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デウスマスト

でうすますと

デウスマストとは、『魔法つかいプリキュア!』に登場する敵キャラクターである。
目次 [非表示]

「命溢れるこの地が……」

「混沌に染まりし時……」

「秩序を無に帰す力が……」

「飲まれる…… 我、終わりなき混沌に……」

CV:井上喜久子杉山紀彰速水奨龍田直樹

(※自らの意思を表明する際は、自身の分身である眷族たちの口を借りて話す)


概要

天の彼方より永劫の渇きとともにこの地に降り立つ終わりなき混沌」と称される根源的災厄。

第22話から登場した魔人ラブーが仕える「あるじ」であり、第27話で初めてその名前が明かされ、その時点で「もうすぐ降臨する」と言われている。

デウスマストが降臨すれば大地も命も全ては混沌に飲み込まれるとされている。


デウスマストには眷属たる魔人たちがいるのだが、彼らははるか太古に何者かによってナシマホウ界に封じられていた。しかし、ある原因によって次々と目覚めつつある。

デウスマストとその眷属はまとめて終わりなき混沌と呼称されることが多いようだが、狭義では「終わりなき混沌」とはデウスマストのみを指す忌み名である。


第43話において明かされた所によれば、魔法界ナシマホウ界がまだ1つであった忘れされられた時代に多くの眷族たちを率いて侵攻して来たことがあるらしい。

その時はマザー・ラパーパの必死の活躍により虹の彼方へと放逐され、眷属たちも封印されてしまったのだが、現代になってある原因によってデウスマストが活性化し、地球への再侵攻をはかるべく封印から少しずつ抜け出しているのである。


デウスマストに対抗する者達

デウスマストという名前は上述のように第27話で初めて明らかになったが、若いころの校長や闇の魔法に蝕まれる前のクシィはいくつかの古文書に「世界を破壊する災厄がいつかやってくる」という予言が存在することを知り、これを来たるべき危機と呼称し、長い時をかけて対抗手段を練っていた。

校長が望みをかけたのはエメラルドのリンクルストーンであり、校長がプリキュアをバックアップし続けたのも彼女たちの行動がエメラルドの目覚めにつながると考えていたからである(ただし、校長はエメラルドを探してくれとプリキュアに頼むことはせず、あくまで彼女達の自由意志に任せていた)。

第22話でラブーが目覚めたと同時に魔法の水晶は「地に降り立ちし災いは、世界を破壊と混沌に導く」と不穏な予言を発したことで、古文書で警鐘されていた終末までのカウントダウンがついに始まったことが明らかになる。


ちなみに当のプリキュア達は、デウスマストから世界を救うという大きな使命感はほとんど持っていない。ただ、眷属たちがプリキュアたちを「目障りな奴」と勝手に認定して襲ってくるので、火の粉を払う目的で眷属達と戦っているだけである。

ただ、彼女たちは自分たちが楽しんで過ごしている日常は、目に見えていないもっと大きな繋がりの一部に過ぎないという視点もちゃんと持っている。

自分と直接関係ないどこかの誰かの大切な日常が破壊され、その連鎖が拡大すればいつかは自分達の日常も破壊される。プリキュアたちはその視点において「世界をめちゃくちゃになんてさせない」という強い意思は持っている。


一方、校長の相棒だったクシィはなかなか見つからないエメラルドにこだわり続ける校長と袂を分かち、それに匹敵する強力な力を求めるようになった。彼はついに太古に禁じられた混沌の力「ムホー」の存在を知り、それを制御すべく研究を続けていたが、実験の失敗でムホーの力に飲み込まれて命を落としてしまった。この時にクシィが研究成果を記していた魔導書にデウスマストの秘密が隠されていることが第41話で示唆されている。


また、ドクロクシー率いる闇の魔法つかい一派が世界を闇に同化しようとしていたのも、世界の全てを強制的に一つの意思と力で統合することでデウスマストに立ち向かえると考えてのことであった。もっとも、ドクロクシー以外の全ての者にとっては混沌に飲み込まれるか闇に飲み込まれるかの違いにすぎないのだが。


デウスマストの影響力

魔法界ではデウスマスト接近による影響で、お日様はサンサンと輝いているのにまるで曇りが続いているかのように作物の育ちが悪いという不気味な現象が報告されている。一方、ナシマホウ界では上述したように封じられていた眷属たちが順番に復活してきており、接近の影響は両世界に現れている。

