データ
概要
生い立ち
父リアルインパクトは3歳にして安田記念を勝利し、7歳にはオーストラリアのジョージ・ライダーステークスを勝利したディープインパクト産駒のマイラー。種牡馬としては他にラウダシオンを輩出している。
母は米G1馬インランジェリーの初仔にあたる持ち込み馬で、血統背景から未出走のまま繁殖入り。本馬は2番仔。近親にはレッドベルオーブなどがいる。
また、短距離路線にてスタートの上手さで有名となったモズスーパーフレアと同じ馬主であり、名前にモズが入っているのはそのためである。
2-3歳
2022年11月、クリストフ・ルメール騎手を鞍上にデビューし新馬勝ち。
国分恭介騎手と共に挑んだ12月のつわぶき賞(1勝クラス:中京1400m)は3着に敗れるも、翌年2月にこぶし賞(阪神1600m)を武豊騎手鞍上で勝利。
次のチューリップ賞(GII:阪神1600m)も武豊の継続騎乗となったが、他の有力馬の陰に隠れ7番人気となる。レースでは先行スタート直後から先行しハナを取ることとなり、そのまま逃げ体制となり、最後の直線でコナコーストに迫られるがそのまましのぎ切って重賞初勝利。
これにより、牝馬クラシック初戦桜花賞の優先出走権も獲得し、出走を決定。前哨戦を勝ったものの、リバティアイランド一強ムードの中で他にも強豪が揃ったため、7番人気という評価だった。
武豊に先約があったため和田竜二騎手鞍上で挑むも、前走で2着だったコナコーストにマークされたこともあってかなりハイペースで逃げを打つこととなり、残り200mで失速し13着に敗れる。
陣営はこの結果を受けて短距離路線に切り替えることを検討し、5月は京都での1200m戦の葵ステークス(GIII)へ出走。鞍上は再び武豊となる。
1番人気はかのサクラバクシンオー直系で短距離4連勝中のビッグシーザーで、モズメイメイは4番人気だった。
以前からスタートの上手い馬だったが、このときはゲートが開いた瞬間他馬に1馬身近く差をつけるという凄まじいロケットスタートを決める。その勢いたるや、百戦錬磨の武豊が後ろを二度見するほどだった。
武豊は「逃げなくていい」と指示を受けていたが、あまりにもスタートが良すぎたので行くしかないと判断。スタートの勢いそのまま、ルガルやビッグシーザーの追撃から逃げ切り、モズメイメイは初の1200m戦で重賞2勝目を飾った。
音無調教師は今回のロケットスタートに「フライングだわな(笑)」とコメントしたが、もちろんこれは冗談で、パトロールビデオを見ればちゃんとゲートが開いてからスタートしている(1頭だけ先にゲートが開いたわけでもない)。
また、後日に武豊が語ったところによると「スタート後に後ろを振り返ったのはカンパイ(発走委員が真正な発走でないと認めた場合に発走をやり直すこと)の合図である白旗が上がったかを確認するため」とのことである。
競馬用語のカンパイや白旗と書くとわかりにくいが、要は武豊自身もゲートの故障あるいは馬がゲートを突き破ったのではないかと思ったということで、予想外のロケットスタートだったのである。
この勝利でスプリント戦に確かな手応えを掴んだ陣営は、6月と7月は休養に当て、8月の北九州記念(GIII:小倉1200m)を前哨戦として、秋(10月)のスプリンターズS(GI:中山1200m)を目標に調整することを発表した。
北九州記念では松若風馬が騎乗。前走を快勝しているとはいえ、葵ステークスの7枠15番より外になる8枠18番という大外枠を引いた点や、武豊が「ゲートが開くタイミングが合わず、突進の反動で一歩目が遅れてしまう可能性はある」とコメントするなど、不安点はあった。
本番は2番人気。スタートの出遅れはなく、先行争いとなり、コーナー通過後の時点では2番手に位置していた。しかし直線での手ごたえがなく、そのまま失速して10着に終わった。
次走は予定通りスプリンタースSの模様。