三題噺 小説 用途不明 倉庫

絶対先にイラストで投稿した『羽風薫と魔法のキス』を読んでください！ 漫画内で登校中の守沢千秋に起きたハプニングのお話です。たった1コマのシーンですが、お気に入りなのでそれに遭遇したモブの話を書きました。漫画と違いギャグ要素は無いですが、書きながら学校嫌いの過去を思い出せて楽しかったです。

3話目です。そろそろガハマさん登場させます………たぶん。 2話が2015年9月20日に男子に人気ランキング51位にランクインしました。ありがとうございました！ ちょっと多かったんで分割しました。つぎ残り上げます。 2015/11/28　誰が喋っているのかわかりにくいとのコメントがあったんで書き足しました。

続きです。

書いたのが７月末ですっかり忘れてた作品… ただブライアンと指切りさせたかったのと、ティッシュ箱で殴られたかったと言う若干のMか？って話。 中身は健全です、はい。 そしてキャプションは安定の出遅れた十五夜のお話です。 ＊ 「そう言えば先週だっけ？お月見….」 トレーナーがいきなり外を見ながらポツリと言った 「………らしいな」 「ブライアンはお月見したの？」 「……そもそも月見って何するんだ？」 「……….え？某大手ハンバーガーチェーンのお月見バーガー食べて、団子食べて………ケーキ食べて、かぼちゃ食べる？」 素朴な疑問をトレーナーにぶつけると、とんでもない回答が真顔で帰ってきた。 「ははっ！アンタそれ食ってばかりだな」 「えっ？！あ……あと、月見る？」 慌てて月を見るなんて言ったがあからさまに焦って食べること以外も！と言わんばかりの反応をした。 「それとトレーナー、ケーキはクリスマスでかぼちゃは冬至に…じゃないのか？」 「…………っ、恥ずかしい…今食べたいものまでも言ってしまった…….忘れてください」 「フッそんな簡単に忘れてやるか」 「ブライアン〜〜っ！バナナ買ってあげるから」 「いらん、姉貴と一緒にしないでくれ」 「あ！そういえば、ハヤヒデはまだお月見の時にバナナ食べてるの？」 バンッ！！！ 「よくぞ聞いてくれた！トレーナー君！ブライアン！！」 「「っ？！？！」」 バナナ、ハヤヒデのキーワード2つを使うとまるで召喚できちゃうレベルだな、まさかすぐに姉貴が現れるとは…… 「勿論だとも！お月見しながらバナナを食べる！これ程風流なものはないだろう」 「そうか？」 「ブライアン、お前はバナナの良さを理解してないようだな、バナナには…」 「わかった、もういい」 慌てて姉貴のバナナに関しての演説を止める、こんなの聞き出したら2時間は潰れてしまう。 「実はな、今年のお月見は同室の後輩のオペラオーくん達とも楽しんだんだよ、本当に賑やかでな….」 「そうか、楽しそうで何よりだ」 「あの…まさかオペラオー達にもバナナオススメしたの？」 恐る恐る聞くトレーナー 「勿論だとも！お月見の日のためにはしごしてまで買ったバナナの数は本数にして800本！！菊花賞で買った時に頂いた賞金、そしてその他のレースでも稼いで貯めたお金をバナナにしたんだ！こんなに至福なひとときはそう簡単にないだろう！！」 気のせいだろうか、姉貴の後ろには同室の後輩のオペラオー並みの輝かしい光が神々しか見えるのは………と言うか姉貴、あの後輩の影響モロに受けてないか？ どことなく両手を大きく広げてドヤ顔でバナナについて語るその姿はまるで覇王………あっちは世紀末覇王かもしれないが、これはバナナ覇王だな……… 「で？その800本はどうしたんだ？」 「ブライアン…そんなの聞くの野暮じゃない？？」 小声で私に言ってくるトレーナー。 確かにそうだが、容赦ない本数がどう消えていったのか気になった。 「それならお月見の日になくなったぞ？もしかして、ブライアンも食べたかったのか？」 「……はぁ…なわけないだろ」 「1人で……食べたの？」 「トレーナー君、さすがに私だけでは無理だ、オペラオーくん、アヤベくん、ドトウくん、トプロくんもだ」 ………随分と大所帯でバナナ食い散らかしたもんだ。 「なかなかあんな賑やかな機会はないから新鮮で楽しかったぞ」 「そうか」 「だがな………その後が大変だったんだ」 「何かあったの？」 心配そうに聞くトレーナーに、姉貴はうん、と頷いた 「ゴミ袋が足りなくなったんだ……」 「は？」 「……………えっと………？」 「一気に食べたのは良いがゴミ袋が計算違いで足りなくて一時的にゴミ袋用意する間部屋に山のように皮を置いてたら、何故かドトウ君が皮で滑って転んで……バナナの川の山が崩壊したんだから」 「………………….そうか」 呆れて絶句するトレーナーと、やっとの思いで一言だけ言う私。 「そうしたら他の子も滑り出してね、なかなか片付かない上に部屋の中はバナナ臭くなるし、何だか大変だったよ」 そもそもどうして、バナナの皮の山に突っ込むか不明だけど…ドトウなら何でもありなのか？ 「さらにオペラオー君が紙吹雪ならぬ、バナナの皮吹雪と言ってたくさん皮を持って上に放り投げて遊ぶし………」 「オペラオーならやりそうだな……と、取り敢えず姉貴大変だったんだな……」 「ああ、思わずお前にも来てもらおうかと思ったがやめておいたんだ」 「………………っ」 姉貴に呼ばれなくて心底良かったと思ったのはこの時が初めてだろう。 今でもバナナの匂いが部屋中して、バナナの部屋と呼ばれてるんだ、と笑顔で言う姉貴は本当に嬉しそうで幸せそうに見えた。 ………私なら無理だなぁ …………ああ、私もだ