デウスマストが魔法界とナシマホウ界のどちらの世界に降臨することになっているのかははっきりしない。ここは大きな謎の一つだったが、作中のエピソードが進む中で、デウスマストの眷属はそもそも魔法界とナシマホウ界を別の世界とは認識していないことがわかってきた。


第40話で二つの世界が繋がり始めている兆候が報告され、第10話で「世界の行き来にはカタツムリニア急行で数時間、鈍行なら車中泊が必要」と描写されていた両世界の距離が縮んだ結果、第41話では何とわずか数分の乗車で済むようになっている。以降のみらい達はこの状況を利用して、ナシマホウ界の授業が終わった後に魔法学校に赴くという塾通い的な生活スタイルを送れるようになった(作中では「放課後留学」と呼んでいる)。

しかし41話にて、この異常現象をもってデウスマストの復活が近い」オルーバが呟いており、決して良い事ばかりではない事を窺わせている。


外見

どのような姿をしているかに関しては視聴者視点でも長いあいだ情報が隠匿されていた。

第40話で封印を解く為に消耗した力を取り戻しつつある(本調子に近づいて来た)シャーキンスがムホーの力で星々が持つ太古の記憶をプリキュアたちに見せた映像では、デウスマストは黒い不定形の雲のような姿で表されていた。この不定形の暗雲が宇宙を突き進む姿はちょうど彗星のようであり、デウスマストが傍を通過するだけで次々と惑星が破壊されていた。

この彗星が竜の顔にも見えるシルエットだったので、デウスマストは魔獣型なのではとこの時点では考えられていた。

一方、第43話では回想シーンとして太古の時代でのデウスマストとマザー・ラパーパとの戦いの様子が描かれたが、この時は一応は手足のある人型をしていた。ただ、闇をまとった影のような曖昧な姿でしか描かれていないため詳細はなんとも言えなかった。

第47話での太陽上で広がっていくシーンでは一瞬ながらサラマンダーのようなシルエットをしていた。


そして第47話で地上へ降臨した時に曝け出されたその姿は、混沌という概念を擬人化したような何とも形容し難い異形の巨人であった(後述する正体からなるほどと納得する姿である)。

確かに人型ではあるのだが全体に不気味なまだら模様が施された半スライム状の肉体をしており、

黒い渦から上半身のみが出ており、正面には眷属を取り込んだ魔法陣が展開されている。

体全体に刺青のような赤い線が走っており、それはドンヨクバールと同じく円と渦巻きの意匠となっている。

デウスマスト様

手は関節がないのか明らかに不自然な方向に曲がっていて、4本あることが確認できる。胴体上部には顔にあたる突起物があるものの目も鼻も口も耳もないのっぺら坊のような姿。ただしこの突起部分に巨大な穴を開けることができ、それが巨大な口を開けたようにも見える(言葉は喋らない)

体の周囲には4つの眼球が浮かんでおり、どうやらこれで外界を感知している様子。4つの眼球にはラブー・シャーキンス・ベニーギョ・オルーバの意識も内包されており、他者とのコミュニケーション手段を持たないデウスマストは彼ら4人の意識を乗っ取り、彼らを介して言葉を話す。

体長は地上に降臨した時の様子からすると最低でも100mはある。というか大きさ自体が自由に変化できるような感じがある。その為か、第48話ではさらに巨大化し、上半身だけでも地球以上の大きさにまで大きくなっている。


プリキュアシリーズのラスボスでクリーチャー的でグロテスクなデザインとなったのはデウスマストが初めてであるが、この異形の巨人の姿さえもデウスマストの姿の一つにすぎないようだ。

最終決戦ではプリキュアの攻撃で肉体がバラバラに砕かれた瞬間に、自分自身を新たに「誕生」させている。その姿は四つの眼玉があるドンヨクバールの素体に酷似したものであった。

どんよくば~~~る


能力

強大な混沌の力を内包しており、宇宙を漂うだけで星々を消滅させる事ができるだけではなく、混沌のエネルギーに変換して自身へと取り込むことでその力を行使する事ができる。

