この旅が、いつか群星に辿り着かんことを
諸元
概要
miHoYoによる第5作目のゲームとして新たに展開する、「新世代オープンワールド型コマンドRPG」。
2021年10月に初回目βテストが開始され、以降は二回目βテストを2022年5月に、三回目(ファイナル)βテストを2023年3月に、それぞれ終えている。
2023年4月26日に正式配信開始。
タイトルに共通点がある『崩壊学園』『崩壊3rd』に続く「崩壊シリーズ」第三弾であり、そのどちらとも違う、人類が宇宙進出の技術を得たパラレルワールドを舞台としている事が明言されている。
ジャンルとしてはスペースオペラの部類にあたり、プレイヤーは銀河を駆ける「星穹列車」の新たな乗車員として、まだ見ぬ世界を切り開くべく、様々な文明が点在する宇宙の星々を巡る事になる。
ゲームシステム
メニューやガチャ、探索などのシステムは、同社作である『原神』のものをベースにし、後に本作独自の様式へと改良を加えている。
システムは半オープンワールド形式のフィールドを移動し、敵とエンカウントするとコマンド式のターン制バトルに移行するというもの。
今までのように戦闘でリアルタイムアクションを用いる事はないが、逆にそういったものが苦手な人にはとっつきやすい。
さらにオートバトルや戦闘速度2倍にも設定できるので、ガッツリとプレイする時間が無い人にとってはありがたい仕様となっている。
開拓力(スタミナ)の回復周期は1ポイントあたり約6分、所持上限は180、0から最大までに必要な時間は約18時間。そのため他の崩壊シリーズや原神と比較してスタミナが溢れやすいので、通勤・通学中の移動時間や昼休みなどにログインしてこまめに消費させると良い(無論即座に回復させるアイテムもある)。
各キャラにはそれぞれ「属性」と性能傾向を表す「運命」が設定されており、武器システムに相当する「光円錐」の種類や使用技(スキル)は後天的にカスタマイズすることは出来ない。
属性 | 説明 |
---|---|
炎 | 敵に持続炎ダメージを与える"燃焼"状態が得意 |
氷 | 敵を1ターン行動不能にし、持続氷ダメージを与える"凍結"状態が得意 |
風 | 敵に持続風ダメージを与える"風化"状態が得意 |
雷 | 敵に持続雷ダメージを与える"感電"状態が得意 |
物理 | 敵に持続物理ダメージを与える"裂創"状態が得意 |
量子 | 敵の行動順を遅延し、持続量子ダメージを与える"もつれ"状態が得意 |
虚数 | 敵の行動順を遅延し、速度も低下させる"束縛"状態が得意 |
運命 | 説明 |
---|---|
壊滅 | 耐久アタッカー。殴り合いの継戦能力に長ける |
虚無 | デバッファー。敵に弱体効果を与える |
巡狩 | 単体アタッカー。与ダメージの追及に優れる |
存護 | タンク。高い生存力をもって味方を防護する |
知恵 | 全体アタッカー。スキルや必殺技の消費による範囲火力に秀でる |
調和 | バッファー。味方に支援効果を与える |
豊穣 | ヒーラー。味方を回復させるRPGの必須ポジション |
また、各キャラクターごとに「軌跡」(スキル、原神で言う「天賦」)と「星魂」(キャラ凸、原神で言う「命ノ星座」)があり、特に「軌跡」は原神より多い傾向となっている。
なお原神とは違い、フィールド上にプレイアブルキャラが常在し、会話することが出来る(無論シナリオ進行中はその限りではない)。
また、ストーリー中の会話はリップシンク(キャラの口パクとボイスを同期させる技法)対応となっており、二回目βテストの時点で既に日本語版に対する口の動きの完全同期が実現されている。
キャラクター
詳細はスターレイル登場キャラクター一覧を参照
プラットフォーム
iOS、iPad OS、Android、Windows、PlayStation(予定)に対応する。
iOS版の最低対応バージョンはiOS10、推奨バージョンはiOS12以上。iPhone8Plus以降(A11 Bionic以上のチップを搭載する機種)が推奨端末とされている(原神、崩壊3rdと同じ)。
バージョン履歴
リリース日 | バージョン | タイトル |
---|---|---|
