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なめえもん

なめえもん

「なめえもん」とは、『東方Project』に登場するぬいぐるみの様な物体である。
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概要

なめえもん(東方)センシティブな作品

東方Projectに登場する、ナメクジをモチーフとしたぬいぐるみの様な物体。書籍作品である『東方鈴奈庵』に登場する。ぬいぐるみと考えられるのは、主に所有者である本居小鈴がそれを所持して走るなど対象が軽量である可能性が見られることと、「なめえもん」自体にある縫合部分と見られる意匠の存在等に由来している。


『鈴奈庵』作中での登場

作中では人喰いの大蛇の情報に触れたことと、通常の生物としてのヘビによる被害の情報に触れたことでヘビに対する恐怖心が隆盛した小鈴によって人間の里のはずれにある蛇を祀る守矢神社分社に奉納された。ナメクジの姿を模すのはナメクジの粘膜がヘビを溶かすと考えられている「三すくみ」の一つの逸話から、ナメクジがヘビへの対抗力となると小鈴が考えたためである。


小鈴は「なめえもん」登場以前、様々に得た情報から余りにもヘビが恐ろしくなったために無防備になる自身の寝所にヘビに対抗すべく巨大な(生きた)ナメクジを複数置いて身を守るなどの想像もしてみるも、自身の横になった頭の真上や掻い巻きの上にまでナメクジが粘液を滴らせつつ這い寄るその光景に自身もぞっとしている。その後、人間の里での東風谷早苗の啓蒙活動(守矢神社の布教活動)を通して知った蛇避けについて、その祈願への御供え物として本物のナメクジの代わりに上記の様に奉納されたのが「なめえもん」である。


「なめえもん」は、マテリアルとしては小鈴が脇に抱きかかえられるサイズで、ナメクジが持つような大小二対四本の触覚がある。縫合部分はシーンによって位置が異なり、大触覚後方に胴体を輪切りにするようであったり、全長の縦方向だったりする。触覚に見られる縫合部分はいずれも側面。正面向かって右下側の小触覚のさらに右下に平仮名で「 なめえもん 」の銘が入っている。具体的なカラーリングは不明であるが、全体が同一のカラーである様子や白系統のカラーの様子が見られている。ファンフィクションでは例えばクリーム色など暖色系で想像されることも多いが薄い寒色系である場合もあるなど、作品によって様々に想像されている。


「なめえもん」の制作者及び命名者が誰であるかは不明であるが、大蛇などの蛇全般を恐れた小鈴が急造したものかもしれない。「なめえもん」が登場することとなる『鈴奈庵』第二十三話扉絵では、裁縫箱と行灯を横に大きな布を手に裁縫をする小鈴の姿も描かれているなど、なめえもんをぬいぐるみと見る場合の伏線的シーンと見ることができるカットもある。人間の里にナメクジ信仰なりナメクジマスコットの流行なりがあればナメクジ関連商品の流通の可能性もあって「なめえもん」が小鈴以外の手によるものとは限らなくなるかもしれないが、『鈴奈庵』での「なめえもん」登場時点での作中にそういったナメクジに対する特殊な潮流やブームはみられていない。


なお、語感が近い「みこえもん」とはもちろん別物なので注意。


この他の登場機会

「なめえもん」の登場する蛇騒動の後のエピソードである易者にまつわる騒動の際、小鈴は自身が始めた占いの売り込みや周辺商品としてブロマイドやお守りなどを制作しているが、この中にナメクジを模したものと思しきアイテムが多数ある。これらが「なめえもん」であるかは不明。大きさは少し大きめな掌サイズ程度。これらはすべてある書物らと共にお焚き上げとなったが、小鈴がなめえもんに始まるナメクジの御利益(?)なりそのキャラクター性なりを気に入っている様子も見て取ることができる。


この他『鈴奈庵』単行本第四巻カバー裏では「なめえもん」と同種のものと思われる造形の着ぐるみに包まれる小鈴のデフォルメの様子が描かれている。小鈴の全身が「なめえもん」のようなものに包まれており、ちょうどその触覚が小鈴の後頭部にあるため、小鈴に触覚が生えたようにも見える。


「なめえもん」の由来

「なめえもん」の名称は、おそらくは「なめくじ」の語と人名の他、主に愛称などに用いられる「~えもん」(~右衛門)とを合わせたものか。「~えもん」は男性名としてとらえられる場合が多いため小鈴が「なめえもん」に想定しているのもひょっとすると男の子的なものかもしれないが、東方Project作中での「~えもん」を愛称として捉える場合では男性名に限ったものでもなく、先述の「みこえもん」の実例など中性的または無性的に使用されるケースも見られている。ナメクジ自体も雌雄同体。


真名を語るのを避ける仮の名前である仮名(けみょう)などとしての「~右衛門」(~えもん)であった場合、「なめえもん」名の向こう側に実は真名があってぬいぐるみという物理的制約にとどまらない真実の霊的加護があったりするのかもしれないが、作中の小鈴からの取り扱われ方を見る範囲ではおそらくそんなことはない。真実の名前を隠す「仮名」に掛けた「名滅右衛門」なんてこともない。