また、巨大な手で相手を叩き潰す事ができるほか、口からムホーの力を凝縮した破壊光線で相手を消滅させる。

その他、ムホーの力を使って時空の狭間へと移動し、相手の意表を突く形で襲撃するような描写もある。


正体と目的

第48話で遂にその正体が明かされる。

その正体は宇宙誕生以前の世界にあった混沌そのもの

宇宙が生まれた時に宇宙になり損ねた混沌の一部が「星々を飲み込む渦」となり、やがてそこに意思が宿ってデウスマストと呼ばれる存在が生まれた。


デウスマストはありとあらゆるものを自らの中に取り込み混ぜ合わせて「一つ」にする為だけに活動している。

「一つにする」という行為は人間的な善悪の価値観を超越したものだ。後述する「混沌の世界」がどこか心地よいものだったことがそれを如実に表している。

デウスマスト降臨の予言を残した古代人たちも、デウスマストのことを「悪」とはせず「災厄」と呼んだ(ただ、本作は「違いを受けいれて仲良くする」ことがテーマにされているため、仲良くする為に違いをなくしてしまうのは寂しいことではないかと子供達に問いかける構図になっている)。


ただひたすら次々と星を自身へと取り込んでいたデウスマストだが、ある時、宇宙に誕生した新たな力である“命”とそれを生み出す“大地”の存在に気付く。

それを全て混ぜ合わせて飲み込むことができれば、莫大なエネルギーを自分と「一つ」にすることができる。そして、それだけのエネルギーを使えば宇宙全てを「一つ」にすることも夢ではない。

そして生命溢れる星である地球を襲撃するが、マザー・ラパーパに逆に退けられ「虹の彼方」と呼ばれる場所に封印される。

虹とは日光が生み出す光の帯。ならば虹の彼方にあるのは太陽だ。デウスマストは太陽の内部に封印されていた*"のである。


なお、眷属たちはデウスマストが自らの力の一部を切り取って生み出した分身であり、眷属が封印されていたこともデウスマスト自身の復活の妨げになっていた。しかし第20〜21話のドクロクシーの暴走によって地上の封印が破られ眷属が復活したことで、デウスマスト本体も力を取り戻していった。

そして第22話から約半年をかけて太陽の封印から少しずつぬけ出していった。封印から体が少しずつ這い出てくるたびに地上にも影響が及ぼされ、魔法界とナシマホウ界も「一つ」にしようとする混沌の力によって次元的距離を縮めていった。


本編での展開

「飲まれよ…」「混沌に…」「混ざり合い…」「我の力に…一つとなれッ!」


第47話でついに封印から完全に脱したデウスマストは、太陽とも「一つ」となり地上へと降臨し、そのおぞましい姿を現し、眷族たちを自身へと吸収。

そして、地上のすべてを混沌に飲み込もうとするが、マザー・ラパーパの残されていた力がそれくいとめようとする。

その2つの力のせめぎ合いで生まれたのは、魔法界とナシマホウ界が実体を伴ったまま無理矢理に混ざり合った「混沌の世界」であった。

そこに住むものたちはこの世界のありように何ら疑問を感じず、誰もが当たり前に初めからそうだったと感じており、二世界のものが仲良く共存している。それは奇しくもマザー・ラパーパが望んだ世界と同じ。一見すると理想の世界。

だが、これは全てが混沌に飲まれて行く過程に過ぎない。マザー・ラパーパの力が弱まればこの世界はさらに混じり合い、自分と他人の区別もなくなり、最後にはデウスマストと同一化する。


2つの世界が完全に一つになる前にデウスマストを放逐できれば2つの世界は元に戻る。ただ、その反動で2つの世界は今度二度と行き来できないほどに遠くに離れる。

現在は2個のゴムボールを拳の中で無理矢理一つに丸めようとしている状態。完全にくっつく前に拳の力が抜ければボールは別々の方向に跳ねていくのと同じだ。

2つの世界の共存という今の状況に郷愁を感じながらも、それを壊すためにプリキュアたちは最終決戦へ向かうことになる。

一つとして同じものがない命の輝きを、その違いを素敵だと言える明日を守る為に。


「既に混沌と化した大地…」「そこに混ざりし生命、我が物にし…」「その力をもって貴様らを飲み込む…」


そして開始される最終決戦では、混沌の力であるムホーや自身が取り込んだ太陽などの力を行使し、大地の全てとそこに住まうものの肉体を混沌へ返してしまうが、全ての命が持つ一人一人の「思い」だけは取り込みことができず、その思いの力を糧にプリキュアはデウスマストを押し返す。

