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ドワイト・グリーンヒル

どわいとぐりーんひる

原作小説『銀河英雄伝説』のに登場する、自由惑星同盟側の軍事キャラクター。自由惑星同盟軍総参謀長の肩書を持ち、フレデリカ・グリーンヒルの父でもある。
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「あの娘は分かってはくれんかな・・・・・・母さん」

声優:政宗一成

概要

 原作小説『銀河英雄伝説』に登場する、自由惑星同盟側の軍事キャラクター。本編登場時から階級は大将であり、自由惑星同盟軍総参謀長の肩書を持つ。宇宙艦隊司令長官ラザール・ロボス元帥とは、ヴァンフリート星域会戦から帝国領侵攻作戦までの間でコンビを組む。

 フレデリカ・グリーンヒルの父親であり、妻は他界している。容姿からして英国紳士風の存在感を放ち、派手さは無いが良識的かつ紳士的な態度を取ることから、ヤン・ウェンリーからも尊敬されている(ヤンに関しては、かつてフレデリカが惑星エル・ファシルで救われたことから私人としても懇意であった)。

 後にラインハルト・フォン・ローエングラムの策謀によって、クーデターの首謀者となり自由惑星同盟を震撼させる事となる。

略歴

第4艦隊司令官(中将)→宇宙艦隊総参謀長(大将)→査閲部長(大将)

人物

 同盟軍の重鎮であり、軍内部きっての良識派・紳士として知られ、前述の様に宇宙艦隊総参謀長に加え統合作戦本部次長も兼務し、当時の統合作戦本部長であるシドニー・シトレ元帥の片腕として支えている。このまま何事も無ければ、いずれは同盟軍のトップ(=統合作戦本部長)になるであろうと目されていた。

 紳士的な人物である一方で、第4艦隊司令官として第5次イゼルローン要塞攻防戦に参加した時には、猛将の印象を与えることもあった。物静かでしゃべる時も常に冷静に、落ち着いた様子で話していることから、あまり取り乱したような印象はない。

 ヤンの理解者でもあり、娘のフレデリカがヤンの副官となって以降、何かと「娘はどうしているかね」と尋ねている父親みのある人物。時折、少し強引ではあるものの、娘とヤンとユリアン・ミンツを含めて食事に誘う事もあった。

 良識的である一方、政治家と軍人が自己利益のために派閥を作るなど、腐敗しきった政府と軍部の内情を目の当たりにもしていることから、このままでは同盟は滅びてしまうのではないか、と民主国家の軍人でありながらも複雑な心境を抱いていた。

 また後輩に対しても何かと面倒を見ているようで、かのアーサー・リンチ少将のエル・ファシルでの失態に対して「正当な評価とは思わない」と名誉挽回のチャンスを作ろうとしていた。

 が、元が良識的な紳士である事から、心の曲がった人間の内心を読みかねてしまう。リンチ曰く「人を見る目がない」とのこと。

 総じて言えば、真面目で人当たりは良いが、主体性がなく周囲の状況に流されてしまうタイプの人間である。


経歴

第5次イゼルローン要塞攻防戦

 第4艦隊司令官として、第5艦隊司令官アレクサンドル・ビュコック等と共に参加。この時、作戦参謀チームの1人であったヤンが作戦発表したことに対して、「これは君が発案した作戦かね?」と質問していたりする。平行追撃戦で猛将の様に「尻尾に食らい付くんだ!」と指示している。


ヴァンフリート星域会戦

 この時は既に同盟軍総参謀長の任に就き、ロボス元帥と共に戦場に参加していた。通信環境の悪さと障害物の多い星域にあって、この戦いは同盟軍と帝国軍の双方にとって有益とは言い難い、時間と労力と人的資源・物的資源を消耗しただけのグダグダな戦闘となった。

 同盟軍補給基地ヴァフリート4=2の危機をきっかけに、さらなる混戦状態を招いて収拾がつかなくなる。結局、同盟軍は補給基地の機能を奪われて敗北という形で戦闘は終了した。


第6次イゼルローン要塞攻防戦

 ロボス元帥と共に参戦。この時、ヤンに対ラインハルト分艦隊の対応を任せている。またこの後もヤンの進言を度々取り入れてロボスに上申するなど、参謀長として貢献を果たす。時には冷静にロボスに注意を促しているなど、参謀らしく補佐している。

