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概要

作者は犬塚理人。2018年10月12日発売。第38回横溝正史ミステリ大賞優秀賞受賞。特定班を題材とした日本のミステリー小説である。一つの事件を警察官、特定班の一人という二つの視点から描いている。


あらすじ(角川文庫より)

14歳の少年Aによる20年前の女児殺害事件。その残酷な犯行映像が闇売買された。

監察係の白石は警察関係者からの流出を疑い、捜査を始める。


一方、借金督促の仕事をする江梨子は、悪人をネットにさらして懲らしめる〈自警団〉サイトの活動にのめり込んでいた。


江梨子とサイトの仲間は、新たな標的として元少年Aを追い詰めていく。

それぞれの「正義」の果てに現れる哀しき真実とは――?


登場人物

白石英季

主人公。監察係に所属している警察官。34歳。交通事故で亡くなった姉夫婦の娘である姪と二人暮らし。江梨子にゴリラの様な風貌と評されており、強面でガッシリとした体躯をしている様である。犯行映像を流出させた犯人を捜す事となる。遵法精神の強い性格だが、20年前の事件で人生を狂わされた人々を目の当たりにした事で事件後は犯人達にある程度の共感を持っている。

三田江梨子

もう一人の主人公。金融会社『明城カードサービス』に勤務するОL。入社三年目。三流大学卒で特に容姿にも恵まれていない、いい意味でも悪い意味でも普通の女性。ある日、性質の悪い債務者の犯罪をネットにアップした事をきっかけに晒しに没頭する様になる。少年Aを晒す為にネット自警団の仲間と一緒に行動する様になる。基本的に安全な立場でしか行動出来ないヘタレだが、命を失うかも知れない土壇場で絶対に屈したくない相手を相手に意地を張れる強さを発揮出来る様になる。

龍馬

ネット自警団としてしを行っている少年。悪人を特定してネットに晒す事に強い信念と覚悟を持っており、高いリサーチ力と行動力からネット住民からと呼ばれている。学校に通っていないが、頭が回転が早くて喋りも上手く、江梨子よりは知識量も多い。不遇な生まれだが、その怒りと悲しみを弱者に向けた少年Aと違い、悪人を裁く立場となったという人物。

本作の表紙の少年は彼と推測される事と少年Aと境遇が似ている事から本作の真の主人公的とも言える人物である。

玲奈

白石の。14歳の女子中学生。利発な性格。作中の描写から童顔で可愛らしい顔立ちをしており、年齢よりも幼く見えるタイプらしい。両親を高齢ドライバーが起こした交通事故で失い、叔父である白石と二人暮らし。龍馬の友人であり、ネット自警団の行動に協力した事で事件に巻き込まれる。

山本弥生

〈自警団〉サイトの管理人。清掃会社でパートをしている中年女性。美人で実年齢よりも10歳は若く見える容貌の持ち主。好きな歌は「亜麻色の髪の乙女」。江梨子や龍馬と共に少年Aを晒す為に行動する自警団のリーダー的存在。

美馬宗樹

元刑事。57歳。国分寺女児殺害事件に関わった刑事の一人であり、犯行映像を流出させた容疑者として名前が挙がった人物。非常に優秀な刑事だったが、作中5年前に退職している。端整な顔立ちでスラリとした長身の紳士だが、感受性と正義感の強さから危うい一面を持っており、被疑者に暴力を振るいそうになった事がある。

一橋誠司

弁護士をしている男性。新宿ガーデン法律事務所の所長で唯一の所属弁護士。


関連タグ

小説 サスペンス 復讐 人間狩り

酒鬼薔薇聖斗少年Aのモデルと思われる。

ブルータル殺人警察官の告白:第1話に女児を殺害した男(犯行当時高校生)が登場する他、第3巻で死亡事故を起こした老人の家がネットに晒される展開が起きる。

シバトラ:本作同様に元少年犯罪者の弁護士(犯行当時:高校生)が登場している。本人は過去を反省して真面目に生きていたが、その過去から逃れる事が出来なかった。

金田一少年の事件簿吸血桜事件編元少年犯罪者の弁護士が登場しており、彼の場合は直接的に殺したのは一人だが、被害者の両親は自殺と発狂しての事故死、自身の両親も加害者家族として迫害を受けた末に自殺と合計5人も死に追い遣っている。本作と上記の人物同様に過去から逃れる事が出来なかった。

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