「混沌よ、あっちへ行きなさい!」


デウスマストは生命が持つ無限の力に驚愕しながら、最後は太陽魔法『プリキュア・エクストリーム・レインボー・サンサンジュエリーレ』を受けて光に飲まれながら遥か遠くへと追放され、宇宙の果てで爆発を起こして浄化された。


「我は…滅びぬッ!!」


デウスマストの爆発の後には1つの銀河が残された。原初の混沌がそうであったように、デウスマストも無数の星々を生み出す宇宙の一部となったのである。

デウスマストという存在自体はなくなったが、その因子は宇宙の秩序の一部として残されたと見ることもできる。それは「闇」や「悪」と呼ばれるものなのかもしれない。

しかし、この結末はラパーパの意思を継いだキュアフェリーチェが願ったもの。彼女はデウスマストに最後にこう囁いている。

「すべては混沌から生まれた…。ならば、あなたも飲み込むのではなく生み出す力を…」



こうして地上が混沌に飲み込まれる危機は去った。

しかし、事前に言われていたように2つの世界の次元的なつながりは絶たれてしまうことになり、プリキュア達はそれぞれがいるべき世界へと戻っていく。いつの日かまた再会できるようにと魔法をかけて。

そしてそれから数年後が、本作のエピローグとなる。


余談

イメージソースについて

宇宙誕生前から存在している「混沌そのもの」という設定、無定形の暗影たる肉体、自分が生み出した眷属を取り込まないと外界の感知と他者との対話ができない(盲目にして白痴)などのメタファーから、モデルとなったのはクトゥルフ神話における最凶最悪の存在とされる魔王・アザトースだと思われる。

名前の由来は「デウス(神=Deus)」と、マスト(Must)をラテン語に翻訳した「Malum(悪)」を掛け合わせているのだろうか。


歴代ラスボスで最も…

デウスマストは設定はかなり壮大で、作中でも「降臨するだけでその星は滅びる」と宇宙的恐怖を体現する邪神として扱われているが、プリキュアとのバトルではシリーズ史上最短で決着がついている。

プリキュアがデウスマストと実際に戦ったのは第49話のAパートのさらに前半。リアル時間では10分に満たない。そして戦況は終始プリキュア側が有利なままデウスマストを撃退している。

そんなわけで、いわゆるラスボス(笑)と扱われることも……

実際のところ、”従来のシリーズなら悪役に侵攻されてる異世界に相当する魔法界が割と無事”、”プリキュア側の装備が例年に比べて充実していた”、”マザー・ラパーパが混沌側の組織的な攻勢を封じられるほどに歴代の女王ポジに比べて強力な力の持ち主だった”、”終わりなき混沌側が節穴でプリキュア側を甘く見すぎてて苦戦らしい苦戦がほとんどなかった”、等々今作のパワーバランスは例年になくプリキュア側有利で物語が進んでいた。そしてデウスマストとの戦いの直前に「太陽の魔法陣」が完成したことでプリキュア側に勝利フラグが立っていたのである。なので、勝利が約束されていたデウスマスト戦は49話の前座に過ぎない。戦いの後にみらいとリコが離れ離れになる宿命をどう受け入れるかということこそがテーマになっている。

言ってしまえば、デウスマストは「みらいとリコが離れ離れになる宿命」を作り出すためのギミックであり、クトゥルフ神話的な盛り過ぎな過剰設定よりもそちらの方が一大事というギャップが本作ならではの作風と言えるだろう。

また、本作は2部構成であり、プリキュア達は第一部のボスであるドクロクシーとは大苦戦の末に勝利をギリギリで掴み取っている(さらに言えば戦いは2話にまたいでいる)。その時から成長した姿を見せるという対比もあるだろう。

身もふたもない事を言ってしまうと

「『戦闘よりもストーリー重視』という作風のしわ寄せを一手に引き受けることになってしまった」という評価が正しいだろう。


関連タグ

終わりなき混沌 魔法つかいプリキュア!


ラ=グース間抜作:宇宙誕生以前に存在していたもの繋がり

深遠なる闇:同じく宇宙誕生以前に存在しており、封印されていたことや眷属がいること、能力や目的なども似ている

ジニスグレートアイザー:同時期のニチアサ作品におけるラスボス。


処刑人(ドンブラザーズ):同じく作風のしわ寄せを一手に引き受けた結果、瞬殺されたラスボス。


プリキュアシリーズラスボス

ディスピア/クローズ→(闇の魔法つかい編)ヤモー/(終わりなき混沌編)デウスマスト→エリシオ

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