概要
一般的には、女性の間での流行やファッションを扱うものを指す事が多い(「女性向けファッション誌」「女性向けヘアカタログ」など)。
ここではネットスラングとしての女性向けを説明する。
ネットスラングとしての「女性向け」
概要に加えて女性でないもの=男性の利用を想定しておらず(致命的なものも含めた)男性の意識に合わない要素を多く含んだ作品群を指す。
まだ「腐向け(腐女子)」という言葉が存在しなかった頃は、おおむね「女性向け=BL(やおい)等の特殊なカップリング表現を好む女オタク向けの創作(二次創作)コンテンツ」という意味で使われていた。
SNSが未発達で、個人サイトやブログが活動の中心となっていた時期には
「同人要素が含まれている」という言い回しで表されたこともある。
現在は作品のバリエーションが増えたこともあり「女性向け=腐向け」という限定的な意味ではなくなっている
(ただし現在でも、女性向けはBLを題材とした作品が主流である為「女性向け=腐向け」として話題にする人は多い。)
男性の意識に合わない要素にしてもそれが男性同性愛とは限らないため
「BL、腐向けでない=女性向けではなく一般向け」ということにはならない
特定の性的指向を表わすカップリングを題材とした作品をさす場合は、BL(ボーイズラブ)・GL・NLなどの専用のタグを使うことが望ましい。また、NLであっても特殊嗜好を扱う作品の場合はきちんとタグ表記しよう。
女性向けに製作されているエンターテインメント作品のジャンル
※男性の読者および視聴者を想定していないジャンルのみを表記
ティーンズラブ / TL | 男女の恋愛とセックスを描いた、十代の女性向けポルノ作品の総称。 |
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レディースコミック | 男女の恋愛やセックスを描いた、成人女性向けポルノ漫画。 |
ハーレクインロマンス | 男女の恋愛を描いた、女性向け恋愛小説。ほぼすべての物語が「社会人の女性が、社会的地位が高い魅力的な男性とすったもんだの末に結婚し成功する」という筋書きである。ティーンズラブやレディコミと比べ性的描写が少ない。 |
乙女ゲーム | 女性プレイヤーと男性キャラクターとの恋愛要素を含むゲームの総称。 |
シチュエーションCD | 人気男性声優による、シチュエーションに沿った演技が収録されているCD。聞き手に関係なく進むドラマCDと違い、男性声優が聞き手に語りかけてくる。 |
夢小説 / 夢漫画 / 夢絵 | 男性キャラクター×自分(あるいは自己投影するためのオリジナルキャラクター)のカップリングを描いた二次創作 |
ボーイズラブ/BL / 腐向け / メンズラブ | 男性同士の性愛を描いた、女性向けの漫画や小説。ゲイ向け作品とは内容が異なり、少女漫画やハーレクインのような要素が多い。 |
意見が分かれる物
少女漫画 / 女性漫画 | 女性をメインターゲットとして製作される一般向け漫画。男主人公もいるが、基本的に主人公は女性。 |
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ブロマンス | 恋愛関係は成立していないがただの友情では説明できない親密な男性同士の関係を扱ったもの。相棒、宿敵等 |
※「ガールズラブ(百合)」は、かつては女性向けジャンルだったが、現在では男女どちらの読者もいるため除外した。
注意喚起
一般に「女性向け」とされているジャンルでも、「全ての女性が好む」わけではないということに注意。どのようなファッションやジャンルであっても、あくまで「女性向けとされる嗜好のひとつ」であって「全女性の嗜好」ではない。嗜好に優劣もない(例えば、「嫌いな絵柄のキャラ」と「公式で非美形のキャラ」は違う)。
女性なら、自分向けじゃない作品を自分向け(特に、テンプレ通りの性格のキャラがテンプレ通りの恋愛をするストーリーなどの他所でいくらでも読める内容)に変えるように強要したり、全女性向け作品が同じ作風(現代を舞台にした全編がNLの内容など)になるように同調圧力をかけるのは止めること。男性なら、一部の女性向け作品を見て「全女性向けの特徴だ」「全女性の考え方だ」と決め付けるのは止めること。
「全編がNL(異性愛)のストーリー以外=男性が主人公の男性向け」「ガチガチのBL以外=微腐向けの要素が一切ない」「女性向け作品の女性主人公=24時間ハイスペックなイケメンと接触している乙女だけ」「ハイスペックなイケメンと恋愛するヒロイン以外のヒロインはすべて男性向け萌え系作品のヒロイン」という方程式も成り立たないのも念頭に置くこと。
NLのみの作品以外のヒロインに自己投影する女性読者や、自分が少年漫画のヒロインの立場だとしたら主人公よりもライバルを選ぶ女性読者や、実生活で少年漫画のヒロインのような行動を取らない女性読者や、少年漫画のキャラと舞台は好きだが話はあまり好きじゃない女性読者や、男性向け萌え系作品が苦手な女性読者も大勢いる為、男性向けではNL以外のすべては描けない。男性向け(原作)に腐女子や恋愛に興味がない女子や女性キャラ単体が好きなユーザーを追い出して迷惑をかけるのは止めること。
また、すべての作品は創作物であり、現代ものであっても現実とは無関係であるし、スターシステム・クロスオーバー・シェアワールドものであっても個々の作品の世界観同士に繋がりはない。
合わない作品を無理して読んだり、他人に宛てられたプレゼントを(心配ではなく、承認欲求や嫉妬を理由に)勝手に開封して奪うような行為をするよりも、自力で作品を作るか、自分好みの作品を探すか、主人公に明細な設定がない夢小説のように公式が「誰でも自己投影していい」と公言している作品を読むのがお勧めである。原作の話が嫌いでキャラクターだけが好きなら二次創作をすればいいし、マイナージャンルの特殊性癖でもなければ二次創作物の読み専でもかなり楽しめる(ゾーニングの記事参照)。
性別、年齢に関わらず、個人の趣味嗜好はあくまでも自由なのは確かだが、女性向けは受け入れる男性よりも拒絶する男性の方が多いことは念頭に置くべきである。もし本当に受け入れられているなら悪い意味で女性向けと呼ばれることはない、自分ではわからない理由があると見るべきだ。
女性向けに限らず
自分の趣味嗜好を相手のことをよく考えず他人に押し付ける自由や権利はどこにもない、
その行為はただいたずらに相手との軋轢を生み、自分の好きなものの評判を下げるだけである。
(原作者に対して自分の趣味の同人誌を送りつけたことにより作品のガイドラインが厳しくなった例もある。)
関連タグ
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