 しかし、長時間の戦闘による損耗率から撤退意見が濃厚になりつつあった中で、ラインハルトが同盟軍の後方を遮断すると見せかける行動を起こした。に対してヤンが作戦提案を行い、グリーンヒルもそれを受けて提案するが、にべもなく却下されてしまう。結局、ラインハルトの策略通りに動かされ、同盟軍はトールハンマーで致命的なダメージを被り敗退する。

 この時、グリーンヒルはヤンを評価していたものの、終盤で自身の役割は無くなった、と勝手に思い込み行儀の悪い姿勢を取っていた姿を見たことから、怒鳴ったりしなかったものの買い被りであったと後悔し、ヤンに対する評価を落としている。その後の再評価まで1年以上は掛っている。


帝国領侵攻作戦、アムリッツァ星域会戦

 ヤン艦隊によるイゼルローン要塞攻略が成功し、大戦果に沸いた同盟軍は更に帝国領への出兵を決定。グリーンヒルは総参謀長としてイゼルローンに駐留する事になる。

 しかし、この作戦はそもそも部下の一人である参謀のアンドリュー・フォーク准将がヤンへの対抗心と個人的な出世欲によって立案した上、不正なルートでシトレからの許可も得ずに無理矢理評議会に通したというシロモノであり、作戦内容自体も「同盟軍の空前の大艦隊が長蛇の列を成して敵地の奥深くに『大』攻勢をかけ、高度の柔軟性を維持しつつ臨機応変に対処し、自由惑星同盟の正義の旗を掲げることで勝利し、銀河帝国250億の民衆を解放し救済する」という意味不明で戦略目的が一切無いどころか、フォーク自身のエゴを満たすためだけの誇大妄想の塊という作戦の体を成してすらいない稚拙極まりないものだった。

 作戦会議ではヤンやウランフ、ビュコック達がフォークに異議を唱えるものの、グリーンヒルは真面目過ぎたことと前途の見識の乏しさから「敵も失敗することもある」とフォークを擁護する側に回ってしまい、フォークを余計に増長させてしまう。

 その結果、作戦司令部では遠征軍司令官のロボスが無気力であるのを良いことに副官となったフォークが実権を握り、グリーンヒルをも差し置いて好き勝手にルールを決めたり前線に無理難題を押し付けたりと暴走するようになる。グリーンヒルは本来、参謀長としてフォークをフォローしなければならなかったのだが、ここでも真面目な性分からかフォークを止めようとはせず静観するばかりだった。

 やがて、前線では敵軍が焦土作戦を行っていることが分かり撤退をするべきとロボスに進言しようとしたビュコックがフォークに邪魔され、言い争う内にヒステリーで倒れたフォークに代わってグリーンヒルが出たものの、ここでも真面目過ぎるのが災いして昼寝をしていたロボスからの「敵襲以外は起こすな」という命令を馬鹿正直に従ったために、全軍撤退の機を逸してしまう。

 その後はようやく起きだしたロボスにグリーンヒルは撤退を進言するものの、負けを認められないロボスには聞き入れられずに無謀なアムリッツァ星域での会戦が行われてしまう。

 結果は統合作戦本部長・シドニー・シトレ元帥が危惧したように同盟軍の大敗に終わり、シトレと宇宙艦隊司令長官・ロボス元帥は更迭後、退役、グリーンヒルも責任を取らされる形で査閲部長へと降格されてしまう。


 ……実際の所、このアムリッツァ会戦での行いは「真面目すぎる」の一言で擁護するにはあまりにも大きな失態であり、総参謀長としての職務放棄としか言いようがない。

 「比較的有能と言える彼ですらこの体たらく」と言うところに同盟軍が末期状態であったとも言えるか。


救国軍事会議のクーデター


「フレデリカに許しを請おうとは思わない、政治の腐敗は誰かが正さなければならん。

 その意味で我々は間違った事はしていない。

だが若い連中は性急でな…もし私が立たねば、だれが彼らを押さえられるだろうか。

こうするより他に手段が無かった…こうするよりな………あの子は判ってはくれんかな、母さん」


 トリューニヒトをはじめとした腐敗政治家たちに国を壟断される事を憂いた過激派の軍人達と共に決起し、『救国軍事会議』の議長として政府に反旗を翻した。

 しかしクーデターに参加した者達が危険思想の持ち主他の陣営の内通者、またグリーンヒル自身を貶めようと企む者など獅子身中の虫が数多含まれていたこともあり、クーデターは失敗。第11艦隊や市民側に数多くの死者を出し、挙句首都星の防衛衛星であるアルテミスの首飾りをも潰されるなど、同盟そのものに癒えぬ傷を重ねてしまう結果となった。


