概要
正露丸とは、日局木クレオソートを主成分とした丸薬。
軟便、下痢、食あたり、水あたり、はき下し、くだり腹、消化不良による下痢、虫歯痛に効果を発揮する。
当初はそのまま「クレオソート丸」だったが、日露戦争の際にロシア討伐の意味を込めて「征露丸」という名称が広まった。
戦後は「正露丸」に修正され大幸薬品が商標登録していたが、普通名称化したため商標権が無効になった。そのため各社とも正露丸の名称で同様の商品を売っている。
ラッパのマークとCM曲で有名だが、大本は軍隊で使用されていた信号ラッパが由来。
小話
独特の匂い
木クレオソートに由来する独特の刺激臭を持つ。このため最初に導入された帝国陸軍でもなかなか浸透しなかったが、上層部が天皇陛下の名を借りて一気に浸透させた結果、効力が信頼され常備薬としての地位を確立させた。
虫歯と正露丸
実は虫歯に正露丸を詰める事で一時的に痛みを抑える事が可能。これは製造元が公式に発表している使い方である。
というのも「木クレオソート」という正露丸の成分の一つが、虫歯の神経に対する鎮痛作用があるからである。
ただしあくまでも 一時的な応急処置に過ぎないので、すぐに歯科へ行きましょう。
正露丸でしのいでいると取り返しのつかない事になります。
「クレオソート」の誤解
良く「クレオソートは危険物質」といって正露丸を買い控えるよう求める声を上げる者がいるが、大概は主成分の「木クレオソート」とタールから生成される防腐剤「クレオソート油(石油クレオソート)」を混同している。両者は名前こそ似ているが全くの別物である。
「木クレオソートもまた劇薬である」と食い下がる者もおり、事実薬としては強い効力を発揮する成分だが、そんなことを言ったら世に出ている医薬品のほとんどは劇薬扱いになってしまう。濫用を避け用法用量を守って服用すれば、大抵の場合薬は悪さをしない。用心して飲まないのは個人の自由だが、それを他人にまで強制してはならないと心に留めておこう。
関連タグ
ビューグル - パッケージに描かれている信号らっぱ。セットで流れているテーマ曲は旧日本軍の日課号音「食事」である。
DHMO - クレオソートを巡る議論でよく引用される。