2023/4/26 | Ver1.0 | 星々へ続くレイル |
2023/6/7 | Ver1.1 | 銀河漫遊 |
関連イラスト
余談
事前ダウンロード数世界記録達成
- スマホアプリデータ統計サイトの観測情報によれば、2023年4月23日に事前ダウンロードが開始されてから僅か一日後の4月24日に、IOS端無料ゲームアプリのダウンロード数ランキング1位に全世界計114か国で同時到達という、ゲーム史上前代未聞の記録が達成されている。
リリース日の話題
- 正式リリース日は2023年4月26日であるが、実はこの日は「中国鉄道の父」と呼ばれている詹天佑の生誕日でもあり、「鉄道」をコンセプトにした本作にとっても別の意味で重要な記念日と言える。
- また、現在の中国ではグレゴリオ暦と旧暦を併用しているが、グレゴリオ暦の2023年の「4月26日」は実はちょうど旧暦の「三月七日」でもある。なんともロマンのある偶然である。
SF名作由来のネタ・オマージュ
- 本作の世界観はサイエンスよりもファンタジーに偏ったものであるが、所々にSF名作に対するオマージュや、SFファンにのみ分かるようなネタ要素が多く詰め込まれており、制作側のSFに対する情熱の凄まじさが感じられる。
- 映画の他に、作中の多々あるアチーブメント名の多くはSF小説から取ったもの。
軽く挙げるだけでも、以下の例が見られる:
アチーブメント名 | 元ネタとなったSF作品 |
---|---|
子供時代の終わり | アーサー・C・クラークのSF小説『幼年期の終わり』 |
1:4:9 | アーサー・C・クラークのSF小説である『2001年宇宙の旅』に登場する「モノリス」 |
失楽した世界 | アーサー・コナン・ドイルのSF小説『失われた世界』 |
愛する時間はたっぷりある | ロバート・A・ハインラインのSF小説『愛に時間を』 |
銀河系乗客ガイド | ダグラス・アダムズのSF小説『銀河ヒッチハイク・ガイド』 |
群星、我が帰る場所 | アルフレッド・ベスターのSF小説『わが赴くは星の群』 |
破壊された人間 | アルフレッド・ベスターのSF小説『破壊された男』 |
451°F | レイ・ブラッドベリのSF小説『華氏451度』 |
ディラック海のさざ波 | ジェフリー・A・ランディスのSF小説『ディラック海のさざなみ』 |
クラーラと太陽 | 石黒一雄のSF小説『クララとお日さま』 |
人造カタツムリは電気樹の夢を見るか? | フィリップ・K・ディックのSF小説『アンドロイドは電気羊の夢を見るか?』 |
※なお、上記の他に(SF小説ではないが)宮沢賢治の童話『銀河鉄道の夜』が姫子の光円錐の名前になっている。
そして星穹列車も、国内外でも高名な漫画家・松本零士の代表作のひとつである「銀河鉄道999」に登場する999にも雰囲気が似ている。
※不幸にも運営開始の2023年4月26日より前の2月13日に氏は亡くなっており、存命されている内に運営開始していたらどう思われるだろうかと悔やまれるファンも存在する。
製作スタッフのJRPGに対する熱い情熱
開発メンバーの多くは本作で採用されている「ターン制のコマンドバトルRPG」というゲームジャンルのファンであり、本作のプロデューサーであるDavid Jiang氏は「本作は日本のRPGに強く影響を受けている」と公言している。
その中でも株式会社アトラスが制作する女神転生シリーズの派生作品「ペルソナシリーズ」の戦闘システムにかなり影響を受けており、プロジェクト立ち上げ当時の最新作であるペルソナ5が「自分たちがターン制RPGを作る上での目標」だったと言う。その為ペルソナシリーズは開発チーム内にもプレイヤーが多い。
なんと、David氏の送った手紙によってアトラスのペルソナシリーズディレクターとの対談を実現させた
またDavid氏は日本ファルコム開発の英雄伝説シリーズの現行作「軌跡シリーズ」の大ファンでもある。その中でも一番思い入れのあるタイトルは、軌跡シリーズに触れるきっかけとなった「零の軌跡」であり氏が使用しているチャットアプリのアイコンも10年間零の軌跡の登場キャラの「ティオ・プラトー」から変えていないという。