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曖昧さ回避

  1. 食材に含まれる味覚成分のひとつ。
  2. ある物事をして得する事柄、利点。

食物のうまみ

うまみ(学術的には「うま味」と表記する)は基本となる5つの味覚(基本味/ basic tastesともいう。甘味酸味苦味塩味うま味)の一つである(ちなみに辛味は痛覚の一種であるとされ基本味に含まれていない)。


うま味は肉、魚、味噌、野菜などを食べた時に感じる「美味しい」感覚である。

食物のうま味は、アミノ酸であるグルタミン酸()等や核酸であるイノシン酸(塩)等、他コハク酸等の成分を舌上にある受容体が科学的に受信することで脳が感じ取っている。

味の素をはじめとした「うま味調味料化学調味料)」はこれらの物質を主原料にして作られている。うま味の研究において先駆的だったのは日本であり日本以外の国においてうま味の存在が認められたのは比較的新しい(それまでは甘味や塩味などが混ざった味覚だと考えられていた)。


尚、出汁の元として昆布が有名だが、グルタミン酸は様々な野菜が含んでおり、グリーンピースオクラ枝豆ホウレンソウタケノコカリフラワーなど日常的な野菜であれば大体存在している。


味の素脅威論など化学調味料としてのグルタミン酸ソーダ恐怖症は洋の東西を問わず存在し、現在も忌避されることが多いが、グルタミン酸そのものは神経伝達物質として人体中に元から一定量存在しており、外部から取り入れても常識的な分量であれば直ちに毒となることはない。

EUではグルタミン酸ソーダを体重1kgあたりにつき一日30mgまでは毎日摂取しても問題ないと定めている。


うまみに関する誤解

日本人の化学者池田菊苗が20世紀はじめに旨味物質の正体がグルタミン酸であることを世界で初めて発見したことから話が飛躍し、様々な誤解が飛び交っている。

中には日本人による発見を持ってチープなナショナリズムを煽る感動話に仕立てる動き(日本スゴイ系)も見られるが、間違った情報を元にして粗雑な自国礼賛に繋げているものがままある。


ここでは、事実についての正誤を明確にしておきたい。


事実であること

  • 1908年に日本の理学者池田菊苗が昆布から旨味物質であるL-グルタミン酸ナトリウムを取り出し、それがうまみの原因であることを解明した。
  • L-グルタミン酸ナトリウムはうま味をヒトに感じさせる物質の一つ。
  • 日本では伝統的にうま味を利用する文化がある。

間違っていること

  • うま味を感じ取れるのは日本人だけ

ホモ・サピエンスであればあらゆる人種がうま味を感じ取ることが出来る。

当初池田の発見が西洋の化学者から懐疑的に見られ、塩気などが原因だと思われたことや、うま味が英語でもumamiと称することなどから飛躍したものか。英語では科学的でない場面で経験知としてのうまみを称する時はsavorinessという。

  • うま味を使うのは日本だけ

うまみという概念は世界中で時代や地域を跨いで経験的に知られてきていた。

例えば東洋においては朝鮮・韓国でアミの塩漬けや昆布などを伝統的にうまみの元として利用しておりキムチもうま味物質として海鮮系のうまみが加えられている。

西洋ではスープストックを作る文化があり、野菜や動物のうまみを抽出して利用している。また、チーズやトマトといったうま味の豊富な物質が料理に活用されている。

  • 人間がうまみを感じることを発見したのは日本

人間が科学的にうま味を知覚していることを実証したのは池田がグルタミン酸をうま味物質とつきとめてから100年の後、アメリカのマイアミ大学の研究者達である。

  • 池田菊苗は世界で初めてグルタミン酸を発見した

グルタミン酸はドイツで最初に発見された。その名前は小麦グルテンから分離されたことで命名されており、由来からもわかるように間違っている。池田は昆布の中にグルタミン酸を発見し、それがうまみの元であることを知っただけである。

  • 池田菊苗がうま味の国際的な名称をumamiに決めた

うま味を科学的にumamiと称することが決定されたのは、1980年代に科学者たちの国際的な合意がなされてからである。


他、うま味の研究は当初日本が先陣を切ったものの、現在では国際的な研究が行われており、うま味研究が日本人の専売特許だとする認識も誤りである。


関連タグ

うま味 旨味

うまい/旨い おいしい/美味しい まずい/不味い


うま味紳士

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