概要
原作（オリジナル）にあたる作品の世界観や登場人物などの、本来のイメージを極端に改悪、または滅茶苦茶にぶち壊すような描写を行うことで、原作やキャラクターのイメージを損ねる作品のこと。
「原作レイプ」という言葉を最初に公の場で言い放ったのは、2008年の「ウィークエンドシャッフル」内における宇多丸で、本広克行監督の映画に対する激怒を表す酷評の言葉であったとされている。
用法
この蔑称が使われる作品は主に2通りに分けられる。
- 最初から原作（もしくはそれに登場するキャラ）を貶める意図をもって作られた作品。
- 本人に悪意はなくとも第三者から見るとそうなっている作品。
ヘイト目的の「原作レイプ」
売れっ子作家への嫉妬やファンへの私怨をこじらせたアンチによって作られもするば、作品のファンだが特定のキャラクターが気に入らない・許せない等の愛憎入り混じった動機で作られもする。
「作家や作品への冒涜」「表現の自由として許される範疇を逸脱するもの」「履き違えた自由の発露」等として多くのファンには忌み嫌われるが、原作の欠点を指摘する等の一種の批評性を持っている可能性もなくはないので、一概に切り捨てられない側面もある。
評価としての「原作レイプ」
2は商業作品の感想を交換する場等で、鑑賞者によって使われる機会が多い。
「原作を台無しにしている」と見なされたメディアミックス、前作の魅力を損なってしまったシリーズものの続編・リメイク等々を批判する目的で使用される。先述の宇多丸の例もこれに当たる。
商業作品は作り手の生活や社会的地位がかかっている為、よほどではない限り原作を悪意による改変はない（と考えられるが……）。
しかし、作り手の能力不足や需要の読み違い、制作サイドの増長による自分の色の押し付け、大人の事情に振り回された結果、駄作に仕上がってしまい、鑑賞者から「原作レイプ」の烙印を押されてしまう作品がある。
また、近年では人間性に疑問符が上がるクリエイターや放送関係者（更には作家と作品の両方を守る 立場の出版社と編集部）が増えている現状もあり、作品によっては原作者の怒りを買うだけに止まらず、酷いと原作者の「断筆」宣言による打ち切り、最悪のケースでは原作者の自殺も引き起こされる。
「原作通りにやった上で失敗した作品」にはあまり使われず、「原作を大きく改変したうえで失敗した作品」に使われやすい傾向がある。
二次創作における「原作レイプ」
千差万別な二次創作が発表されている同人界隈では、2の意味で余り使われはしないが、二次創作者と受け手の好みの違いによっては、悪意がなくとも他人に不快感を与えてしまうケースはある。
pixivでは当たり前のように見られる
- 異性愛者であるキャラクターを同性愛者へ改変する作品（BL・百合）
- 作者の捏造による非公式カップリングを扱った作品
- 文字通りキャラクターのレイプを描くR-18作品
- 作者の嗜好により体型の変化（年齢操作による大人化や幼児化、膨乳etc……）
……等々、性的嗜好の合致しない人からすれば「原作レイプ」と映るケースになる。
ただ、同人は商業と違ってあくまで趣味の範囲内である為、気に入らない二次創作を見て気分を害してしまったとしても「原作レイプ」と声高に糾弾・抗議は推奨されない。
そもそも商業・同人どちらの場合にせよ、あくまで鑑賞者個人の評価に過ぎず、誰かが「原作レイプだ」と思った作品が、別の誰かにとってはそうではないケースは十分にありうる。
制作者やその作品のファンを「強姦魔」呼ばわりする強い意味の蔑称である為、使いどころには注意が必要である。
類語
似た意味で「原作破壊」「原作クラッシャー」の言葉もあるが、こちらは「原作にない設定・展開の導入によって作品に新たな解釈を加える」意味合いも含み、文脈によっては肯定的なニュアンスになる。
一方「原作レイプ」は、レイプが明白な加害行為である点から、その作り手に対する強い憎しみや蔑みのみを込めた表現である。
レイプを比喩表現として使うのに難色を示す意見もあるが、ニュアンスが微妙に異なるので、これらは代替語にならない。
pixivでは
概ね上記のような否定的な意味合いの強い言葉ではあるが、pixivの投稿作品においては、原作のキャラクターのイメージをあえて破壊して、笑いを醸しているネタ作品に対して付けられるケースもある。
この場合は上記のような否定的な意味合いより、作品に対するツッコミ的な意味合いでも付けられるが多い。
時には、作者自身が自分の作品にこのタグを付ける、自虐的用法も見受けられる。
関連イラスト
関連タグ
こいつで抜かないでください 精神的ブラクラ 作者は命知らず 脳が破壊される
????/????：マルチメディア化の末に原作者が自殺した作品。
原作クラッシャー 原作破壊：原作レイプとはまたニュアンスが異なる言葉。
公式凸：メディアミックスや二次創作を使わず、原作や原作者を直接襲う問題。