「右衛門」は仮名ではなく実名としても使用されている歴史もあり屋号などにも用いられているなどそれ自体が真名として使用される場合も後世では多く、このことから「なめえもん」についても先述のように愛称としての「~えもん」がネーミングの由来だろう。


他の可能性として、小鈴はその仕事の関係上外の世界から流入する書籍(「 外来本 」)に触れる機会があるが、例えばその書籍の中に某有名ネコ型ロボットの名前のように「~えもん」を愛称とする中性的・無性的あるいはマスコット的な存在を見ていたりすれば、その影響をうけていたりするのかもしれない。そもそも小鈴が恐れた(眉唾物の)人食い大蛇のニュースも外の世界からの「 外来本 」で知り得たものである。


「なめえもん」は必ずしも小鈴専属のマスコットというわけではないが、先述のように後に小鈴が手乗りナメクジアクセサリを量産しているため、小鈴本人は案外マスコット的な存在としても気に入っているのかもしれない。


東方Projectにおける「ナメクジ」

東方Projectにおいて、「なめえもん」にも関連する『鈴奈庵』第二十二話及び第二十三話以外で「ナメクジ」に関連したエピソードが登場するものとして『東方三月精』(第三部)第七話及び第八話の「イクチとナメクジ」前後編がある。同エピソードでは先述のナメクジとヘビが絡んだ三すくみについて霧雨魔理沙によるさらなる調査が語られている他、実際にナメクジがヘビに勝った結果の一端らしきものが描かれている。


また魔理沙はサニーミルクルナチャイルドスターサファイアの三名(三月精)について、色々な場所に出没したり大樹の中に住まうことなどを挙げて「 蛞蝓のような奴ら 」とも評している。


なお、同エピソード中では魔法の森に「 人をも呑み込むような大蛇 」がいるとされており、実際に三月精らがその怒りを買っている。『鈴奈庵』では小鈴が恐れたものは先述のように外の世界の大蛇であったが、幻想郷にも驚異的な大蛇の存在はあるようである。二ッ岩マミゾウ(人間変化時。鈴奈庵マミゾウ)も幻想郷にも「 森の方 」(先述の魔法の森を指すか)ならばそんな大蛇もいるのではとしており、またそのマミゾウ自身、同エピソード中で「大蛇」の「その後」のものと関連を持つこととなる。


これ以外では伊吹萃香による酒虫の外見評価が「 手のひらサイズの黒くてヌメヌメした可愛い虫 」と、ナメクジにも見られる全身を覆うぬめりを想像させるようなものともなっているが、実際の酒虫はサンショウウオの小型サイズのような外見でヒレもあるなど、見た目はかなり異なる(『三月精』)。


他方ナメクジではなくヘビへの縁として、魔理沙の周辺の関係性をみるとき、魔理沙は先述の通り『三月精』で三すくみを通してナメクジとヘビについて調査したが、同じく『三月精』の他エピソードでツチノコを発見してペットにしたり『鈴奈庵』では白蛇を見つけて家に持ち帰ったりと、魔理沙は複数のエピソードを通してヘビの方向にも縁がある。


以上は原作東方Projectのものであるが、二次創作においてもナメクジと関連した想像が展開されることがある。例えば先述の守矢神社にも関連した守矢の神々のパワーバランスについての想像として、早苗に関連した「さなめくじ」などが想像されている。これは守矢二柱についてそれぞれの謂れや表現するスペルカードなど複数の要素から洩矢諏訪子を「カエル」、八坂神奈子を「ヘビ」と見立てた際、この二者の対峙に立ち向かうことのできる三すくみとしての「ナメクジ」が早苗に当てはめられたというもの。


原作での早苗と神奈子、諏訪子との関係性では結びつきを通して与えられた「ヘビ」の力も「カエル」の力も自らの力に変えていく三すくみとはまた一味違ったパワーバランス(例えば『東方星蓮船』)も見られているが、守矢神社の巫女(風祝)として先述の『鈴奈庵』でも見られるように人間の里で地道な布教活動をしていたり異変解決に出かけたりしたりと守矢の顔役としての一面もあり、二次創作でも早苗が守矢神社の生活基盤(お財布や家事全般)を管理していたり生活力の乏しい二柱を支えていたりといった想像があるなど守矢神社内部の力学としても早苗が重要な位置を占めていると想像されることもある。時にそれは三すくみとして並び立つような、あるいは他二者を圧倒できるようなパワーを発揮することもある。


pixivでの注意点

原作では「なめえもん」は先述の通りぬいぐるみ的マスコット(無生物)であるが、pixivでの「なめえもん」は本物のナメクジである場合もある。例えば先述のような、原作でも描かれている実際の生き物としてのナメクジに小鈴が取り囲まれたり、×××される様子を描いた作品も公開されているため、ナメクジが苦手な方などは閲覧には注意が必要である。


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東方 東方Project 東方Project(二次創作)

東方鈴奈庵 なめくじ ナメクジ 蛞蝓 ぬいぐるみ

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