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国民突撃銃

ふぉるくすしゅとぅむげーべる

第二次世界大戦末期にドイツで製造された簡易的な小銃。
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国民突撃銃(Volkssturmgewehr)は、第二次世界大戦末期にドイツで製造された非常に簡素な作りの小銃。

国民突撃隊の発足とともに、彼らに携帯させる武器として充分な量が製造できるようかなり簡略化されている。

概要

1944年、ドイツの旗色が随分と悪くなった時期に製造が計画された一連の小銃である。

いずれも、当時ドイツ軍で使用されていた小銃・機関銃向けの7.92×57mm弾か、突撃銃向けの7.92×33mm弾を使用するごく簡素なもので、多くが銃としては最低限の機能のボルトアクション式であった。


VG-1

ワルサー製 一見G43のスポーターモデルといった感だが、共通なのはマガジンくらいで、恐ろしく素っ気ない造りのボルトアクション式の機関部が載っている。

どれくらい質素かと言えば、横から見ると三八式のようなダストカバーがあるのかと思いきやタダの溝がついた太い丸棒が機関部だったとか、横から丸棒を捩込んであるのがボルトハンドルとかそんな具合。

VG-2

VG-1と似た感じ。スプリーベルク社製。

VG-3/VG-4

どちらも資料が散逸したため詳細が不明らしい。

VG-5/VK98

シュタイヤー・マンリッヒャー製。

一見すると、マウザーの機関部が載っている結構良さげなスポーターモデルといった具合であるが、マガジンが無いので一発づつチャンバーに込めて撃つことになる。


各モデルに共通する点であるが、照準器は固定式であった。

また、射撃の際に支える部位のみが作られた木製ストックも仕上げが最低限で、現存するものは「大きなコルク銃」とでも言えそうな簡素な仕上がりである。

Gew98が上等な無垢材、Kar98kがラミネートストック(※)だったことを考えれば随分と哀しくなるが…

  • (※):木材を非常に薄く削って、木目の縦横を変えて張り合わせたもの。かなり凝った造りであるが、乏しい材料で品質が高く安定して製造できる。身も蓋もない言い方をすれば物凄く出来がいい合板である。

VG-45

実際のところVG-1~VG-5まで各種あったのだが、創作作品での一番人気はグストロフ社のVG-45であろう。

この銃、VG1-5やらMP507やらいろいろな名前がある。

弾薬はStG44と同じ7.92×33mm弾で、StG44の30連発弾倉が使えた。

セミオート式で作動方式はガス遅延ブローバックである。

これは、ボルトを閉鎖状態で完全に固定する機構がなく、ガスピストン式と同様に銃身から発射ガス(の一部)を導くガスポートと、ボルトに繋がったピストンはあるが、ガスポート、シリンダ、ピストンは発射ガスの圧力はボルトを閉じる向きに作用させる構造と言うかわったもの。

銃身に弾ある間はガス圧でボルトの後退を遅らせて、銃身から飛び出るとシリンダの圧力が下がり、ボルトを閉じる力が弱まると、あとは流れで… では無くて反動でボルトが開き排莢→次弾装填というプロセスで作動する。


文字に起こすとかなり煩雑な構造に思えるが、ワルサーPPのようなストレートブローバックの銃にガスピストンを追加しただけのような仕組みで、ボルトアクションや多くの自動小銃に採用されたターンロック(回転閉鎖)のロッキングラグ(爪)などと違って高品質な材料と面倒な加工が必要な部品が不要となる。


原則として半自動式であったが、フルオート射撃が可能なセレクティブ・ファイアモデルも出来ていたらしい。

関連項目

第二次世界大戦

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