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概要

初出は「小学六年生」1983年3月号。てんとう虫コミックス第34巻に収録。


あらすじ

算数のテストを明日に控えて慌てるのび太に、ドラえもんは「頑張ってちょ〜だい。それだけ?」とつれない態度を取る。「ぼくがこんなに悩んでいるのに」とうろたえるのび太に、ドラえもんは強い口調でこう言い放った。


「悩んでる…? いや、悩んでなんかいないね。たんに甘ったれてるだけだ。

いっぺんでいいから本気で悩んでみろ!!

自分というものをしっかりみつめろ。悩んで悩んで悩んで悩みぬくのだ。

そうすれば…、そこに新しい道がひらけるだろう。」


のび太が諦めて机に向かうと、ママが来て電球が切れたから買ってくるように言う。そこでドラえもんは「能力カセット」のセットを出し、マラソン選手のカセットをのび太の体の中にはめこむ。このカセットを使うと、1時間の間マラソン選手並みの力を出すことができるのだ。


のび太が速く走って電球を買ってくると、ドラえもんはカセットを取り出して勉強するように言う。しかしのび太は、すでに他にも「数学者」をはじめとするさまざまなカセットがあるのを見逃さなかった。


「はじめからこれをかしてくれればいいのに、ケチ!

そんなものにたよらずに、勉強しろなんていうんだろうけど、ぼくは使うからね。」


それに対してドラえもんも、半ば諦めたように「使えば」と背を向けるのみだった。


カセットを使って宿題をすらすらと終らせたのび太は、翌日学校にカセットのセットを持っていき、そこでいろいろな科目で能力を発揮し先生を驚かせる。のび太はすっかりいい気分になったが、それを見たドラえもんは「ぼくなんかいなかったほうが……きみのためにはよかったかもしれない」と言い残してこの場を立ち去った。


のび太の様子に腹を立てたジャイアンスネ夫はのび太を野球でしごこうとするが、それに対してものび太は「野球選手」のカセットでファインプレーを見せ、ジャイアンとスネ夫を困惑させる。さらにのび太は「奇術士」「歌手」のカセットで皆の注目を集めたが、「ジャイアンの歌なんか問題じゃないぞ」という言葉にジャイアンが「俺の歌なんかだと!?」と激怒。スネ夫と共に襲いかかるが、「強い人」のカセットで撃退された。


「このカセットがあるかぎり、ぼくはなにをしても超一流なんだ!」と有頂天になったのび太は、そこでケースの奥にあった「考える人」というカセットを身につける。


そこでのび太は土管に座って考え始めると、カセットの力で活躍した自分自身も、相変わらずダメなままだとむなしさを感じるようになる。そしてのび太は、ドラえもんのことを思い出して、いつまでも子どものままじゃいられないからドラえもんともいつかは別れる日が来ることを感じる。


「わかってるんだよ、このままじゃいけないってことは……。

しかし、何度決心しても、ズルズルと元へもどっちゃうんだよな……。

でも、やっぱり努力はしなくちゃいけないんだよな。あきらめずにな。」


そしてのび太は、ドラえもんに自ら能力カセットのセットを返すことを決めた。


備考

  • 「小学六年生」3月号の「ドラえもん」には、小学校を卒業する読者に向けて、のび太の将来や人間的な成長をテーマにした話が掲載されることが多かった。他にも「りっぱなパパになるぞ!」「あの日あの時あのダルマ」などの例があるが、この話もこの典型といえるだろう。
  • このエピソードは何度かテレビ化されているが、原作のカセットがディスクに変更されている回もある。

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