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「こういう瞬間がたまらないのだ!痛めつけた相手が苦しめば苦しむほど、楽しみは大きい!」


「私は相手の出方で仏にも鬼にもなる男だ。おまえの弱みはすでにいろいろ調べてある。おまえがこうして私に逆らったからには、その弱みをついて地獄に落としてやる」


「ほう、韓国人か? くわばら、くわばら。 また“謝罪しろ”だなどと言い出されたらたまらんからな。まったく、身のほど知らずの連中だっ!」


概要

主人公の山岡士郎をはじめ、何かと人間性に問題点が多い登場人物が大半を占める事で有名な本作でも、屈指の外道なヒール役としてその名を知られている。


初登場して以降、事あるごとに士郎や彼の属する東西新聞社を潰さんと暗躍や裏工作、直接対決などを仕掛けてくる。

これまで士郎は、父 海原雄山の実力は認めつつも基本的に不倶戴天の敵としか見ておらず、個別エピソードの中で共闘的な関係となる様子が少々みられる程度であった。

しかし金上の登場によって士郎は(心ならずも)雄山の力を度々借り、雄山も士郎の助け舟を受けるという、それまで長きに渡って敵対関係であった親子を『共同戦線』という新しい展開へと歩ませる物語の大きなターニングポイントとなった。


なお、アニメ版は27巻までの内容しかやっていないため、未登場である(金上が登場したのは50~63巻である)。


人物像

あくどいやり方で視聴率を稼ぐ事から、作中の報道業界の中でもかなり悪名高い報道機関として有名な『極亜(きょくあ)テレビ』の若社長。


親の力でのし上がったとも言われるが、親以上のやり手とされている。

その社会的地位に加え、雄山からもある程度は認められる程の記憶力・味覚・料理の腕前を持った士郎同様の才能の持ち主だが、問題はその性格である。


簡潔に上げると…

  • 常に底しれぬ野心や強欲さを抱え、あらゆる事において何でも自分の思い通りにならないと気が済まない。
  • TPOが著しく欠けており、どんな時や場所であっても、自分勝手に振る舞い、それによってその場の空気が完全に白けてしまっても意にも介さない。
    • 挙げ句に、公衆の面前で、敵対されたわけでもない相手に人種差別的な発言を平然と宣う(上述3段目のセリフは彼の韓国人に対する偏見を象徴した代表的なセリフである)。
  • 自分が勝つためには不正行為や犯罪さえも辞さず、あまつさえ公正さを求められるマスメディアを商売にしているにも拘らず、率先してスキャンダル捏造偏向報道を働こうとする始末。
  • 自分の失敗や不徳を決して認めたり、反省する事なく、それを他人のせいにする。
    • 敵と見なした相手に対して、自分に不利益が生じようが徹底的に付け狙い続ける程に執念深い。
  • 「自分が痛めつけた相手が苦しみ、悶える姿を見るのが楽しみ」と公言する程のサディスト(上述1段目のセリフはその趣味趣向を象徴したセリフである)。

という様に、経営者としても人間としてもまともに褒められそうな点がひとつもなく、士郎から「毒蛇のような男」、雄山から「救いようがないまでに下等」と評される人間のクズである。

その為、士郎、雄山以外の他の登場人物達からも「邪悪そのもの」「ド腐れ」「けだもの野郎」「心が腐ってる」「クズ」等とそれぞれ最低な評価を下されている。

やり手経営者ではあることから最初は一定の敬意を持った者もいるが、そうした好意的感情を最後まで持ち続けた人物は作中見当たらない。


当然ながら極亜テレビの社内においても、完全に独断専行恐怖政治を敷いており、人望は皆無に近い。

…どころか、下記の顛末では社員どころか多くの他会社が、一斉に彼個人を排除しようと一致団結した事からも、如何にそこまで嫌われる行為を振り撒いてきたのか想像に難くない。


それまで『美味しんぼ』において、雄山を筆頭に士郎と対立してきた料理人や美食家、料理評論者達は多かったものの、いずれも性格に難はあれども食に関しては正々堂々としており、最低でも不正に手を出してまで勝利に固執したり、敗北して尚もしつこく食い下がり続けてくる様な偏狭な人間は皆無だった中、これほどまでに勝利主義且つ恨みがましく、何度打ち負かされても負けを認めずにしつこく暗躍を続ける異常なまでの執着心を持った敵役は初めての事であり、これまで敵対した相手とは違う厄介さで山岡夫妻や東西新聞社、『究極』、『至高』両メニューの関係者達を大いに手こずらせる事となる。