 その最中にリンチが自分の本性を暴露し、撃ち合いの末に射殺されてしまう。その後、政官界から軍上層部にいたるまでトリューニヒト派の人物によって牛耳られることとなり、同盟の弱体化に歯止めがかからない結果となってしまった。


藤崎版における動向

 基本的には原作通りではあるが、各部描写に補足がなされている。

 第6次イゼルローン要塞攻防戦においてはフレデリカにせがまれたが故ではあるが、ヤンにサインを要求する一幕がある他、上述の件に関してはラインハルト艦隊の攻撃でキャボット、ワーツ両少将の艦隊が壊滅させられた後にこれに対する対応策をヤンに一任している。また、この際にヤンからは「なぜ私に?」と返されておりこれに対して「わたしはきみにはどこか才能のきらめきを感じるんだ」と評している。そして、作戦案を提出された際にヤンから「僭越ではありますが、兵力を出し惜しみして大魚を逃すことのないようよろしくお願いします」と返された。しかし、このヤンの作戦案に割く人員をロボスが勝手に削減したため、ラインハルト艦隊を完全に撃滅出来なかった。この事に複雑な感情を抱くような表情でヤンを見守っていた。

 また、第四次ティアマト会戦の際にこれまでの戦闘の結果から敵の戦術に変化が表れていることを看過しており、同時に「ヤンの知略をもっと有効に活用するべきではないか?」と評しており、原作以上にヤンを評価していると思しき描写がある。

 帝国領侵攻作戦前の作戦会議においてはヤンがローエングラム伯に対する懸念を示した際の返しが「ヤン中将はローエングラム伯を高く評価しているのだったな」となっており原作と異なりフォークを擁護する側に回っていなかった(もっとも、当のフォークはこの懸念を恥と評したが)。

 なお、帝国軍の全面攻勢が始まる直前の段階(ロボスが昼寝に入る前)で現場の判断として明確に即時撤退を進言するも「政府はそれを望んでいない。軍事が政治の一部である以上はそれに従うものだ」とにべもなく却下されていた。そしてそれはアムリッツァ星域会戦直前も同様であり、この際に現状の体制に不満を抱いている描写が入っていた。

 そして救国軍事会議のクーデターでは、首都星の戦い(原作でのドーリア星域会戦に相当)ではヤン艦隊を迎撃するのに敢えて艦隊を分割して各個撃破を誘いつつ、アルテミスの首飾りと艦隊を用いて包囲殲滅するという作戦を立てており、これはヤンに見抜かれたものの良策だと評されていた。また、原作などとは異なり、クーデター側の負けが明確になった際に、ヤンとの通信越しでの対話が行われている。この際にヤンから帝国の謀略だと告げられ当初は否定するも、計画を提案した帰還兵がいるはずだと聞けば、思い当たる人物がいた。

 で、それに際しリンチと再会した時の様子も描写されており、リンチから「このままでは同盟は帝国に滅ぼされてしまうが、それを阻止する方法がある」と言われ、それに興味を持ち、「この国にクーデターを起こすのです」と言ったことが描かれていた。そして、当人が帝国の陰謀であることを暴露(この際にオーベルシュタインの映像を通信越しのヤン一党の面々に対しても含めて見せていた)し直後に通信を一度切断。己の正しさを信じる人間に恥をかかせたかったと嘯いたリンチに激昂、即座に射殺しようとする。なお、この際の最期は自身だけが返り討ちにされるのではなく、お互いに眉間を撃ち合っての相打ちという形になっていた


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銀河英雄伝説 自由惑星同盟 フレデリカ・グリーンヒル ヤン・ウェンリー

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