概要
フリーダムガンダムの翼を全開にし、全ての武器を一斉発射する状態。
『G』で言うところの石破天驚拳、『W』で言うところのツインバスターライフルのような、機体を象徴する必殺技となっている。
マルチロックオンシステムは最大40機を同時にロックオンすることが可能であり、その使用時は並外れた空間認識力を必要とする。それ故にアスランやキラのような超人的な操作技術が必要となり、後者はコックピットを外して撃つという離れ業まで行えた。
勘違いから生まれたもの?
大河原邦男による設定では全ての翼を放射状に広角展開する姿の「ハイマットモード」と、ウイングは縦並列させたままクスィフィアスとバラエーナを同時展開する「フルバーストモード」の2種類しか存在していない。
このハイマットフルバーストは2002年TVアニメ放送版の第35話における演出で見せたものなのだが、
よく見ると該当シーンですら
「翼を全開にしていないパースが効きまくったフルバーストモード」である。
(要するにフリーダムにおける勇者パースや、類似するポーズという考え方でよい)
当然、見栄えとしてはフリーダムガンダムの「必殺技」になりえる、一番印象に残りやすい画ではあるため、ファンからは立体物での再現が強く望まれ、2004年にはバンダイがMGにおいて、バラエーナ基部に横回転軸を追加することで再現。
ただし輝き棒と同じく勘違いされた結果追加されたものであり、
「MGの説明書で初めてハイマットフルバーストという単語が登場している」ということも、注意しなければならない
現在、各配信サイトなどで見られるSEEDのHDリマスター版では、このハイマットフルバーストに沿った、全開の翼の状態で書き直されているため、この技(のようなもの)がなくなるといった心配はしなくてよい。
このハイマットフルバーストに限らずガンダムを含めたロボット作品は後付けの追加機能が珍しくないが、機体の代名詞の一つとなったのは珍しいケースと言えるだろう。
尚、実は公式設定において「ハイマットフルバースト」という呼称は存在しない(同形態もフルバーストモードと一絡げにされるのが通例)。そもそもこの造語は「ホビージャパン」や「電撃ホビーマガジン」といった模型誌において使われ始めたものがファンの間で浸透したのだが、MGフリーダム発売時の広告でも記載されていたり、ゲーム「ガンダムトライエイジ」での必殺技名に設定されている点を見るに半公認なのかもしれない。
また、人気ソシャゲであるモンストとコラボした際にも、フリーダムガンダムのSSとして「ハイマットフルバースト」が設定されている。その演出はかなり凝ったものになっており、
↓
動き回った後、マルチロックオンシステムでボスをロックオン
↓
一斉発射
という流れになっている。しかもSS発動中はアイコンのキラの目が種割れ状態になる特別仕様。
類似
「全兵装一斉射撃」というガジェットは見栄えが良いためか、ロボット作品では度々散見される。1975年の特撮映画『メカゴジラの逆襲』ではメカゴジラが全兵装の砲撃でゴジラを苦しめ、1980年の『伝説巨神イデオン』では全方位ミサイル一斉射撃を見せている。1997年の『勇者王ガオガイガー』ではキングジェイダーがビームの斉射を見せた。ガンダムシリーズでは1997年の『新機動戦記ガンダムW Endless Waltz』において地球降下後のガンダムヘビーアームズ改が見せた全砲門攻撃が印象深い。だが、フリーダムのハイマットフルバーストに最も近いのは2000年の『GEAR戦士電童』に登場する電童のフェニックスエール装着形態であろう。無制限のエネルギーや放射線状の羽根、そこから複数のビームを発射する等共通点が多いし、何より監督が『SEED』と同じ人である。