アレキサンドライト(alexandrite)は金緑石(chrysoberyl)の変種で酸化鉱物の一種である。
また宝石を題材とした漫画『宝石の国』の登場人物でもある。pixivでは主にこちらを指す。
概要
微量に鉄、クロムなどの不純物を含み、太陽光の下では青緑色を示すが、蝋燭や白熱灯などの下では鮮やかな赤色に変色するという極めて珍しい特性を持つ。
この変色効果は”アレキサンドライト効果”とも呼ばれ、金緑石にこの効果が見られなければ変種のアレキサンドライトとは認められない。
発見当時、その希少性からロシア皇帝に献上されたのだが、献上された日が皇太子アレクサンドル2世の誕生日であったことからその名前を冠されたとされている。
『宝石の国』の登場人物としてのアレキサンドライト
髪色は緑がかった水色で、斜めわけの前髪に後ろ髪は長く伸ばし、頭の頂点部分だけ短くはねている(いわゆるアホ毛)。やや目尻の垂れたジト目で、しょっちゅう難しい顔をしているのが特徴。
コンビ相手は同属のクリソベリルだが、フォスが生まれるよりも前に月へ連れ去られたため現在は一人。ちなみに、クリソベリルは穏やかな優しい性格で、彼から大分甘やかされていたとか。
作中で女性的な宝石が一人称が僕であることが多い中でアレキは珍しく一人称も含めて口調は女性的。
「アレキちゃんとお言い」と事あるごとに”ちゃん付け”で名前を呼ばせたがっているが、周りからは”アレキ”、”アレキさん”と呼ばれており、ほとんど浸透していない。
特筆すべきは「月人研究マニア」という点。
月人についてを事細かに調べ上げており、部屋は資料の紙束で埋もれている。また、誰かが新型と交戦したとあれば、すぐに駆けつけて外見などの詳細を事細かに聞き出そうとする。その執念はまさにマニア。アレキの個室も月人に関する本や絵などで溢れている。
普段の任務は情報戦略担当らしく、調べた月人に関する資料を活かすことが出来る仕事。
自分で調べる以外に他人に教えるのも好きらしく、フォスが月人について教えてもらいたいと話を持ちかけてきた際は今行っている最中の仕事(図書資料の虫干し)を(文字通り)放っぽりだして嬉々としていた。(その際、先生とお揃いの僧衣を着るなど非常に気合が入っていた)
最終的に何故か立場が逆転しフォスからクイズを出題されていたが、ぐったりしながらも難問にすんなり答えており、その知識量が確かな事が窺える。
詳しい誕生時期は分かっていないが、作中でも年長と言われていることから今いる宝石たちの中では年齢が上の方のようである。
ただし「お兄様」「兄さん」と呼ばれる他の宝石たちに比べるとあまり年長扱いされておらず、厄介なオタク扱いされている。
最年長のイエローダイヤモンドとも仲が良いようである。
アレキサンドライトと月人
月人研究マニアとしての側面を持っているアレキだが、反面、月人を直視することが出来ないという宝石らの中でも稀有な体質を持っている。
その為、普段は月人の研究や図書資料の管理など内勤に従事しており、特定の誰かとコンビを組んでの哨戒には出ていない模様。
月人と対峙してしまった時の反応もまた珍しいもので、1/2の確率で髪の毛(正確には瞳や爪なども含む全身)が赤に変色し、半ば暴走気味に月人へ切り掛かっていく。
周りの声も届いていないようで、フォスが初めて見た際は名前を呼びかけても反応を示さなかった。また、フォスが合金でギリギリ抑えていた大型月人”しろ”の半分を一瞬で八つ裂きにするなど、この状態になった時の戦闘力は非常に高い。(ボルツをして”イカれている”と言わしめた)
こうなると強いのだが、もう1/2の確率でそのまま気絶しその場に倒れ込んでしまう場合もある。(細切れになった”しろ”が目の前で再合体した際は倒れていた)
この仕組みは、元となるアレキサンドライト鉱石の変色効果を表現した特性であると思われる。
周りからこの仕組みについてしょっちゅう聞かれるらしく、簡潔に説明するためにルーレットを作った。
アレキが月人に関する研究を始めたのは理由は二つあり、一つはこの月人を直視できない体質を克服するため。最初は絵に描いたりしていたようで、絵や形の雑な作り物であるなら見ても問題ない模様。(興味が高じて自分でオリジナル月人まで考えていた)
しかし、レッドベリルが拵えた子犬”しろ”ぬいぐるみは本物にそっくりであったため、気絶まではいかずとも見ると身体がビクッとするくらいには反応していた(本物も薄眼で見るくらいでしかダメだった)。
そしてもう一つの理由が、相棒のクリソベリルを奪った月人に対しての憎しみを忘れない為。
クリソベリルが連れ去られたのはフォスが生まれる前であるため少なくとも300年以上前なのだが、日々月人の事を考え続けることによって新鮮な憎しみを抱き続けているという。
クリソベリルと共に活動をしていた頃に普通に月人とまみえていたかは不明であるが、月人が直視できなくなってしまったのはこの時のトラウマが原因という可能性も考えられる。
いずれにせよ、宝石たちの中で一際月人達に執着している人物であると言える。
関連イラスト
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他作品
ハンジ・ゾエ…敵対する存在の研究に熱心なマッドサイエンティスト繋がり。因みに中の人はパパラチアと同じ。
クラピカ、王蟲…激情に駆られるか憎悪対象を目視すると体の一部が赤くなる。 クラピカは憎悪を忘れないよう努めている点も共通。
※以下、原作8巻終盤以降のネタバレ
月から戻ってきたフォスの2度目の月行きの際に、月人を直視しないように目隠しをしながら同行する。
しかし、イエローと同じく粉にされ月に撒かれた宝石の砂漠を目にして自壊しはじめてしまう。その後、イエローとともに修復され、以降は目隠ししたままベニトに支えられる。
月では月人を見ると赤くなる体質を改善したいと思っていたが、220年を経ても目隠しをしたままである。
地上から帰還したフォスから、全ての宝石を破壊するために地上へ襲撃する話をされた際、
「月で過ごし続けて今の生活が好きになった」
「クリソベリルの事は忘れた」
「だが220年前にフォスについていくと言ってしまった以上、約束を果たす」
と、同行を承諾する。
その際、ベニトにも自身の制御役として着いてくるように命令した。
(一枚目:右、二枚目:右下)
地上に着くと目隠しを外し、月人の大軍を見るも気絶。
ベニト「ハ… ハズレ?」
フォス「……」
しかしダイヤとボルツの戦闘が終わると突如赤くなって立ち上がり、学校内に乗り込んで地上の宝石たち(ユーク、ジェード、シンシャ、ルチル、パパラチアを除く全員)を破壊。
首輪の鎖を(ネプチュナイトに話している最中の)ベニトに引かれた結果頭部が外れ、それでもなお止まらずにネプチュナイトを破壊し倒れた(この時もげた頭がベニトの頭をも破壊している)。
関連イラスト(ネタバレ)