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おぞましい二人

おぞましいふたり

エドワード・ゴーリーの大人向け絵本。実際に起こった連続誘拐殺人事件を元にした、子供を誘拐して殺す「おぞましい夫婦」の物語。 ゴーリーの著書の中で唯一、彼がどうしても書かずにいられなかったという作品。

『おぞましい二人』(英: The Loathsome Couple)は、絵本作家のエドワード・ゴーリーによるアメリカの絵本。1977年刊行。日本では柴田元幸の訳により2004年に発行された。

殺害シーンなどの残酷な場面は描かれず、子供を次々に誘拐して殺すという、おぞましい夫婦の一生を短く淡々と無気味に描いている。



1960年代にイギリスで現実に起きた、二人の男女が4年にわたり5人の子供を残虐に殺して荒野(ムーア)に埋めていた「ムーアズ殺人事件」をもとに描かれた。

「もう何年も本の中で子供たちを殺してきた」と自ら言うゴーリーが、この現実に起きた悲惨な事件によって心底動揺させられ、描いたのが本書である。 実際の執筆に際してはゴーリー自身、書くことへの躊躇と書きたいという気持ちを長らく繰り返し、原稿の前で長い間を過ごしたという。



あまりに悲惨な内容のために、発売当初は各書店から「こんなものを置けるか!」といった非難が続出し、返品の山が築かれた上、アメリカの読者からも多くの反感を買った。

日本語訳担当の柴田元幸は、日本版発行以前に東京都と大阪府のクレヨンハウスで本作を紹介し、本作の日本での出版について意見を募ったところ、東京では反対が多く、大阪はほとんどが賛成だったというエピソードがある。

物語(ネタバレ注意)

ハロルド・スネドリーは、5歳にして病気の小動物を叩き殺しており、成人後は頻繁に本屋でポルノ本を万引きしていた。

モナ・グリッチは酒浸りの両親のもとに産まれ、成人後は装身具売りの職につき、売り物にすぐ痛むよう細工をしていた。

自己啓発協会主催の十進法の害悪をめぐる講演会で、似た者同士のこの2人の男女は出逢い、犯罪映画を見るなど交際をするようになり、やがて共に暮らし始めた。


やがて2人は一生をかけた仕事として殺人を計画し、数か月かけた計画の末、1人の子供を家に誘って、一晩かけて殺害し、土に埋めた。

翌朝、コーンフレーク、糖蜜、カブのサンドイッチ、合成着色のグレープソーダ※1のつましい食事した後、殺した子供の写真をアルバムにおさめた。

その後も2年をかけて3人の子供を殺害した。どのときも最初のときほど胸が高まりはしなかった。

やがて四月のある日、ハロルドが殺した子供のスナップ写真を落としたことで罪が明らかになり、2人は裁判にかけられた。

罪状は有罪だが精神疾患と診断され、2人は精神病院に入れられ、別れ別れとなった。


ハロルドは43歳で持病の肺炎により死亡。

モナは生涯の大半を壁の染みを舐めながら過ごし、80歳を過ぎて死亡した。


※1.ゴーリーはこれを「思いつく限りの最低のメニュー」と語っている

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