには「銀河戦隊ギンガマン」を含め個体名がない点が特徴。
ノットレイダー:34年後の18時間後の世界に出てくる敵組織。こちらも、宇宙から襲撃してきた敵組織で、幹部たちが悲しい過去を背負っているという共通点がある。
シック・ヴァラクロロフェノル:こちらも幹部などが悲しい過去を背負っているという共通点がある。