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甲標的とは、旧日本海軍の開発した超小型潜水艦

特殊潜航艇とも言う。


解説

標的と付くとは奇妙な名前だが、これは欺瞞工作によるものである。


最初の甲型は2人乗り、魚雷2本装備。これくらい小さいと潜水艇と言った方がいいかもしれない。

が、一方で同じ目的で作られたドイツやイタリア、またイギリスの小型潜水艇に比べるとはるかに大きく、改良型(蛟龍)ではエンジンも積んだため外洋型潜水艦の装備を一通り備えてもいた。

これは欧州では地中海やドーバー海峡といった限定された海域での戦闘を前提としていたが、日本では広大な太平洋が想定される戦場だったため。


真珠湾攻撃や、オーストラリアマダガスカルの泊地攻撃に用いられた。真珠湾攻撃においては出撃した5隻全てが帰還せず、未帰還となった海軍大尉(戦死後に海軍中佐)岩佐直治ら以下の9名が「特別攻撃隊の偉勳」として軍神(九軍神)とされた。(なお生存者の酒巻和男少尉は捕虜となったのだが、大本営発表ではこの事実は伏せられた)。


このように、運動性が低く視野も狭いための中に入っていくようなことは得意とせず、本来は母艦(千歳型)に積まれて敵艦隊の通りそうな海域にばらまかれて攻撃する、いわば有人機動機雷とも言うべき兵器だった。

ただし末期の回天などとは異なり、母艦に回収されることが前提である。


※:2人×5隻で10軍神となるべきところ、うち1人が生き残って捕虜になっていることがわかったため。


マダガスカルで英戦艦ラミリーズを大破させるという戦果を挙げており、軍からの評価は悪くなかったようで改良が続けられ、最終型の丁型は蛟龍の名で知られる。

またそれとは別に民間側からの提案で独自に研究されていた世界初の可動翼付潜水艇海龍というものもあった。


しかし本来はそこまで夢のような兵器という訳でも無く、微妙な部分も多い兵器である。

何故なら通常の艦艇に比べて小さいが故に敵との距離などを測る機器をロクに積めず、ただでさえ命中率の悪い魚雷を目測で距離と速度を測り、暗算と勘で補正を行わなければならない

しかも、これまた小さいが故に魚雷発射の反動で大きく揺れてしまい、まともに狙った方向に発射する事が難しいという有様。


真珠湾攻撃に参加したうちの1隻が終戦後米軍によって引き上げられた後日本に返還され、現在は江田島の旧海軍学校(現:海上自衛隊第一術科学校)にて、現存する唯一の甲標的として保存されている。


ゲームにおいて

戦争もののゲームでは甲標的も登場することがある。


大抵は史実に意図的に似せたのか何なのか、「当たればデカいが命中率も射程も微妙で、2発しか打てないので取り回しも悪い」という、微妙な性能に収まっている。

耐久力もかなり低く設定されるのが常で、狙われたらまず帰投できない。


艦隊これくしょん』における甲標的

DMM.comのオンラインSLG『艦隊これくしょん』にも、艦娘の装備品として登場しているが、その性能は史実とはまるで別物である


マジカル北上さん

電池駆動タイプの『甲標的 甲型』、ディーゼル発電タイプの『甲標的 丙型』、及び大型タイプの『甲標的 丁型改(蛟龍改)』と、試作機としての性質が強かった乙型を除く3タイプが実装されている。

特に甲型は、性能は【雷装+12】と通常プレイで手に入る上位雷装『61cm五連装(酸素)魚雷』と同値でありながら、千歳型がLv12で甲標的母艦に改造した際に2つ入手可能と、入手へのハードル自体は割と低め。

丙型や丁型はランカー報酬や期間限定海域突破報酬、任務達成報酬など入手できるタイミングが限られているものの、それだけに甲型を上回る雷装値を有している(ただし丁型に関しては装備する艦娘によって雷装値が左右される上、装備によって火力や回避が低下する事もある)。

しかし装備可能なのは水上機母艦娘、重雷装巡洋艦娘(雷巡)、潜水艦娘阿武隈改二由良改二夕張改二特のみと、装備できる艦娘は限られており、加えてこれだけを装備していても夜戦で魚雷攻撃に関与した特殊攻撃が発生しない。よって「主砲+甲標的」や「魚雷+甲標的」では、カットイン攻撃が発生しない。

ただ逆にいえば、「主砲×2」や「主砲+副砲」による夜戦連撃の発生を邪魔しないため、夜戦で安定した高火力が狙える。なお、「副砲×2」での連撃ももちろん可能だが、こちらはそもそも1つまでなら魚雷の装備が許容される組み合わせである。


しかし最大の特徴は、通常攻撃(砲撃戦)フェイズに移る前に先制攻撃を行えること。

この魚雷による先制攻撃は艦載機と違い迎撃を行うシステムが存在せず、故に甲標的が消耗されることはなく、帰還率は史実に対して驚愕の100%を誇る。……というよりは、扱いとしては「艦娘の戦闘能力を変化させる補助装備」であり、そもそも史実の甲標的と運用法が全く違っている。

魚雷の命中率も、甲標的を運用する母艦の命中率に従うのだが、通常の潜水艦も先制雷撃に参加できるため、その兼ね合いからか下方修正などは行われず、母艦の雷撃能力(砲撃戦フェイズ後の雷撃フェイズと)同等の命中性能を維持している。

更に威力も母艦の雷撃性能に依存するので、(回天の代わりなのか史実と違い搭載可能な)雷巡に搭載することで驚異的な戦闘力を発揮する。そもそも史実での重雷装巡洋艦は遠距離からの雷撃をコンセプトとしていたため、それを実現しつつ装備に制限を加えるという目的で選ばれたのだろう。

ただし、命中率は艦娘のコンディションに左右されやすく、疲労や損傷の度合いで容易に逸れてしまう。また早期に雷巡に改造可能な大井北上も、低レベル時の先制雷撃の命中率や威力自体は芳しくないため、真価を発揮させるには改二まで育て切る必要がある。


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