なお、彼に極亜テレビを禅定した父親 金上金作は名前のみの登場で、本編中には一切その姿を見せる事はなかったが、作中人物の会話によれば「でっち上げ、卑しいネタ、暴露記事ばかりの汚らわしい内容の新聞や雑誌で得た資金を元手に極亜テレビを乗っ取る形で買収した」「政財界でもまともな人間であれば金上親子とは付き合いたがらない」との事で、息子の鋭に劣らぬ俗悪な人物である事が窺い知れる。


劇中の活躍

初登場

50巻「黒いマスコミ王」にて初登場。

この1年前に父親から極亜テレビ社長の座を継ぎ、その悪辣な経営手腕で視聴率を荒稼ぎするなどして、既に財界だけでなく、雄山の耳にもその名が届く程に悪名高い存在となっていた。


東西新聞社の株式30%を半ば騙し取る形で入手して筆頭株主となると、大原社主を中心とした経営陣を追い出して乗っ取りを目論む。

そのやりとりの中で、栗田や山岡の味覚に関する失態をやり込めるなど、美食家としても存在感を見せた。


また、その数ヶ月前には、能楽家 朝斗氏の還暦祝いの宴席で雄山と初対面したが、TPOの読めない発言を連発し、雄山に対しても侮蔑的な言葉を吐き、ハモ料理で勝負を挑んだ。

しかし雄山の敵ではなく、人格的弱点を見抜かれる形で敗北し、雄山に対して逆恨み同然の感情を抱くようになっていたことも判明。


金上は東西新聞社の乗っ取りを実行に移そうとするが、山岡らの策謀で雄山の見抜いた自身の人格的弱点をつかれるという屈辱的な形で失敗、雄山と山岡に対して強い敵意を抱くことになる。


東西新聞、士郎、雄山親子との攻防


その後も、金上は様々な手を駆使して狡猾な攻撃を行い、山岡夫妻、そして東西新聞社や『究極』『至高』双方のメニューに関わる人間を次々に陥れようとする。


・「週刊タイム」の団一郎を抱き込もうとし、失敗すると団のスキャンダル(内容は全くの捏造)を流す

・『究極のメニュー』について、山岡や栗田が貶めるような発言をしたかのような編集をして内容のテレビ番組を制作する

・山岡夫妻と味覚対決番組を実施。そこで使われる料理のすり替えや材料の虚言、解答の不正入手で勝利しようとする

・帝都新聞を抱き込んで東西新聞と敵対させようとする


しかし、主にゆう子の仲立ちあって共闘した士郎・雄山の親子二人の力によって、それらの策略は悉く潰されていった。

またちょい役としても何度か登場し、差別的言動や困窮に陥った者を金で抱き込む行為でその醜悪な人間性を見せていた。



最後の攻勢

63巻「東西新聞の危機」にて、アメリカから来日した世界有数のメディア王 トレパー・コドラムが、来日直後の記者会見とその後の歓迎会の席で士郎と些細な諍いを起こしたのをきっかけに東西新聞社に目をつけたのを好機と踏み、コドラムに接近。

自らが保有していた東西新聞社の持ち株をすべてコドラムに譲るという商売度外視の徹底攻撃を仕掛け、その過程で雄山も陥れようと、コドラムを巻き込んで「雄山は陶器の偽物を作って売りさばいている」とテレビで放送して貶めようと図った。


しかし、雄山が陶器の台帳を保有していることに思い当たった山岡が、金上と戦うと覚悟を決めた極亜テレビの社員たちと協力して雄山の無実を明らかにする。

更に東西新聞社をはじめ、日本中の報道機関が金上包囲網を結成。

社長自らが捏造を謀る』という前代未聞の問題事案を起こした以上、極亜テレビはこのままでは放送免許を政府に取り消されかねないという存続に関わる事態に陥ってしまった。

コドラムも名誉毀損や誣告、金上の共犯として世界的に信用を喪失しかねない事態に陥り、金上に絶縁宣告。


この絶縁宣告とともに部屋から叩き出されて、金上は物語から姿を消した

その後の金上の末路は描かれていないが、同業者全てや恐怖支配していた社員にも反抗され、孤立無援となった金上にはもはや何もできないと思われる。

なお、コドラムは山岡の仲介を受け、雄山に陳謝の上で東西新聞社の株式を手放して買収を取下げ、東西新聞社は完全に金上と縁切りに成功したのであった。


余談

原作者の雁屋哲曰く元々、金上は『士郎と雄山が協力して打倒する事で和解へ至らせる為の強敵』という立ち位置で登場させたキャラであり、山岡夫妻結婚後の山岡夫妻と作者・作画者対談(47巻収録)で大々的に登場予告されていた。


低俗路線と言われながらも極亜テレビを業界でも上位の存在に押し上げるなど、経営者としては侮れない能力の持ち主である。

能にミュージカル要素を取り入れるという意見は、発言こそTPOを読んでいなかったがスーパー歌舞伎などが一定の人気を獲得している現状においては一つの見解だったとも言える。

美食家としても、滅多に褒めない雄山が「これほど見事に料理人を使える者は滅多にいない」と評するなど、凡人と一線を画した水準の持ち主であったことが窺える。


しかし、途中で方針が変更になったのか、劇中では士郎、雄山に共闘戦線こそ張らせたものの、料理人・美食家としての手腕よりも、策略家としての狡猾さや金の力で親子を追い込もうとするタイプの敵となっていった。

料理人としても雄山に論破され、味覚対決では山岡とゆう子に敗北するなど、彼らと比べて格下であることは否めなかった。山岡とゆう子に対する唯一の白星も「馴染みの店であった事で気を緩めていた(つまり全力を出していない状態だった)が故に見せた山岡夫妻の失態の揚げ足を取った」というのが実情であり、正面から料理・味覚対決を挑んで勝ったというわけではなかった。


経営手法も、他人を脅すなど汚い手段を用いることがあまりにも多く、まともな財界人からは登場時から警戒されており作中で更に敵は増えて行く一方であった。

金や脅しなどで一時的に他人を抱き込むことはできても最後は軒並みその醜悪な人間性に愛想をつかされる始末で、増え続ける一方の敵をどうにかするだけの力は全くなかった。


難敵』でこそあるが決して『強敵』という程の力量があったとはいえず、結局は2人の引き立て役程度にしかならなかったのが実情である。

この点、ボンボン2世として甘やかされたであろうこと、確かに能力自体は優秀だったために自惚れが過ぎてしまった可能性も考えられる。その点では、挫折や出奔により当初より厳しい環境に身を置かざるを得なかった士郎とは対照的な人物である。


更には、編集部の意向で親子の和解も歩み寄りと思われるシーンこそ見られ、少しだけ進展したものの、完全な和解は先送りされる事となり、その結果、最後は士郎達に倒されるというよりは、半ば自滅同然に物語から退場していった、ある意味不運なキャラでもある。


なお、金上のキャラクターを発案した当時の担当編集者は、キャラクターを上手く活かしきれなかった責任を負わされ、担当を外されたという。

後に作者の雁屋氏自身も酷い差別主義に陥り、その結果業界を追われる羽目になったのは皮肉としか言いようがない。


読者の間では士郎に対する雄山のポジションのラスボスとして期待されていたが結局登場しなかった父についても、13巻「激闘鯨合戦」にて登場した反捕鯨団体の「会長」が登場しなかった点(作中来日してやり込められたのは副会長である)と絡めて、未だ見ぬ真のラスボスであると現在に至るまでネタにされている。


関連項目

美味しんぼ 小悪党 偏向報道 かませ ブラック上司


フジテレビ…金上が社長を務めた極亜テレビのモデル。ただし原作者の偏見も多少なりともあると言われる。また、金上が初登場した当時(1990年代前半)、お家騒動が勃発していた(フジテレビではグループをまとめ上げた事実上の創業家(鹿内家)にて後継者の早世やその義弟の経営手法に反旗を翻した社員側によるクーデターが発生した、正確には極亜テレビのような外部からの乗っ取りではない)。なお、皮肉にも後年上述した人物により本当に乗っ取られかけた

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